前世である母国の召喚に巻き込まれた俺

るい

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祝いの席

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 その日、俺は喜びを分かち合う人達を遠回しに見ていた。俺が呼ばれた意味が分からないほど、蚊帳の外だ。だが、俺も馬鹿ではないから、そこへ行こうとはせずに気配を消して静かにこの場が終わるのを待つ。
 しかし、俺はあまりに暇すぎて外の見えるバルコニーに移動した。後ろを向けばシアと聖女であるあの彼女が皆にお礼を言われているのが見えたが俺は胸が苦しくなり、前を向く。
 もし、死ななかったら俺もあの隣にいる事を許されたのだろうかと思い、落ち込む。

「酒飲むなよ、フィーロ」

 ため息を俺がついた時、背後から声がかかった。

「飲んでないよ。それより、こんなとこにいていいの? 戻りなよ、エイン」
「もういいんだよ、俺は。後はスタシアが対応しておけば」

 疲れた顔をしたエインは俺の隣にくるとバルコニーの柵にもたれシア達のいる方を見た。それに俺もシア達の方に向き直り、柵にもたれた。

「それにしても本当にお疲れ様。これで平和になるね」

 無事、聖女の浄化によって平和になった事を今宵は祝っているのだ。それの功労者にあたるエインは祝いの中心から外れ、こんな目立たないところに来ている。

「まあな。それより、フィーロも解放されるな。騎士団に絶対いなくてよくなるがこのまま補佐でいるのか?」
「どうしようかな。他に行く場所ないし、生活が困るから出来ればこのままの方が助かるけど」

 そう、平和になったという事は俺と聖女は解放されたに等しい。だから、自由にしていいが俺は聖女の彼女のように何か成し遂げた訳でもないし、おまけに魔力もないから自由にしていいと言われても困るのだ。仮に街で暮らすにしても魔力がない俺は仕事を探すのも苦労するだろう。なので、このまま騎士団で世話になりたいがもう俺の異世界から来たという特別扱いは自由になった今、なくなる。まあ、元からあまりないが。結局のところ魔力なしで騎士団に居続けさせてもらえるのかという不安が俺にあった。戦えない者は騎士ではないのだ。もし無理なら頑張って職を探すしかない。

「なら、補佐のままいてくれよ。俺の苦労が減るし」
「俺、このままいさせてもらえるかな? 魔力ないよ?」
「魔力がなくてもフィーロは戦えるだろう」

 嬉しいことを言ってくれるエインに俺は笑う。しかし、次の言葉で俺は笑顔が消える。

「そういえば、スタシアが聖女と婚約するとか言うんだが何か聞いてるか?」

 エインの言葉に俺はすぐに返せなかった。

「フィーロ、聞いてるのか?」

 再び彼から声がかけられ漸く、俺は答えた。

「え、あ、ごめん。いや知らない、シア、婚約するんだ」
「俺もよく分からないが珍しくスタシアも否定しないからな」
「そうなんだ……」

 エインから教えられる話に俺は悲しくなり、一人になりたくなったが運よく彼が人に呼ばれ去っていく。俺はまた一人になると近くでちょうどお酒を配っていたのでもらい、飲んだ。

「どうしよう、リーシャの言う通りだ」
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