ひさめんとこ

zausu

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10章 ~ひさめんとこの来客~

その4

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「とまぁ初めて会ったときはこんな感じだったかな」
「…なんか凄いスレてない?」
「まぁね」
「家でのイメージと違いすぎて…」
「家にはみんなが居るからさー。外のいざこざを持ち出すわけにはいかないでしょ?」
「んー、まぁそれはありがたいけど」
「懐かしいのぅ、最初の頃は和馬は私と目すら合わせなかったんじゃぞ」
「なんでそんなことばっかり覚えてるかなー」
「それで、続きは?」
「んー、あー…」
言葉に詰まっている。
「どうしたの?」
「ここから先は企業秘密」
「え?どうして?」
「んー、ちゃんと覚えているんだけどさ…まだどうしても話せない事があるから…ね?」
「むー…」
「不服だよねー当然」
「和馬、お前あの事家族に言っておらんのか?」
「父さんと母さんと隼輝と綾香は知ってるはずだけどね」
「なんで私には教えてくれないの!?」
「時が来たら教えるよ。きっとね」

prrrr…prrrr…
隼輝の携帯に電話が来た。
「…なんだ?この番号…見覚えがないが、間違いか?」
一応出る。
「…はい」
「もしもし」
「…誰ですか?」
「…私、メリーさん」
「は?」
「今駅前に居るの」
「ちょっとまってくれ…」
電話が切れた。 
「…なんなんだ…?」

ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
「お、オッサンが来たかな?」
“…オッサンって言うなー”
「うわ、地獄耳だなー。とりあえず出てくる」
「行ってらっしゃい」
数秒後 
「わ~、先生久しぶり~」
「お、お前蘭か?久しぶりじゃのう!相変わらず女っぽいのぅ」
「え~、ほんと~?ありがと~」
「久しぶりです、先生」
「おお!大沢!変わっとらんのぅ!」
「…先生も」
「ああ、そうじゃった。大沢。お前に文句を言いたかったんじゃが…」
「あー、さっきの事ですか?」
「…何の事だか忘れたからもういい」
「…さっぱりした性格も変わってない…」
「まぁ変わらないことは良いことでしょ」
「そうじゃ!和馬良いこと言うのぅ」
「お褒めいただいて光栄です。なんてね」

prrrr…prrr…
「…またか…」
「…はい」
「もしもし、私メリーさん」
「ああ、しってる」
「今あなたの後ろに居るの」
「なんか色々すっ飛ばしすぎてないか?」
「振り向かないでくださいね」
「何でだよ」
「いや特に理由はないんですけど」
「じゃあ振り向いても良いんだな?」
「はいどうぞ。後悔するかもしれませんが」
「…」
後ろを振り向くと、
「はぁい。お久ですね。お・う・じ・さ・ま(笑)」
「…お前か」
「はい。私です」
そこにいたのは。菊地舞だった。(8章参照)
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