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第三十七話 不意をつかれたカフス

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 カミルトンは刀をカフスに突きつけたまま話始めた。
「さっきっからダリア、ダリア言ってるが、昔ダリアと一緒に修業してたんだけど、そんときな、御守りをもらったんだ。」

カフス「御守り?」

「あのときは二人とも若かったから、若気のいたりってやつでさ、あんときはいつ戦争になるかわからなかったからいざというときのために、身を守る魔法が入った札をもらったんだ。」

カフス「その御守りが今、どう関係するんだ?」

「この札は張った本人にとって都合のいい映像を相手に見せることができる。まぁ、簡単に言えば、そう、幻覚さ。」

カフス「いつ、そんなもの?」

「お前がただただ単調な攻撃を仕掛けて来たときだ。けっこう長い時間そうだったから、張るのは簡単だった。こうすんなり成功したのは、お前がガン飛ばしてるローウェンのお陰だけどな。アイツの策略か偶然か、お前の冷静さをかいてくれたからな。」

カフス「それで?俺はどうすれば?」

「コルドには悪いが、殺すつもりはない。ただ、殺さないかわりにお前の協力を得たい。俺たちと来い、もちろんダリアも一緒に。な!」

カフス「やらねぇーって言ったら?」

「そのときは、コルド殺しで公開処刑だ。協力するか、死ぬかだ。」

カフス「やらねぇーよ。」

「わかった。公開処刑でいいんだな?お前が決めたことだ、死にたいなら死ねばいい、だがな責任はとってもらう。この件は一度俺の中にとどめておこう。」

カフス「どういうつもりだ?俺は協力しないんだぜ。」

 カミルトンは自信ありげな顔で言った。

「いや、お前は協力を選ぶことになる。必ずな!さてと、もう向こうも決着がついてる頃だろう。それからお前には手錠と鎖を贈呈しよう。」

 それから手錠をされたカフスはカミルトンと一緒にローウェンたちのいる方へ移動する。

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