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第二章 己の居場所
六
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座敷に入ったところで、みよは左右を見回した。あいかわらず落ち着きがない。
「どうした? 何かあったか」
「いえ、何も」
「達蔵も五吉も、奥にいる。話が聞かれることはないから安心するといい」
さとと話してから五日後、蔵之介は達蔵の家にみよを呼び出した。動くには、ちょうどよい頃合いだった。
向かい合って座ったところで、蔵之介は本題に入った。
「いじめの件だが、どうなった」
「少しおとなしくなりました。ただ、女将さんはあいかわらずきつくて……」
「そのことなんだが、やはり女将はおぬしを追い出したがっているらしい。新しいお針子を雇うとかでな。空きが欲しいと思っている」
「えっ、そんな」
「心あたりはあろう」
みよはうなずいた。
「あたしが下手で、店の役に立っていないからです」
「まあ、そういうことであろうな。だとすれば、この先もつらい思いはつづくぞ」
「……どうすればいいんでしょう」
「そうだな。ここまで来たら、どうにもならぬ。見返してやればいい」
わざと蔵之介は口調を強めた。
「店を出るがいい。その上で、近江屋とは比べものにならぬ店に勤めて、見捨てたことを悔やませてやれ」
みよは目を丸くした。
「で、てきません。そんなこと。あたしみたいなお針子、いくらだって」
「そんなことはない。おぬしはできる娘だと皆、言っている」
「で、でも」
「いやいや、おぬしならできる。実は、今日は会ってみたいという方がおり、約束を取りつけてある。今から行こうと思う」
「えっ、そんな」
「まずは、見目形からだ。そんなしみったれた顔をしていては嘗められる。五吉、達蔵、来てくれ」
「ほい。待っていたよ」
障子が開いて、五吉と達蔵が入ってきた。五吉の手に化粧箱がある。
「さあ、仕上げるよ。姐さん、手伝ってくださいよ」
「ああ、まかせておき」
「あの、あの」
戸惑うみよに二人が迫っていくのを見て、蔵之介は座敷を出た。
歩みが遅くなったのを見て、蔵之介は声をかけた。
「こら、そんなに怯えていてどうする。おぬしが主役なのだから、前に出なくてどうするのか」
「でも、皆がこちらを見ていて」
「それはそうだろう。これだけ美しければ、目を惹いて当然よ」
みよは、五吉と達蔵に化粧を施されて、別人のように美しくなっていた。
伊勢白粉で白くなった顔は、あどけなさの中に、わずかな色気を漂わせるようになり、少女とも大人の女ともつかぬ微妙な味わいを生みだしていた。
そこに、あざやかな口紅が彩りを添える。
珍しく眉にも手を入れており、それが美しい眼の形を引き立てる。
垢抜けた大店の娘という風情であり、町行く男が顔を向けるのは当然と言えた。
「女は化けるというが、本当だな」
蔵之介は、みよを引き連れて、深川の町を歩いた。
途中、若い男が何人も足を止めて、みよを見ていた。縞の夏羽織を身につけた若旦那が声をかけようとしたが、それは蔵之介が追い払った。
注目を集めながら、二人が赴いたのは霊巌寺の茶屋だった。はじめてみよと逢った場所で、同じ所に腰を下ろす。
すぐに二人の横に、男女が姿を見せる。
一瞬、みよの顔が強ばった。男に見覚えがあったのだろう。
「ああ、大丈夫だ。この方たちは敵ではない」
蔵之介は、二人がある大名の家臣と女中であると伝えた。二人はみよをつけていたが、それには理由があった。
「おぬしを針子として迎え入れたいとのことだ。近江屋でもめていることを聞きつけたようでな。声をかける機会をうかがっていたとのことだった。最初はそちらの家臣の方だけだったが、それでは驚かせるのではないかということで、奥向きの方にも来てもらったそうだ」
「じゃあ、あたしの後をつけていたのは」
「この方だが、悪気はなかったということだな」
黒の羽織を着た武士は丁寧に頭を下げると、名を名乗り、みよを迎え入れたい旨を伝えた。近江屋を通さなかったのは断られるのを怖れていたからで、直に話をして説得したいと考えていたようである。
二人は切々とみよのよさを語った。
とりわけ、駿河屋に収めた打掛のことになると饒舌で、あれを見た姫がぜひともみよに自分の晴れ着を仕立てて欲しいと申し出たらしい。
褒める言葉を並べてもらって、みよは呆然としていた。自分のことだとは思えなかったようで、蔵之介がうながさなかったら、ろくに返事もできなかったであろう。
二人が去った後も、みよはまだ目線が泳いでいた。
「信じられぬか。二人の話を」
「はい。というか、よくわかりません。なんで、そんなにと」
「おぬしの仕事が優れていたということだろう。胸を張っていいのではないか」
「よく……わかりません」
みよはうつむいたが、その表情は以前とは違っていた。
胸の奥底に芽生えはじめた自信が、わずかながらではあるが、力強さを与えていた。それが化粧した顔と重なり、これまでにない輝きを生みだしている。
ようやく、みよは踏み出しつつある。後は最後の仕上げだ。
「よし。では、行くか。少し歩くぞ」
「どこですか」
「近江屋だよ」
絶句するみよを引っぱって、蔵之介は茶屋を離れた。
さすがに平松町は遠く、休んだこともあってたどり着いたのは未の刻を過ぎてからだった。一刻近くかかったことになる。
近江屋に入ると、手代が出てきた。
みよの身体がわずかに震える。顔が強ばったところから見て、いつも彼女をいじめていた手代なのだろう。
「いらっしゃいませ。今日のどのような御用向きで。あ、そちらのお嬢様のお召し物を選びにいらしたのですか」
手代はちよに向けて笑った。彼女であるとわかっていないようだ。
通りがかりのお針子も蔵之介たちを見ていたが、娘がみよであると気づいた様子はなかった。素直に頭だけ下げて奥に入っていく。
「すまんが、女将を呼んでくれ。話はしてある」
蔵之介が告げると、手代は頭を下げて奥へ入っていく。
さとが出てくるまで、たいして時はかからなかった。
「これは辻様。わざわざのお越し、ありがとうございます」
「用事があったのでな」
彼がみよを前に押し出すと、さとは笑顔を浮かべて語りかけた。
「まあ、みよ。よく似合っているわ。化粧もきれい」
店の空気がざわと揺れる。先刻の手代は目を見開いて、みよを見ていた。
「女将さん……」
「ほう、さすがだな。わかるか」
蔵之介の言葉に、さとはうなずいた。
「もちろんですよ。毎日、顔をあわせているんですからね。綺麗になっても、あなたはあなた。見た目は変わっても、肝心なところは同じままよ」
「あ、ありがとうございます」
「着物もよく似合っている」
「これは、さとが仕立てた。秘蔵の反物を使ってな」
「えっ」
みよは息を呑んだ。
「そうなんですか」
「私もこの店に入った時は、お針子だったのよ」
さとは、袖をなでる。
みよが着ていたのは小紋の紋付無地で、裾模様は桃の花だった。艶やかな唐紅がその美しさを引き立てていた。
着た時、こんないい生地とさんざんみよがつぶやいていた逸品だ。
「厳しく鍛えられた。何度も実家に帰ってやろうかと思ったけれど、そのたびに引き留められて、いつの間にか、この家の女になってしまった。はじめて、あなたを見た時、あたしにどこか似ていると思った。だから、ちょっと厳しく当たってしまったかもねえ」
「そんなことは……」
「でも、もう大丈夫。あなたは一人前になった。どこへでも好きなところへ行くといいのよ。もう話は聞いているでしょう。あの大名の方々。きちんと挨拶してくださって、あなたを引き取りたいと言ってきた。望むのならば、そこでも……」
「いやです。そんなのいやです」
みよは首を振る。その目には涙がある。
「あたしは、ここがいいんです。ずっとずっと、ここに置いてください」
「みよ。でも、他のところにいけば、もっといいお給金が」
「そんなのは、どうでもいいんです。あたしは女将さんにいろいろ教えてもらったからこそ、こうしてお針子としてやっていけるんです。こんなに着飾ってもらえたのも、女将さんのおかげです。まだその恩を返していない。いっぱいいっぱい働いて、この店のために尽くしたい。だから、ここに……置いて……ください」
最後はかすれてしまって、言葉にならなかった。
「まあまあ。せっかく化粧したのに、もったいない」
さとはみよを抱きしめた。
「本当に欲のないことで。ここに所にいると、また叱られるよ。それでもいいのかい」
「叱ってください。ずっとずっと、あたしを見ていてください」
「そうかい。じゃあ仕方ないねえ」
さとの目にも涙が浮かぶのを見て、蔵之介は近江屋を出た。
もうこれ以上、やることはないだろう。後は、自らの手で解決していく。
いじめについても女将がうまく収めるし、みよは今までどおり近江屋で働くことになるだろう。めでたく一件、落着だ。
ふと、蔵之介は、今回の件を戯作にしてみたらと考えた。
人物が特定されないように書けば、いい人情本になるかもしれない。色気も多少は出せようと。
あらすじを考えたところで、蔵之介は頭を振った。
やはり、それはうまくない。というより美しくない。
せっかく綺麗に収まったのだから、そのままにしておくのがよい。物語には余韻が大事だ。
蔵之介は、通りすがりの飴売りから飴を買って、口に放り込む。
そこはかとない甘さが口に広がる。
小さな幸福を感じつつ、彼はゆっくり深川へと向かった。
「どうした? 何かあったか」
「いえ、何も」
「達蔵も五吉も、奥にいる。話が聞かれることはないから安心するといい」
さとと話してから五日後、蔵之介は達蔵の家にみよを呼び出した。動くには、ちょうどよい頃合いだった。
向かい合って座ったところで、蔵之介は本題に入った。
「いじめの件だが、どうなった」
「少しおとなしくなりました。ただ、女将さんはあいかわらずきつくて……」
「そのことなんだが、やはり女将はおぬしを追い出したがっているらしい。新しいお針子を雇うとかでな。空きが欲しいと思っている」
「えっ、そんな」
「心あたりはあろう」
みよはうなずいた。
「あたしが下手で、店の役に立っていないからです」
「まあ、そういうことであろうな。だとすれば、この先もつらい思いはつづくぞ」
「……どうすればいいんでしょう」
「そうだな。ここまで来たら、どうにもならぬ。見返してやればいい」
わざと蔵之介は口調を強めた。
「店を出るがいい。その上で、近江屋とは比べものにならぬ店に勤めて、見捨てたことを悔やませてやれ」
みよは目を丸くした。
「で、てきません。そんなこと。あたしみたいなお針子、いくらだって」
「そんなことはない。おぬしはできる娘だと皆、言っている」
「で、でも」
「いやいや、おぬしならできる。実は、今日は会ってみたいという方がおり、約束を取りつけてある。今から行こうと思う」
「えっ、そんな」
「まずは、見目形からだ。そんなしみったれた顔をしていては嘗められる。五吉、達蔵、来てくれ」
「ほい。待っていたよ」
障子が開いて、五吉と達蔵が入ってきた。五吉の手に化粧箱がある。
「さあ、仕上げるよ。姐さん、手伝ってくださいよ」
「ああ、まかせておき」
「あの、あの」
戸惑うみよに二人が迫っていくのを見て、蔵之介は座敷を出た。
歩みが遅くなったのを見て、蔵之介は声をかけた。
「こら、そんなに怯えていてどうする。おぬしが主役なのだから、前に出なくてどうするのか」
「でも、皆がこちらを見ていて」
「それはそうだろう。これだけ美しければ、目を惹いて当然よ」
みよは、五吉と達蔵に化粧を施されて、別人のように美しくなっていた。
伊勢白粉で白くなった顔は、あどけなさの中に、わずかな色気を漂わせるようになり、少女とも大人の女ともつかぬ微妙な味わいを生みだしていた。
そこに、あざやかな口紅が彩りを添える。
珍しく眉にも手を入れており、それが美しい眼の形を引き立てる。
垢抜けた大店の娘という風情であり、町行く男が顔を向けるのは当然と言えた。
「女は化けるというが、本当だな」
蔵之介は、みよを引き連れて、深川の町を歩いた。
途中、若い男が何人も足を止めて、みよを見ていた。縞の夏羽織を身につけた若旦那が声をかけようとしたが、それは蔵之介が追い払った。
注目を集めながら、二人が赴いたのは霊巌寺の茶屋だった。はじめてみよと逢った場所で、同じ所に腰を下ろす。
すぐに二人の横に、男女が姿を見せる。
一瞬、みよの顔が強ばった。男に見覚えがあったのだろう。
「ああ、大丈夫だ。この方たちは敵ではない」
蔵之介は、二人がある大名の家臣と女中であると伝えた。二人はみよをつけていたが、それには理由があった。
「おぬしを針子として迎え入れたいとのことだ。近江屋でもめていることを聞きつけたようでな。声をかける機会をうかがっていたとのことだった。最初はそちらの家臣の方だけだったが、それでは驚かせるのではないかということで、奥向きの方にも来てもらったそうだ」
「じゃあ、あたしの後をつけていたのは」
「この方だが、悪気はなかったということだな」
黒の羽織を着た武士は丁寧に頭を下げると、名を名乗り、みよを迎え入れたい旨を伝えた。近江屋を通さなかったのは断られるのを怖れていたからで、直に話をして説得したいと考えていたようである。
二人は切々とみよのよさを語った。
とりわけ、駿河屋に収めた打掛のことになると饒舌で、あれを見た姫がぜひともみよに自分の晴れ着を仕立てて欲しいと申し出たらしい。
褒める言葉を並べてもらって、みよは呆然としていた。自分のことだとは思えなかったようで、蔵之介がうながさなかったら、ろくに返事もできなかったであろう。
二人が去った後も、みよはまだ目線が泳いでいた。
「信じられぬか。二人の話を」
「はい。というか、よくわかりません。なんで、そんなにと」
「おぬしの仕事が優れていたということだろう。胸を張っていいのではないか」
「よく……わかりません」
みよはうつむいたが、その表情は以前とは違っていた。
胸の奥底に芽生えはじめた自信が、わずかながらではあるが、力強さを与えていた。それが化粧した顔と重なり、これまでにない輝きを生みだしている。
ようやく、みよは踏み出しつつある。後は最後の仕上げだ。
「よし。では、行くか。少し歩くぞ」
「どこですか」
「近江屋だよ」
絶句するみよを引っぱって、蔵之介は茶屋を離れた。
さすがに平松町は遠く、休んだこともあってたどり着いたのは未の刻を過ぎてからだった。一刻近くかかったことになる。
近江屋に入ると、手代が出てきた。
みよの身体がわずかに震える。顔が強ばったところから見て、いつも彼女をいじめていた手代なのだろう。
「いらっしゃいませ。今日のどのような御用向きで。あ、そちらのお嬢様のお召し物を選びにいらしたのですか」
手代はちよに向けて笑った。彼女であるとわかっていないようだ。
通りがかりのお針子も蔵之介たちを見ていたが、娘がみよであると気づいた様子はなかった。素直に頭だけ下げて奥に入っていく。
「すまんが、女将を呼んでくれ。話はしてある」
蔵之介が告げると、手代は頭を下げて奥へ入っていく。
さとが出てくるまで、たいして時はかからなかった。
「これは辻様。わざわざのお越し、ありがとうございます」
「用事があったのでな」
彼がみよを前に押し出すと、さとは笑顔を浮かべて語りかけた。
「まあ、みよ。よく似合っているわ。化粧もきれい」
店の空気がざわと揺れる。先刻の手代は目を見開いて、みよを見ていた。
「女将さん……」
「ほう、さすがだな。わかるか」
蔵之介の言葉に、さとはうなずいた。
「もちろんですよ。毎日、顔をあわせているんですからね。綺麗になっても、あなたはあなた。見た目は変わっても、肝心なところは同じままよ」
「あ、ありがとうございます」
「着物もよく似合っている」
「これは、さとが仕立てた。秘蔵の反物を使ってな」
「えっ」
みよは息を呑んだ。
「そうなんですか」
「私もこの店に入った時は、お針子だったのよ」
さとは、袖をなでる。
みよが着ていたのは小紋の紋付無地で、裾模様は桃の花だった。艶やかな唐紅がその美しさを引き立てていた。
着た時、こんないい生地とさんざんみよがつぶやいていた逸品だ。
「厳しく鍛えられた。何度も実家に帰ってやろうかと思ったけれど、そのたびに引き留められて、いつの間にか、この家の女になってしまった。はじめて、あなたを見た時、あたしにどこか似ていると思った。だから、ちょっと厳しく当たってしまったかもねえ」
「そんなことは……」
「でも、もう大丈夫。あなたは一人前になった。どこへでも好きなところへ行くといいのよ。もう話は聞いているでしょう。あの大名の方々。きちんと挨拶してくださって、あなたを引き取りたいと言ってきた。望むのならば、そこでも……」
「いやです。そんなのいやです」
みよは首を振る。その目には涙がある。
「あたしは、ここがいいんです。ずっとずっと、ここに置いてください」
「みよ。でも、他のところにいけば、もっといいお給金が」
「そんなのは、どうでもいいんです。あたしは女将さんにいろいろ教えてもらったからこそ、こうしてお針子としてやっていけるんです。こんなに着飾ってもらえたのも、女将さんのおかげです。まだその恩を返していない。いっぱいいっぱい働いて、この店のために尽くしたい。だから、ここに……置いて……ください」
最後はかすれてしまって、言葉にならなかった。
「まあまあ。せっかく化粧したのに、もったいない」
さとはみよを抱きしめた。
「本当に欲のないことで。ここに所にいると、また叱られるよ。それでもいいのかい」
「叱ってください。ずっとずっと、あたしを見ていてください」
「そうかい。じゃあ仕方ないねえ」
さとの目にも涙が浮かぶのを見て、蔵之介は近江屋を出た。
もうこれ以上、やることはないだろう。後は、自らの手で解決していく。
いじめについても女将がうまく収めるし、みよは今までどおり近江屋で働くことになるだろう。めでたく一件、落着だ。
ふと、蔵之介は、今回の件を戯作にしてみたらと考えた。
人物が特定されないように書けば、いい人情本になるかもしれない。色気も多少は出せようと。
あらすじを考えたところで、蔵之介は頭を振った。
やはり、それはうまくない。というより美しくない。
せっかく綺麗に収まったのだから、そのままにしておくのがよい。物語には余韻が大事だ。
蔵之介は、通りすがりの飴売りから飴を買って、口に放り込む。
そこはかとない甘さが口に広がる。
小さな幸福を感じつつ、彼はゆっくり深川へと向かった。
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