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23-人形怪盗、テディベア奪還事件Ⅱ
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催事場の下のフロア、飲食店が集まるエリアの一軒のカフェに、セシルとティベリオ、そしてなぜかルカも一緒にいた。
これ以上揉める前に、ルカを親元に返した方がいいというティベリオを制してセシルがカフェへと誘ったのだ。もっと話を聞きたいからと。
「……あの、本当に何でも頼んでいいの?」
「いいよ。このおじさんが払うから」
「俺かよ……。まあいいけど」
遠慮がちにカフェのメニューを眺めるルカに、セシルはしれっとティベリオを指差した。
そこそこの高給取りであるティベリオなら、子供一人に奢るくらいなんてことないだろう。
ルカはティベリオの許可を得ると、イチゴのショートケーキとフルーツジュースを注文した。
ティベリオは食事も兼ねてパスタを頼んだ。
一人だけ何も注文しないセシルを見て、ルカは首を傾げた。
「お兄さんは食べないの?」
「うん、僕はここに来る前にご飯をたくさん食べてきたからね。お腹いっぱいなんだよ」
「そっかぁ」
人形だから食べなくてもいい、なんて言えるはずもなくセシルはそう誤魔化した。
ルカは素直に信じてしまう。
「ねぇ、ルカ。早速だけど……あのぬいぐるみのこについて、お兄さんたちに聞かせてくれるかい?」
ルカは両手でコップを抱えたまま、少しうつむいた。
注文したフルーツジュースの氷がカランと音を立てる。
「……あのテディベアはね、父さんがくれたんだよ」
ぽつりと落ちた言葉に、セシルとティベリオは黙って耳を傾ける。
「父さんも母さんもいつもお仕事忙しいって、あんまり遊んでくれなかった。……でも、僕にはテディがいた。寝る時も、ご飯も一緒で……僕の友達だったんだ。だけど父さんが、事故で急に死んじゃったあの日……あの、太った男の人が来たの」
太った男の人とはオーナーの事だろう。
ルカは俯きながら続ける。
「母さんと大事なお話してたみたい……帰る時に、僕のテディを見て言ったんだ。『そのぬいぐるみを売ってくれ』って。僕は嫌だって言って、母さんも大事なものだから売れませんって、断ったんだ」
なのに、と言葉を続けようとしたルカの目にジワリと涙が浮かぶ。
「……なのに、あのオーナーが君のテディを持っていたんだね?」
言葉を引き継ぐようにセシルが尋ねるとルカはコクリと頷く。
「あの人が来たあと、母さんが忙しくしてたから僕は一人で遊んでたの……そしたら、あの男の人が来てテディを無理矢理連れてっちゃった……。母さんが取り返しに行ってくれたけど……怪我して帰ってきたの。大丈夫っていってたけど、すごく痛そうだった……だから、僕が自分で取り返さないと……」
ぽた、ぽた、とテーブルの上にルカの涙が落ちる。
セシルはルカの頭をそっと撫でた。
「……窃盗だな」
ティベリオがぽつりと呟く。
「犯罪だろ?あの悪人、何かしらの理由を付けて逮捕できないの?」
「証拠がないだろ」
「それを見つけるのがテディの仕事だろ」
セシルの言葉にルカが顔をあげ、きょとんとした顔でティベリオを見る。
「……おじさんもお名前、テディっていうの?」
「いや、俺は」
「そうだよ。こんな怖い顔してるけど、可愛い名前だろ?」
「うん!僕のテディとお揃いだね」
否定しようとしたティベリオだが、今まで泣いてたルカが小さく微笑んだの見て何も言えなくなる。
「ねえルカ。実は僕ね、人形の声が聞こえる名探偵なんだ」
「……お人形とお話しできる探偵さん?」
「そう、ぬいぐるみのテディも君の所にかえりたいって思ってる。だから僕に任せてくれないかな?きっと君のテディを取り戻してあげる。だから君は、僕に任せて家でお母さんの傍にいてあげて」
セシルがそう告げるとルカは目を見開いてセシルを見上げた。
「ほんと?本当にほんと?」
「本当だよ。約束する、ほら指切りだ」
そう言ってセシルはルカと小指を絡ませ約束を交わす。
そしてティベリオを見るとにこりといたずらっ子のような笑みを浮かべた。
「テディ、今から言う人たちを集めてくれるかい?」
これ以上揉める前に、ルカを親元に返した方がいいというティベリオを制してセシルがカフェへと誘ったのだ。もっと話を聞きたいからと。
「……あの、本当に何でも頼んでいいの?」
「いいよ。このおじさんが払うから」
「俺かよ……。まあいいけど」
遠慮がちにカフェのメニューを眺めるルカに、セシルはしれっとティベリオを指差した。
そこそこの高給取りであるティベリオなら、子供一人に奢るくらいなんてことないだろう。
ルカはティベリオの許可を得ると、イチゴのショートケーキとフルーツジュースを注文した。
ティベリオは食事も兼ねてパスタを頼んだ。
一人だけ何も注文しないセシルを見て、ルカは首を傾げた。
「お兄さんは食べないの?」
「うん、僕はここに来る前にご飯をたくさん食べてきたからね。お腹いっぱいなんだよ」
「そっかぁ」
人形だから食べなくてもいい、なんて言えるはずもなくセシルはそう誤魔化した。
ルカは素直に信じてしまう。
「ねぇ、ルカ。早速だけど……あのぬいぐるみのこについて、お兄さんたちに聞かせてくれるかい?」
ルカは両手でコップを抱えたまま、少しうつむいた。
注文したフルーツジュースの氷がカランと音を立てる。
「……あのテディベアはね、父さんがくれたんだよ」
ぽつりと落ちた言葉に、セシルとティベリオは黙って耳を傾ける。
「父さんも母さんもいつもお仕事忙しいって、あんまり遊んでくれなかった。……でも、僕にはテディがいた。寝る時も、ご飯も一緒で……僕の友達だったんだ。だけど父さんが、事故で急に死んじゃったあの日……あの、太った男の人が来たの」
太った男の人とはオーナーの事だろう。
ルカは俯きながら続ける。
「母さんと大事なお話してたみたい……帰る時に、僕のテディを見て言ったんだ。『そのぬいぐるみを売ってくれ』って。僕は嫌だって言って、母さんも大事なものだから売れませんって、断ったんだ」
なのに、と言葉を続けようとしたルカの目にジワリと涙が浮かぶ。
「……なのに、あのオーナーが君のテディを持っていたんだね?」
言葉を引き継ぐようにセシルが尋ねるとルカはコクリと頷く。
「あの人が来たあと、母さんが忙しくしてたから僕は一人で遊んでたの……そしたら、あの男の人が来てテディを無理矢理連れてっちゃった……。母さんが取り返しに行ってくれたけど……怪我して帰ってきたの。大丈夫っていってたけど、すごく痛そうだった……だから、僕が自分で取り返さないと……」
ぽた、ぽた、とテーブルの上にルカの涙が落ちる。
セシルはルカの頭をそっと撫でた。
「……窃盗だな」
ティベリオがぽつりと呟く。
「犯罪だろ?あの悪人、何かしらの理由を付けて逮捕できないの?」
「証拠がないだろ」
「それを見つけるのがテディの仕事だろ」
セシルの言葉にルカが顔をあげ、きょとんとした顔でティベリオを見る。
「……おじさんもお名前、テディっていうの?」
「いや、俺は」
「そうだよ。こんな怖い顔してるけど、可愛い名前だろ?」
「うん!僕のテディとお揃いだね」
否定しようとしたティベリオだが、今まで泣いてたルカが小さく微笑んだの見て何も言えなくなる。
「ねえルカ。実は僕ね、人形の声が聞こえる名探偵なんだ」
「……お人形とお話しできる探偵さん?」
「そう、ぬいぐるみのテディも君の所にかえりたいって思ってる。だから僕に任せてくれないかな?きっと君のテディを取り戻してあげる。だから君は、僕に任せて家でお母さんの傍にいてあげて」
セシルがそう告げるとルカは目を見開いてセシルを見上げた。
「ほんと?本当にほんと?」
「本当だよ。約束する、ほら指切りだ」
そう言ってセシルはルカと小指を絡ませ約束を交わす。
そしてティベリオを見るとにこりといたずらっ子のような笑みを浮かべた。
「テディ、今から言う人たちを集めてくれるかい?」
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