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第二部 旅のはじまり~星占いの少女編~
星占いの少女編 第七話
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「雷砂。今日はオレと街に出ようぜ!」
朝食の席でミカにそう誘われた。
セイラ達はどうするのかと聞いてみたら、セイラもリインも宿でのんびり過ごすとの事だった。
宿にいるのなら、二人は安全だろうと、今日はミカの誘いに乗ることにした。
嬉しそうに笑うミカと連れだって、宿を出る。
セイラもリインも安全だと、そう信じて。
その後ろ姿を、セイラとリインがじっと見送り、二人は顔を見合わせて頷いた。
雷砂には内緒にしていたが、二人には今日予定がある。
二人で街へ出て、雷砂への贈り物を買うのだ。
ミカには事前に、今日どの辺りを見て回るのか聞いてある。そのルートとかぶらないように気をつけながら、店を回る予定だった。
雷砂に余計な心配をかけないよう、先に出た二人より早く帰るつもりの二人は、手早く外出の準備を整え、宿を出ていく。
そして足早に、街の雑踏の中へと消えていった。
剣がほしいのだと言うと、ミカはすごく驚いたような顔をした。
今まで剣は持っていなかったのかと問われて、短剣しか持っていないことを伝えると、
「今まで短剣で、どうやって戦ってたんだよ?」
心底不思議そうに問われたので、そういえば再会してから、ミカに戦っているところを見せたことが無かったなと思い至った。
「あ~、一応、愛用の剣はあるんだ。ちょっと変わってるけど」
見せてしまえば一目瞭然なのだが、言葉で説明して分かってもらうのはちょっと難しい。
さすがに街中でいきなり剣を呼び出すわけにもいかず、さて、どう説明しようかなぁと雷砂は小さく首を傾げた。
とりあえず、細かい部分は省いて、大雑把な説明をするにとどめておく事にした。
自分には特別な加護があり、それによって変幻自在な特別な剣が使えること。
ただ、今後は少し、その剣に頼るのを控えようと思っていること。
それを聞いたミカは、ふぅん、そうなんだ、と頷き、
「んじゃ、知ってる武器屋があるからいこうぜ?前に兄貴と一緒に武器をあつらえたことがあるんだ」
そう言って、雷砂の手を取り歩き出した。
手をつないで歩きながら、ミカの横顔を見上げれば、その頬はほんのり赤い。
そして、自分を見上げている雷砂に気づくと、少し照れくさそうに笑った。
「な、なんか、緊張するな?」
「そう?オレは、ミカと居ると落ち着くけどな」
なにも考えずにそう返したら、ミカは少し複雑そうな顔で雷砂を見る。
あれ、変な事いったかな、と首を傾げ、
「どうかした?」
そう問えば、
「いや。落ち着くって言われて、嬉しいような、嬉しくないような、複雑な感じだなって」
苦笑混じりにそう返された。
「えっと、一緒に居て落ち着くって、オレは誉めたつもりなんだけど。一緒にいて、居心地がいいって事だよ??」
「うん。それはわかってんだ。一緒にいて落ち着くってのは、雷砂から信頼されてるのが分かるから嬉しい。だけど、落ち着くって事は、ドキドキしないって事だろ?オレは雷砂と二人だと、心臓がうるさいくらいなのにさ。オレだけが雷砂を好きすぎて、ちょっと悔しい」
仕方ないけどな、とミカが笑う。それでもいいと、覚悟して付いてきたのだから、と。
雷砂は困った顔で、ミカを見上げた。
「オレだって、ちゃんとミカのこと、好きだよ?」
そう、ちゃんと好きで、大切なのだ。
そんな思いを込めて、握った手にきゅっと力を入れた。
それを感じ取ったミカが口元に笑みを浮かべ小さく頷く。
「それも分かってるんだ。でもさ、ドキドキはしないだろ?」
「うん。ドキドキは、しないかも」
「だよな。でも、オレは雷砂をドキドキさせたいんだ」
ミカはそう主張する。
ドキドキかぁ、と自分の胸に手を当てる雷砂を横目で愛おしそうに見つめ、
「いつかさ、絶対ドキドキさせてやるからな?覚悟しとけよ?」
きっぱりと宣言して、雷砂の手をぎゅっと握り返すミカは少し楽しそう。
だが、楽しみにしてるよ、と微笑みを返すと、ミカはまたどぎまぎしたように目を泳がせ、顔を赤くした。
そして、己の胸に手を当てると、ドキドキするのは簡単だけど、ドキドキさせんのは難しそうだ、とはにかんだように笑った。
ドキドキはしなかったが、そんなミカを可愛いなぁと思い、ニコニコしながら歩く。
そうこうしている内に、どうやら目当ての武器屋に着いたらしい。
ミカに促され少し年季の入った建物に入ると、これまた年季の入ったちょっと頑固そうな店主に出迎えられた。
「一見さんはお断りだぜ?安くて使い勝手の言い武器なら、通り向こうの武器屋がお勧めだ」
こちらを見もせずにそんな言葉を吐く、ずんぐりむっくりした体型の髭面の男の様子に、ミカは懐かしそうに笑った。
「相変わらずだなぁ、おやっさん。そんなんじゃ、儲からないだろ??」
彼女の言葉に反応した男が顔を上げ、ミカを認めて片眉を上げる。
「おお?誰かと思えば、[レッド・ファング]のおてんば娘じゃねぇか。なんだ?今日は兄貴と一緒じゃねぇのかよ?」
「ちょっと前から兄貴とは別行動なんだ」
「んん?ソロ活動ってことかぁ??」
「兄貴は多分そうしてると思う。オレの方は、その、あれだ……こ、こいつと一緒に動いてる」
「……この、ちび助と?」
「お、おう!」
ミカは照れくさそうにそう説明し、男はその言葉に反応して雷砂の方を見た。
そして鋭い眼光でまじまじと雷砂を上から下まで見つめた後、再びミカへと視線を戻す。
「おいおい。こんな子供に手を出さなくても、他にいくらでも男はいるだろうが。第一、犯罪だぞ?こんな子供となんて」
呆れたように言われ、ミカは一瞬きょとんとした顔をし、それから彼の言葉の意味することに気づいて一気に顔を真っ赤にした。
そして、あわあわしながら、
「ち、ちがうぞ?雷砂とはそう言う関係じゃねぇよ……まだ」
そう返す。
そんなミカの様子に、男は改めて驚いたように目を見張り、それから再び雷砂に視線を向けた。
「なんだ?マジで惚れてんのか??こんなちびっこいのに??でも、確かにまあ、見た目通りと侮ったら、痛い目を見そうな感じだがな。おい、ちび助。名前はなんて言うんだ?」
「雷砂だよ、おじさん」
「おじっ!?……おれぁ、ハガンって名前がある。年食って見えるが、まだ三十路まえだ。おじさんはまだ勘弁してくれや」
「わかった、じゃあハガン。オレのこともちび助じゃなくて名前でよろしく」
「……呼び捨てかよ。まあ、いいか。で、強はどうするんだ。ミカ、お前の獲物か?それともそっちのチビす……雷砂のか?」
「オレの武器を見に来たんだ。オレに合いそうな武器、あるかな?」
「お前のか。どれ、ちょっと手ぇ見せてみな」
「手?ハガンも占いをするの??」
「占い??ああ、違う違う。おれの場合は、お前の手の大きさとかリーチを見るんだよ。そうしないとしっくりする武器を出して来れねぇだろう?占いなんざ、できるもんか。それに、あんな浮き沈みの激しい商売に手を出す奴の気が知れねぇや」
言いながら、ハガンは丹念に雷砂の手や腕を調べている。
そしてひとしきり調べた後に一つ頷くと、何もいわずに裏へと引っ込んでしまった。
取り残された雷砂は、隣に立つミカを見上げ、
「変わった人だね」
そんな風にハガンを評した。
「そうだなぁ。変わり者だけど、腕は確かなんだぜ?それに、気に入った奴にはお節介で面倒見もいいし」
「そうだね。いい人だ。俺みたいな子供でも、きちんと相手をしてくれる」
「だよな。オレも兄貴も、おやっさんには随分前から世話になってんだ。初対面だと分かりにくいけど、いい人だよ。武器を作る腕も確かだしな」
「おいおい。そんなに誉めてもなにもでねえぞ?」
そう言いながら奥から戻ってきたハガンは、鞘に納まった剣を何本か抱えてきた。
それをカウンターに置き、試して見ろと雷砂を促す。
雷砂はそのすべてを握って確かめ、それから首を横に振った。
「んん?ダメだったか??お前の手の大きさに合わせて握りやすいのを持ってきたつもりだったがな」
「持ちやすいのはすごく持ちやすい。でも、重さが……」
「ん?重すぎんのか??」
「ううん。逆。軽すぎるんだ。もう少し重いのってないかな??」
「これでもお前の手に合いそうな中では重めのを見繕って来たんだがな。ちなみに、雷砂。お前、どのくらいの重さまでなら持ち上げられるとか分かるか?参考までに知りたいんだが」
「どのくらいまで、かぁ。言葉だと説明しにくいな……」
言いながら雷砂は周囲を見回し、自分の力の強さを示すのにちょうどいい重しを探すが、手頃なものが目に入ってこない。
うーんと唸りながらハガンに視線を戻し、ふと彼の重厚な体型に目をとめた。
背は低いががっしりしていて体の厚みもあり、正直なところ、かなり重そうだ。
雷砂は彼をまじまじと見つめ、それから一つ頷いた。
そして、
「ハガン、ちょっといい?」
そう声をかけてから、彼の体を横抱きにした。それはもう軽々と。
自分より遙かに小さくて華奢な子供にお姫様だっこをされ、ハガンは目を丸くする。
うそだろ、おい……とでも言うように。
それからゴクリと唾を飲み込んで、
「こ、これでいっぱいいっぱいか?」
そう問えば、雷砂は涼しい顔で、
「ん?まだ半分も力を出してないよ?」
そう答えた。
「は、半分も出してねぇのか。そうか……よし。雷砂、大体の所は分かったから下ろしてくれ。ちょっと奥の在庫を見てくる」
「うん。いいよ」
ハガンの言葉ににっこり笑って応じ、危なげなく彼の体を床の上へ立たせてやる。
ハガンは、なにやらぶつぶつ呟きながら、再び奥の方へと消えていった。
そして待つこと数分。
再び彼が戻って来たとき、その手には一振りの剣が握られていた。
「ほら、持ってみろ」
彼に促されるままに、雷砂はその剣を手に持ってみた。
今までの剣と比べて特別に重いわけではなさそうだ。
刀身は細身で、普通の剣と違って少し反りがあり、ちょっと変わっている。
鞘から刀身を引き出して見れば、両刃ではなく片刃の刃の表面に波の様な美しい模様が浮かび上がっていた。
「綺麗だな、これ。それに握りやすい。けど、やっぱり軽いよ?」
雷砂が感想を述べると、
「まあ、ふつうの状態だとな。雷砂、お前魔法は使えるか?その刀に、魔力を込めてみろ」
ハガンはニヤリと笑ってそんな指示を出した。
「魔法を使えるかって言われると微妙って答えるしかないんだけど、魔力を込めるくらいならなんとか出来ると思うよ?えっと、こうかな」
雷砂は、自分の体の中の魔力を剣へ流すように意識してみた。
すると、面白いように、魔力が剣へと吸い込まれていく。
そして、吸い込まれる魔力と比例するように、剣の重量が徐々に増していくのだった。
「重くなってるね?どういう仕組みなの??」
「正直なところ、おれにも詳しい所はわからねぇんだ。こいつぁ、流れ流れておれの店にやってきた魔剣だからな」
「魔剣?」
「おう。今、お前がやってるみたいに魔力を流すと、重く固く鋭くなる。属性のある魔力なら、属性もプラスされるらしいぜ?」
「すごいじゃねぇか、それ!何でそんないいものが売れ残ってんだよ?」
ミカが驚いたように声を上げると、ハガンは苦笑して、軽々と剣を持っている雷砂を感心したように見つめた。
「売れねぇのは使い勝手が悪いからだ。その魔剣は、魔力を通さねぇとただのなまくらだし、魔力を通したら通したで一気に重量が増す。よっぽど怪力じゃねぇととてもじゃねぇが重たくて使えたもんじゃねぇんだが……」
「そ、そうなのか?雷砂、大丈夫か?重くねぇの?」
ミカに問われ、雷砂は魔力を通して程良く重くなった剣を軽く降ってみた。
特に不都合は感じられず、むしろその重さがちょうど扱いやすい。
正直にそう告げると、ミカには感心され、ハガンにはあり得ない者を見るような目で見られた。
自分で持ってきておいてその反応はないんじゃないかなと思いつつ、ハガンを見上げ、
「これ、買うよ。いくら??ついでに、腰に吊っておくベルトみたいのもあるといいな」
「剣帯か。お前の細っこい体に合うようなのがあったかな。ちょっくらみてくる」
「あ、この剣の値段は?」
「ああ、そうか。まあ、売れ残りだからな。安くしてやる」
ハガンはそう言って、一般的に剣二本分くらいの料金を提示した。
それを聞いたミカが目を丸くする。
「んな安くていいのかよ!?一応、魔剣だろ??」
「まあ、いいさ。どうせ売れ残りだしな。ま、初回のサービスだとでも思っとけや」
ハガンはそう言いおいて、裏へ行ってしまった。
ミカはそんなハガンの背中を見送り、それから雷砂の方を見てからにっと笑うと、その頭にぽんっと手のひらを乗せた。
「だってさ。良かったな、雷砂。得したな」
「ミカがいい店に連れてきてくれたおかげだよ。ありがとう」
にっこり笑ってお礼を言って雷砂は懐からお金を出そうとし、それをミカに押しとどめられた。
ミカの顔を見上げて首を傾げると、
「それ、オレが買ってやるよ」
「え?でも、悪いよ。安いっていっても、それなりの金額だし。ちゃんと自分で買えるよ?」
「いいんだよ。買わせてくれ」
そう言って、ミカは懐から財布をとりだした。
「ほら、もうすぐ一人で何処かに行くんだろう?餞別だよ」
ミカの口からでたその言葉に、雷砂は目を見開いた。
一座と別れて、一人、旅にでる。
その事実を、己の口からミカに告げた事実は無かったから。
「そ、か。知ってたんだな、ミカ」
「おう。ちょっと前にセイラから聞いた。心構えしとけって」
「そっか……ごめんな。本当はオレの口から言わなきゃいけないことなのに」
申し訳なさそうに自分を見上げてくる雷砂をまっすぐに見つめ、ミカは優しく微笑む。
「いいよ。言い辛かったんだろ?その気持ちも分かるしな。気にすんな」
「……今度は付いてくる、って言わないの?」
「そうだなぁ。本当は言いたい。でも、言わない。言わないって決めたんだ」
「どうして?前は、あんなに」
「まあな。前の時は、お前が一人で旅してる訳じゃないって分かってたから我が儘が言えたんだ。お前の周りの一人に加えてくれってさ。でも、今度は一人で行くんだろう?雷砂がどこに向かうのかはよく分からないけど、でも、一人で行かなきゃいけないからそうするんだよな?誰かを連れて旅する余裕があるなら、セイラを連れて行くだろうし。そうしないって事は、誰かを守りながら出来る旅じゃないって事だ」
そうだろ?と目で問われ、雷砂は小さく頷く。
その通りだ。自分以外の誰かを守りながら出来る旅ではない。強さを求める為の旅なのだ。
正直なところ、自分自身さえも守りきれるか分からない。
そんな道行きに誰かを伴う事など到底出来ることではなかった。
「正直さ、オレはそこそこに強いと思う。けど、そこそこなんだ。まだまだ弱いし、上には上がいることも分かってる。今のオレじゃ、お前の助けになるどころか、足手まといになるだけだ。それが分かるからついて行かない。いや、ついて行けないんだ。だからさ、せめて、お前の身を守る武器をオレから贈らせてくれよ。……ダメか?」
「ううん。嬉しい。ありがとう、ミカ」
「そっか。よかった」
ミカが微笑み、話が一段落したところで、ハガンが剣帯を持って戻ってくる。
つけてみろと渡されて試着してみるとぴったりで、そのままつけて帰ることにして、剣もそのまま腰に吊した。
「中々似合ってるじゃないか。そいつぁ、おそらく東方の民族が好んで使う刀という武器なんじゃないかとおれぁ思ってる。昔、そんな文献を読んだことがあるんだ。だから、そいつぁ、魔剣というよりは、魔刀と呼ぶほうが正しいのかもしれねぇな」
そんなハガンのうんちくを聞きながら、ミカが剣の代金の支払いを行う。
そして、揃ってハガンに礼を述べると、また剣のメンテナンスに来ると約束をして、二人仲良く店を出た。
外に出て、また二人きりになって、繋ぐ?と片手を差し出せば、ミカは嬉しそうに笑って、だけどやっぱり少し照れくさそうに頬を染めながら雷砂の手をしっかりと握った。
そして再び歩き出す。
歩きながら、今度はどこに行こうかと問うと、ミカはそうだなぁと少し思案した後、腹が減ったから腹ごしらえをしようと提案された。
「ちょっと行ったところに、屋台が集まってる通りがあるんだ。好きなものを買って食べ歩きしようぜ」
確かに少し小腹が空いていた雷砂は、即座に頷く。
ミカはそんな雷砂の手を引いてゆっくりと歩いた。
急いで歩くのがもったいない。少しでも長く雷砂と一緒の時間を過ごしたいというように。
雷砂も、ミカの歩調にあわせて、ゆっくりゆっくり歩く。
時折ミカの顔を見上げ、目を見合わせたり、笑みを交わしたりしながら。
「なあ、雷砂?」
不意に、ミカが雷砂の名前を呼んだ。
「ん?」
短く応えて見上げれば、ミカは真剣な眼差しで真っ直ぐ前を見つめている。
「オレじゃあ雷砂の代わりは務まらないかもしれないけど、お前が留守にしている間は、オレがセイラを守るよ」
「ミカ……」
「だからさ、安心して行ってこいよ。そんでさ、急いで用事を終わらせて、出来るだけ早く、帰ってこいよな?」
「うん。頑張る」
「待ってるからさ。みんなで」
「……うん。ありがとう、ミカ」
みんなで待ってるーその言葉に、雷砂は柔らかく微笑む。
ミカは横目でそんな雷砂の微笑みを見ながら、自身もまた、その目元を優しく細め、穏やかで柔らかな笑みを浮かべるのだった。
朝食の席でミカにそう誘われた。
セイラ達はどうするのかと聞いてみたら、セイラもリインも宿でのんびり過ごすとの事だった。
宿にいるのなら、二人は安全だろうと、今日はミカの誘いに乗ることにした。
嬉しそうに笑うミカと連れだって、宿を出る。
セイラもリインも安全だと、そう信じて。
その後ろ姿を、セイラとリインがじっと見送り、二人は顔を見合わせて頷いた。
雷砂には内緒にしていたが、二人には今日予定がある。
二人で街へ出て、雷砂への贈り物を買うのだ。
ミカには事前に、今日どの辺りを見て回るのか聞いてある。そのルートとかぶらないように気をつけながら、店を回る予定だった。
雷砂に余計な心配をかけないよう、先に出た二人より早く帰るつもりの二人は、手早く外出の準備を整え、宿を出ていく。
そして足早に、街の雑踏の中へと消えていった。
剣がほしいのだと言うと、ミカはすごく驚いたような顔をした。
今まで剣は持っていなかったのかと問われて、短剣しか持っていないことを伝えると、
「今まで短剣で、どうやって戦ってたんだよ?」
心底不思議そうに問われたので、そういえば再会してから、ミカに戦っているところを見せたことが無かったなと思い至った。
「あ~、一応、愛用の剣はあるんだ。ちょっと変わってるけど」
見せてしまえば一目瞭然なのだが、言葉で説明して分かってもらうのはちょっと難しい。
さすがに街中でいきなり剣を呼び出すわけにもいかず、さて、どう説明しようかなぁと雷砂は小さく首を傾げた。
とりあえず、細かい部分は省いて、大雑把な説明をするにとどめておく事にした。
自分には特別な加護があり、それによって変幻自在な特別な剣が使えること。
ただ、今後は少し、その剣に頼るのを控えようと思っていること。
それを聞いたミカは、ふぅん、そうなんだ、と頷き、
「んじゃ、知ってる武器屋があるからいこうぜ?前に兄貴と一緒に武器をあつらえたことがあるんだ」
そう言って、雷砂の手を取り歩き出した。
手をつないで歩きながら、ミカの横顔を見上げれば、その頬はほんのり赤い。
そして、自分を見上げている雷砂に気づくと、少し照れくさそうに笑った。
「な、なんか、緊張するな?」
「そう?オレは、ミカと居ると落ち着くけどな」
なにも考えずにそう返したら、ミカは少し複雑そうな顔で雷砂を見る。
あれ、変な事いったかな、と首を傾げ、
「どうかした?」
そう問えば、
「いや。落ち着くって言われて、嬉しいような、嬉しくないような、複雑な感じだなって」
苦笑混じりにそう返された。
「えっと、一緒に居て落ち着くって、オレは誉めたつもりなんだけど。一緒にいて、居心地がいいって事だよ??」
「うん。それはわかってんだ。一緒にいて落ち着くってのは、雷砂から信頼されてるのが分かるから嬉しい。だけど、落ち着くって事は、ドキドキしないって事だろ?オレは雷砂と二人だと、心臓がうるさいくらいなのにさ。オレだけが雷砂を好きすぎて、ちょっと悔しい」
仕方ないけどな、とミカが笑う。それでもいいと、覚悟して付いてきたのだから、と。
雷砂は困った顔で、ミカを見上げた。
「オレだって、ちゃんとミカのこと、好きだよ?」
そう、ちゃんと好きで、大切なのだ。
そんな思いを込めて、握った手にきゅっと力を入れた。
それを感じ取ったミカが口元に笑みを浮かべ小さく頷く。
「それも分かってるんだ。でもさ、ドキドキはしないだろ?」
「うん。ドキドキは、しないかも」
「だよな。でも、オレは雷砂をドキドキさせたいんだ」
ミカはそう主張する。
ドキドキかぁ、と自分の胸に手を当てる雷砂を横目で愛おしそうに見つめ、
「いつかさ、絶対ドキドキさせてやるからな?覚悟しとけよ?」
きっぱりと宣言して、雷砂の手をぎゅっと握り返すミカは少し楽しそう。
だが、楽しみにしてるよ、と微笑みを返すと、ミカはまたどぎまぎしたように目を泳がせ、顔を赤くした。
そして、己の胸に手を当てると、ドキドキするのは簡単だけど、ドキドキさせんのは難しそうだ、とはにかんだように笑った。
ドキドキはしなかったが、そんなミカを可愛いなぁと思い、ニコニコしながら歩く。
そうこうしている内に、どうやら目当ての武器屋に着いたらしい。
ミカに促され少し年季の入った建物に入ると、これまた年季の入ったちょっと頑固そうな店主に出迎えられた。
「一見さんはお断りだぜ?安くて使い勝手の言い武器なら、通り向こうの武器屋がお勧めだ」
こちらを見もせずにそんな言葉を吐く、ずんぐりむっくりした体型の髭面の男の様子に、ミカは懐かしそうに笑った。
「相変わらずだなぁ、おやっさん。そんなんじゃ、儲からないだろ??」
彼女の言葉に反応した男が顔を上げ、ミカを認めて片眉を上げる。
「おお?誰かと思えば、[レッド・ファング]のおてんば娘じゃねぇか。なんだ?今日は兄貴と一緒じゃねぇのかよ?」
「ちょっと前から兄貴とは別行動なんだ」
「んん?ソロ活動ってことかぁ??」
「兄貴は多分そうしてると思う。オレの方は、その、あれだ……こ、こいつと一緒に動いてる」
「……この、ちび助と?」
「お、おう!」
ミカは照れくさそうにそう説明し、男はその言葉に反応して雷砂の方を見た。
そして鋭い眼光でまじまじと雷砂を上から下まで見つめた後、再びミカへと視線を戻す。
「おいおい。こんな子供に手を出さなくても、他にいくらでも男はいるだろうが。第一、犯罪だぞ?こんな子供となんて」
呆れたように言われ、ミカは一瞬きょとんとした顔をし、それから彼の言葉の意味することに気づいて一気に顔を真っ赤にした。
そして、あわあわしながら、
「ち、ちがうぞ?雷砂とはそう言う関係じゃねぇよ……まだ」
そう返す。
そんなミカの様子に、男は改めて驚いたように目を見張り、それから再び雷砂に視線を向けた。
「なんだ?マジで惚れてんのか??こんなちびっこいのに??でも、確かにまあ、見た目通りと侮ったら、痛い目を見そうな感じだがな。おい、ちび助。名前はなんて言うんだ?」
「雷砂だよ、おじさん」
「おじっ!?……おれぁ、ハガンって名前がある。年食って見えるが、まだ三十路まえだ。おじさんはまだ勘弁してくれや」
「わかった、じゃあハガン。オレのこともちび助じゃなくて名前でよろしく」
「……呼び捨てかよ。まあ、いいか。で、強はどうするんだ。ミカ、お前の獲物か?それともそっちのチビす……雷砂のか?」
「オレの武器を見に来たんだ。オレに合いそうな武器、あるかな?」
「お前のか。どれ、ちょっと手ぇ見せてみな」
「手?ハガンも占いをするの??」
「占い??ああ、違う違う。おれの場合は、お前の手の大きさとかリーチを見るんだよ。そうしないとしっくりする武器を出して来れねぇだろう?占いなんざ、できるもんか。それに、あんな浮き沈みの激しい商売に手を出す奴の気が知れねぇや」
言いながら、ハガンは丹念に雷砂の手や腕を調べている。
そしてひとしきり調べた後に一つ頷くと、何もいわずに裏へと引っ込んでしまった。
取り残された雷砂は、隣に立つミカを見上げ、
「変わった人だね」
そんな風にハガンを評した。
「そうだなぁ。変わり者だけど、腕は確かなんだぜ?それに、気に入った奴にはお節介で面倒見もいいし」
「そうだね。いい人だ。俺みたいな子供でも、きちんと相手をしてくれる」
「だよな。オレも兄貴も、おやっさんには随分前から世話になってんだ。初対面だと分かりにくいけど、いい人だよ。武器を作る腕も確かだしな」
「おいおい。そんなに誉めてもなにもでねえぞ?」
そう言いながら奥から戻ってきたハガンは、鞘に納まった剣を何本か抱えてきた。
それをカウンターに置き、試して見ろと雷砂を促す。
雷砂はそのすべてを握って確かめ、それから首を横に振った。
「んん?ダメだったか??お前の手の大きさに合わせて握りやすいのを持ってきたつもりだったがな」
「持ちやすいのはすごく持ちやすい。でも、重さが……」
「ん?重すぎんのか??」
「ううん。逆。軽すぎるんだ。もう少し重いのってないかな??」
「これでもお前の手に合いそうな中では重めのを見繕って来たんだがな。ちなみに、雷砂。お前、どのくらいの重さまでなら持ち上げられるとか分かるか?参考までに知りたいんだが」
「どのくらいまで、かぁ。言葉だと説明しにくいな……」
言いながら雷砂は周囲を見回し、自分の力の強さを示すのにちょうどいい重しを探すが、手頃なものが目に入ってこない。
うーんと唸りながらハガンに視線を戻し、ふと彼の重厚な体型に目をとめた。
背は低いががっしりしていて体の厚みもあり、正直なところ、かなり重そうだ。
雷砂は彼をまじまじと見つめ、それから一つ頷いた。
そして、
「ハガン、ちょっといい?」
そう声をかけてから、彼の体を横抱きにした。それはもう軽々と。
自分より遙かに小さくて華奢な子供にお姫様だっこをされ、ハガンは目を丸くする。
うそだろ、おい……とでも言うように。
それからゴクリと唾を飲み込んで、
「こ、これでいっぱいいっぱいか?」
そう問えば、雷砂は涼しい顔で、
「ん?まだ半分も力を出してないよ?」
そう答えた。
「は、半分も出してねぇのか。そうか……よし。雷砂、大体の所は分かったから下ろしてくれ。ちょっと奥の在庫を見てくる」
「うん。いいよ」
ハガンの言葉ににっこり笑って応じ、危なげなく彼の体を床の上へ立たせてやる。
ハガンは、なにやらぶつぶつ呟きながら、再び奥の方へと消えていった。
そして待つこと数分。
再び彼が戻って来たとき、その手には一振りの剣が握られていた。
「ほら、持ってみろ」
彼に促されるままに、雷砂はその剣を手に持ってみた。
今までの剣と比べて特別に重いわけではなさそうだ。
刀身は細身で、普通の剣と違って少し反りがあり、ちょっと変わっている。
鞘から刀身を引き出して見れば、両刃ではなく片刃の刃の表面に波の様な美しい模様が浮かび上がっていた。
「綺麗だな、これ。それに握りやすい。けど、やっぱり軽いよ?」
雷砂が感想を述べると、
「まあ、ふつうの状態だとな。雷砂、お前魔法は使えるか?その刀に、魔力を込めてみろ」
ハガンはニヤリと笑ってそんな指示を出した。
「魔法を使えるかって言われると微妙って答えるしかないんだけど、魔力を込めるくらいならなんとか出来ると思うよ?えっと、こうかな」
雷砂は、自分の体の中の魔力を剣へ流すように意識してみた。
すると、面白いように、魔力が剣へと吸い込まれていく。
そして、吸い込まれる魔力と比例するように、剣の重量が徐々に増していくのだった。
「重くなってるね?どういう仕組みなの??」
「正直なところ、おれにも詳しい所はわからねぇんだ。こいつぁ、流れ流れておれの店にやってきた魔剣だからな」
「魔剣?」
「おう。今、お前がやってるみたいに魔力を流すと、重く固く鋭くなる。属性のある魔力なら、属性もプラスされるらしいぜ?」
「すごいじゃねぇか、それ!何でそんないいものが売れ残ってんだよ?」
ミカが驚いたように声を上げると、ハガンは苦笑して、軽々と剣を持っている雷砂を感心したように見つめた。
「売れねぇのは使い勝手が悪いからだ。その魔剣は、魔力を通さねぇとただのなまくらだし、魔力を通したら通したで一気に重量が増す。よっぽど怪力じゃねぇととてもじゃねぇが重たくて使えたもんじゃねぇんだが……」
「そ、そうなのか?雷砂、大丈夫か?重くねぇの?」
ミカに問われ、雷砂は魔力を通して程良く重くなった剣を軽く降ってみた。
特に不都合は感じられず、むしろその重さがちょうど扱いやすい。
正直にそう告げると、ミカには感心され、ハガンにはあり得ない者を見るような目で見られた。
自分で持ってきておいてその反応はないんじゃないかなと思いつつ、ハガンを見上げ、
「これ、買うよ。いくら??ついでに、腰に吊っておくベルトみたいのもあるといいな」
「剣帯か。お前の細っこい体に合うようなのがあったかな。ちょっくらみてくる」
「あ、この剣の値段は?」
「ああ、そうか。まあ、売れ残りだからな。安くしてやる」
ハガンはそう言って、一般的に剣二本分くらいの料金を提示した。
それを聞いたミカが目を丸くする。
「んな安くていいのかよ!?一応、魔剣だろ??」
「まあ、いいさ。どうせ売れ残りだしな。ま、初回のサービスだとでも思っとけや」
ハガンはそう言いおいて、裏へ行ってしまった。
ミカはそんなハガンの背中を見送り、それから雷砂の方を見てからにっと笑うと、その頭にぽんっと手のひらを乗せた。
「だってさ。良かったな、雷砂。得したな」
「ミカがいい店に連れてきてくれたおかげだよ。ありがとう」
にっこり笑ってお礼を言って雷砂は懐からお金を出そうとし、それをミカに押しとどめられた。
ミカの顔を見上げて首を傾げると、
「それ、オレが買ってやるよ」
「え?でも、悪いよ。安いっていっても、それなりの金額だし。ちゃんと自分で買えるよ?」
「いいんだよ。買わせてくれ」
そう言って、ミカは懐から財布をとりだした。
「ほら、もうすぐ一人で何処かに行くんだろう?餞別だよ」
ミカの口からでたその言葉に、雷砂は目を見開いた。
一座と別れて、一人、旅にでる。
その事実を、己の口からミカに告げた事実は無かったから。
「そ、か。知ってたんだな、ミカ」
「おう。ちょっと前にセイラから聞いた。心構えしとけって」
「そっか……ごめんな。本当はオレの口から言わなきゃいけないことなのに」
申し訳なさそうに自分を見上げてくる雷砂をまっすぐに見つめ、ミカは優しく微笑む。
「いいよ。言い辛かったんだろ?その気持ちも分かるしな。気にすんな」
「……今度は付いてくる、って言わないの?」
「そうだなぁ。本当は言いたい。でも、言わない。言わないって決めたんだ」
「どうして?前は、あんなに」
「まあな。前の時は、お前が一人で旅してる訳じゃないって分かってたから我が儘が言えたんだ。お前の周りの一人に加えてくれってさ。でも、今度は一人で行くんだろう?雷砂がどこに向かうのかはよく分からないけど、でも、一人で行かなきゃいけないからそうするんだよな?誰かを連れて旅する余裕があるなら、セイラを連れて行くだろうし。そうしないって事は、誰かを守りながら出来る旅じゃないって事だ」
そうだろ?と目で問われ、雷砂は小さく頷く。
その通りだ。自分以外の誰かを守りながら出来る旅ではない。強さを求める為の旅なのだ。
正直なところ、自分自身さえも守りきれるか分からない。
そんな道行きに誰かを伴う事など到底出来ることではなかった。
「正直さ、オレはそこそこに強いと思う。けど、そこそこなんだ。まだまだ弱いし、上には上がいることも分かってる。今のオレじゃ、お前の助けになるどころか、足手まといになるだけだ。それが分かるからついて行かない。いや、ついて行けないんだ。だからさ、せめて、お前の身を守る武器をオレから贈らせてくれよ。……ダメか?」
「ううん。嬉しい。ありがとう、ミカ」
「そっか。よかった」
ミカが微笑み、話が一段落したところで、ハガンが剣帯を持って戻ってくる。
つけてみろと渡されて試着してみるとぴったりで、そのままつけて帰ることにして、剣もそのまま腰に吊した。
「中々似合ってるじゃないか。そいつぁ、おそらく東方の民族が好んで使う刀という武器なんじゃないかとおれぁ思ってる。昔、そんな文献を読んだことがあるんだ。だから、そいつぁ、魔剣というよりは、魔刀と呼ぶほうが正しいのかもしれねぇな」
そんなハガンのうんちくを聞きながら、ミカが剣の代金の支払いを行う。
そして、揃ってハガンに礼を述べると、また剣のメンテナンスに来ると約束をして、二人仲良く店を出た。
外に出て、また二人きりになって、繋ぐ?と片手を差し出せば、ミカは嬉しそうに笑って、だけどやっぱり少し照れくさそうに頬を染めながら雷砂の手をしっかりと握った。
そして再び歩き出す。
歩きながら、今度はどこに行こうかと問うと、ミカはそうだなぁと少し思案した後、腹が減ったから腹ごしらえをしようと提案された。
「ちょっと行ったところに、屋台が集まってる通りがあるんだ。好きなものを買って食べ歩きしようぜ」
確かに少し小腹が空いていた雷砂は、即座に頷く。
ミカはそんな雷砂の手を引いてゆっくりと歩いた。
急いで歩くのがもったいない。少しでも長く雷砂と一緒の時間を過ごしたいというように。
雷砂も、ミカの歩調にあわせて、ゆっくりゆっくり歩く。
時折ミカの顔を見上げ、目を見合わせたり、笑みを交わしたりしながら。
「なあ、雷砂?」
不意に、ミカが雷砂の名前を呼んだ。
「ん?」
短く応えて見上げれば、ミカは真剣な眼差しで真っ直ぐ前を見つめている。
「オレじゃあ雷砂の代わりは務まらないかもしれないけど、お前が留守にしている間は、オレがセイラを守るよ」
「ミカ……」
「だからさ、安心して行ってこいよ。そんでさ、急いで用事を終わらせて、出来るだけ早く、帰ってこいよな?」
「うん。頑張る」
「待ってるからさ。みんなで」
「……うん。ありがとう、ミカ」
みんなで待ってるーその言葉に、雷砂は柔らかく微笑む。
ミカは横目でそんな雷砂の微笑みを見ながら、自身もまた、その目元を優しく細め、穏やかで柔らかな笑みを浮かべるのだった。
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