最後の言葉

青葉

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本気の本気

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ある日、私は風邪を引いてしまった。

(はぁ、坂田くんに会えないのか…。)

熱は上がり、目眩がする。

お母さんに寝てろと言われ、
静かに横になった。

考えることはもちろん坂田くんのことだった。

(一日会えないだけでこんなにも苦しいなんて…。)

私はそのまま眠りについた。

「……。」

しばらくすると、話し声が聞こえてきた。

「…清久美?大丈夫か?」

そこには坂田くんの姿があった。

「…!?ど、どうしてこ、ここに坂田くんがいるの?」

私は起き上がろうとしたが、体が動かなかった。

「いいから寝てろ。
さっきそこで、お前の母さんに会ったんだ。
風邪引いたんだろ?今日はゆっくり寝てろ。」

坂田くんはそう言うと、頭を優しく撫でてくれた。

私は涙をこらえきれなかった。

「…っ。ありがとう。私ね。
坂田くんのこと好きだよ。
大好きなの。坂田くんが引っ越したあと、
辛くて何も考えられなかった。
だからね、もう遠くに行かないで…。
私…これ以上離れたら…
さみしくて死んじゃう…。」

私は朦朧とした意識の中で告白した。


すると、坂田くんは優しくおでこにキスをしてくれた。

「バカやろう。俺はもうとっくにお前のもんだよ。俺だってお前のこと…好きなんだよ。」

私はゆっくりと体を起こした。

「ほんとに?もう、どこにも行かない?」

すると、坂田くんはゆっくり真剣に頷いた。

「俺と付き合ってください。清久美。」

私は頷いた。
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