魔導戦士ドミネーター

テトラポット

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第一章「異世界転移編」

第6話「機動帝剣イグナイトカリバー」

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「オレはデスペラード。光を喰らう者だ」

 今思ったんだけどさダークライダー登場回って大体味方か主人公が噛ませになるよね。そのパターンで行くと私まずくない?

『ご主人!! 前!!』

 デスペラードは腰からコンバットナイフを取り出し、魔力を込める。コンバットナイフは赤黒く染まる。

「オレを楽しませてくれよ」

 私は聖剣フォトンブレードを構える。

「その聖剣の魔力は常人には制御できない。ただのナマクラだ」

 私はキーを3回回す。

『アクセラレート』

 デスペラードはナイフを逆手持ちし、私の首元をなぞるように切る。

 ナイフが首に触れた瞬間。私は消える。

「フッ。それは残像だ」

 これ言ってみたかった。魔力を全身に巡らせることによって体内時間を加速させることができる。シャロンさんに教わった技の一つ。

 シャロンさんの強みはこのアクセラレートをクールタイムなしで発動できること。本来ならアクセラレートは連続使用不可だが度重なる鍛錬の末ほぼ無限に加速し続けることができるらしい。バケモンだね。

 私はデスペラードと距離を取る。戦闘の心得ソノイチ。相手の手札がわかるまでは相手に攻撃の隙を与えない。攻めが最大の防御。

 私は地面を蹴り、一気に距離を詰める。      
 
 聖剣に魔力を込め、振り抜く。

 甲高い金属音が響く。ナイフと聖剣が接触し火花を散らす。

 私は何度も聖剣を振りかざし攻める。

 デスペラードはナイフを不規則に動かし、斬撃を弾く。

 デスペラードの動きには無駄がない。

 こちらが消耗するだけだ。

 デスペラードはキーを回す。

Diveダイブ

 まずい。何か来る。

 デスペラードは海に潜るように地面の中に潜る。

 バシャという音と共にデスペラードは地面から飛び出る

『ご主人!! 後ろ!!』

 背中に斬撃が走る。

「痛っ!?」

 デスペラードは地面に再び潜り、死角から現れる。

 デスペラードは嘲笑うように

「後ろにも目をつけろ!!」


 斬撃が頬を掠める。頬に切り傷ができ、血が滴る。

 なぜ強化装甲を貫通して攻撃がとどいているんだ?これじゃ変身している意味がまるでない。

『ご主人!! 敵のアーティファクトの属性が防御貫通なんだ。強力な武器がいる。聖剣にしてみて』

ドミは続けて

『この媒体があれば専用武器が造れる。20秒間だ。20秒あれば再構築できる』


 相手は地面に潜る&防御貫通。どう時間を稼ぐ?

 私は地面に聖剣を突き立てる。

『イグナイトカリバー。ドミネイト』

 聖剣に膨大な量の魔力が流れ、魔力回路が黄色に染まり始める。

 聖剣の切先から魔法陣が展開され魔法陣から金色に輝く鎖が生え聖剣を縛る。

 残り18秒

 デスペラードはベルトのキーに手をかける。

 私はキーを素早く回し、エンジンに魔力を注ぐ

『アクセラレート』

 視界が白黒になり、動きの軌跡が見えるようになる。

 腰の練習用の剣に手をかけ鯉口を切る。

 抜刀し、逆手に持つ。体をねじりデスペラード目掛けて投擲とうてきする。

 剣は大気を貫きながら一直線に飛んでいく。

 デスペラードはキーを回す。デスペラードは地面に沈んでいく。

 読みが当たった!! これならいける!!

 残り16秒

 デスペラードが避けたことによって後ろの柱に剣は突き刺さる。

 残り15秒

 私は地面を蹴り、突き刺さった剣に向かって飛び込む

 残り14秒

 私は空中で身をひるがえし剣を蹴る。

 デスペラードは地面の中を移動。私の背後に回る。

 よし!! 相手は私が剣を抜きに行ってると錯覚している!!

 残り12秒

 作用と反作用にて私は進行方向と逆に移動する。

 キーを回し拳に魔力を込める。

『ドミネーターストライク』

 デスペラードは地面から飛び出す。

 残り11秒

 拳はデスペラードの顔を捉える。

 拳を振りかぶり、撃ちつける。

「は?」

 デスペラードの顔に拳がめり込み、マスクが割れる。

 デスペラードはその衝撃で後ろへ吹き飛ばされる。

 壁に打ち付けられ、動きを止める。

「少しは……やるみたいじゃねぇか」

 デスペラードはゆっくり立ち上がる。

 5、4、3、2、1

支配完了ドミネーションコンプリート

機動帝剣マニューバインペリアルブレード。イグナイトカリバー』

 聖剣は閃光を放ち、姿を変える。

 黒い刀身にオレンジに光る刃。バイクのマフラーが装備されていてそこからパイプが伸びている。


 私は地面からイグナイトカリバーを抜き振り下ろす。

 うん。重さもいい感じ。この差し込み口は形状的にキーが刺さるのかな?

 私はベルトからキーを抜きイグナイトカリバーに差し込む。

Readyレディ

 刀身が眩い光を放つ。

「死ねやぁぁ!!」

 デスペラードは焦燥に駆られる。素早くキーを回し、ナイフに魔力を溜める。

『デスペラードブレイキング』

 ナイフを私の首元目掛けて走らせる。

 私は水平方向に剣を振りかざす。

『ドミネーターストラッシュ』

 その斬撃は大気を裂き、デスペラードを装甲ごと切り落とす。

 上半身を失ったデスペラードはバランスを失い地面に倒れる。

「正義は勝つ」

 私は剣に付着した血を振り落とす。



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