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第二部 旅のはじまり~小さな娼婦編~
小さな娼婦編 第四十六話
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翌日の昼近くまでたっぷり眠った雷砂は、昼食の後、セイラと手をつないで冒険者ギルドへと向かっていた。
今回の依頼でおきた出来事は隠すことなく全て話してある。
もちろん、クゥの事も、その正体に関しての情報も含め、きちんと説明した。
クゥを引き取り、雷砂が面倒を見るつもりだという事も。
セイラに隠し事をするつもりは無かったし、その必要性も感じていなかったから。
それを聞いたセイラは、なにも迷うことなくにっこり笑っていった。
『じゃあ、早く迎えにいってあげないとね』と。
イルサーダにも一応事情を説明してから一人で冒険者ギルドへ向かおうとしたら、セイラがひょっこり顔を出し一緒に行きたいと言ってきたので、二人で連れ立って宿を出た、という訳だ。
どちらからともなく手をつなぎ、二人はのんびりと冒険者ギルドへの道を歩く。
この街に来てから何かと忙しく、二人でゆっくりする時間などほとんどとれなかった。
二人きりで過ごす、何気ない時間が嬉しくて仕方がないと言うように、セイラの足取りが弾んでいる。
雷砂はそんな彼女の横顔を見上げ、可愛いなぁと目を細めるのだった。
「なぁに?雷砂」
自分を見上げる雷砂の様子に気づいたセイラが、小さく首を傾げて問いかける。
「ん~?何でもないよ」
雷砂は微笑み、答えた。
だが、そんな答えに納得するセイラではない。
彼女は少しだけ唇を尖らせ、
「ダメ。そんな答えじゃ納得しないわよ?言ってくれないと気になっちゃうじゃない」
そう言い募る。
そんな彼女がまた何とも可愛くて、雷砂は仕方ないなぁと笑みを深め、繋いだ手を口元に引き寄せてそっとキスを落とした。
そのまま上目遣いに見上げれば、セイラは目元をほんのりと紅く染め、潤んだ瞳で雷砂を見返す。
濡れた唇がうっすらと開いて、雷砂を誘っているように見えた。
手を伸ばし、セイラの髪を一房だけ手の平に閉じこめ、促すようにそっと引き寄せる。
セイラはそれにあらがうことなく雷砂の方へとそっと身を屈め、そんなセイラの唇に、雷砂は伸び上がるようにして自分の唇を押し当てた。
最初は軽く。次第に深く。
抱き合うわけでもなく、手を繋ぎあったままキスを交わす。
深く、深く交わる口づけを。
熱い舌を絡め合い、唾液を交換し、いつまでもこうしていたいという思いを何とか理性で押しとどめ、雷砂はその行為を終わらせる。
間近から、セイラの瞳を見つめれば、彼女の瞳はさっきよりもさらに潤んで色っぽく、その奥に情欲がくすぶって見えた。
雷砂はくすりと笑い、セイラの頬を撫でる。
続きはまた今度と言うように。
それを正確に感じ取って、セイラは再び唇を尖らせる。
その様子がまた可愛く、雷砂の理性に揺さぶりをかけ、困ったなぁと思っていると、
「答え、まだ聞いてないわよ」
セイラの唇からそんなセリフ。
答え?なんだっけ??と数瞬考え、思い至った雷砂は、ああ、と笑う。
思わず浮かんだ無邪気な笑みを、悪戯っぽい笑みに塗り替えながら、
「セイラの事が好きだなぁって、思ってたんだ」
そっと秘密を打ち明けるように、密やかに囁く。
伸び上がって唇を寄せた、その耳元で。
瞬間、セイラの顔がさっきの比ではないくらいに紅く染まり、その耳までも鮮やかに色づいた。
(ああ。ほんとに可愛いなぁ)
と今日何度目になるか分からない感想を抱きつつ、愛おしい人を見上げると、彼女は恥ずかしそうに雷砂を見つめ返し、
「もう……バカ……」
消え入りそうな声でそんな反応を返すのだった。
そんな二人の様子に道行く人々は目を白黒させる。
白昼堂々、往来のど真ん中で始まったラブシーンに度肝を抜かれ、見ちゃいけないものを見てしまったとばかりにそっと目をそらし、みんな足早に歩き去って行くのだった。
今回の依頼でおきた出来事は隠すことなく全て話してある。
もちろん、クゥの事も、その正体に関しての情報も含め、きちんと説明した。
クゥを引き取り、雷砂が面倒を見るつもりだという事も。
セイラに隠し事をするつもりは無かったし、その必要性も感じていなかったから。
それを聞いたセイラは、なにも迷うことなくにっこり笑っていった。
『じゃあ、早く迎えにいってあげないとね』と。
イルサーダにも一応事情を説明してから一人で冒険者ギルドへ向かおうとしたら、セイラがひょっこり顔を出し一緒に行きたいと言ってきたので、二人で連れ立って宿を出た、という訳だ。
どちらからともなく手をつなぎ、二人はのんびりと冒険者ギルドへの道を歩く。
この街に来てから何かと忙しく、二人でゆっくりする時間などほとんどとれなかった。
二人きりで過ごす、何気ない時間が嬉しくて仕方がないと言うように、セイラの足取りが弾んでいる。
雷砂はそんな彼女の横顔を見上げ、可愛いなぁと目を細めるのだった。
「なぁに?雷砂」
自分を見上げる雷砂の様子に気づいたセイラが、小さく首を傾げて問いかける。
「ん~?何でもないよ」
雷砂は微笑み、答えた。
だが、そんな答えに納得するセイラではない。
彼女は少しだけ唇を尖らせ、
「ダメ。そんな答えじゃ納得しないわよ?言ってくれないと気になっちゃうじゃない」
そう言い募る。
そんな彼女がまた何とも可愛くて、雷砂は仕方ないなぁと笑みを深め、繋いだ手を口元に引き寄せてそっとキスを落とした。
そのまま上目遣いに見上げれば、セイラは目元をほんのりと紅く染め、潤んだ瞳で雷砂を見返す。
濡れた唇がうっすらと開いて、雷砂を誘っているように見えた。
手を伸ばし、セイラの髪を一房だけ手の平に閉じこめ、促すようにそっと引き寄せる。
セイラはそれにあらがうことなく雷砂の方へとそっと身を屈め、そんなセイラの唇に、雷砂は伸び上がるようにして自分の唇を押し当てた。
最初は軽く。次第に深く。
抱き合うわけでもなく、手を繋ぎあったままキスを交わす。
深く、深く交わる口づけを。
熱い舌を絡め合い、唾液を交換し、いつまでもこうしていたいという思いを何とか理性で押しとどめ、雷砂はその行為を終わらせる。
間近から、セイラの瞳を見つめれば、彼女の瞳はさっきよりもさらに潤んで色っぽく、その奥に情欲がくすぶって見えた。
雷砂はくすりと笑い、セイラの頬を撫でる。
続きはまた今度と言うように。
それを正確に感じ取って、セイラは再び唇を尖らせる。
その様子がまた可愛く、雷砂の理性に揺さぶりをかけ、困ったなぁと思っていると、
「答え、まだ聞いてないわよ」
セイラの唇からそんなセリフ。
答え?なんだっけ??と数瞬考え、思い至った雷砂は、ああ、と笑う。
思わず浮かんだ無邪気な笑みを、悪戯っぽい笑みに塗り替えながら、
「セイラの事が好きだなぁって、思ってたんだ」
そっと秘密を打ち明けるように、密やかに囁く。
伸び上がって唇を寄せた、その耳元で。
瞬間、セイラの顔がさっきの比ではないくらいに紅く染まり、その耳までも鮮やかに色づいた。
(ああ。ほんとに可愛いなぁ)
と今日何度目になるか分からない感想を抱きつつ、愛おしい人を見上げると、彼女は恥ずかしそうに雷砂を見つめ返し、
「もう……バカ……」
消え入りそうな声でそんな反応を返すのだった。
そんな二人の様子に道行く人々は目を白黒させる。
白昼堂々、往来のど真ん中で始まったラブシーンに度肝を抜かれ、見ちゃいけないものを見てしまったとばかりにそっと目をそらし、みんな足早に歩き去って行くのだった。
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