【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

文字の大きさ
256 / 805
6歳の力走。

貧民街の話と報告会。

 旅は5日目に入った。3日目、4日目は特に何も問題はなく、大隊商キャラバンは順調に距離を稼いだ。ナビはその間食事以外の時間は全て眠っていて、回復に全フリしているみたいだ。5日目に入るとルステインの勢力圏に入るので途端に道が綺麗になる。道が綺麗になってしばらくすると貧民街が現れる。

「なんで、こんな遠くに、貧民街があるんだろうね?」
「私も聞いた話ですが、周辺道路は石畳で舗装していますよね」
「してるね」
「その場所に建物が建てられたその日に治安部隊がやってきてその建物を壊し、中の住人を引っ張ってくのだそうです」
「だからこんな遠くなんだね」
「ここの住人は普段は農家を手伝い、手間賃を貯めて王都に逃げる者が大半らしいです」
「ルステインの街、遠い」
「そうです。まともな足で2時間以上かかるでしょう。閣下はここを貧民にとって住みにくい土地にしています。よく考えていると思いますよ」
「それでも、なくならない、んだね」
「農家は安い労働者を雇いたいですからね」
「なるほど」
「でもルステインが好景気になったらここは真っ先に無くなります」
「そうなの?」
「雇用が生まれ、ここの人に仕事を与えることになるでしょう。そうして仕事を与えて追い出し、壊すでしょう。閣下ならば」
「そうなんだね」

 貧民街を抜け石畳の舗装路に入る。なるほどここには建物一つない。

「閣下は素晴らしい統治者だと思います。だからこそ清濁あわせもって政治を行なっているのです。為政者とはかくあらねばいけないんです」
「ストーク」
「はい」
「大人になって、望むなら、土地を封じられ、子爵になれる」
「左様ですか!?」
「うん。でも、それが、幸せか僕にはわからない」
「そうですね…こればかりはリョウ様のお考えひとつでしょう。私には計りかねます」

 ナビが起きてくる。僕に抱きつく。

「おはよう」
「にゃー」
「なんか食べる?」
「にゃー」
「クッキーで良い?」
「にゃにゃ」
「じゃあ肉?」
「にゃー」
「はい、どうぞ」

 ナビは肉を食べる。飛び上がり僕の頭の上にのる。

「重い。ナビ」
「にゃ」
「ちゃんとして」
「にゃー」

 僕の横でスフィンクス座りをする。

「もう起きれるの?」
「にゃー」
「良かった」
「にゃ、にゃにゃ」
「飛んじゃだめ」
「言ってることがわかるんですか?」
「んー。なんとなく」
「リョウエストさん、すごいですね。私たちの種族の限られた者は動物と会話できるのですが、その人達みたいです」
「フィグさん、なんとなく、だよ」
「にゃー」

 入場門から入って街中に入る。ここに来ると戻ってきたなあと言う気になる。街の中心の時計塔を見てセス大通りに入り馬車はスサン商会の前についた。
 お父さん、お母さん、エメイラ、ケリィさんに迎えられる。それぞれハグをして帰還の挨拶をする。ナビが出てきて僕の横でふわふわと飛ぶ。

「それ、翼猫ナビレイア?小さくない?」
「エメイラ、そう」
「森の王者じゃない!?どうしたの?」
「んー。仲間にしたの」
「もしかして従魔としたの?翼猫ナビレイアは人に慣れないわよ」
「ナビ、挨拶」
「にゃー」
「エメイラよ、よろしく」
「にゃにゃ、にゃー」
「あれ、これすっかり慣れてるわね」
「詳しい話は中でするよ。師匠とフィグさんは一緒に」
 
 ロイック兄さんはそう言う。

「「はい」」
「ストーク、お疲れ様」
「はい、向こうで休ませてもらいます。明日また迎えにきます」
「よろしく」
「あの、リョウエスト様」
「なあに?」

 青の技ブルーアーツのリーダーが僕の所へ来た。

「今回はありがとうございました。明日お伺いしてもよろしいでしょうか?」
「うん、話?」
「はい」
「わかった。待ってる」
「ありがとうございます」

 青の技ブルーアーツはストークと一緒に工房アトリエの方へ向かっていった。

 中に入ると家にいるみたいで僕はそちらに向かった。ナビは相変わらず横をふわふわ浮いている。

「なんで飛んでられるの?」
「にゃー」
「わからないのか」

 食堂に行くと家族全員とペランス師匠とフィグさんが揃ってた。僕が座ると話が始まった。お母さんにナビは抱かれた。困ると言って鳴いたが許してもらいたい。

 まずはロイック兄さんの話だ。ロイック兄さんは王城で土地収用のお願いを出し、それから社交シーズンで注文を受けた所に納品したという。その後披露宴と親善イベントに出て、スレイン商会や他商会を回っていたという。
 ストラ兄さんは主に学園の事をしていたらしい。入学金免除の書類や各書類の提出をして、寮の下見をしてからウルリッヒ様の学友達と親交を深めていたらしい。僕がイベント出店してる時はウルリッヒ様と遊んでいたみたいだ。
 僕の話は長くなりそうなので先に師匠とフィグさんの話となった。誰もがおめでとうと言った。こんど商会員かぞくでお祝いすることになった。
 そして僕の話だ。最初の天ぷら屋をはじめ、ミッソリーナ王国の大使夫人に脅された話、王女様のご友人の食事会、披露宴、親善式典の話、ミッソリーナ王国新大使との話、ルディス様とサテラージャの人達との別れの話をした。最後に親善大使を大人になってやる話もした。望めば子爵になれる話も。あとはナビの話もしたよ。


「話が大きすぎるな」
「脅されて大丈夫だったの?」
「大丈夫」
「リョウ君は食事を作りに行くといってなんでそんなに大きな事をやってくるんでしょう」
「まあ、それもリョウの力だから良いわ。あなたはそろそろ別の方向の力もつけないといけないわね」
「別の方向?」
「そう。そろそろルステインの外で修行を始めるわよ」










感想 9

あなたにおすすめの小説

【最終話執筆済完結保証】悪役令嬢の『影』に転生した俺、ポンコツな主の破滅を物理で無言回避させる

積野 読
ファンタジー
喋れない。触れない。警告できない。——それでも俺は、このポンコツ令嬢を死なせない。 ブラック企業で過労死した中間管理職・黒田忠司(34)が目覚めたのは、乙女ゲーム『月光のエトワール』の悪役令嬢ロゼリアの「影」の中だった。 声は出せない。主から10メートルも離れられない。光の強い場所では力が半減する。できるのは、物をほんの少しだけ動かすことだけ。 それでも——破滅フラグは待ってくれない。 ドレスの裾を引っ張り、シャンデリアを落とし、毒杯を弾く。影の全力の裏方工作で主の破滅をへし折るたび、なぜかロゼリアは「底知れぬ黒幕令嬢」として周囲に畏怖されていく。 情報の女帝。軍神。守護者。革命家。——全部、影のせい。 本人は何もしていない。 だが令嬢は知らない。自分の足元で、存在が薄くなりながら守り続けている者がいることを。 「いるなら、おやすみなさい」——その一言が、影のすべてを変えた。

[完]異世界銭湯

三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。 しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。 暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…

ひだまりのFランク冒険者

みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。 そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。 そんな中 冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。 その名は、リルド。 彼は、特に何もない感じに毎日 「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。 この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。

子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます! 七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。 しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。 食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。 孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。 これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。

最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~

gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。 なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。 一人称視点、独り言多め、能天気となっております。 なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。 ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A ご指摘あればどんどん仰ってください。 ※2017/8/29 連載再開しました!

異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー

白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。 その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。 人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。 異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ 主人公はあまり戦ったりはしません。

異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~

夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する! 農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。 逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。 これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。

WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!

TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。 その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。 競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。 俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。 その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。 意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。 相変わらずの豪華客船の中だった。 しかし、そこは地球では無かった。 魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。 船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。 ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ…… 果たして、地球と東の運命はどうなるの?