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第十五話 研ぎ澄ませ!
しおりを挟むそしてそれから一週間が経ち、たくみは習得するどころか大苦戦に陥っていた。
力をためる技は、初心者でもできる技ではない。実は中級難度の技である。力をためるというと、身体からオーラが溢れだすのが主流だが、たくみのような他の世界から来たものは、その感覚がほぼないと言って良いだろう。
ただ、一つ言えるのは他の世界のものが身に付けた場合、『未知数の覚醒』をする者がいる……ということだけだ。
「たくみ、どうだ?力の感覚は掴めたか?」カミルトンがたくみに問いかけた。
「いや、まだだ……どうしたら感じることが出来るんだっ!」たくみは正直、諦めかけていた。
「たくみ、もう一度だ。次で掴めないなら、アレを試してみよう。」カミルトンは不適な笑みを浮かべながらたくみにそう言った。
「よし、いくぞ!うおおおおおーーーー………、クッ……やっぱ上手くいかねー。頼むカミルトン、アレを試してくれ。」
「分かった、おまえがそこまで言うならそうしよう。ロゼウ、準備はいいか?」
「うん、いつでも行けるよ。」と、ロゼウはたくみの方を向いて力をため出した。
「ちょっ……、ちょっと待てよ。カミルトン、何のつもりだ?」
「へっへっへ……、おまえを驚かす気じゃなかったんだが、これが最善の方法だ。このまま何の収穫も得られない特訓を積んでも、あと三週間で習得できるとは思えねぇーからさ。」
「だとしても、これしか無いのかよ。」
「ハッハッハ……、安心しろ死にはしないさ。ただ骨が二、三本折れるかもな。この手段をとることで身体の中で力の流れを感じることが出来る。まあ、要はロゼウの力にお前の中の力が共鳴することで目覚めるということだ。」
「それしかないなら、やるしかない。また、トルタナに会うために、そして誰にも負けない戦士になるために、俺は………やるぜっ!」
「よし、その粋だ。ロゼウ、頼んだ。」
「はい、父上。たくみさん、行きますよ。」
「ああ、どんとこい。ロゼウーー。」
「ハアーーッ……」とロゼウが力のオーラに包まれた。沸々とオーラはロゼウの身体に蓄積されていった。「行きます!昇撃『フォースインパクト』ッ……。」
シュゴオオオオオ……ッ…バーーーーン
ロゼウのフォースがたくみに直撃した。防御魔法を持っていないたくみは、その瞬間百メートル程飛ばされてしまい、気を失ってしまった。
「ロゼウ、少しやり過ぎたかもな。加減の仕方はまだ教えてなかったしな。だがこれが、アイツの起爆剤になってくれたら良いんだが……。」
「そうなることを願いましょう、父上。」
「そうだな、アイツ本当に死んでるかもしれないから、回収しに行くぞ。」
そして、カミルトンと息子ロゼウはたくみの回収に向かった。
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