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エピローグのその後で〜
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小山内直美は、教室で頬杖を付きながら斜め前に座った女子生徒を見ていた。
彼女はいつも前髪を長くしていて、おとなしい印象の子だったはずだ。
いつも賑やかな女生徒のグループと行動していて、「疲れないのかな。」と思ったこともあったのだが。毎日、バカみたいに本ばかり読んでいる直美は全く気が付いていなかった。
どうやら、彼女はそのグループでいじめられていたらしい。
同じ制服に同じような髪型。そんなグループ内でえてして起こりがちなそういったことに無縁でいた直美だったが、さすがに斜め前の席がぽっかりと空いてしまったかのような状況に、少なからず心を痛めてはいた。
しかし、久々に登校してきた彼女は、前とは全く別人のようだった。
おとなしい印象は変わらないが、オドオドとした態度は全くなく、前髪も髪留めで留めていて、パッチリとした目がとても可愛かった。まるで、ファンタジー小説に出てくるヒロインのようだな。と思ったほどだ。
何が彼女をそこまで変えたのか、とても不思議に思っていたのだけれど。
「珍しい奴が来てるな。」と、隣の男子が話しかけてくる。
こっちは読書中だっつうのに、懲りない奴だ。しかも、その声はきっと彼女に聞こえている。
でも、彼女の背中には「お気になさらず。」と書いてあるかのようだった。
「あ、これ、ありがとね。」直美は机の横に掛けていた紙袋を、どんっという音と共に机の上に置いた。中には数冊の本が入っている。
「どうだった?」と、聞かれ「良い!」と答える。
「悪いスライムじゃないよ。は、私の流行語大賞確定だわ。」と直美が言うと、「だよなー!」と笑って、彼は紙袋の持ち手を掴んでロッカーの方へ持って行った。
隣の彼が、超がつくほど有名な異世界転生の本を読んでいたのを見て、それまで全く話しかけたことも無かったのに、勇気を出して話しかけ、借りたのだった。
それからちょこちょこと話すようになり、お互いに本を貸し借りするようになり、彼は今では悪役令嬢系にはまっている。婚約破棄からの皇太子ざまぁ系がお気に入りらしい。
彼の性格が伺えるというものだ。あんまり近寄らんとこ、と直美は思う。
「どんな本を読んでいるの?」
「へ?」
思いもよらぬ所から話しかけられて、直美は変な声が出てしまった。自分の頬が赤くなるのがわかる。気にしないフリをする。
「いつも本読んでるけど、その本面白いの?」と、斜め前の席から彼女が聞いてくる。
「ライトノベルだから好みは分かれると思うけど、妙にはまっちゃってるんだよね。」
同級生らしく話せただろうか。挨拶ぐらいしかしたことが無かった彼女。
名前は確か、…浅井さん。
「ライトノベルってことは、異世界系? 悪役令嬢関係?」
「お? もしかして、いける口ですか。」
まさかの反応! 同士! ってことで、直美は一気に壁を取っ払う。
「携帯小説を少々。」と彼女が笑う。
うわ! めっちゃ可愛い! 尊い!
「戦闘系も読む?」
「読むけど、それなら私はゲームの方が好きかな。あと漫画。」
「私、ゲームはちょいちょいだな。漫画は?王道?」
「マジョリティもマイノリティも面白ければ。」
「だよねー!」
お互いの好みを手探りだけど、がさがさと音がしそうな勢いでさぐり合う。
転生、魔法、悪役令嬢、チート、王子様、魔王、海賊、ドラゴン…と、その世界は頭の中で限りなく広がっていく。まるで一つの宇宙のようだ。
完全に一緒の趣味では無いが、ベクトルは同じ方向を向いている。
それが直美には妙に嬉しくて。
彼女も楽しそうに話してくれている。向こうの方でヒソヒソとこちらを向いているグループがあるけど、そんなことは気にしていられない。
そこに、隣の男子が帰ってきて「なんだよ。俺も交ぜろよ。」と言う。
「こいつ、ざまぁ系推し。」と直美が言う。
「ええー。」と莉愛が嫌そうな顔をする。
「なんでそうなるんだよ。もっと良い紹介の仕方があるだろうよ。」と彼が怒ったように言う。
直美が笑う。
莉愛も笑う。
話してみなければ、わからない事だらけだ。たまには本を閉じて、こんな時間を過ごすのも悪くないと直美は思う。
「今、どんなゲームやってる?」と隣の男子が莉愛に話しかける。
こいつはゲームもいける口らしい。
すると、莉愛はニッコリと笑って、「おすすめのゲームがあるの。」と言った。
彼女はいつも前髪を長くしていて、おとなしい印象の子だったはずだ。
いつも賑やかな女生徒のグループと行動していて、「疲れないのかな。」と思ったこともあったのだが。毎日、バカみたいに本ばかり読んでいる直美は全く気が付いていなかった。
どうやら、彼女はそのグループでいじめられていたらしい。
同じ制服に同じような髪型。そんなグループ内でえてして起こりがちなそういったことに無縁でいた直美だったが、さすがに斜め前の席がぽっかりと空いてしまったかのような状況に、少なからず心を痛めてはいた。
しかし、久々に登校してきた彼女は、前とは全く別人のようだった。
おとなしい印象は変わらないが、オドオドとした態度は全くなく、前髪も髪留めで留めていて、パッチリとした目がとても可愛かった。まるで、ファンタジー小説に出てくるヒロインのようだな。と思ったほどだ。
何が彼女をそこまで変えたのか、とても不思議に思っていたのだけれど。
「珍しい奴が来てるな。」と、隣の男子が話しかけてくる。
こっちは読書中だっつうのに、懲りない奴だ。しかも、その声はきっと彼女に聞こえている。
でも、彼女の背中には「お気になさらず。」と書いてあるかのようだった。
「あ、これ、ありがとね。」直美は机の横に掛けていた紙袋を、どんっという音と共に机の上に置いた。中には数冊の本が入っている。
「どうだった?」と、聞かれ「良い!」と答える。
「悪いスライムじゃないよ。は、私の流行語大賞確定だわ。」と直美が言うと、「だよなー!」と笑って、彼は紙袋の持ち手を掴んでロッカーの方へ持って行った。
隣の彼が、超がつくほど有名な異世界転生の本を読んでいたのを見て、それまで全く話しかけたことも無かったのに、勇気を出して話しかけ、借りたのだった。
それからちょこちょこと話すようになり、お互いに本を貸し借りするようになり、彼は今では悪役令嬢系にはまっている。婚約破棄からの皇太子ざまぁ系がお気に入りらしい。
彼の性格が伺えるというものだ。あんまり近寄らんとこ、と直美は思う。
「どんな本を読んでいるの?」
「へ?」
思いもよらぬ所から話しかけられて、直美は変な声が出てしまった。自分の頬が赤くなるのがわかる。気にしないフリをする。
「いつも本読んでるけど、その本面白いの?」と、斜め前の席から彼女が聞いてくる。
「ライトノベルだから好みは分かれると思うけど、妙にはまっちゃってるんだよね。」
同級生らしく話せただろうか。挨拶ぐらいしかしたことが無かった彼女。
名前は確か、…浅井さん。
「ライトノベルってことは、異世界系? 悪役令嬢関係?」
「お? もしかして、いける口ですか。」
まさかの反応! 同士! ってことで、直美は一気に壁を取っ払う。
「携帯小説を少々。」と彼女が笑う。
うわ! めっちゃ可愛い! 尊い!
「戦闘系も読む?」
「読むけど、それなら私はゲームの方が好きかな。あと漫画。」
「私、ゲームはちょいちょいだな。漫画は?王道?」
「マジョリティもマイノリティも面白ければ。」
「だよねー!」
お互いの好みを手探りだけど、がさがさと音がしそうな勢いでさぐり合う。
転生、魔法、悪役令嬢、チート、王子様、魔王、海賊、ドラゴン…と、その世界は頭の中で限りなく広がっていく。まるで一つの宇宙のようだ。
完全に一緒の趣味では無いが、ベクトルは同じ方向を向いている。
それが直美には妙に嬉しくて。
彼女も楽しそうに話してくれている。向こうの方でヒソヒソとこちらを向いているグループがあるけど、そんなことは気にしていられない。
そこに、隣の男子が帰ってきて「なんだよ。俺も交ぜろよ。」と言う。
「こいつ、ざまぁ系推し。」と直美が言う。
「ええー。」と莉愛が嫌そうな顔をする。
「なんでそうなるんだよ。もっと良い紹介の仕方があるだろうよ。」と彼が怒ったように言う。
直美が笑う。
莉愛も笑う。
話してみなければ、わからない事だらけだ。たまには本を閉じて、こんな時間を過ごすのも悪くないと直美は思う。
「今、どんなゲームやってる?」と隣の男子が莉愛に話しかける。
こいつはゲームもいける口らしい。
すると、莉愛はニッコリと笑って、「おすすめのゲームがあるの。」と言った。
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