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会議の始まり
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なんかモヤモヤした気持ちを抱えたまま、俺たちいや、俺はその喫茶店を後にした。
ま、そのうちわかるであろう。
だいたい考え事は思い出そうとしていると思い出せない、そんなものだ。
「美味しかったですね、そういえばユウト様のケーキはなんだったのですか?」
「あ、ベスも気になる。なんかタルトみたいなのに真っ白かったあれ」
「うん? あぁ、チーズケーキな」
この世界はタルトはあるのにチーズケーキはないんだな。俺からすればタルトの方が面倒くさいと思うんだけど、まぁそれはいいか。
「材料さえあれば作れると思うが……」
「えっ?ほんと……うですか?」
「あぁ、多分な。この会議が終わったら作ってやろう」
することがなく暇を持て余した挙句料理へと走ったことがこんな風に役に立つとは……やれることはやっといた方がいいな。
「「やった~」」
やはり女子は甘いものと可愛いものには目がないようだ。
「さてと、そのためには会議だな。時間はまだあるよな?」
「はい、今から向かえばちょうどいいと思います」
「それじゃ行くか」
そう言って、一歩を踏み出す。
「ユウト様、そちらでは……」
そう、俺が踏み出したのは会議場とは真逆の方向。当然リーゼが止めるのも無理はない。
ちょっと野暮用だ、と小声でリーゼとベスに伝える。
しばらく歩いたところにあった細い裏路地へと入った。
「さてと……コソコソと隠れてないででてこいよ」
それなりの殺気と魔力を放出して威嚇をする。
音もなく2人の奴が出てきた。
そいつらは全身を黒い衣装で包み忍者を想像させた。とは言っても彼らがきているのはコートのようなものだ。どこかの諜報部員だろうか。
「なっ……貴様ら」
瞬時に戦闘態勢に入るリーゼとベスに制止をかける。
でも、そうか彼女すら気づかないほどの熟練者だったようだ。でも、俺からしたらこんなのどってことことない。
「全く隠れるならばもう少ししっかり隠れてもらいたいものだよ、最初に会議場に着いた時……いや、勇者と会った時からだな」
他者から見られるというのが極端に嫌だった俺は他人の目線には、特に自分に向けられた目線に関しては感じ取れないことがなくなっていた。魔法で姿を隠そうと目線だけは消せないのだろう。となればわからないはずもない。どうやら変な特技ばっかりついてしまったものだ。
「ちょうどいい。少し練習相手になってくれ」
こっちにきてから俺は自分の持つ力を把握できていない。
本当に俺は魔王なのか、もう人間ではないのか、そんな疑問を晴らすためにもこいつらはちょうどいい。1つ実験台になってもらうこととしよう。
「ふっ……」
両足に力を込め地面を蹴る。魔力によって強化されている足は地面を蹴ると同時に地面にへこみを作り出し、反対に俺は瞬間的に爆発的な推進力を得た。
「なっ……ぐぅ」
一瞬で10m程の距離を詰め、相手の鳩尾へ拳を突き出しした。速度が上乗せされた拳は難なく相手を一撃でノックアウトさせた。
「なるほどこんなものか、にしてもお前らもう少しやれると思ったが、俺の過大評価だったか……それじゃお疲れ様」
もう1人の奴にも有無を言わせず拳を叩き込んだ。
手応えがなさすぎる、もっといい奴はいなかったのかな、いやあるいは……
「全く疲れさせる、リーゼ、ベス行くぞ」
ま、わかったことは……いやわかっていたことだが、俺は本当にもう人間ではないようだ。
となれば、もう俺のいた世界のことなど忘れよう。
こっちの世界で楽しんでやるだけだ。精々暴れてやるよ。
「あ、そいつら持っていかないと、ほら行くぞお前ら」
なぜかさっきから動かない少女2人に声をかけて会議場へと向かうためきた道を引き返すのだった。
ま、そのうちわかるであろう。
だいたい考え事は思い出そうとしていると思い出せない、そんなものだ。
「美味しかったですね、そういえばユウト様のケーキはなんだったのですか?」
「あ、ベスも気になる。なんかタルトみたいなのに真っ白かったあれ」
「うん? あぁ、チーズケーキな」
この世界はタルトはあるのにチーズケーキはないんだな。俺からすればタルトの方が面倒くさいと思うんだけど、まぁそれはいいか。
「材料さえあれば作れると思うが……」
「えっ?ほんと……うですか?」
「あぁ、多分な。この会議が終わったら作ってやろう」
することがなく暇を持て余した挙句料理へと走ったことがこんな風に役に立つとは……やれることはやっといた方がいいな。
「「やった~」」
やはり女子は甘いものと可愛いものには目がないようだ。
「さてと、そのためには会議だな。時間はまだあるよな?」
「はい、今から向かえばちょうどいいと思います」
「それじゃ行くか」
そう言って、一歩を踏み出す。
「ユウト様、そちらでは……」
そう、俺が踏み出したのは会議場とは真逆の方向。当然リーゼが止めるのも無理はない。
ちょっと野暮用だ、と小声でリーゼとベスに伝える。
しばらく歩いたところにあった細い裏路地へと入った。
「さてと……コソコソと隠れてないででてこいよ」
それなりの殺気と魔力を放出して威嚇をする。
音もなく2人の奴が出てきた。
そいつらは全身を黒い衣装で包み忍者を想像させた。とは言っても彼らがきているのはコートのようなものだ。どこかの諜報部員だろうか。
「なっ……貴様ら」
瞬時に戦闘態勢に入るリーゼとベスに制止をかける。
でも、そうか彼女すら気づかないほどの熟練者だったようだ。でも、俺からしたらこんなのどってことことない。
「全く隠れるならばもう少ししっかり隠れてもらいたいものだよ、最初に会議場に着いた時……いや、勇者と会った時からだな」
他者から見られるというのが極端に嫌だった俺は他人の目線には、特に自分に向けられた目線に関しては感じ取れないことがなくなっていた。魔法で姿を隠そうと目線だけは消せないのだろう。となればわからないはずもない。どうやら変な特技ばっかりついてしまったものだ。
「ちょうどいい。少し練習相手になってくれ」
こっちにきてから俺は自分の持つ力を把握できていない。
本当に俺は魔王なのか、もう人間ではないのか、そんな疑問を晴らすためにもこいつらはちょうどいい。1つ実験台になってもらうこととしよう。
「ふっ……」
両足に力を込め地面を蹴る。魔力によって強化されている足は地面を蹴ると同時に地面にへこみを作り出し、反対に俺は瞬間的に爆発的な推進力を得た。
「なっ……ぐぅ」
一瞬で10m程の距離を詰め、相手の鳩尾へ拳を突き出しした。速度が上乗せされた拳は難なく相手を一撃でノックアウトさせた。
「なるほどこんなものか、にしてもお前らもう少しやれると思ったが、俺の過大評価だったか……それじゃお疲れ様」
もう1人の奴にも有無を言わせず拳を叩き込んだ。
手応えがなさすぎる、もっといい奴はいなかったのかな、いやあるいは……
「全く疲れさせる、リーゼ、ベス行くぞ」
ま、わかったことは……いやわかっていたことだが、俺は本当にもう人間ではないようだ。
となれば、もう俺のいた世界のことなど忘れよう。
こっちの世界で楽しんでやるだけだ。精々暴れてやるよ。
「あ、そいつら持っていかないと、ほら行くぞお前ら」
なぜかさっきから動かない少女2人に声をかけて会議場へと向かうためきた道を引き返すのだった。
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