訳あり超人が異世界移住で商人暴走⁉

真狩トオル

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第二部『復活&始動編』 序&一章

「新しい最上級職が凄すぎる件」その①

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 第二部の【復活&始動編】がスタートします。

 新しく始まるので冒頭はこれまでのあらすじっぽい感じと、テンプレの人物や街の描写などがダラダラと入ってますけどお付き合いください。



 俺の名前は鈴木秋斗、十七歳の健康な男子で黒髪の短髪、身長170センチ、顔も体型もごく普通な日本人だ。ついこの間まで訳ありで無職の引きこもりオタクをやっていた。
 その訳ありとは、生まれつき超人的なパワーと頑丈な体を持っていることだ。大岩を軽々と持ち上げる怪力とそれを砕く攻撃力は、力加減を間違えば物や人間を破壊してしまう。なので自分から周りに迷惑をかけないように引きこもっていた。
 何故そんな超人パワーがあるのかというと、母親が異世界の住人であるドワーフだからだ。偶然か必然か分からないが、人間とドワーフのハーフは超人が生まれてくる。まあ今のところサンプルは俺しかいないけど。

 父親は温厚でいたって普通な人間だが、異世界に勇者召喚されたことがあり、その時に母親と出会っている。それで勇者の役目を放置して日本に母親を連れて帰り俺が生まれたわけだ。もうとっくに離婚していて母親は異世界に帰って音信不通。写真も動画も残ってないから母親の顔すら知らない。本人が嫌がったから、とか父さんは言っていたが本当のところは不明だ。なにか異世界人特有の事情があったのかもしれない。

 そんなある日、父親の勧めもあり、いつまでも無職の引きこもりをやっていられないと思い、超人でも生きやすい剣と魔法の世界であるもう一つの故郷、エルディアナへと移住した。
 異世界だけあり身分階級が存在し、人間は上位種で色々と優遇される。エルフやドワーフ、半獣人などは身分が低く人間の奴隷になっていたりする。そういったルールがある中でドワーフとのハーフだと知られれば大きな問題が起こる可能性があった。だから出生の秘密は誰にも話せない。

 こっちに来てからは驚きの連続で、バトルと冒険の日々を過ごしながら南へと向かい、大都会で商人の街と称されるゴールディーウォールに住み着いた。訳あり賃貸だが大きな家を手に入れ、超可愛い犬系と猫系の二人の半獣人奴隷、更に謎の人型植物たちと一緒に住んでいる。

 その街で冒険者登録の時に商人となり、冒険者御用達の店を開くためにバトルやダンジョン冒険をしながら資金や売るための商品を集めている最中だ。
 戦闘用の冒険者職業じゃないんだから普通はバトルとかできないけど、運よく超人だったので戦いまくって商人レベルを驚異的なスピードでガンガン上げている。もう完全にルール無視の反則技で商人としては脱線、というか暴走していた。

 しかし運が悪いことも幾つかある。二つ名の最低最悪なエルフに追いかけまわされたり、巨悪の陰謀に巻き込まれたりと散々な目にもあった。
 いやホンと大変だった。っていうかまだ西のダンジョンに行ってボス戦やったの昨日の事だけどね。とにかく人間やめちゃったマッドサイエンティストの魔王殺しや上級魔人と激闘を繰り広げ、なんだかんだで大冒険だったし人知れず街を救った影のヒーローもしちゃったよ。

 その冒険の中で、我が家の猫系半獣人奴隷のクリスチーナは、冒険者登録をして何か職業が欲しいと言っていた。
 もう一人の奴隷、犬系半獣人のスカーレットが俺と一緒にバトルやレベル確認しているのを見て羨ましくなったようだ。
 ゲームのようなステータスを持ち特殊な技や魔法が使える冒険者になるには、女神を祀っている神殿へ行って女神の祝福という儀式を受けなくてはならない。それ自体は簡単なのだが問題は、天然おバカ星人のクリスにどんな職業を与えるかだ。クリス個人の強さではなくパーティーレベルの事を考えて、冒険に必要なスキルや魔法が使える職業がいい。
 バトル特化の冒険者職業は定番以外に上級職、最上級職とランクがあり、上のものほどレベルを上げるのは難しい。当然スキルや魔法も習得は困難だ。その代わり一つ一つが便利で強力なのは間違いない。
 それで今は昼飯を食べた後にクリスとスカーレットを連れて、街の山手にある女神エルディアナを祀っている神殿へと向かっていた。
 因みにこの街ゴールディ―ウォールは世界で一番大きなディアナ大陸の南にあり、一年中夏のように暖かい場所だ。

 今日の俺の服装は、白のTシャツにジーパン、昨日買ったダークグレーの短めのハーフマントと魔道具のスニーカーで、腰にウエストポーチ型の魔法の道具袋とダガーナイフを付けている。

 スカーレットは犬系半獣人なんだが、耳や尻尾の感じから勝手にゴールデンレトリバー系だと思っている。
 身長は160センチぐらいで見た目は女子高生だが年齢は不詳。半獣人は人間より長寿であまり歳を気にしないから分からないのが普通だ。切れ長の大きな瞳は水色で精悍な顔立ちの美人タイプ。肌は色白、髪は淡いブラウンのロングヘア―、スタイルも良くて程よい巨乳。女子力は低いが冒険者職業は盗賊で戦闘経験もあり凄く役に立ってくれる。
 黄色のタンクトップに白いミニタイトスカート、首に三角巻きした少し大きいネイビーのスカーフ、底が平らなブーツっぽい茶色の靴、手には指の部分がない革手袋、ウエストポーチ型の魔法の道具袋、という服装だ。

 クリスチーナは猫系半獣人でその種類は分からない。とりあえず雑種ってことにしておこう。
 見た目は二十歳ぐらいだけど年齢不詳。可愛い系の顔立ちで、鮮やかなオレンジ色の髪はショートヘア、大きな瞳は美しい琥珀色をしている。色白で身長185センチはあり凄くスタイルはいい。と言っても男子目線での話だ。とにかくムチムチしていて巨乳とデカ尻に迫力がある。
 ド天然の超ドジっ子だが奴隷歴が長く、料理に洗濯裁縫と色々仕込まれているので女子力は高く意外と役に立つ。
 何でもある不思議な店、ナナシ屋で買ってあげたブルマと体操服、白のソックス姿で、靴も上履きみたいなやつだ。今日のブルマは水色で横に白いラインが二本縦に入っている。それとボディバッグ型の魔法の道具袋を背負っている。
 二人ともフード付きのマントを纏ってケモ耳と尻尾を隠していた。大きな街はほとんどが人間以外は体を隠すルールだ。
 耳も尻尾も可愛いのに本当に納得いかないルールだよな。まあ奴隷や身分制度がある世界なので従うしかないけど。

 さてと、ここはもう街の中心部だし色々と気を付けねば。

「二人とも大きな声は出さないように。あと注意は怠るなよ」

 警戒するのは当然、二つ名の暴君ストーカーエルフ、アンジェリカの事だ。
 ホンと何処にいるか分からないゴキブリ並みに湧いて出てくる奴だ。見た目だけは可愛いエルフの少女なんだが冗談抜きで怖いし、一緒に居たら目立つので関わり合いたくない。だから姿を確認したら、からまれる前に全力で逃げる。

「あのエルフが近くにいたら、すぐにご主人にお知らせします」

 スカーレットは犬系半獣人だから鼻がいい。なので頼りにしている。

「逃げる準備はできているにゃ。お任せなのにゃ」

 はい、出ましたお任せ星人。もうフラグにしか聞こえないよ。アンジェリカに見つかったら、またドジっ子スキルが発動して一番に捕まるんだろうな。

 そんなド天然の猫系半獣人をどんな冒険者職業にするか、なかなか思いつかない。っていうか職業の種類が多すぎてちゃんと理解していないのが現状だ。ステータス設定を作っている女神と勇者が面白がってやり過ぎなんだよな。もう何でもありのゲームを超えてしまっている。
 例えば盗賊とシーフはただ名称が違うだけじゃない。基本能力は同じだがシーフは使えるスキルが個人に特化している。盗賊はパーティー全体で使えるスキルが多く、定番職だがシーフよりもランクが上でレベルは上げにくい。など似たような職業でも分けられておりややこしい。
 やり込み度は上がるし、命懸けの冒険者という職業を少しでも楽しめるように、って感じの配慮があるのかもしれない。
 あれこれと考えているうちに、俺たちはアンジェリカに見つかることなく無事に神殿へと辿り着いた。

「ここの神殿は凄いのにゃ。今まで見た中で一番大きくて立派なのにゃ」

 クリスはサグラダファミリア級の巨大な神殿を見上げて言った。造りはヨーロッパの教会や大聖堂風で迫力と威厳がある。
 中へと入り奥に進み大理石の女神像が立っているところまで行った。女神像の横にはシスターのような格好で大きな魔石が付いたシルバーの杖を持っている巫女がいた。
 巫女は二十歳ぐらいで165センチ程のスレンダーな体型、白人系で金髪に青い瞳の美女である。てか前に来た時と同じ人だ。

「冒険者系の職業について色々と聞きたいんですけど、今いいですか」
「はい、大丈夫ですよ。どんなことでも聞いてください」
「じゃあまずは、パーティーに一人は居てほしい冒険に役立つスキルとか魔法を覚えられる職業って、どれがおすすめですか」
「普通に考えれば回復や状態異常を治す、僧侶や白魔道士、プリーストでしょうね。覚えるスキルや魔法は少し異なります」
「やっぱそうなりますか」
「おすすめということであれば、最近設定された新しい職業がありますが」
「へぇ~、まだ職業って増えてるんだ」
「ただレベルが最も上がりにくい最上級職になりますけど。でも就くのに資格や条件がないのがいいところです」
「最上級職……どんな職業なんですか」
「魔法少女です」
「えっ⁉ ま、魔法少女?」
「はい。魔法少女です」

 まさかの魔法少女キターーーーーっ‼
 スゲーな、そんな職業あんのかよ、やっぱ監修してる勇者は日本人のオタク確定だ。もう心の中で何も知らないあなたのことを先生と呼ばせてもらおう。

「巫女さんや、その最新職業、詳しく聞かせてもらいましょうか」

 この時の俺は恐らく、鋭い眼光で口元に狡猾な笑みを浮かべていただろう。そして思わず前に出て巫女に迫っていた。

「あの、ちょっと近いんですけど」
「失礼しました。少し興奮してしまったようです。では説明よろしく」

 巫女はガチで引き気味の顔をしている。何故そんなに食いついているのか不思議なんだろうな。これはこっちの世界の奴には説明不可能だ。
 ただもう魔法少女がどんな職業だろうと既に俺の中でクリスの職業は決まった。冒険に便利なスキルとか魔法とか知ったこっちゃねぇよ。誰が何と言っても魔法少女の一択だ。




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