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第8章 魔獣襲来

チャビー

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「ま、命があるだけ儲けものだな」
 屋上の階段室の壁にもたれかかって、舞奈はやれやれと肩をすくめた。
 点呼を終えた執行人《エージェント》たちが、とぼとぼと階段を降りていく。

 マンティコア討伐は失敗した。
 ニュットの【勇者召喚フォアーラードゥング・エインヘリアル】で敵を抑え、小夜子の【供物の門ネヨコリクィアウアトル】で命からがら撤退した。幸いにも犠牲者はいないが、戦果もない。
 それに――

 舞奈は横目で明日香を見やる。
 明日香も壁にもたれかかって、膝を抱えていた。

 ニュットの魔術は死んだ仲間を式神として蘇らせる術らしい。
 舞奈の前には【雷徒人愚】の少年たちがあらわれた。
 小夜子の前には恋人が、桂木姉妹の前には弟があらわれた。
 そして明日香の前にも数人の男たちがあらわれた。

 明日香はふと顔を上げ、じっと虚空を見つめる。
 そうしながら、二の腕に触れる。

 そこにあるのは銃創だと、以前に聞いたことがある。
 そして彼女は何処かの組織に属していたのだとも。
 彼女の判断力と射撃技術は、そこで培われたのだろうと舞奈は思う。
 それが何処なのかまではわからない。

 ひょっとしたら民間警備会社PMSCを営む実家の手伝いでもしていたのかもしれない。
 違うかもしれない。

 おそらくニュットは、明日香が亡くした大事な誰かを知っている。
 だが舞奈はそれを、どちらかに問いただそうとは思わなかった。
 明日香が舞奈の過去に踏み入らなかったから。だから、

「ニュットが使った術、あいつはどういう代物なんだ?」
 いつもの口調で問いかける。

「さっきも言ったでしょ? ルーン魔術【勇者召喚フォアーラードゥング・エインヘリアル】。【武具と戦士の召喚】技術によって、故人の記憶を式神にして操るの」
 明日香もいつものように肩をすくめて答える。

「対象は異能力者だろ? あたしの前には【雷徒人愚】の三下どもが出やがった」
 軽口に、明日香は少し笑って見せる。
「ええ。魔道士メイジも対象外だし、魔法も異能力も使えない普通の人も無理よ」
「そっか」
 ひとりごち、舞奈も空を見上げる。

 もしあの術が周囲の人々の記憶から戦士を生みだす術ならば、もっと相応しい人物がいるはずだと思った。

 術を使う直前、ニュットは小夜子をサチに、桂木姉妹を奈良坂に託した。
 その時は意味不明な指示だと思った。
 だが今ならわかる。
 失った大事な誰かと対面する者を、そうでない者に託したのだ。
 そして明日香を舞奈に託した。

 あの術で、仏術士やエイリアニスト、古神術士があらわれることはない。
 ニュットは舞奈がピクシオンだった過去を知っているのだろうか?
 それとも知らないのだろうか?
 それを問いただす行為の是非を考えていると、ふと側に気配を感じた。

「……あんた、そんなところで何やってるんだ?」
 小学生の足元に隠れるように、ニュットがうずくまっていた。

「……見なかったことにしてほしいのだ」
「いや、だからなにやってるんだ? あんた」
「術が不具合を起こして、あちしだけブラジルに飛ばされたことにするのだ。ほとぼりが冷めた頃に泳いで帰ってきたことにするのだ」
 言いつつ舞奈のひざ裏をぐいぐい押して間に入ろうとしてくる。
 猫にでもなったつもりか。
 はげしく鬱陶しい。

「おい、やめろ。っていうか、んなデタラメを誰が信じるよ?」
「このままでは小夜子ちんと桂木姉妹に八つ裂きにされるのだよ」
「そりゃ大変だ。でも楓さんそこにいるぞ?」
「なんと!?」
 ニュットは大げさに跳び退る。
 それを桂木楓が睨んでいた。

「……【勇者召喚フォアーラードゥング・エインヘリアル】。あの術を行使したのは貴女で間違いありませんね?」
 楓は眼鏡を外していた。
 その視線は、先程のニュットの戯言が少し真実味を帯びる程度には鋭い。
 ニュットは観念したか、静かに問う。

「あちしを恨むかね?」
「当然です。瑞葉を……弟をあのような下術に使われたのですから」
 楓は呪うような声色で答える。そして、

「……それでも礼を言わねばなりません」
 ぼそりと言った。

「あの時、あの術が使われなければ、他の誰かが犠牲になっていた」
 彼女は弟のような犠牲者を出さないために仕事人《トラブルシューター》になった。
 そして諜報部の異能力者たちと行動を共にするようになった。
 彼女には、新たに守りたいものができていた。

「それにあの術を見て、わたしたちの選択は間違っていなかったと確信できた」
 楓は最初、怪異に殺された弟を蘇らせようと魔術を学んだらしい。
 生命の操作を得手とするウアブ魔術では、それは叶わなかった。
 ならば死者を勇者として召喚するルーン魔術を目指していたら、例え偽物でも弟と会えたのかもと悔やんでいたのかもしれない。

 だが実際に偽物の弟と会って、そうじゃないと気づいた。
 弟の代わりにあの虚ろな勇者を呼びだす術を身に着けてしまったなら、それは姉妹にとって呪いにしかならなかっただろう。

 ふと屋上の片隅を見やると、小夜子とサチが寄り添って何事かを話していた。
 明日香や楓と同じく亡き恋人と相対した小夜子も、サチとの対話で救いを得ていた。
 サチは小夜子の親友で、あたたかなサチの言葉には聞く者の心を癒す力がある。

「――それともうひとつ、技術担当官《マイスター》に聞きたいことがある」
 ふと、あらわれたのは紅葉だった。
 先ほどまでは弟の姿に我を忘れていたが、今はいつもの凛々しい彼女に戻っている。

「あの魔獣が言ってたんだ、『邪魔をするな。ボクは母さんを蘇らせるんだ』って」
 ウアブ呪術師の紅葉は、猫と会話することができる。
 だから猫科の猛獣に似たマンティコアの声を聞くことができたのだろう。
 そういえば、魔獣が吠えた直後に紅葉が集中を欠いていた一幕があった気がする。

「技術担当官《マイスター》ニュット、君なら他に何か知ってるんじゃないのかい?」
 楓の彼女の言葉に、ニュットはやれやれと肩をすくめる。

「先程の戦闘のどさくさに調べたのだが、あの魔獣の中に猫がいるのだよ。そいつが核になって、魔獣という式神の身体を形成しているのだ」
 そう言って1枚のコピー用紙を取り出す。
 舞奈がテックから受け取ったのと同じ、チャビーの子猫が写った写真だった。

「紅葉ちん同様に動物と話せる執行人エージェントが、以前の遭遇で同じことを聞いたのだ。それで調べてみたら、魔獣出現以前にこの子猫が新開発区をうろついていたのだよ」
「そして正規の保健所に問い合わせたところ、以前に同じ猫種の成猫が亡くなっていたとの事だ。倉庫街のビルの前で珍走団のオートバイに追突されたらしい」
 フィクサーが横から補足する。
「あいつらが……」
 紅葉は歯噛みする。

 親猫を轢いた珍走団は、仕事人《トラブルシューター》になる以前の桂木姉妹が始末した。
 だが彼らが1匹の猫の命を奪っていたと知っていたなら、その罪を償わせるようなもっと凄惨な終わらせ方があったはずだと後悔しているのだろう。
 だがフィクサーは、そんな紅葉にかまわず舞奈を見やる。

「すまない」
 そう前置きする。そして、

「入手した情報を統合した結果、マンティコアの核になっているのは君が探している子猫であるとの結論に達した」
「そっか」
 フィクサーは小学生を相手に深々と頭を下げる。
 その視線から逃れるように、舞奈はうつむく。

 異能力者や魔道士メイジがひしめく【機関】では、誰もが知られざる真実を己が内に抱えこみながら、各々のやり方で新たな真実を探し求める。
 フィクサーたちは舞奈が知る由もない情報を駆使して、子猫の行方を探り当てた。
 おそらく、それが間違いであってほしいと願いながら。

 ――舞奈はふと、3年前のことを思いだす。

 ピクシオンは衛星軌道上からの攻撃でケルベロスを倒した。
 その跡に、1匹の犬が横たわっていた。
 力を使い果たした犬は、横たわったまま動かなかった。

 美佳と一樹は飼い主を突き止め、動かない犬を引き渡した。
 当時の舞奈と同じ年ごろだった少女は、冷たい犬にしがみついて、泣いた。

 そして翌日。
 舞奈はいつも通りに学校に向かっていた。

 なんとなく讃原さんばら町の外れを通ると、電信柱に張り紙がしてあるのを見つけた。
 内容は迷子猫の情報募集だ。

 記憶を頼りに描いたとおぼしき子猫の絵の下には、つたない文面と連絡先。
 日比野千佳というチャビーのフルネームを、久々に見た気がする。

 舞奈はじっと猫の絵を見やる。
 言われてみれば、美しい茶トラの模様はマンティコアに似ている。
 尻尾が短いとか、指の数が多いとか、舞奈が気にもしていなかったことをチャビーは見ていたらしい。理由はどうあれ、チャビーはあの子猫の母親代わりだった。

 しばらくじっと猫の絵を見つめてから、舞奈は張り紙に背を向けて歩き出した。
 そして、その後は何事もなく登校した。

 ホームルーム前の人気のない教室で、チャビーはひとり窓の外を見ていた。

「よう、チャビー」
「あ、マイおはよー」
 幼女みたいなクラスメートは一見して明るい挨拶を返す。
 舞奈はどう声をかけていいか迷ってから、

「最近は格好いい男子とかいるか?」
「マイが男の子の話するなんて珍しいね」
「……おまえはあたしを何だと思ってるんだ」
 そう言って口をへの字に曲げる。

(おまえがそんな顔するほうが珍しいだろ)
 少し腫れぼったい目をしたチャビーを、ちらりと見やる。

 1年前に最愛の兄を失った彼女は、悲しいときに笑う。
 けれどそれは、普段の馬鹿みたいに能天気な笑みとは違う。

 チャビーはあのビルを訪れていたことを、両親に知られたくなかったはずだ。
 妹思いだったチャビーの兄が、あのビルで逝ったから。

 けど、いなくなった子猫の捜索を舞奈に託して、けれど見つからなくて、いてもたってもいられなくなって子猫探しの張り紙を作った。
 さすがに両親に無断で連絡先入りの張り紙を作ったりはしないだろう。
 チャビーがそうしようと決意するまでにどんな葛藤があったか、想像に難くない。

「子猫さ……今、みんなで探してるんだ。バイト先の人とかに手伝ってもらって」
 嘘ではないが正直でもない進捗を伝える。
 そのせいで自信なさげな口調になっていることには気づかない。

「うん。ありがとう、マイ……」
 それでもチャビーは笑う。
 育ちが良いから、親切なことを言われたら普通に礼を言う。

「……ねぇ、マイ。サチさんの家に、前にカッコイイ感じの長髪の男の人がいたのを覚えてる? あの人ってマイの知り合いだったんだよね」
「まあな」
 以前に皆で園香の家に泊まった時、チャビーは悟に気がある素振りだった。
 だが悟はもういない。
 美佳を想い、美佳の魔力を吸収して、暴走して、消えた。

 チャビーは何故そんなことを聞くのだろうと思った。
 そして自分が男の話題をふったのだと思いだした。

「あの人、今どうしてるのかな」
「その……さ、遠くに引っ越したんだ」
 とっさに嘘を言った。

「実家が東北の方にあって、そっちに帰るって言ってた」
 東北に実家があるのはサチで、悟に帰る家があったのかなんて舞奈は知らない。

 サチがアパートから引っ越すと聞いて、舞奈は居ても立ってもいられなかった。
 だがサチは悟が住んでいた家を引き継いだだけだった。

「そうなんだ。ちょっと寂しいね」
「ああ、そうだな……」
 友人の言葉を疑いもしない素直な返事に、おざなりに答える。
 舞奈には、この問答が何かのデモンストレーションのように思えた。

 ――子猫は親切な人にもらわれて、遠くに行った。

 そう答えれば、チャビーの悲しみは最小限で済む。
 その言葉の真偽を確かめる術を、彼女は持たない。

 そんな考えに自然に至る自分が、少し嫌だと思った。
 何かを誤魔化すことに慣れてしまっているのだ。だから、

「……なあチャビー。いいかげん名前くらいつけてやれよ」
 ぼそりと言った。

「うん、そうだね」
 チャビーはそう答えて笑った。
 いつもの無邪気な笑みとは違うが、無理をしているだけの笑みとも違う。

 舞奈も口元に笑みを浮かべる。

 猫には名前があった方が良い。
 呼び名が「猫」では格好がつかないからだ。
 墓に刻むにしろ、再会のときに叫ぶにしろ。

 そして放課後、舞奈はようやく中華料理屋を訪れた。

「舞奈ちゃん、占術を頼んでおいてヒドいアル」
「いやスマン」
 詫びる顔も見せずにカウンターの席に着き、足をぶらぶらさせながらメニューも見ずに担々麺と餃子を頼む。
 張は慣れた手つきで料理の準備を始める。

「占術では、子猫は新開発区にいると出たアルよ……」
「らしいな」
 結果を聞きに来るのが遅れたのを責めておきながら、張の言葉は歯切れが悪い。
 だが、舞奈はその理由を知っている。

「今の状況を占おうとして、よくわからなかったんじゃないのか?」
「そうアル。よくわかったアルね」
「だろうな……」
 舞奈は口元に乾いた笑みを浮かべる。

「……奴は魔獣の核になってた」
「そう……だったアルか」
 だから『子猫』を対象にした魔法的な探知の糸は途中で途切れてしまう。
 猫同士のコミュニティから消えたのも同じ原理だろう。
 舞奈は張の顔を真正面から見つめる。

「今度はあんたの知恵を借りたい。魔獣になった生き物を元に戻すことは可能か?」
 問いかける。
 それが今日、この店に来た本当の理由だ。

「舞奈ちゃん、脂虫を操ったり怪異に変える術のことは知ってるアルか?」
 張は麺を片手に問いかける。

「……飯の前にする話か?」
 肯定の代わりに軽口を返す。
 張は構わず続ける。

「【三尸支配《サンシーズペイ》】は脂虫の脳に魔力を浸透させて操る術アル。【僵尸変化チャンシービアンヘウア】は脂虫の身体に魔力を浸透させて強化するアル」
 舞奈はうなずく。

「そして【大尸変化ダシービアンヘウア】は身体を魔力で置き換える術アルよ」
「サト兄みたいになる感じか……」
 舞奈の言葉に、張は無言でうなずく。

 悟は三種の神器を使って美佳の魔力を吸収し、宇宙的狂気を体現した何かになった。
 そして神器を破壊して魔力を失うと、塵になって消えた。
 身体を魔法に置き換え、その魔法が失われてしまったから、解かれた魔法のように消えてしまった。

「あの時と、同じってことなのか……」
 再びひとりごちる舞奈に、張はうなずく。

 悟は塵になって消えた。
 犬は息絶えた。
 同じように魔法的な存在へと変貌した子猫がどうなるかを想い、口元を歪める。

 だが舞奈はふと気づいた。

「けど、それっておかしくないか? ピクシオンのドレスだって、服を魔法に置き換えてた。でも変身を解いたら服は服に戻ってたぞ?」
 その言葉に、張は少し考える。

「そこに意思があるかどうかの差アルよ」
「意思だと?」
「そうアルよ。魔法は――魔力は意思の力を凝固させたものアル。だから術者が永遠の変化を望めば永遠に、一時的な変化を望めば一時的に変化するアル」
「それじゃあ、サト兄は自分も世界も全部捨てて美佳を蘇らせたかった――美佳になりたかったってことなのか……」
 舞奈はひとりごちる。
 そして、ふと思った。

「術者って……子猫を魔獣にした奴がいるってことか?」
 疑問をそのまま張にぶつける。

「まさか猫が呪文を唱えて変身したわけじゃないだろう?」
「呪文を唱える必要はないアル。望みを強く、強くイメージするアルよ。それが内なる魔力に伝われば魔法になるし、願った者は術者になるアル」
「それじゃ、あの子猫は魔獣になりたかったってのか……?」
 張の答えに、考えこむ。
 そして思い至った。

 魔獣になりたかったわけじゃない。
 何かのはずみで魔力を手に入れた子猫は、事故で亡くしたという母猫を蘇らせたいと願ったのだ。
 美佳を蘇らせようとした悟のように。

「なあ、張」
「なにアルか?」
「その術者とやらが、魔法を取り消したいって望んだらどうなる?」
 舞奈の問いに、張は笑う。
 強い願いが魔法になるのなら、さらに強く魔法の解除を願えば魔法は消えるはずだ。

「難しいアルよ?」
「知ってるさ。あたしがしてきたことの中で、簡単なことなんか何ひとつなかった」
 そう言って舞奈も笑う。

 その目前に、できたての担々麺と焼き餃子がならんだ。
 舞奈は飯に喰らいつく。

 舞奈がやるべきことは決まった。
 それを全力でやってのけるために、今は英気を養う時だ。
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