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五章前編 "5人目の怪物"編
8.久島秀忠のモテ期 下
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あれから少し……僕、そして山城くんの二人は状況が飲み込めなかった。確か……少し前に僕に着いて来た宮本さんが部屋に入って来た。
ここまではいい、で……伊佐美くんと本田くんがちょっと話に花が咲いた……僕達はドリンク飲んでたら……。
「しかし以外やのぉ、失礼やけど私立のええとこ居ってギャルって想像つかんかったわ」
「そうかなぁ?結構自由だよね?」
「うちは……うるさい方かな」
「公立はまだ校則うるさい多い傾向あるだろう、むしろ波浜が自由すぎるんだ」
「校内でYouTuber活動許してんの波浜くらいっしょ?」
何か、ギャルが……さらに3人増えていた。しかも制服が、宮本さん含め全員違う。そうだ、全員宮本さんの校外の友人で中学が同じとか、他校の仲良くなった子とか紹介がさっきあったなと思い出す。
で……宮本さんが、せっかくだから私らと一緒にだべったり歌わない?と、あれやこれやとありまして……宮本さん側のギャル4人と僕ら4人で……いつの間にかカラオケコンパになっていたという事だと、僕はようやく理解が追いついた。
しかしあれだ……伊佐美くんと本田くんは元々『陽』側なんだと実感してしまう、二人はもう早速打ち解けて語り出してて、僕と山城くんは蚊帳の外だ……。
どうする?僕らだけ先に、そーっと帰る?山城くんにアイコンタクトしたのだが……。
「あ、久島くんごめんね?もしかして、うちら邪魔しちゃった?」
僕が黙っていた事に気付いた宮本さんが、そう声をかけて来た。邪魔ではない、決して……ただ、こんな男女で騒ぐ経験がそもそも無いからどうしたらいいのか分からないのだ……何か話す最近の話題も無いし……。
「いや、邪魔とかじゃなくて……こんな雰囲気が初めてだから戸惑っているというか……」
「あは、正直じゃん?けど以外だなぁ、久島くん騎馬戦の時めちゃくちゃ体育会系みたいだったのに……」
「あれは……無理していたというか、諸事情で……」
あの時は色々あったから……としか言えなかった。どうしよう、話題が続かない……伊佐美くんと本田くんは普通に話してるのが凄い、こうなったら山城くんと抜け出そう……そう彼に目を向けた先には。
「あ、そのゲーム面白いよね、女の子かわいいし」
「えっ、知ってるの?」
「うん、私もやってる、フレンド登録する?」
……お、オタクに優しい日焼け肌ギャルとスマホゲーの話題で盛り上がりはじめただとぉ!?
なんて事だ!逃げ場を失ったか!?僕一人だけ蚊帳の外になってしまった……とりあえずドリンクバーで飲み物注いで外の空気を吸ってこようかとすら考えた。が、まだ僕の烏龍茶は半分残っていた、追加は不自然!
な、何か話題は、話題はないか、いやそもそも話す必要あるか?無理に、このまま黙っておくのはそれは不自然……と、何故こんな話を出してしまったのか、出て来た話題に僕は自身を殴りたくなった。
「と、というか、いいの?宮本さんって……体育祭の時に彼氏居たのに、こんな男子と話したりとか……して」
「えっ?」
ああ、デリカシーも皆無ななんとも無様な質問だ。もういっそ誰か僕を殺してくれ、そう思いながら、宮本さんからの罵倒や白けた眼差しが来るのを覚悟した。
「えー?久島くん、そんな事気にしてたの?それで白雄くんに悪いから黙ってたの?」
が、返ってきたのは笑顔だった、何をそんな事を気にしていたのかと宮本さんは笑いながら言うので、僕は先程までの重苦しい感覚が霧散して、一気に身体が軽くなった。
「え?あ、まぁ、だって……そうじゃないの?彼氏持ちでこんな遊びは、後で色々言われーー」
「て言うか、体育祭の後にあたしら別れたよ?」
「は!?え!?」
あの後に白雄くんなる、恐らく1組の男子とは別れたと聞いた僕は他人でありながら、宮本さんの事を知りもしないのに絶句した。
「そ、それまた何故?後を追ってたよね?」
体育祭で、後ろついて行くくらいには仲良しに見えたけど何があったんだと、下世話ながら聞いたらダメだろうに聞いてしまった。そうしたら彼女は、嫌がる事すらなくあっけらかんに言ったのである。
「いやね?久島くんが騎馬戦で助けてくれてからぁ、あいつに色目使うなとかウザくなったんだよね白雄くん、ただ久島くんは助けてくれただけで?体育祭のアクシデントじゃん?で、嫉妬して束縛気味になったから白けちゃって別れたんだぁ」
……僕のせいやんけ。
久島秀忠よ、貴様はクリアユースというグループを崩壊させ、そのメンバーのカップル全てを崩壊させた挙句、体育祭でまた一つの縁をはかいしたのだ、それを理解した僕は……宮本さんに深々頭を下げた。
「大変……申し訳ありませんでした」
「えっ!?何で謝罪!?」
「仲睦まじいキミらの仲を、裂いたのは僕なので……」
「いやいや!考えすぎ!?てか悪いのは狭苦しかった白雄くんだし、久島くんは私を助けてくれたから悪い事してないよ?」
フォローしてくれてありがたいが、やはり自分が白雄くんと宮本さんの仲を裂いた、としか思えなかった。
「もー、大袈裟だよぉ、高校生の付き合いなんだからそこまで重く受け止めないでよ、あれかなぁ?キミって一度付き合ったら結婚まで責任取るしかないって考えの、化石な昭和タイプ?付き合いと別れなんてしょっちゅうだから、久島くんが気にする必要全くないよぉ?」
「そ、そんなものなのか、本田くん……」
あまりにも古臭い恋愛観だ、フランクに考えて欲しいと語る宮本さん。実際今の恋愛はそうなのか?唯一恋愛も、セックスも経験ありな僕達のグループ唯一の恋愛知見者、本田くんに尋ねてみた。
「俺がいうのも何だが、宮本さんの話は大体合ってるな久島、お前の目の前に……やらかした男が居るだろ?」
目の前に実例があるだろと、ちょっと悲しみながら笑う本田くんには、流石に頷く事も笑う事も出来なかった。
「えー?何かやっちゃったの本田くん?」
「昔、間男になってな……柳に唆されて……」
「あ、ヤナビッのがっこー、そう言えば波浜なんだっけ?」
「ヤナビッチぃ!?ちょう待ってくれ、そら一体どう言う意味や?」
「何だと……!?あいつまさか……中学時代からそうだったのか?じゃあ秋山以外にも……」
そして今や不登校で姿を見せない過去の女の、ヤバい過去が他校のギャルにより暴かれそうになるや……宮本さんはさながら、視界の外から放つ見えないフックパンチの如く僕に言い放ったのだ。
「て言うかさぁ、久島くん?うち助けられてやっぱり好きになっちゃったしぃ……どう?付き合ってみない?」
「……え?」
あまりにも唐突な告白に、僕も……そして伊佐美くん、山城くん、本田くんも聞き逃さなかったのか……一気に僕と宮本さんの方に向いた。
久島秀忠、現在16歳……人生初めての告白を受けた瞬間だった。
それは、人気のない校舎裏や、体育館裏……夕焼けに染まる帰りの下校路とかではなく、ましてや今さっきようやく名前を知った同じ学校の女子から、他にも人が居るカラオケボックスの中という、青春のノスタルジーも何も無い場所で起こったのだった。
「いや、え、え?な……は?あー、ええ?」
「あー……キャパ超えたみたいだな、すまん宮本さん……ちょっと彼に時間を貰えるか?」
「いいよー?」
僕が?宮本さんと?付き合う?お付き合いって、それは……二人でデートしたりとか、色々したりする関係って事だよな?
え、いいのか?宮本さんは……白雄くんと別れたばかりだ、彼女は……まるで僕が彼から寝取ったみたいに……いや寝てすらないから違うし、別れてるからいいのか?
というかそもそも、僕には……好意を向けられた比嘉出さんが居るし……いや、そもそも比嘉出さんが勝手にそう言っているだけ、彼女とは付き合ってすらいないから……受けていい筈だ。
「おー、受けたらええやんけ久島ぁ!それともあれかぁ?お前、比嘉出ともう付き合っとったりするんか?」
「比嘉出さん?」
「!!」
伊佐美くん?お前、それをこの場で言うのか!?いや、言われても仕方ないし止める権利は僕にも無い、しかし……弁明はしていいよな!?僕は伊佐美くんに言った。
「つ、付き合ってはいない!付き合っては……いないけど……」
「エロ写真は貰ったんだよな、確か」
「本田くん!?何故それを!?」
「学校で見るのはやめとこうな、久島」
本田くんからさらに詰める援護射撃を喰らった僕、お前ここで男らしく決めんかい、そんな思惑すら見える表情を彼は浮かべていた。
「ふーん……他に狙っている子が居るんだ……モテるんだね?」
「い、いや、そんな事は……」
多分僕は、人生最大のレベルで追い詰められている……宮本さんの瞳は、僕が隠し事をしていた事を知り侮蔑している目……では無く、知ったからこそ燃えるとばかりに……熱を持った眼差しを向けていた。
「ま……今日いきなり会って付き合うってのは流石にだよね?ならさ、連絡先交換だけでもしようよ」
「あ……ま、まぁ、それくらいなら……」
何を偉そうに、何を当たり前に、比嘉出さんの思いに答えず、何をお前はやっているのだ久島秀忠……。
スマホをしまえよ、断れよ……キープか?童貞で恋愛経験すらないお前が?だが、僕の頭の中には……宮本さんへの欲情に満たされて、鼻の奥には……彼女の香水らしき薫りが蘇り……メッセージアプリに、彼女の名前が浮かび上がった。
「えへへ、じゃあ今夜、連絡するね?」
そこから先は、覚えていない。
ただ皆で、歌って騒いだ。
伊佐美くんは他校のギャル達の連絡先ゲットに歓喜し、山城くんは物静かな日焼け肌ギャルとずっと会話して別れて……本田くんは適度に楽しめたと背伸びしてリラックスしていて……その日は解散した。
信じられない話ではあるが……まさか自分のメッセージアプリに、女性の名前が二つもあると言う事実に……どうしたらと言う感情が3割、そして残り7割が嬉しいに染まってしまって、正常な判断を失わせていて……所詮僕も男でしかないと言う事を、自覚させられたのであった。
ここまではいい、で……伊佐美くんと本田くんがちょっと話に花が咲いた……僕達はドリンク飲んでたら……。
「しかし以外やのぉ、失礼やけど私立のええとこ居ってギャルって想像つかんかったわ」
「そうかなぁ?結構自由だよね?」
「うちは……うるさい方かな」
「公立はまだ校則うるさい多い傾向あるだろう、むしろ波浜が自由すぎるんだ」
「校内でYouTuber活動許してんの波浜くらいっしょ?」
何か、ギャルが……さらに3人増えていた。しかも制服が、宮本さん含め全員違う。そうだ、全員宮本さんの校外の友人で中学が同じとか、他校の仲良くなった子とか紹介がさっきあったなと思い出す。
で……宮本さんが、せっかくだから私らと一緒にだべったり歌わない?と、あれやこれやとありまして……宮本さん側のギャル4人と僕ら4人で……いつの間にかカラオケコンパになっていたという事だと、僕はようやく理解が追いついた。
しかしあれだ……伊佐美くんと本田くんは元々『陽』側なんだと実感してしまう、二人はもう早速打ち解けて語り出してて、僕と山城くんは蚊帳の外だ……。
どうする?僕らだけ先に、そーっと帰る?山城くんにアイコンタクトしたのだが……。
「あ、久島くんごめんね?もしかして、うちら邪魔しちゃった?」
僕が黙っていた事に気付いた宮本さんが、そう声をかけて来た。邪魔ではない、決して……ただ、こんな男女で騒ぐ経験がそもそも無いからどうしたらいいのか分からないのだ……何か話す最近の話題も無いし……。
「いや、邪魔とかじゃなくて……こんな雰囲気が初めてだから戸惑っているというか……」
「あは、正直じゃん?けど以外だなぁ、久島くん騎馬戦の時めちゃくちゃ体育会系みたいだったのに……」
「あれは……無理していたというか、諸事情で……」
あの時は色々あったから……としか言えなかった。どうしよう、話題が続かない……伊佐美くんと本田くんは普通に話してるのが凄い、こうなったら山城くんと抜け出そう……そう彼に目を向けた先には。
「あ、そのゲーム面白いよね、女の子かわいいし」
「えっ、知ってるの?」
「うん、私もやってる、フレンド登録する?」
……お、オタクに優しい日焼け肌ギャルとスマホゲーの話題で盛り上がりはじめただとぉ!?
なんて事だ!逃げ場を失ったか!?僕一人だけ蚊帳の外になってしまった……とりあえずドリンクバーで飲み物注いで外の空気を吸ってこようかとすら考えた。が、まだ僕の烏龍茶は半分残っていた、追加は不自然!
な、何か話題は、話題はないか、いやそもそも話す必要あるか?無理に、このまま黙っておくのはそれは不自然……と、何故こんな話を出してしまったのか、出て来た話題に僕は自身を殴りたくなった。
「と、というか、いいの?宮本さんって……体育祭の時に彼氏居たのに、こんな男子と話したりとか……して」
「えっ?」
ああ、デリカシーも皆無ななんとも無様な質問だ。もういっそ誰か僕を殺してくれ、そう思いながら、宮本さんからの罵倒や白けた眼差しが来るのを覚悟した。
「えー?久島くん、そんな事気にしてたの?それで白雄くんに悪いから黙ってたの?」
が、返ってきたのは笑顔だった、何をそんな事を気にしていたのかと宮本さんは笑いながら言うので、僕は先程までの重苦しい感覚が霧散して、一気に身体が軽くなった。
「え?あ、まぁ、だって……そうじゃないの?彼氏持ちでこんな遊びは、後で色々言われーー」
「て言うか、体育祭の後にあたしら別れたよ?」
「は!?え!?」
あの後に白雄くんなる、恐らく1組の男子とは別れたと聞いた僕は他人でありながら、宮本さんの事を知りもしないのに絶句した。
「そ、それまた何故?後を追ってたよね?」
体育祭で、後ろついて行くくらいには仲良しに見えたけど何があったんだと、下世話ながら聞いたらダメだろうに聞いてしまった。そうしたら彼女は、嫌がる事すらなくあっけらかんに言ったのである。
「いやね?久島くんが騎馬戦で助けてくれてからぁ、あいつに色目使うなとかウザくなったんだよね白雄くん、ただ久島くんは助けてくれただけで?体育祭のアクシデントじゃん?で、嫉妬して束縛気味になったから白けちゃって別れたんだぁ」
……僕のせいやんけ。
久島秀忠よ、貴様はクリアユースというグループを崩壊させ、そのメンバーのカップル全てを崩壊させた挙句、体育祭でまた一つの縁をはかいしたのだ、それを理解した僕は……宮本さんに深々頭を下げた。
「大変……申し訳ありませんでした」
「えっ!?何で謝罪!?」
「仲睦まじいキミらの仲を、裂いたのは僕なので……」
「いやいや!考えすぎ!?てか悪いのは狭苦しかった白雄くんだし、久島くんは私を助けてくれたから悪い事してないよ?」
フォローしてくれてありがたいが、やはり自分が白雄くんと宮本さんの仲を裂いた、としか思えなかった。
「もー、大袈裟だよぉ、高校生の付き合いなんだからそこまで重く受け止めないでよ、あれかなぁ?キミって一度付き合ったら結婚まで責任取るしかないって考えの、化石な昭和タイプ?付き合いと別れなんてしょっちゅうだから、久島くんが気にする必要全くないよぉ?」
「そ、そんなものなのか、本田くん……」
あまりにも古臭い恋愛観だ、フランクに考えて欲しいと語る宮本さん。実際今の恋愛はそうなのか?唯一恋愛も、セックスも経験ありな僕達のグループ唯一の恋愛知見者、本田くんに尋ねてみた。
「俺がいうのも何だが、宮本さんの話は大体合ってるな久島、お前の目の前に……やらかした男が居るだろ?」
目の前に実例があるだろと、ちょっと悲しみながら笑う本田くんには、流石に頷く事も笑う事も出来なかった。
「えー?何かやっちゃったの本田くん?」
「昔、間男になってな……柳に唆されて……」
「あ、ヤナビッのがっこー、そう言えば波浜なんだっけ?」
「ヤナビッチぃ!?ちょう待ってくれ、そら一体どう言う意味や?」
「何だと……!?あいつまさか……中学時代からそうだったのか?じゃあ秋山以外にも……」
そして今や不登校で姿を見せない過去の女の、ヤバい過去が他校のギャルにより暴かれそうになるや……宮本さんはさながら、視界の外から放つ見えないフックパンチの如く僕に言い放ったのだ。
「て言うかさぁ、久島くん?うち助けられてやっぱり好きになっちゃったしぃ……どう?付き合ってみない?」
「……え?」
あまりにも唐突な告白に、僕も……そして伊佐美くん、山城くん、本田くんも聞き逃さなかったのか……一気に僕と宮本さんの方に向いた。
久島秀忠、現在16歳……人生初めての告白を受けた瞬間だった。
それは、人気のない校舎裏や、体育館裏……夕焼けに染まる帰りの下校路とかではなく、ましてや今さっきようやく名前を知った同じ学校の女子から、他にも人が居るカラオケボックスの中という、青春のノスタルジーも何も無い場所で起こったのだった。
「いや、え、え?な……は?あー、ええ?」
「あー……キャパ超えたみたいだな、すまん宮本さん……ちょっと彼に時間を貰えるか?」
「いいよー?」
僕が?宮本さんと?付き合う?お付き合いって、それは……二人でデートしたりとか、色々したりする関係って事だよな?
え、いいのか?宮本さんは……白雄くんと別れたばかりだ、彼女は……まるで僕が彼から寝取ったみたいに……いや寝てすらないから違うし、別れてるからいいのか?
というかそもそも、僕には……好意を向けられた比嘉出さんが居るし……いや、そもそも比嘉出さんが勝手にそう言っているだけ、彼女とは付き合ってすらいないから……受けていい筈だ。
「おー、受けたらええやんけ久島ぁ!それともあれかぁ?お前、比嘉出ともう付き合っとったりするんか?」
「比嘉出さん?」
「!!」
伊佐美くん?お前、それをこの場で言うのか!?いや、言われても仕方ないし止める権利は僕にも無い、しかし……弁明はしていいよな!?僕は伊佐美くんに言った。
「つ、付き合ってはいない!付き合っては……いないけど……」
「エロ写真は貰ったんだよな、確か」
「本田くん!?何故それを!?」
「学校で見るのはやめとこうな、久島」
本田くんからさらに詰める援護射撃を喰らった僕、お前ここで男らしく決めんかい、そんな思惑すら見える表情を彼は浮かべていた。
「ふーん……他に狙っている子が居るんだ……モテるんだね?」
「い、いや、そんな事は……」
多分僕は、人生最大のレベルで追い詰められている……宮本さんの瞳は、僕が隠し事をしていた事を知り侮蔑している目……では無く、知ったからこそ燃えるとばかりに……熱を持った眼差しを向けていた。
「ま……今日いきなり会って付き合うってのは流石にだよね?ならさ、連絡先交換だけでもしようよ」
「あ……ま、まぁ、それくらいなら……」
何を偉そうに、何を当たり前に、比嘉出さんの思いに答えず、何をお前はやっているのだ久島秀忠……。
スマホをしまえよ、断れよ……キープか?童貞で恋愛経験すらないお前が?だが、僕の頭の中には……宮本さんへの欲情に満たされて、鼻の奥には……彼女の香水らしき薫りが蘇り……メッセージアプリに、彼女の名前が浮かび上がった。
「えへへ、じゃあ今夜、連絡するね?」
そこから先は、覚えていない。
ただ皆で、歌って騒いだ。
伊佐美くんは他校のギャル達の連絡先ゲットに歓喜し、山城くんは物静かな日焼け肌ギャルとずっと会話して別れて……本田くんは適度に楽しめたと背伸びしてリラックスしていて……その日は解散した。
信じられない話ではあるが……まさか自分のメッセージアプリに、女性の名前が二つもあると言う事実に……どうしたらと言う感情が3割、そして残り7割が嬉しいに染まってしまって、正常な判断を失わせていて……所詮僕も男でしかないと言う事を、自覚させられたのであった。
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