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第1章 それぞれの旅立ち
第8話 シャドーロード、冒険者になる
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スペードの手下三人が階段を上りきった時、女たちは散開して待ち伏せていた。この人数差でも戦う事を選んだようだった。
先頭の無精髭は、この場で戦っても、渋滞しながら次々と上って来る後続七人の邪魔になると思い、まずは唯一の出口を押さえてから挟撃しようと、もう二人に声をかけた。
「おい、出口を押さえれば、袋のネズミだ。他に逃げ場はないからな!」と、無精髭の男は続く仲間に協力を求めた・・・その時、
こじ開けられた扉の方から、「ジジジ、バリバリバリ」という聞きなれない音がした。
不審に思った男たちは、目を凝らして異音のする扉の先を見る。
なんとそこには、大口を開けた竜がいた。竜の口では、嵐でしか見かけないような眩い雷光が、力の行き場を求めて荒れ狂っている。
賊たちは危機を悟っても、恐怖で足がすくんで動けないでいた。
「雷遁の術!」扉の脇にいた赤髪の女が叫ぶと、竜は雷の息を放った。
雷は少し蛇行しながらも、一瞬で直線上の賊を襲い感電させた。
これは、シュラの忍術でも何でもなく、ルーラがあらかじめ召喚して、外に待機させていたドラゴンタートルの攻撃であった。
「火炎斬!」と、いちいち技名を叫びながら、すかさずシュラが倒れた三人に斬りかかり、止めを刺した。
斬られた賊は致命傷を受けつつ、【破邪の剣】による発火で、苦しみながら炎に包まれていく。
上の連中が全滅したと悟った賊たちは、我先にと転げるように階段を降りた。
シュラは、相手を更なる混乱に落としいれるため、階段を全段すっ飛ばすように地下へと飛び降りた。
「ダン!」と、シュラは両足で着地すると、足元に転んでる連中には目もくれず、3mくらい離れてる男に狙いを定め、飛び蹴りを食らわせた。
「風神脚!」右足の裏に、金剛聖拳の光気を集中させ、敵の右わき腹を蹴り破る。
ほぼ足の形に腹をえぐられ、大きな風穴が空いた男は、「ブベッ」と血を吐き絶命した。腹の中心を狙わないのは、万が一足が抜けなくなると、思わぬ不覚を取るからだ。
ここまで実力差があると、もう戦いにならない。逃げ腰になった相手を「火炎斬!」とか「風神脚!」とかいいながら、虐殺していくだけなのだから。
辛うじて剣で受けた者もいたが、力で押し切られ、そのまま袈裟斬りにされたり、シュラの纏う光気によって剣ごと壊された。
スペードら三人は、シュラを注視しつつジリジリと後退した。
ルゼッタは、シュラの鬼神のごとき戦いに圧倒され、強い憧れを持った。この若い赤髪の忍者と名乗ったバカ強い娘が、まさか自分の叔母にあたるとは知る由もない。
(なんて無茶苦茶な強さなんだ・・・。蹴りで人を殺せるなんて聞いたこともない。見間違いか分からないが、さっきは、剣を素手で受け止めていた気がしたぞ。人間は鍛錬次第であれほどにもなるのだろうか。勇者人間として過酷な環境で生き抜いてきたつもりであったが、まだまだ修行不足ということか)
到底かなわないので、一人生き残った手下は、スペードに助けを求めて後ろに走ったが、赤い死神に追いつかれ、手刀で首を落とされた。
シュラが手に光気を集中させ、手自体を魔法剣のような強力な武器にして、彼の首を刈ったのだ。
片膝をついて着地したシュラは、「栗茶狩人!」、と静かに言って、残りのスペードら三人を睨んだのち、後ろで見物しているルーラにドヤ顔でガッツポーズした。
首を落とされた遺体は、激しく血しぶきをあげながら、ゆっくりと座り込むような体勢になった。鮮血にランプの光が当たり、首元に小さな虹ができた。
別に剣で攻撃してもよかったのだが、そこは趣味というか、一時的な忍者ブームに浸ってるだけであった。
もちろん、その隙を見逃すスペード達ではない。彼らはシュラが疲弊するか油断するまで、部下という捨て駒をぶつけて、機会を窺っていたのだから。
奥義をかまして悦に浸ってるシュラに、ダイヤとクラブの矢が放たれた。二本の矢がシュラの胴体に命中し、それに合わせてスペードが棍棒を手に、シュラへと襲い掛かる!
「油断したな、ネーちゃんよぅ!」と言いながら、スペードは鉄の棍棒をシュラの頭めがけて、容赦なく振り下ろす。
片手武器とはいえ、鬼の金棒のように突起がついてるので、兜なしで直撃したら、即死もあり得る危険な一撃であった。
棍棒で頭を殴られ、転倒するシュラ。
「ヒャハ、ちょれぇ!」スペードは、棍棒を高くかかげて勝利をアピールし、ダイヤたちにふんじばるよう、目で指図した。
一部始終見ていたルゼッタは、赤髪の女性が自分のために犠牲になったことが申し訳なく、そして悔しかった。
(すまない・・・)
ダイヤとクラブは、さっさと赤髪の女を縛りあげるため、近くにおいてあったロープを持って駆け寄る。一階にはまだセイント達がいるので、早く無力化しないと勝ち目がなくなるので必死であった。
その刹那、黒い人影が階段を滑るように下りてきて、一気に距離を詰めきた。
その人影は、呑気に首をあげたダイヤを抜き打ちに斬って捨てた。「なんだろう?」っと前を見ようとしたマヌケな顔のまま、即死であった。
横にいた仲間が斬られたので即座に応戦しようとしたクラブだが、金縛りにあったように手足が動かない。本人は全く状況が理解できていないが、体が動かない原因は、襲撃者であるソドムによるものであった。
ソドムの特殊能力・影武者が、クラブを捕らえてる間に、首めがけて剣を突き刺した。圧迫止血できない首は致命傷であり、回復魔法をかけたとしても間に合わないので、必殺を求められる場面では有効である。
もしも、クラブが怪力の持ち主なら、影武者を振り払い少しは生き永らえたかもしれないが、かつて連邦王国の剣聖と呼ばれていたソドムの二撃目は防げなかったに違いない。
「おい、シュラ・・・油断しすぎ。敵に魔術師がいたら、確実に死ぬぞ。サポートする味方が近くにいない時は、全力で倒せ」と、ソドムは軽く説教しながら剣をスペードに向けて距離を詰めた。シュラは叩かれた頭をさすりながら、ゆっくりと起き上がる。
「あは、決まりすぎちゃって・・・つい」と言って、自分のやられ具合を確認した。物理耐性のため、頭は無傷、腹と胸あたりの矢傷は蚊に刺されたくらいの血が出ていた。それよりも、矢によって穴が開いた服を気にしている。
(あ~あ、戻ったらローズに小言いわれるよなぁ。強敵相手ならまだしも、街のチンピラごときにやられたんだからなぁ)
※ローズとは、未登場の女性で、タクヤによって差し向けられている掃除人。
先頭の無精髭は、この場で戦っても、渋滞しながら次々と上って来る後続七人の邪魔になると思い、まずは唯一の出口を押さえてから挟撃しようと、もう二人に声をかけた。
「おい、出口を押さえれば、袋のネズミだ。他に逃げ場はないからな!」と、無精髭の男は続く仲間に協力を求めた・・・その時、
こじ開けられた扉の方から、「ジジジ、バリバリバリ」という聞きなれない音がした。
不審に思った男たちは、目を凝らして異音のする扉の先を見る。
なんとそこには、大口を開けた竜がいた。竜の口では、嵐でしか見かけないような眩い雷光が、力の行き場を求めて荒れ狂っている。
賊たちは危機を悟っても、恐怖で足がすくんで動けないでいた。
「雷遁の術!」扉の脇にいた赤髪の女が叫ぶと、竜は雷の息を放った。
雷は少し蛇行しながらも、一瞬で直線上の賊を襲い感電させた。
これは、シュラの忍術でも何でもなく、ルーラがあらかじめ召喚して、外に待機させていたドラゴンタートルの攻撃であった。
「火炎斬!」と、いちいち技名を叫びながら、すかさずシュラが倒れた三人に斬りかかり、止めを刺した。
斬られた賊は致命傷を受けつつ、【破邪の剣】による発火で、苦しみながら炎に包まれていく。
上の連中が全滅したと悟った賊たちは、我先にと転げるように階段を降りた。
シュラは、相手を更なる混乱に落としいれるため、階段を全段すっ飛ばすように地下へと飛び降りた。
「ダン!」と、シュラは両足で着地すると、足元に転んでる連中には目もくれず、3mくらい離れてる男に狙いを定め、飛び蹴りを食らわせた。
「風神脚!」右足の裏に、金剛聖拳の光気を集中させ、敵の右わき腹を蹴り破る。
ほぼ足の形に腹をえぐられ、大きな風穴が空いた男は、「ブベッ」と血を吐き絶命した。腹の中心を狙わないのは、万が一足が抜けなくなると、思わぬ不覚を取るからだ。
ここまで実力差があると、もう戦いにならない。逃げ腰になった相手を「火炎斬!」とか「風神脚!」とかいいながら、虐殺していくだけなのだから。
辛うじて剣で受けた者もいたが、力で押し切られ、そのまま袈裟斬りにされたり、シュラの纏う光気によって剣ごと壊された。
スペードら三人は、シュラを注視しつつジリジリと後退した。
ルゼッタは、シュラの鬼神のごとき戦いに圧倒され、強い憧れを持った。この若い赤髪の忍者と名乗ったバカ強い娘が、まさか自分の叔母にあたるとは知る由もない。
(なんて無茶苦茶な強さなんだ・・・。蹴りで人を殺せるなんて聞いたこともない。見間違いか分からないが、さっきは、剣を素手で受け止めていた気がしたぞ。人間は鍛錬次第であれほどにもなるのだろうか。勇者人間として過酷な環境で生き抜いてきたつもりであったが、まだまだ修行不足ということか)
到底かなわないので、一人生き残った手下は、スペードに助けを求めて後ろに走ったが、赤い死神に追いつかれ、手刀で首を落とされた。
シュラが手に光気を集中させ、手自体を魔法剣のような強力な武器にして、彼の首を刈ったのだ。
片膝をついて着地したシュラは、「栗茶狩人!」、と静かに言って、残りのスペードら三人を睨んだのち、後ろで見物しているルーラにドヤ顔でガッツポーズした。
首を落とされた遺体は、激しく血しぶきをあげながら、ゆっくりと座り込むような体勢になった。鮮血にランプの光が当たり、首元に小さな虹ができた。
別に剣で攻撃してもよかったのだが、そこは趣味というか、一時的な忍者ブームに浸ってるだけであった。
もちろん、その隙を見逃すスペード達ではない。彼らはシュラが疲弊するか油断するまで、部下という捨て駒をぶつけて、機会を窺っていたのだから。
奥義をかまして悦に浸ってるシュラに、ダイヤとクラブの矢が放たれた。二本の矢がシュラの胴体に命中し、それに合わせてスペードが棍棒を手に、シュラへと襲い掛かる!
「油断したな、ネーちゃんよぅ!」と言いながら、スペードは鉄の棍棒をシュラの頭めがけて、容赦なく振り下ろす。
片手武器とはいえ、鬼の金棒のように突起がついてるので、兜なしで直撃したら、即死もあり得る危険な一撃であった。
棍棒で頭を殴られ、転倒するシュラ。
「ヒャハ、ちょれぇ!」スペードは、棍棒を高くかかげて勝利をアピールし、ダイヤたちにふんじばるよう、目で指図した。
一部始終見ていたルゼッタは、赤髪の女性が自分のために犠牲になったことが申し訳なく、そして悔しかった。
(すまない・・・)
ダイヤとクラブは、さっさと赤髪の女を縛りあげるため、近くにおいてあったロープを持って駆け寄る。一階にはまだセイント達がいるので、早く無力化しないと勝ち目がなくなるので必死であった。
その刹那、黒い人影が階段を滑るように下りてきて、一気に距離を詰めきた。
その人影は、呑気に首をあげたダイヤを抜き打ちに斬って捨てた。「なんだろう?」っと前を見ようとしたマヌケな顔のまま、即死であった。
横にいた仲間が斬られたので即座に応戦しようとしたクラブだが、金縛りにあったように手足が動かない。本人は全く状況が理解できていないが、体が動かない原因は、襲撃者であるソドムによるものであった。
ソドムの特殊能力・影武者が、クラブを捕らえてる間に、首めがけて剣を突き刺した。圧迫止血できない首は致命傷であり、回復魔法をかけたとしても間に合わないので、必殺を求められる場面では有効である。
もしも、クラブが怪力の持ち主なら、影武者を振り払い少しは生き永らえたかもしれないが、かつて連邦王国の剣聖と呼ばれていたソドムの二撃目は防げなかったに違いない。
「おい、シュラ・・・油断しすぎ。敵に魔術師がいたら、確実に死ぬぞ。サポートする味方が近くにいない時は、全力で倒せ」と、ソドムは軽く説教しながら剣をスペードに向けて距離を詰めた。シュラは叩かれた頭をさすりながら、ゆっくりと起き上がる。
「あは、決まりすぎちゃって・・・つい」と言って、自分のやられ具合を確認した。物理耐性のため、頭は無傷、腹と胸あたりの矢傷は蚊に刺されたくらいの血が出ていた。それよりも、矢によって穴が開いた服を気にしている。
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