【完結】Ω嫌いのαが好きなのに、Ωになってしまったβの話

秘喰鳥(性癖:両片思い&すれ違いBL)

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2.Ω嫌いのαと、Ωになりたくないβ編

2-4:Ω嫌いのαと、Ωになりたくないβ編4【R-18】

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 籠理さんが駆けつけるまでの間、俺はその場で蹲り必死に理性を保っていた。
 けれど到着した彼に抱き上げられた途端、欲望の箍が吹っ飛んでいく。

「大丈夫ですか、狭間くん!? すぐに病院に」
(籠理さん♡ 籠理さんだ♡♡ 嬉しい、安心する♡♡)

 服越しにも伝わる体温に興奮して、俺は本能のままに体をすり寄せる。
 そして彼の首筋に鼻を寄せて、匂いを堪能するように息を吸った。

「いらないっ♡ 籠理さんの家に連れてって♡ お願い♡♡」

 媚びきった声で籠理さんの提案を断り、俺は必死に彼の顔にキスを降らせる。
 すると躊躇する雰囲気はあったが、すぐに止めていた車に押し込まれた。

 ――そして籠理さんは家まで車を走らせ、再び寝室に二人で雪崩れ込む。



「ん゛んっ♡ っは、あ゛、あぁ♡♡♡ 籠理さん、もっと、いっぱいして♡♡」

 ベッドの上、俺は半端に服を乱した姿で籠理さんに覆い被さられている。
 露になった秘部を搔きまわされ、片足に引っかかったズボンが揺れる。

(服を脱ぐのも、もどかしい♡ 早く、挿れて滅茶苦茶にしてほしい♡♡)

 そして籠理さんは俺の足を肩に担ぎ上げ、より奥まで挿入しては中を掻き乱した。
 同時に首筋や鎖骨に舌を這わせ、時折強く吸い付いては跡を残そうとする。

「っあ、あ゛ぁっ♡ もっとおく、奥こすって♡ 籠理さんのが欲しい♡♡♡」

 発情しきった体は全身で籠理さんを求め、抱かれる幸福に浸りきっていた。
 αの匂いに満たされた寝室で交わり、痺れるような快楽に溺れていく。

「狭間くん、中に出してもいいですか。私、貴方に受け入れられたい」
「うん、いいよ♡ 中出ししてっ♡♡♡ ……あ゛ぁんっ♡♡♡」

 籠理さんは切羽詰まった声で許可を求め、同時に最奥を抉って俺を陥落させる。
 俺はがくがくと首を縦に振り、足を絡めて籠理さんを逃がさないようにした。

「あ゛ぁ――っ♡♡ 熱い♡ でもまだ、やめないで♡♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡」

 そして奥に熱い液体が吐き出され、その快感につられて俺も絶頂する。
 けれどそれだけでは終わらず、艶めいた律動に夜通し翻弄され続けた。




 翌朝籠理さんの腕の中で目覚めるが、昨日のことを思い出して顔を覆う。
 恥ずかしさなど今更ないが、それより彼を巻き込んだ罪悪感で吐き気がした。

(……やらかした)

 βに戻るまで籠理さんから離れるなんて、どの口がほざいたのか。
 いくら発情期だからって、自分の心がこんなにも弱いとは思っていなかった。

「ごめんね、結局相手させちゃって。こうならないように、出て行ったのに」
「いえいえ。貴方が頼ってくれたの、すごく嬉しかったですよ」

 先に起きていたらしい籠理さんは、俺の髪を撫でながら優しく微笑んでくれる。
 けれど俺はその笑みにすら後ろめたい気持ちになり、シーツで表情を隠した。

「それより今後の発情期、一人で乗り切れるんですか。我も忘れてたのに」
(確かに籠理さんを待ってる間、気が狂うくらい辛かった。でも)

 行為を重ねるたびに、体がΩに近づいていくのが自分でも分かった。
 最初の発情期では、口先だけでも拒否はできていたのに。

(昨日は本当に、抱かれることしか頭になかった。でも、どうにかしないと)

 籠理さんは好意的な態度を崩さないけど、裏では嫌悪感と戦ってるかもしれない。
 俺を見捨てられないだけで、今すぐ離れたいのを我慢している可能性もある。

 ――そう考えると頭が不安で埋め尽くされ、一緒の空間にいるのも怖くなった。

「おれ、は、……大丈夫だよ。じゃあ、Ωを受け入れてるホテルに行くね」
「えっ、もう行くんですか!? お風呂、一緒に入りましょうよ!」

 するりとベッドから抜け出した俺は、手早く服を身に付けて玄関へと足を向ける。
 けれど籠理さんは俺の腕を掴み、まだ一緒に居てほしいと訴えてきた。

「寝る前に拭いてくれたから、平気。それにΩもどきと一緒にいるの辛いでしょ」
「狭間くんなら大丈夫ですって! せめて、朝食食べていってくださいよ!」

 籠理さんの言葉に頷きそうになる心を押し殺して、俺は優しい拘束を振り解く。
 フェロモンに狂わされていない今、ちゃんと嫌がれば彼は無理強いしてこない。

「コンビニで買うからいい。……ありがと、助けてくれて」
「じゃあ車を出しますよ、一人じゃ本当に危ないですから」

 籠理さんは悲しそうな顔をするが、それでも最後まで面倒を見ようとしてくれる。
 けれどその優しさが今は辛くて、俺は足早に玄関へ向かい靴を履いた。

「今度こそ、平気。次に会う時は、ちゃんとβに戻ってるから」

 最後まで不安げな視線を送ってくる籠理さんに、俺は決意を込めてそう告げた。
 すると彼は何か言いたげだったが、代わりに俺の頬に手を添えて顔を上げさせる。

「……待ってますからね、ずっと」

 そして触れるだけのキスをして、優しく微笑んで送り出してくれた。
 でも俺は顔も見れなかったから、彼の表情を知ることもできなかった。
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