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15歳の飛翔。
連合国の実情。
南域連合の首都アミダが見えてきた時、最初に胸をかすめたのは乾いた風の匂いだった。石畳は割れ、街壁の白は煤け、陽の下を行き交う人の足取りがやけに重い。七種族が肩を並べて暮らす都……そう聞いて想像していたざわめきと笑い声は薄く、目に映るのは気力を摩耗させた顔ばかりだ。僕は欄干に手を置き、短く息を吐いた。
オシュヴァルトが桟橋へ寄せられ、僕らは礼装でタラップを降りた。入国迎賓所へ通され、帳簿と印のやり取りが始まる。通訳士官のリブが横で淡々と訳し、ミレイユが目録を差し出した時だ。窓口の役人が目を細め、声を低くする。
「ご禁制の物品が混じっている。没収の上、罰金だ」
リブの肩が僅かに跳ねた。
「目録を読み違えられましたね。該当品はありません。……失礼ながら、言いがかりです」
役人は机を指で叩き、舌打ちを飲み込むような顔をし指を擦り合わせる。僕は一歩前に出て、淡々と告げる。
「今の一連を公式記録に残し、本国へ持ち帰ります。港の信頼は命より重い。軍将、出港準備」
オビリケ軍将が軽く頷き、ラッパが短く鳴る。僕らは踵を返し、タラップを上がった。碇が上がり、船体がわずかに身じろぎする。ちょうどその時、艦首の先へ細身の船が割り込むように近づき、声が飛んだ。
「お待ちください! 先ほどの役人は厳罰に処しました。どうか、どうか話を」
オビリケ軍将と視線を交わす。将は肩をすくめ、僕は短く頷いた。艦は再び舵を切り、桟橋へ寄せ直す。
下り立った先、先ほどの役人は地面に伏せていた。右の手首が無かった。血は止められていたが、石面に濃い色が滲む。ナミリアが一歩進み、震える手を握った。
「やり方が違う……」
彼女は詠唱も短く、掌に光を集め、切断面を合わせる。肉の繊維が寄り、骨が合わさり、皮膚が閉じていく。役人は絶叫し、やがて嗚咽に変わった。ナミリアは静かな声で周囲を見る。
「恥を知る罰が必要なら、手首ではなく額の札で良いでしょう。二度と同じことをしない誓約と、港の掃除を半年。命と手は、もう少し大事にして」
人垣の奥から男が飛び出し、土の上に両手を突いた。猫背の細身、目の下に深い影。
「私が政務官ジャズパンです。……本当に申し訳ない。どうしても、どうしてもリョウエスト・バァン・スサン伯爵のお話を伺わねばならないのです。どうか、迎賓館へ」
彼は地面に額を擦りつけるように頭を下げた。僕は息をのみ、ミザーリと目を合わせる。彼女は周囲を流し見て、うなずいた。
「わかりました。では段取りをお願いします。ただし、この人の処罰はやり直しを」
「必ず」
迎賓館に通される道すがら、街の乾いた匂いがまた鼻を刺した。種族の色は確かに混じっているのに、視線は交わらず、足音は急き立てられたように速い。夜、ジャズパンは膝を折って詫び続け、僕らは短く休むことにした。
翌朝、政庁。幾重もの布帛に覆われた天井の下、毛並みの黒い大柄の獣人が立ち上がった。片耳に古傷、背は弓のように反っている。隣の痩身の男は書類を抱え、乾いた咳を一つ。
「南域連合総帥、大将軍プロトプルである。こちらは総務大臣ナッセウー」
「昨日の狼藉、恥ずべきこと。二度と繰り返さぬと、ここで誓う」
二人は深く頭を下げた。プロトプルは顔を上げ、真っ直ぐに僕を見る。
「それで……教えを請いたい。どうすれば、種族同士が、争いを越えて並び立てるのか」
言葉は太く、しかし端々に困惑が滲んでいる。ナッセウーが続ける。
「我らの地は、もともと覇を競い合った土地。地盤が緩いがゆえ、何事もすぐ争いへと滑る。良し悪しに先立って、体面が優先される。『恥』の観念が民の背骨に通い、昨日の片手落としもその理に基づく。恥をかけば引き下がる、恥を与えれば服する……そういう信仰に近い思い込みがある」
プロトプルの牙が小さく覗く。
「耳箱の噂も届いておる。だが、あれは恥を晒す箱に見えるのだ。困りを曝け出すのは家名を汚す、と。できぬことをできぬと言えば、すぐに『弱い』の烙印が押される。協働は『弱さの証明』になる、そう言い出す者が多い。わしも、分かってはおる。だが、国中にしみついた感覚をどう動かせばよいのか……」
静かに息を整え、僕は溜められたお茶を一口喉へ落とした。苦味が舌に残る。リブが横で視線だけを送ってくる。ナミリアは膝上の医療箱を撫で、ミレイユは筆を止めて顔を上げた。ミザーリは背後で壁と扉の位置を何度も確認し、アインスとツヴァイとフュンフは視線を回遊させている。
ナッセウーは言葉を継いだ。
「港や街に『耳箱』を置けば、箱はすぐ『晒し台』の別名で呼ばれるでしょう。労志の札は『貧しさの露見』と嘲られるかもしれない。協働は『施しの強要』と言われるかもしれない。恥をため込んで自壊するのは分かっているのに、恥に背を向ければ生きていけない……その狭間で、我らは足を取られている」
プロトプルの拳が膝上で静かに握られ、開かれた。
「恥を恥とせぬ国になるのではない。恥の置き場を変えればよいのか、恥の重さを持ち直せばよいのか……わしには、わからぬ。リョウエスト、教えてくれ」
僕は椅子からわずかに身を乗り出し、彼らの目を順に見た。乾いた風が窓の隙間から入り、紙束の端を揺らす。胸の中で、アルカディアの港と耳箱の前に立つ人々の顔、シャングリラの広場に並んだ掲示板、石場で汗を拭う男たちの笑い声が交互に浮かぶ。答えはひとつではない。けれど、ひとつずつなら、必ず運べる。
言葉を選び、口を開く。
「……」
オシュヴァルトが桟橋へ寄せられ、僕らは礼装でタラップを降りた。入国迎賓所へ通され、帳簿と印のやり取りが始まる。通訳士官のリブが横で淡々と訳し、ミレイユが目録を差し出した時だ。窓口の役人が目を細め、声を低くする。
「ご禁制の物品が混じっている。没収の上、罰金だ」
リブの肩が僅かに跳ねた。
「目録を読み違えられましたね。該当品はありません。……失礼ながら、言いがかりです」
役人は机を指で叩き、舌打ちを飲み込むような顔をし指を擦り合わせる。僕は一歩前に出て、淡々と告げる。
「今の一連を公式記録に残し、本国へ持ち帰ります。港の信頼は命より重い。軍将、出港準備」
オビリケ軍将が軽く頷き、ラッパが短く鳴る。僕らは踵を返し、タラップを上がった。碇が上がり、船体がわずかに身じろぎする。ちょうどその時、艦首の先へ細身の船が割り込むように近づき、声が飛んだ。
「お待ちください! 先ほどの役人は厳罰に処しました。どうか、どうか話を」
オビリケ軍将と視線を交わす。将は肩をすくめ、僕は短く頷いた。艦は再び舵を切り、桟橋へ寄せ直す。
下り立った先、先ほどの役人は地面に伏せていた。右の手首が無かった。血は止められていたが、石面に濃い色が滲む。ナミリアが一歩進み、震える手を握った。
「やり方が違う……」
彼女は詠唱も短く、掌に光を集め、切断面を合わせる。肉の繊維が寄り、骨が合わさり、皮膚が閉じていく。役人は絶叫し、やがて嗚咽に変わった。ナミリアは静かな声で周囲を見る。
「恥を知る罰が必要なら、手首ではなく額の札で良いでしょう。二度と同じことをしない誓約と、港の掃除を半年。命と手は、もう少し大事にして」
人垣の奥から男が飛び出し、土の上に両手を突いた。猫背の細身、目の下に深い影。
「私が政務官ジャズパンです。……本当に申し訳ない。どうしても、どうしてもリョウエスト・バァン・スサン伯爵のお話を伺わねばならないのです。どうか、迎賓館へ」
彼は地面に額を擦りつけるように頭を下げた。僕は息をのみ、ミザーリと目を合わせる。彼女は周囲を流し見て、うなずいた。
「わかりました。では段取りをお願いします。ただし、この人の処罰はやり直しを」
「必ず」
迎賓館に通される道すがら、街の乾いた匂いがまた鼻を刺した。種族の色は確かに混じっているのに、視線は交わらず、足音は急き立てられたように速い。夜、ジャズパンは膝を折って詫び続け、僕らは短く休むことにした。
翌朝、政庁。幾重もの布帛に覆われた天井の下、毛並みの黒い大柄の獣人が立ち上がった。片耳に古傷、背は弓のように反っている。隣の痩身の男は書類を抱え、乾いた咳を一つ。
「南域連合総帥、大将軍プロトプルである。こちらは総務大臣ナッセウー」
「昨日の狼藉、恥ずべきこと。二度と繰り返さぬと、ここで誓う」
二人は深く頭を下げた。プロトプルは顔を上げ、真っ直ぐに僕を見る。
「それで……教えを請いたい。どうすれば、種族同士が、争いを越えて並び立てるのか」
言葉は太く、しかし端々に困惑が滲んでいる。ナッセウーが続ける。
「我らの地は、もともと覇を競い合った土地。地盤が緩いがゆえ、何事もすぐ争いへと滑る。良し悪しに先立って、体面が優先される。『恥』の観念が民の背骨に通い、昨日の片手落としもその理に基づく。恥をかけば引き下がる、恥を与えれば服する……そういう信仰に近い思い込みがある」
プロトプルの牙が小さく覗く。
「耳箱の噂も届いておる。だが、あれは恥を晒す箱に見えるのだ。困りを曝け出すのは家名を汚す、と。できぬことをできぬと言えば、すぐに『弱い』の烙印が押される。協働は『弱さの証明』になる、そう言い出す者が多い。わしも、分かってはおる。だが、国中にしみついた感覚をどう動かせばよいのか……」
静かに息を整え、僕は溜められたお茶を一口喉へ落とした。苦味が舌に残る。リブが横で視線だけを送ってくる。ナミリアは膝上の医療箱を撫で、ミレイユは筆を止めて顔を上げた。ミザーリは背後で壁と扉の位置を何度も確認し、アインスとツヴァイとフュンフは視線を回遊させている。
ナッセウーは言葉を継いだ。
「港や街に『耳箱』を置けば、箱はすぐ『晒し台』の別名で呼ばれるでしょう。労志の札は『貧しさの露見』と嘲られるかもしれない。協働は『施しの強要』と言われるかもしれない。恥をため込んで自壊するのは分かっているのに、恥に背を向ければ生きていけない……その狭間で、我らは足を取られている」
プロトプルの拳が膝上で静かに握られ、開かれた。
「恥を恥とせぬ国になるのではない。恥の置き場を変えればよいのか、恥の重さを持ち直せばよいのか……わしには、わからぬ。リョウエスト、教えてくれ」
僕は椅子からわずかに身を乗り出し、彼らの目を順に見た。乾いた風が窓の隙間から入り、紙束の端を揺らす。胸の中で、アルカディアの港と耳箱の前に立つ人々の顔、シャングリラの広場に並んだ掲示板、石場で汗を拭う男たちの笑い声が交互に浮かぶ。答えはひとつではない。けれど、ひとつずつなら、必ず運べる。
言葉を選び、口を開く。
「……」
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