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最終章 最高の逆転劇
68話 容疑者は俺!?
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その道中、話を聞くと、どうやら村のもめごとというのは、誰かが村長の家から梅干しを盗んだことに起因するらしい。
「たかが梅干しで?」
俺は思わずそう口走ってしまった。
いや、梅干しだろうとカエルのへそだろうと、人のものを盗むのは良くない。良くないが、梅干しで村人たちが揉めるのはどうも割に合わないような気がした。盗む方はボールペンを盗むために大英博物館に忍び込むようなものだし、大騒ぎする方だって、爪楊枝をめぐってサラリーマンが喧嘩するようなものだ。
「とんでもありません!! 梅干しは私たちにとって神聖で重大な食べ物なんです」
ミーノは真剣な顔つきで言った。
「そうなのか?」
「梅干しがなかったら私たちの生活は成り立ちませんよ!!」
ミーノはピンと来ていない俺に梅の重要性を教えてくれた。
どうやらミーノの村では、梅の開花によって長い冬の終わりを知るらしく、梅の花が咲いた時期を基準に、種もみを水に浸す日を決めるとか。他の作物を植える時期もすべて梅の開花を基準に計算するらしい。
その梅の木から収穫した梅の実は村で平等に分けられ、各家庭で塩漬けにされる。梅干しは一年間、大切に使われ、塩と混ぜてスープを作るのに使ったり、夏のお弁当が腐らないように防腐剤代わりに使用したりするという。
村の豊作を左右し、長期保存ができる食べ物にもなるということで、梅の木の恩恵はすさまじいそうだ。
そのためこの村では梅は女神アオイの化身としてあがめられている。アオイはこの地では豊穣をつかさどる神でもあるらしい。アオイには会ったことがあるが、俺を異世界に寄越しただけだから、空港の受付みたいなものだと思っていたが、あれでいて中々偉いようだ。
とはいえ、俺の身体を消化管上下逆につけるような間抜けな女神よりかは、梅の方がよほど上等だろう。
その大事な梅干しが村長の家から盗まれたようなのだ。
「村の一人がアイツは犯人じゃないかって、以前から仲が悪かった一人を名指ししたんです。すると、その人がそれに反発して、それを言うならお前が怪しいって言いだして、それがどんどんエスカレートしていって、ついには大喧嘩になったんです」
「はあ、なるほど」
最初は村長の家でひっそりと行われた話し合いが、やがて蹴る殴るの大喧嘩になって、二人は掴みあったまま、村長の家の扉を破って外になだれこんだそうだ。
「結局、私たちが総出でその二人を止めに入ったんですけど、またその二人が物凄い馬鹿力で、止めに入った皆を投げ飛ばしたり、突き転がしたりでもう大変だったんです」
「ははは、良いじゃないか。高みの見物って、喧嘩も安心なところから見る分には面白いもんだ」
「何が安心なことですか!! ヤグラ君は容疑者のうちの一人なんですよ」
「え? なんで、俺が? 俺なんもしてないよ」
突拍子もない展開になった。
俺は今日、王都からこの街道まで来た。ここ三日はシリンキ村にも訪れていない。アリバイはあるし、目撃者もいようはずがない。俺は疑われるようなことは何一つしてないのだ。
「しててもしてなくても同じことです。だって、ヤグラ君は、ここ二月の間に村に出入りするようになったでしょう? 私の家で寝泊まりすることもあるから、私とパーティーを組んでる冒険者だってことは皆知ってますよ。でも、やっぱり村の皆からすればヤグラ君はよそ者だから」
ミーノは決まり悪そうに目を反らした。
「え、じゃあなに? 俺が犯人ってことにされてるの?」
まさか俺が容疑者になっているとは!!
「たかが梅干しで?」
俺は思わずそう口走ってしまった。
いや、梅干しだろうとカエルのへそだろうと、人のものを盗むのは良くない。良くないが、梅干しで村人たちが揉めるのはどうも割に合わないような気がした。盗む方はボールペンを盗むために大英博物館に忍び込むようなものだし、大騒ぎする方だって、爪楊枝をめぐってサラリーマンが喧嘩するようなものだ。
「とんでもありません!! 梅干しは私たちにとって神聖で重大な食べ物なんです」
ミーノは真剣な顔つきで言った。
「そうなのか?」
「梅干しがなかったら私たちの生活は成り立ちませんよ!!」
ミーノはピンと来ていない俺に梅の重要性を教えてくれた。
どうやらミーノの村では、梅の開花によって長い冬の終わりを知るらしく、梅の花が咲いた時期を基準に、種もみを水に浸す日を決めるとか。他の作物を植える時期もすべて梅の開花を基準に計算するらしい。
その梅の木から収穫した梅の実は村で平等に分けられ、各家庭で塩漬けにされる。梅干しは一年間、大切に使われ、塩と混ぜてスープを作るのに使ったり、夏のお弁当が腐らないように防腐剤代わりに使用したりするという。
村の豊作を左右し、長期保存ができる食べ物にもなるということで、梅の木の恩恵はすさまじいそうだ。
そのためこの村では梅は女神アオイの化身としてあがめられている。アオイはこの地では豊穣をつかさどる神でもあるらしい。アオイには会ったことがあるが、俺を異世界に寄越しただけだから、空港の受付みたいなものだと思っていたが、あれでいて中々偉いようだ。
とはいえ、俺の身体を消化管上下逆につけるような間抜けな女神よりかは、梅の方がよほど上等だろう。
その大事な梅干しが村長の家から盗まれたようなのだ。
「村の一人がアイツは犯人じゃないかって、以前から仲が悪かった一人を名指ししたんです。すると、その人がそれに反発して、それを言うならお前が怪しいって言いだして、それがどんどんエスカレートしていって、ついには大喧嘩になったんです」
「はあ、なるほど」
最初は村長の家でひっそりと行われた話し合いが、やがて蹴る殴るの大喧嘩になって、二人は掴みあったまま、村長の家の扉を破って外になだれこんだそうだ。
「結局、私たちが総出でその二人を止めに入ったんですけど、またその二人が物凄い馬鹿力で、止めに入った皆を投げ飛ばしたり、突き転がしたりでもう大変だったんです」
「ははは、良いじゃないか。高みの見物って、喧嘩も安心なところから見る分には面白いもんだ」
「何が安心なことですか!! ヤグラ君は容疑者のうちの一人なんですよ」
「え? なんで、俺が? 俺なんもしてないよ」
突拍子もない展開になった。
俺は今日、王都からこの街道まで来た。ここ三日はシリンキ村にも訪れていない。アリバイはあるし、目撃者もいようはずがない。俺は疑われるようなことは何一つしてないのだ。
「しててもしてなくても同じことです。だって、ヤグラ君は、ここ二月の間に村に出入りするようになったでしょう? 私の家で寝泊まりすることもあるから、私とパーティーを組んでる冒険者だってことは皆知ってますよ。でも、やっぱり村の皆からすればヤグラ君はよそ者だから」
ミーノは決まり悪そうに目を反らした。
「え、じゃあなに? 俺が犯人ってことにされてるの?」
まさか俺が容疑者になっているとは!!
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