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5話
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2人揃ってハルカ先輩の元に駆け寄ると、まあ予想通りの反応でした……。その顔が明らかに『お前もくるのか』と物語っていた。でも、ある意味貴重なキャラの顔で逆に得した気分。こういうとこ、描かれないもんね。
歓迎されないであろうことは普段の僕の態度を省みてわかりきってたことだし。だからといって面と向かって『邪魔だ』と言われて追い払われるわけでもないので、渋々の様相でわけてもらえた荷物を抱えて2人のあとに従う。
少し前を並んで歩くハルカ先輩とカスミンの肩が時々触れ合わんばかりに近づくのを見ながら含み笑いつつ、ポツポツと途切れ途切れに交わされる会話に耳を澄ました。
心配されてわずかに声が弾んでるように感じるハルカ先輩と、それに軽やかな笑い声を返すカスミンと……。
寮から校舎内の目的地まで歩いて10分余り。それまで、この仲睦まじい様子を堪能できるとか……。
……眼福だなぁ。と目を細めながら2人の声に聴き入っていると話題がこの大荷物の出所へと移り、
「上倉先輩、わりと頻繁に行事関係の荷物運ばされてますよね」
「あー……、ちょっとな」
ハルカ先輩が苦笑いして言い淀んだところでカスミンがこっちを振り返る。
「愁くんもさっき『また偉月先生』って言ってたけど。偉月先生って3年生担当の先生じゃなかったでしたっけ」
「……あー……」
先輩。にがりきった表情で、さっきから『あー』しか言ってない。途端に面白くなったものの笑うわけにはいかない空気だけに必死で苦笑程度に抑え込んだ。
ハルカ先輩と偉月先生の関係性をカスミンが知らないとは思ってもみなかったが、それならそれで。……まあ、進んで言いたくはないよなぁ。なんて、察せられるだけに僕の口から言うのも余計なお世話でしかなさそうで。
「ん~。偉月先生の英語の授業は受験に強いとか、対策が抜かりないとか。かなり厳しいって話とセットでよく聞くよね。だからこそ、3年生にかかりっきりで1年2年とはあんまり交流がないといえば、……ないかも。たまに廊下で見かけるけど、なんかいっつも忙しそうだし」
「ね。ちょっとだけ、……取っ付きにくいっていうか……」
少し沈んだ調子で言葉を選ぶように呟いたカスミンを気の毒そうに見下ろしたハルカ先輩が、
「それに関しては、むこうが悪いだろ。滝元が気にしてやるようなことでもない」
ぶっきらぼうに嘯いて、苛立ちを紛らわすように軽く鼻を鳴らした。
「たしかに、ちょっと怖そうなイメージあるなー……。誰に対しても基本、ドライな……言葉遣いのキツい人っぽくない?だから、きっとそう感じてるの香純くんだけじゃないと思うよ」
普段、偉月先生からどんな扱いを受けているか知ってるだけに、気落ちしてる様子のカスミンを慰めようとそう言った僕でしたが。斜め前方にいるハルカ先輩から『余計なことを言うな』的なひと睨みをいただきました。
……わかってますよ。黙ってます。お口チャックで。
ハルカ先輩を含め7人いる攻略キャラのうち受けキャラは2人いて、可愛い同級生が1人ともう1人は新任の養護教諭。若いっていっても僕たちとは10近く歳が離れてて、ちょっと陰がある感じの……その。うん、はっきりいっちゃえば誘い受けです。
いたいけなカスミンを煽りに煽って押し倒されちゃう系の。伏し目がちで変に色気のあるイケナイお兄さん系の。放課後の個人レッスン・特別授業……とかって文字がよぎったあとにおずおずとパッケージを見直した思い出……。ちなみに全年齢ではなかったが、一瞬期待した成人指定でもなかった。
それにプラスして、攻略キャラ全てに付いてるわけじゃないけど僕と同じようなお邪魔虫当て馬キャラも何人かいて、偉月先生もその1人だったりする。立場上、っていう理由もあるんだろうけど邪魔のレベルは僕ほどあからさまなものじゃなくて、偶然居合わせた際にチクリチクリと一言・二言痛烈に刺す程度。
彼の矢印が向く相手への好意を明確に示唆するものはなにもなかったように思えるが、プレイしながら心の中で『これは……惚れてんなっ!』と絶対の確信を持っていた。その相手が例の養護教諭であるのはお察しだけど、偉月先生に関してはもう一つ。
名前を『上倉 偉月』といい、ハルカ先輩の実のお兄さんなんですよ。弟が惚れてる相手に好きな人を奪われそうな兄って時点で、サイドストーリーをお願いしますっ!!ってなったのはどうも自分だけじゃなかったようで、ゲームを薦めてくれた友人と偉月先生の今後についてひっそり盛り上がったのはいうまでもない。
カスミンと先生たちの関係性をつらつら考えてるうちに目的の英語科準備室に着いたようで、ハルカ先輩が取り出した鍵でその部屋のドアを開ける。
……というか、この荷物。おそらく寮の物置に置いてあったんであろう書類の束と洋書と参考書。それにCD•DVDの類みたいだけど。借りた奴がその度ちゃんと返しに行けよ、としか思えない量……。
弟だから遠慮もなにもなくこき使ってる。って話なんだろうが、多少の私怨が含まれてる感がどうやっても拭えない。なんか例えうっすらだとしても、カスミンに対する苛立ちをハルカ先輩にぶつけようとしてる時点で大人としてどうなの……と思ってしまう。
「……適当に、空いてるところに置いといてもいいだろ。あとは本人に片付けさせよう。ほんと助かった」
部屋の主の性格を表すように適度に荒れた室内を見回して、深々とため息をついた先輩に言われるまま荷物を置けそうなスペースを探した。そして、結局近くの台にのってるものを手でずらしてそこに持っていた本を置く。
早々に重荷を手放した僕たちと違って最後まで置き場所を探して困ってたカスミンを手で呼び、積み重なってた本と書類を押し退けたハルカ先輩がそこを指差す。
「付き合わせてごめんな。重かっただろ」
「あ、ありがとうございます。いえ、手伝うって言い出したのはボクの方なので気にしないでください」
そうそう。それに僕も便乗して手伝ったんだけど、見事なまでにカウントされてなくてここまでくると潔い。
このままいい雰囲気になってくれるようなら、ちょっと遠巻きにでも見てたいところだけど……。どうかな。
数歩下がってドアの横に立ち様子見を決め込んでいると、背後のそれが音を立てて開けられた。
「まだいたのか」
……第一声がそれ??
と呆れるような冷えた声がして、入ってきた人物が室内にいた僕と先輩と、最後にカスミンへと視線を振る。
「これだけ頭数が揃ってるなら頼んでもいいよな。これから所用で出てくるんだが、オレが戻ってくるまでにさっき回収してくるよう頼んだものをそれぞれの棚に片付けておいてくれ。さらに一緒にいられてお前も嬉しいだろ。じゃあな、頼んだ」
……へ??などと思う暇もなく、スチールラックの上に重ねられてた封筒をまとめて手にした偉月先生が、さっさと踵を返して出ていく様子を呆然として見送った。
急にシンと静まり返ったように感じる英語科準備室に残された3人のうち、はじめに口を開いたのは僕だった。
「……え。勝手すぎるでしょ……。この量を?これから?3人で片付けろ??は?!放置してたのは自分だろ!ハルカ先輩に八つ当たりするにしても限度ってものが……っ、……」
呆気に取られてたのは一瞬であとは怒りが先立ち、でもそこまで喚いたところでハッとして口を噤む。
……僕も、当たり散らしに関しては、相当やらかしてた奴でした……。
今さらながら、言えた立場じゃなかったと反省しつつ、
「……すみません。取り乱して、余計なことを言いました……」
居心地の悪い部屋の隅でモゴモゴ呟き謝罪を述べた。
性悪すぎる対応をしてったとはいえ、実の兄への文句を聞かされた先輩も居た堪れないだろうとチラリと見やったその顔は。どこか驚いているようだったけど、怒ってるとか気分を害してるとかじゃないみたいでホッとする。瞬時かち合った視線を外した相手が、近くにあった洋書のラベルを検めながら平坦な声で告げた。
「遅くなるから滝元たちは先に戻れ。資料整理は何度かやらされてる。だから、俺一人でも平気だ」
そう言って、言葉通り手慣れた様子で本の山をそれぞれに振り分けて積んでいく横顔を窺い、腕時計に目を落とす。
現在時刻と運んできた資料の量から考えて、3人で片付けてもギリギリ夕飯を食いっぱぐれそうな時間だけに、さすがにハルカ先輩1人に押し付けて戻るとかは考えられなかった。食堂が閉まったあとに戻ったとして、最悪コンビニに行くにしても門限とかあるし。先生の用事だから、多少は融通してもらえるかもしれないけど相手が偉月先生だし。保証はない。
……だから。
「先輩が平気でも、時間が平気じゃないでしょ。最後まで責任持ってお手伝いします。ね、香純くん!」
「え。……うん。そうだね。ボクも……手伝います」
引き止めてごめんね。と思いつつもこの場からカスミンがいなくなったら、気まずすぎて僕死んじゃうからね。
頭にきすぎて咄嗟に出ちゃった文句だけど、それに対してまた『余計なこと言うな』系の睨みとか追及とかがきたら、ほんとにごめんなさいとかしこまるより他に道はなく……。それだと、作業が進まないこと必至。
同じ空間にいたとしてもオマケでしかない僕は、お片付けを遂行しながら空気に徹しますので2人で楽しく喋っててください!!なんて都合のいいことを考えながら、ハルカ先輩から手渡された参考書を指示された棚へと押し込んだ。
歓迎されないであろうことは普段の僕の態度を省みてわかりきってたことだし。だからといって面と向かって『邪魔だ』と言われて追い払われるわけでもないので、渋々の様相でわけてもらえた荷物を抱えて2人のあとに従う。
少し前を並んで歩くハルカ先輩とカスミンの肩が時々触れ合わんばかりに近づくのを見ながら含み笑いつつ、ポツポツと途切れ途切れに交わされる会話に耳を澄ました。
心配されてわずかに声が弾んでるように感じるハルカ先輩と、それに軽やかな笑い声を返すカスミンと……。
寮から校舎内の目的地まで歩いて10分余り。それまで、この仲睦まじい様子を堪能できるとか……。
……眼福だなぁ。と目を細めながら2人の声に聴き入っていると話題がこの大荷物の出所へと移り、
「上倉先輩、わりと頻繁に行事関係の荷物運ばされてますよね」
「あー……、ちょっとな」
ハルカ先輩が苦笑いして言い淀んだところでカスミンがこっちを振り返る。
「愁くんもさっき『また偉月先生』って言ってたけど。偉月先生って3年生担当の先生じゃなかったでしたっけ」
「……あー……」
先輩。にがりきった表情で、さっきから『あー』しか言ってない。途端に面白くなったものの笑うわけにはいかない空気だけに必死で苦笑程度に抑え込んだ。
ハルカ先輩と偉月先生の関係性をカスミンが知らないとは思ってもみなかったが、それならそれで。……まあ、進んで言いたくはないよなぁ。なんて、察せられるだけに僕の口から言うのも余計なお世話でしかなさそうで。
「ん~。偉月先生の英語の授業は受験に強いとか、対策が抜かりないとか。かなり厳しいって話とセットでよく聞くよね。だからこそ、3年生にかかりっきりで1年2年とはあんまり交流がないといえば、……ないかも。たまに廊下で見かけるけど、なんかいっつも忙しそうだし」
「ね。ちょっとだけ、……取っ付きにくいっていうか……」
少し沈んだ調子で言葉を選ぶように呟いたカスミンを気の毒そうに見下ろしたハルカ先輩が、
「それに関しては、むこうが悪いだろ。滝元が気にしてやるようなことでもない」
ぶっきらぼうに嘯いて、苛立ちを紛らわすように軽く鼻を鳴らした。
「たしかに、ちょっと怖そうなイメージあるなー……。誰に対しても基本、ドライな……言葉遣いのキツい人っぽくない?だから、きっとそう感じてるの香純くんだけじゃないと思うよ」
普段、偉月先生からどんな扱いを受けているか知ってるだけに、気落ちしてる様子のカスミンを慰めようとそう言った僕でしたが。斜め前方にいるハルカ先輩から『余計なことを言うな』的なひと睨みをいただきました。
……わかってますよ。黙ってます。お口チャックで。
ハルカ先輩を含め7人いる攻略キャラのうち受けキャラは2人いて、可愛い同級生が1人ともう1人は新任の養護教諭。若いっていっても僕たちとは10近く歳が離れてて、ちょっと陰がある感じの……その。うん、はっきりいっちゃえば誘い受けです。
いたいけなカスミンを煽りに煽って押し倒されちゃう系の。伏し目がちで変に色気のあるイケナイお兄さん系の。放課後の個人レッスン・特別授業……とかって文字がよぎったあとにおずおずとパッケージを見直した思い出……。ちなみに全年齢ではなかったが、一瞬期待した成人指定でもなかった。
それにプラスして、攻略キャラ全てに付いてるわけじゃないけど僕と同じようなお邪魔虫当て馬キャラも何人かいて、偉月先生もその1人だったりする。立場上、っていう理由もあるんだろうけど邪魔のレベルは僕ほどあからさまなものじゃなくて、偶然居合わせた際にチクリチクリと一言・二言痛烈に刺す程度。
彼の矢印が向く相手への好意を明確に示唆するものはなにもなかったように思えるが、プレイしながら心の中で『これは……惚れてんなっ!』と絶対の確信を持っていた。その相手が例の養護教諭であるのはお察しだけど、偉月先生に関してはもう一つ。
名前を『上倉 偉月』といい、ハルカ先輩の実のお兄さんなんですよ。弟が惚れてる相手に好きな人を奪われそうな兄って時点で、サイドストーリーをお願いしますっ!!ってなったのはどうも自分だけじゃなかったようで、ゲームを薦めてくれた友人と偉月先生の今後についてひっそり盛り上がったのはいうまでもない。
カスミンと先生たちの関係性をつらつら考えてるうちに目的の英語科準備室に着いたようで、ハルカ先輩が取り出した鍵でその部屋のドアを開ける。
……というか、この荷物。おそらく寮の物置に置いてあったんであろう書類の束と洋書と参考書。それにCD•DVDの類みたいだけど。借りた奴がその度ちゃんと返しに行けよ、としか思えない量……。
弟だから遠慮もなにもなくこき使ってる。って話なんだろうが、多少の私怨が含まれてる感がどうやっても拭えない。なんか例えうっすらだとしても、カスミンに対する苛立ちをハルカ先輩にぶつけようとしてる時点で大人としてどうなの……と思ってしまう。
「……適当に、空いてるところに置いといてもいいだろ。あとは本人に片付けさせよう。ほんと助かった」
部屋の主の性格を表すように適度に荒れた室内を見回して、深々とため息をついた先輩に言われるまま荷物を置けそうなスペースを探した。そして、結局近くの台にのってるものを手でずらしてそこに持っていた本を置く。
早々に重荷を手放した僕たちと違って最後まで置き場所を探して困ってたカスミンを手で呼び、積み重なってた本と書類を押し退けたハルカ先輩がそこを指差す。
「付き合わせてごめんな。重かっただろ」
「あ、ありがとうございます。いえ、手伝うって言い出したのはボクの方なので気にしないでください」
そうそう。それに僕も便乗して手伝ったんだけど、見事なまでにカウントされてなくてここまでくると潔い。
このままいい雰囲気になってくれるようなら、ちょっと遠巻きにでも見てたいところだけど……。どうかな。
数歩下がってドアの横に立ち様子見を決め込んでいると、背後のそれが音を立てて開けられた。
「まだいたのか」
……第一声がそれ??
と呆れるような冷えた声がして、入ってきた人物が室内にいた僕と先輩と、最後にカスミンへと視線を振る。
「これだけ頭数が揃ってるなら頼んでもいいよな。これから所用で出てくるんだが、オレが戻ってくるまでにさっき回収してくるよう頼んだものをそれぞれの棚に片付けておいてくれ。さらに一緒にいられてお前も嬉しいだろ。じゃあな、頼んだ」
……へ??などと思う暇もなく、スチールラックの上に重ねられてた封筒をまとめて手にした偉月先生が、さっさと踵を返して出ていく様子を呆然として見送った。
急にシンと静まり返ったように感じる英語科準備室に残された3人のうち、はじめに口を開いたのは僕だった。
「……え。勝手すぎるでしょ……。この量を?これから?3人で片付けろ??は?!放置してたのは自分だろ!ハルカ先輩に八つ当たりするにしても限度ってものが……っ、……」
呆気に取られてたのは一瞬であとは怒りが先立ち、でもそこまで喚いたところでハッとして口を噤む。
……僕も、当たり散らしに関しては、相当やらかしてた奴でした……。
今さらながら、言えた立場じゃなかったと反省しつつ、
「……すみません。取り乱して、余計なことを言いました……」
居心地の悪い部屋の隅でモゴモゴ呟き謝罪を述べた。
性悪すぎる対応をしてったとはいえ、実の兄への文句を聞かされた先輩も居た堪れないだろうとチラリと見やったその顔は。どこか驚いているようだったけど、怒ってるとか気分を害してるとかじゃないみたいでホッとする。瞬時かち合った視線を外した相手が、近くにあった洋書のラベルを検めながら平坦な声で告げた。
「遅くなるから滝元たちは先に戻れ。資料整理は何度かやらされてる。だから、俺一人でも平気だ」
そう言って、言葉通り手慣れた様子で本の山をそれぞれに振り分けて積んでいく横顔を窺い、腕時計に目を落とす。
現在時刻と運んできた資料の量から考えて、3人で片付けてもギリギリ夕飯を食いっぱぐれそうな時間だけに、さすがにハルカ先輩1人に押し付けて戻るとかは考えられなかった。食堂が閉まったあとに戻ったとして、最悪コンビニに行くにしても門限とかあるし。先生の用事だから、多少は融通してもらえるかもしれないけど相手が偉月先生だし。保証はない。
……だから。
「先輩が平気でも、時間が平気じゃないでしょ。最後まで責任持ってお手伝いします。ね、香純くん!」
「え。……うん。そうだね。ボクも……手伝います」
引き止めてごめんね。と思いつつもこの場からカスミンがいなくなったら、気まずすぎて僕死んじゃうからね。
頭にきすぎて咄嗟に出ちゃった文句だけど、それに対してまた『余計なこと言うな』系の睨みとか追及とかがきたら、ほんとにごめんなさいとかしこまるより他に道はなく……。それだと、作業が進まないこと必至。
同じ空間にいたとしてもオマケでしかない僕は、お片付けを遂行しながら空気に徹しますので2人で楽しく喋っててください!!なんて都合のいいことを考えながら、ハルカ先輩から手渡された参考書を指示された棚へと押し込んだ。
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