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最終章 最高の逆転劇
77話 あの言い訳は高くついた!!
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結局、俺の手拭いは見つからず、ミーノと話している間も手で口を覆っていた。
隙を見て、鞄の中から替えの手拭いを出して口に巻いたので、差し迫った問題は解決したが、ずっと使っていた手拭いは見つからずじまいだった。
どんなものでも使っているうちに愛着がわいてくるものだ。俺としては、このまま失くしてしまうのは惜しい気がしたが、一日が始まると、手拭いを探す余裕はなかった。
その日は、グランジャイナの尻尾を干し終えたので、ミーノと王都に向かい、ギルドに提出して帰ってきた。
討伐クエストは初めてだったので、冒険者ランクもあがり、難易度の高いクエストも受注できるようになる。このまま冒険者ランクをあげていけば、魔界への遠征軍にも参加できるという話らしいが、それはもうずっと先のことだろう
以前は、一度クエストをこなすと、次の日取りを決めて、別れることになっていた。
ミーノは弟たちにお土産を買ってシリンキ村に帰る。
俺は王都に残り、安い宿屋に泊まり、酒場で酒を飲んだり、市場や屋台を覗いたりする。運よく、王宮から退城したコフネさんに会えば、そのまま二人で酒場を回る。俺に友だちと言える存在がいるとすれば、コフネさんくらいだ。
ミーノは酒が飲めないし、年が年だけにあちこち連れまわすわけにもいかない。その点、コフネさんは偏屈な学者肌だから、緊張することもない。
しかし、その日は報奨金を受け取ると、俺もミーノと連れ立ってシリンキ村に戻った。
ミーノは俺に梅干しを弁償させるため、竹を節で切って、平たい穴を開けた貯金箱を作ってくれていた。その中に報奨金を半分入れると、ほとんど一回の飯代しか残らなかった。
俺はこれからやってもいない罪を弁償していかなければいけないようだ……。
まったく、あの言い訳は高くついた!!
「今日は物を盗りたくてウズウズしましたか?」
「ミーノがそばにいてくれたおかげでならなかったよ」
「でしょ、でしょ。やっぱり理解者がそばにいてくれるだけで、相談したり、気を紛らわせたりできますもんね」
「だな」
俺は座布団の紐をひねりながら言った。嘘の病気のことで、心配されたり、気を使われたりしても、実際には困っていないのだからイマイチ身が入らない。とはいえ、あまり気が抜けていると、愛想を尽かされるから、五回に一回くらいはこれこそが梅干し泥棒だというところを見せなきゃいけない。
俺は早くも二重生活が嫌になってきた。
それでもミーノが本気で俺を更生させようとしてくれるのはありがたかった。
「今日はもうたくさん歩いて疲れたし、さっさとお風呂に入って寝ちゃいましょう」
「そうだな」
「駄目ですよ。返事だけしてじっとしてちゃ。さ、準備してください」
「何? 一緒に入るのか」
俺はミーノの顔を見た。さすがにお風呂まで一緒はまずいと思った。
「当然です。私がお風呂に入っている間に、ヤグラ君の病気の虫が起きだすとも限りません」
ミーノは可能な限り、俺の側から離れないようにしていた。
結局、俺の手拭いは見つからず、ミーノと話している間も手で口を覆っていた。
隙を見て、鞄の中から替えの手拭いを出して口に巻いたので、差し迫った問題は解決したが、ずっと使っていた手拭いは見つからずじまいだった。
どんなものでも使っているうちに愛着がわいてくるものだ。俺としては、このまま失くしてしまうのは惜しい気がしたが、一日が始まると、手拭いを探す余裕はなかった。
その日は、グランジャイナの尻尾を干し終えたので、ミーノと王都に向かい、ギルドに提出して帰ってきた。
討伐クエストは初めてだったので、冒険者ランクもあがり、難易度の高いクエストも受注できるようになる。このまま冒険者ランクをあげていけば、魔界への遠征軍にも参加できるという話らしいが、それはもうずっと先のことだろう
以前は、一度クエストをこなすと、次の日取りを決めて、別れることになっていた。
ミーノは弟たちにお土産を買ってシリンキ村に帰る。
俺は王都に残り、安い宿屋に泊まり、酒場で酒を飲んだり、市場や屋台を覗いたりする。運よく、王宮から退城したコフネさんに会えば、そのまま二人で酒場を回る。俺に友だちと言える存在がいるとすれば、コフネさんくらいだ。
ミーノは酒が飲めないし、年が年だけにあちこち連れまわすわけにもいかない。その点、コフネさんは偏屈な学者肌だから、緊張することもない。
しかし、その日は報奨金を受け取ると、俺もミーノと連れ立ってシリンキ村に戻った。
ミーノは俺に梅干しを弁償させるため、竹を節で切って、平たい穴を開けた貯金箱を作ってくれていた。その中に報奨金を半分入れると、ほとんど一回の飯代しか残らなかった。
俺はこれからやってもいない罪を弁償していかなければいけないようだ……。
まったく、あの言い訳は高くついた!!
「今日は物を盗りたくてウズウズしましたか?」
「ミーノがそばにいてくれたおかげでならなかったよ」
「でしょ、でしょ。やっぱり理解者がそばにいてくれるだけで、相談したり、気を紛らわせたりできますもんね」
「だな」
俺は座布団の紐をひねりながら言った。嘘の病気のことで、心配されたり、気を使われたりしても、実際には困っていないのだからイマイチ身が入らない。とはいえ、あまり気が抜けていると、愛想を尽かされるから、五回に一回くらいはこれこそが梅干し泥棒だというところを見せなきゃいけない。
俺は早くも二重生活が嫌になってきた。
それでもミーノが本気で俺を更生させようとしてくれるのはありがたかった。
「今日はもうたくさん歩いて疲れたし、さっさとお風呂に入って寝ちゃいましょう」
「そうだな」
「駄目ですよ。返事だけしてじっとしてちゃ。さ、準備してください」
「何? 一緒に入るのか」
俺はミーノの顔を見た。さすがにお風呂まで一緒はまずいと思った。
「当然です。私がお風呂に入っている間に、ヤグラ君の病気の虫が起きだすとも限りません」
ミーノは可能な限り、俺の側から離れないようにしていた。
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