異世界で自助努力に徹してます。

極楽とんぼ

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第2章

026 魔術院(2)

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「・・・筆頭魔術師って魔術師として一番偉い人なんですよね?」
思わず、確認してしまった。

私が何故質問したのか分かっていたらしく、アフィーヤがにやっと笑う。
「対外的にはね」

おや~?
「対内的には?」

「魔術院の規定では、例え筆頭魔術師が命じるのであろうと、対内的な重要事項を実行させるにはその担当長老の合意が必要となっている。幾つかの部門を影響する事項の場合は長老会の過半数の合意が必要だ。担当長老が拒否した場合でも長老会の過半数の議決があれば実行することも可能だが、言いかえれば長老会の過半数の賛成を得られなければ物事は動かないのさ。
筆頭魔術師は長老会に自分の提案を合議するよう命じる権利はあるが、長老会が否決したらそれまでだ。
気に入らない長老を解任する為に解任の議決を挙げることもできるが、その際も長老2人が賛成しなければ解任は出来ない。
対内的な事項だったらその部門担当の長老の方がよっぽど権力があるし、別に筆頭魔術師じゃなくても20人の魔術師の署名を集めれば普通の魔術師だって長老会に議案を提案する権利がある。
つまり対内的には筆頭魔術師であってもそれ程突出した権力はないのさ」

・・・常務取締役が実権を握っちゃっている会社の、お飾り社長みたいな感じが微妙にするなぁ。
さっきのちょっと哀愁の漂った後ろ姿はその現実のせいだったのかな?

「ここだけの話・・・」
アフィーヤがにやりと笑いながら続ける。
「魔術師の地位を対外的に高める為の重要な仕事ではあるよ?
でも、人と話して根回ししたりコネを作るのが重要な仕事なんて、鬱陶しいだけだと思っている魔術師の方が多いのさ。
創造魔術が使えればそこそこ贅沢な暮しだって出来るんだ。
態々偉そうな貴族や石頭の文官達や筋肉馬鹿の軍人たちと、四六時中顔を突き合わせていなけりゃならないような仕事なんてやりたがる変人はそれ程多くは無い。
自分からやりたがってくれるファディルには感謝しているんだ。だから、大抵のことはやりたいようにやらせているんだよ」

で、やりたいようにやらせていたら、ちょっと人を誘拐しちゃった、と。
王様と似たような感じだ。

しっかし。
生まれた時から裕福な人ってお金に対して鷹揚になることが多いってどこかで読んだ気がするけど、創造魔術で金を創り出すことが出来る魔術師っていうのも鷹揚になるんだね。
ま、私も以前に比べたら金銭的な考え方は大らかになったと思うから、気持ちは分かるけどさ。


◆◆◆


カフェテリアでお茶を楽しんだ後、魔術依頼受託・振り分け担当(略して『魔術担当』と呼ばれるらしい)の長老に紹介された。
魔術院運用担当(『運用担当』)は休暇中、魔力ある人間発見・教育担当(『教育担当』)の長老は他の地域を回っているらしくて会えなかった。
一度にたくさん紹介されても人の顔も名前も覚えるの苦手な私では忘れるのが落ちだから、ちょうど良かったかも。

「さて、魔術院の研究所は基本的に結界の効率化か対魔物に使える術の研究をしている。
魔術院の運用に役に立つような術の研究も歓迎だ。
完全に魔術院に関係のないような術の場合は自分の時間でやってもらうことになっている。魔術院から給料を貰っているんだから、それなりに魔術院に役に立つモノを開発してもらわないと困るからね。
何か思いついたら私に相談してから始めて頂戴。
ここが、あんたの部屋だよ」
あいさつ回りが終わった後に、二階の渡り廊下を通って別棟にある研究所に私を連れてきたアフィーヤが宣言した。

『あんたの部屋』は5畳ぐらいの小さめな部屋だった。
台(机?)と椅子だけがあり、後は何もない。

うぉい。少し殺風景だぞ、これ。

ええっと~。
何を研究すりゃいいんだい。
「まず、他の人たちが何を研究しているのかを見せてもらってもいいですか?
どんなものが研究対象になるのか参考になると思いますし」
とりあえず、時間稼ぎだ!

「そうだね、他の人間も紹介しておこうか。そうすれば私がいない時にも相談できる相手が増えるし」
あっさり頷いたアフィーヤはずんずんと隣の部屋へと進み始めた。

「バーシル!今度新しく研究所で働くことになったフジノだよ!仲良くしてやってくれ。
フジノ、バーシルは対魔物保護結界の可動化について研究している魔術師だ。研究所の中でも珍しく常識的な人間だから、何かあったら頼るといい」
隣の部屋の入り口へ首を突っ込んでアフィーヤが中の魔術師へ声をかけた。
おや、呼び捨てられた。
どうやら、カフェテリアでお茶をしたことで私は『客人』から『部下』に変わったみたいだ。まあ、いいんだけどね。

それはそうと。
対魔物保護結界の可動化かぁ。
これに成功したら商人の馬車とかも保護出来る。
・・・対魔物保護結界を土地じゃなくって物に対して張れないって言うのは知らなかったけど、成功すれば国にとってもかなりプラスになるだろう。

「よろしく」
小柄な男性が無愛想に小さく頷いてきた。

イマイチ・・・頼りやすいタイプには見えませんが?

しばし沈黙が流れる。
「あーもう、その人見知りいい加減にしな!
フジノも、バーシルは人見知りするんで最初は無愛想だが、気にしないでなんでも相談してくれ。本当に邪魔だったらはっきりそう言う奴だから、遠慮何かいらないからね」

そう言い放ってアフィーヤは部屋を出る。
慌てて付いて出て行った先で紹介されたのは、攻撃魔術を研究していると云うデニーシャ(ちなみに、すっぴんで実用一点張りな服装をしているのに絶世の美女だった)。
その次に紹介されたのが電話番号モドキな金属片を開発したと云うエマル。
「そうだ、エマル!あの金属片に向こうからの意思の表明を反映出来るようにしてくれ。
まずは丸とバツとか二色とかでいい。
フジノが思いついたんだが、『仕事を受ける気なし』と『是非仕事が欲しい』の二種類の意思表示が出来たら楽だろう?」

エマルを紹介している最中にアフィーヤが突然言い出した。
ああ、そっか開発者に改善を頼むのが一番だよね。
エマルはしばし虚空を睨みながら考えていたが、やがてゆっくり頷いた。
「出来そうな感じがしますね。頑張ってみます」

そして最後に紹介されたのが、使い魔の研究をしているというフィラディーナ。
おお~~!!
使い魔ってやはりいるんだ!!
良かった。
だったらダールもつれて来れるかな?

「使い魔ってどんなタイプのモノが存在するんですか?」
思わず、フィラディーナに詰め寄って尋ねてしまった。

そんな私を見て笑いながら、アフィーヤは出ていった。
「紹介するのはフィラディーナで終わりだから、私は部屋に戻るよ。研究したいモノを思いついたら、私の部屋まで来ておくれ」

「分かりました」
開発担当長老に軽く頷き、再びフィラディーナに向かう。

「で?この世界の使い魔って動物タイプなんですか?それとも幻獣タイプ?はたまた精霊タイプとか?」
適当に今まで小説とかに出てきた使い魔のタイプを列挙しながら聞いてみる。

フィラディーナの目が驚きで大きくなった。
「精霊って使い魔に出来るの?」

「あ、やっぱり無理?もしかしたら違う世界の違う魔術理論に基づいたら可能になったりしないのかな~なんて思って聞いたんだけど」
思わず言葉づかいがタメになってしまったが、まあいいだろう。
年齢も似たり寄ったりだし、向こうから最初にタメで話しかけてきたんだし。

「この世界の使い魔は動物か幻獣と契約魔術で絆を作り上げることで得るの。
術のレベルやそれに掛けた魔力で差は出てくるけど、一般的に動物を使い魔にしたら言葉が通じるようになり、幻獣だったら魔術が使えるようになるというところかしら。
まあ、幻獣は元から魔術を使えるタイプが多いんだけどね」

ふむ。
幻獣タイプだったらダールが魔術を使っていても極端に違和感は無い訳ね。
でも、見た目は普通に猫だからなぁ。

「動物タイプは魔術って絶対に使えないの?」

「う~ん、難しいんじゃないかなぁ。
幻獣は、捕まえて使い魔にするのが難しいからねぇ。私としても普通の動物を使い魔にしながら、魔術の補助をしてもらえないかと色々研究しているんだけど・・・中々うまくいかない」
ふうっとフィラディーナがため息をついた。

うう~む。
では、ダールは使い魔だけど人前では魔術を使うなと言っておくかな。
下手に魔術を使って見た目を幻獣に見えるように偽装なんてしたら、却って怪しまれそうだ。

かといって、『私の以前いた世界では可能だったの』で済まそうにも、どうやって猫を魔術の使える使い魔に変えたのか知らないし、ダールを実験動物に出すつもりもないし。

中々難しい。

まあでも、少なくともダールと意思の疎通が出来ても変だとは思われないらしいから、よかった。

魔具マジックアイテムを使った術なら動物タイプの使い魔でも使えない?そうしたら取り合えずの支援にはなるよね?」
うっかりダールが魔術を使っているところを目撃された時の防衛策として、多少それらしいことを提案しておかないと。

ぽんっとフィラディーナが手を打った。
「確かに、それってありよね。
ボタンを押したりする程度なら大抵の使い魔が出来るから、簡単な後ろの保護だけでもやってもらえると助かりそう。
・・・とは言っても、攻撃魔術を掛けるような魔具マジックアイテムは魔力の消費が激しいから殆ど使い捨てになってしまいそうだけど」

お。
これって魔石で魔力を供給するタイプの魔法陣を使った魔具マジックアイテムを提案するのにいい機会かも。

「以前の世界でやっていた研究は、魔石で魔力を供給するタイプの魔法陣なんだけど、それを使った魔具マジックアイテムだったら魔石さえ取り変えれば何度でも使えない?」

フィラディーナが首を傾げた。
「魔法陣の魔力を魔石で供給するの?」

「そう。
私の世界は魔術師の数が極端に少なかったからね。一々魔術師が自分で魔力を込めて魔法陣を作っていたんだったら供給があまりにも少なくて需要に全く追い付かなかったのよ。
だから普通の人間でも作れる魔法陣を創ろうって研究が始められた訳。
まだ完成していなかったけど、理論としては可能だと思うのよね。
ただ、魔石に魔力を込めるプロセスの方は他の人間が担当していたから、殆ど何も知らないんでそこがネックになるかもしれないけど」
実は、理論として可能どころか、既にちょろっとテスト済みなんだけどさ。
取り合えずこちらではそう言うアイディアが無いみたいだから『可能そう』と言っておいた方が、もしも強硬な反対がどこかから出た時に方向転換しやすい。

「あ~魔石?あれだったらバイト代わりに魔力のあまっている魔術師に創らせたら?
まあ、所々で採鉱出来るらしいし」

ふむ。
魔術師が魔力を込めれば魔石が比較的簡単に創れるというのは知られているのね。
まあ、最初に買ったネックレスって正しく魔石を作る為の魔具マジックアイテムに近かったし。

「そうね。じゃあ、アフィーヤ長老に提案してみる」

ついでに特許の話もしてこようかなぁ。

考えてみたら、一般の企業機密を特許でコントロールしようと思ったら、最初の情報周知が大変すぎる。

魔術師という人数が限られた団体で始める方が現実的かもしれない。
特許料を払うだけで魔具マジックアイテムを一般職人でも製作出来る(魔石も買わなきゃいけないけど)というニュースな話題と結びついて制度を始めたら、制度の広報にもなるだろうし。

魔術師にとっても魔法陣の特許権と魔石の販売という二種類の収入源が発生することで、悪くは無い提案なんじゃないかなぁ。

実施にあたって色々実務的な問題はあるんだろうが、それこそ魔術院の運用担当の長老さんに頑張って貰いたいところだね。
最終的には『魔術』と言うモノを一般市民にぐっと身近にする効果もあるだろうし。

とりあえず、提案だけでもしてみよっと。
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