396 / 907
8歳の旅回り。
小人族領へ向かう。
潮と水の街の水辺は、朝日に銀色に輝いていた。僕はナビを肩に乗せて、カリュゼル伯の案内で水上の遊覧船(ゴンドラ)に乗った。
「リョウエスト君、こちらが水の民の遊覧船、ゴンドラです」
水竜人伯がにこりと微笑む。
「すごい…まるで水面に浮かぶ小さな船だね」
僕が言うと、ナビは翼をはばたかせて「にゃ!」と鳴いた。
潮風に吹かれながら、水路をゆっくり進む。両岸には海藻の緑、漁師小屋、赤い魚油ランタン。僕は景色に見とれながら馬車から離れた解放感を味わっていた。
「心地良いですね、水竜人の街は」
エメイラが呟く。
「うん、でも…この中で感じるのは『裏』の気配じゃなくて、『楽しさ』だけだな」
ほどなくして戻った館前。だが、広場には異様な静けさがあった。護衛の陽炎隊の隊長エルグナと青の技たちの姿を見て、僕はすぐに気づいた。
「エルグナさん、顔色が悪い……」
僕が駆け寄ると、彼女は力なく微笑んだ。
「リョウエスト様…少し疲れました。昨夜、隊に対して不審な動きがありまして」
「青の技の皆さんも……?」
僕が見ると、六人も皆目にクマを作っている。
「ええ。何か…水竜人とは別の勢力が動いていた気配がありやす」
僕はキュッと手を握った。
「わかった。急ぎ、小人族の自治区へ向かおう。不穏な影があるなら、先に防御を固めたい」
アインスはうなずいた。
「青の技と陽炎隊が守りやす。どうかこの旅を続けてください」
「ありがとう。そのためにも、次の地でも力を合わせよう」
僕たちはそのまま馬車に乗り込み、小人族の自治領へ向けて出発した。潮風と波の音は、一時の安らぎをくれたが、未来への緊張も同時に運んできた。
馬車は潮の街の門を抜け、川岸の道を進む。水車を横目に、湿地帯を越えて山麓へと向かう。風景は次第に変化し、緑の丘と石畳が現れた。
「小人族の領地は山の斜面にあるから、道は滑りやすいかも」
隊長エルグナが注意を促す。
「了解。ナビ、君は天井から石が飛ぶと危ないから下りててね」
ナビは「にゃっ」と跳ねながら馬車床に降りた。
「ねえ、リョウエスト様は『小人族の光』とも呼ばれているんだって?」
フィアが小声で教えてくれた。
「『先を照らすもの』って意味なんだって。リョウエスト様は、いつも未来を見据えて動いてるから」
ゼクスが目を輝かせる。
僕は微かに照れ、だけどどこか胸を突かれる気がした。
「ありがとう。でも、僕はただ、小人族の力を信じているだけだよ」
馬車が山道を越えて森を抜けると、遠くに石造りの橋と、低く連なる小人族の領都が見えてきた。塔が短く、窓が細やかで、まるで繊細な宝箱が並ぶかのようだった。
「着いたな」
川渡しを終えると、馬車は小人領の門前に停まった。門をくぐると、小人族の代表がすぐに挨拶に現れた。
「ようこそ、小人族の領都へ。先を照らす者よ」
その声は高く愛嬌があり、小人族らしい明るさで満ちていた。
「僕がリョウエストです。王命により、異種族交流の旅を続けています」
僕が答えると、小人の青年は両手を合わせてお辞儀した。
「小人伯が既に待っていらっしゃいます。どうぞこちらへ」
僕は護衛たちに目配せすると、静かに頷いた。エルグナも青の技たちも、守りの姿勢を崩さずに僕を先導してくれる。馬車の扉を開け、自ら歩を進めた。
石造りの館に案内されると、中は細密な彫刻と木製の家具で彩られており、手先の器用な種族らしさが漂った。香炉から漂うハーブの香りが、館中に柔らかな空気を作り出している。
扉が開き、小柄な男が軽快に駆け寄ってきた。
「おー…『先を照らす者』とは、リョウエスト君じゃん!」
小人伯は両手を胸元に揃えて飛びつくように喜び、声はまるで子供のように明るい。
「ぼくはそのお名前、嬉しいよっ。未来に向けて働く人にふさわしいよねっ!」
伯爵の話し方は可愛らしく、だけどどこか誠実な響きがあった。
「大変な依頼中だけど大丈夫?ほんとにがんばってくれてありがとね。館をご案内するねっ」
伯爵は微笑みながら言った。
「ありがとうございます。小人族の暮らしやものづくりについて、ぜひ教えてください」
僕は丁寧に頭を下げた。
伯爵はぱっと手を叩き、館の従者に合図を送った。
「まずは、ぼくたちの族の工房を見てきてねっ。小人族は工具、錬金具、精密機械、すべてがんばってる!君のカカオ事業にもきっと役立つよっ」
館の奥には、歯車の回る音金属の匂い、そして木の湿り気が混じった工房が広がっていた。小人族の職人たちは、僕を見つけると作業を止めて笑顔で迎えてくれた。
「『先を照らすもの』が来た! どうぞ手に取ってみてください」
手先の器用さと好奇心にあふれた種族だと、ここに来て改めて思う。
僕は小さな歯車装置や、水源制御のパーツ、錬金術用の細かい瓶などを手に取りながら話をした。
「必要があれば、商会と協力して輸送や資材の手配もできます。異種族同士で補い合う、未来の形ですね」
伯爵はにこにこと頷いた。
「すごく頼りになるね!君のような『光』があるから、ぼくらも進化しようと思うんだっ」
その言葉に、僕は言葉を返した。
「ありがとうございます。光というより、ただ、繋ぎたいんです。人間も魔法や魔術も知恵も、異なる立場の人々をつなげたい」
小人伯は目を細めた。
「君には、手を貸したい者がたくさんいるよ。工房、研究所、商会…みんなが君をみとめてるね。だけど君自身の体調と波の気配にも気をつけて!護衛たちは、君を守るためにいるのだからねっ」
僕は胸を打たれて深く頷いた。
「はい。護衛の皆と共に動きます」
館の庭で、小さなランタンが灯り始めた。その灯りとともに、異種族の新しい時代が語られていたのだった。
「リョウエスト君、こちらが水の民の遊覧船、ゴンドラです」
水竜人伯がにこりと微笑む。
「すごい…まるで水面に浮かぶ小さな船だね」
僕が言うと、ナビは翼をはばたかせて「にゃ!」と鳴いた。
潮風に吹かれながら、水路をゆっくり進む。両岸には海藻の緑、漁師小屋、赤い魚油ランタン。僕は景色に見とれながら馬車から離れた解放感を味わっていた。
「心地良いですね、水竜人の街は」
エメイラが呟く。
「うん、でも…この中で感じるのは『裏』の気配じゃなくて、『楽しさ』だけだな」
ほどなくして戻った館前。だが、広場には異様な静けさがあった。護衛の陽炎隊の隊長エルグナと青の技たちの姿を見て、僕はすぐに気づいた。
「エルグナさん、顔色が悪い……」
僕が駆け寄ると、彼女は力なく微笑んだ。
「リョウエスト様…少し疲れました。昨夜、隊に対して不審な動きがありまして」
「青の技の皆さんも……?」
僕が見ると、六人も皆目にクマを作っている。
「ええ。何か…水竜人とは別の勢力が動いていた気配がありやす」
僕はキュッと手を握った。
「わかった。急ぎ、小人族の自治区へ向かおう。不穏な影があるなら、先に防御を固めたい」
アインスはうなずいた。
「青の技と陽炎隊が守りやす。どうかこの旅を続けてください」
「ありがとう。そのためにも、次の地でも力を合わせよう」
僕たちはそのまま馬車に乗り込み、小人族の自治領へ向けて出発した。潮風と波の音は、一時の安らぎをくれたが、未来への緊張も同時に運んできた。
馬車は潮の街の門を抜け、川岸の道を進む。水車を横目に、湿地帯を越えて山麓へと向かう。風景は次第に変化し、緑の丘と石畳が現れた。
「小人族の領地は山の斜面にあるから、道は滑りやすいかも」
隊長エルグナが注意を促す。
「了解。ナビ、君は天井から石が飛ぶと危ないから下りててね」
ナビは「にゃっ」と跳ねながら馬車床に降りた。
「ねえ、リョウエスト様は『小人族の光』とも呼ばれているんだって?」
フィアが小声で教えてくれた。
「『先を照らすもの』って意味なんだって。リョウエスト様は、いつも未来を見据えて動いてるから」
ゼクスが目を輝かせる。
僕は微かに照れ、だけどどこか胸を突かれる気がした。
「ありがとう。でも、僕はただ、小人族の力を信じているだけだよ」
馬車が山道を越えて森を抜けると、遠くに石造りの橋と、低く連なる小人族の領都が見えてきた。塔が短く、窓が細やかで、まるで繊細な宝箱が並ぶかのようだった。
「着いたな」
川渡しを終えると、馬車は小人領の門前に停まった。門をくぐると、小人族の代表がすぐに挨拶に現れた。
「ようこそ、小人族の領都へ。先を照らす者よ」
その声は高く愛嬌があり、小人族らしい明るさで満ちていた。
「僕がリョウエストです。王命により、異種族交流の旅を続けています」
僕が答えると、小人の青年は両手を合わせてお辞儀した。
「小人伯が既に待っていらっしゃいます。どうぞこちらへ」
僕は護衛たちに目配せすると、静かに頷いた。エルグナも青の技たちも、守りの姿勢を崩さずに僕を先導してくれる。馬車の扉を開け、自ら歩を進めた。
石造りの館に案内されると、中は細密な彫刻と木製の家具で彩られており、手先の器用な種族らしさが漂った。香炉から漂うハーブの香りが、館中に柔らかな空気を作り出している。
扉が開き、小柄な男が軽快に駆け寄ってきた。
「おー…『先を照らす者』とは、リョウエスト君じゃん!」
小人伯は両手を胸元に揃えて飛びつくように喜び、声はまるで子供のように明るい。
「ぼくはそのお名前、嬉しいよっ。未来に向けて働く人にふさわしいよねっ!」
伯爵の話し方は可愛らしく、だけどどこか誠実な響きがあった。
「大変な依頼中だけど大丈夫?ほんとにがんばってくれてありがとね。館をご案内するねっ」
伯爵は微笑みながら言った。
「ありがとうございます。小人族の暮らしやものづくりについて、ぜひ教えてください」
僕は丁寧に頭を下げた。
伯爵はぱっと手を叩き、館の従者に合図を送った。
「まずは、ぼくたちの族の工房を見てきてねっ。小人族は工具、錬金具、精密機械、すべてがんばってる!君のカカオ事業にもきっと役立つよっ」
館の奥には、歯車の回る音金属の匂い、そして木の湿り気が混じった工房が広がっていた。小人族の職人たちは、僕を見つけると作業を止めて笑顔で迎えてくれた。
「『先を照らすもの』が来た! どうぞ手に取ってみてください」
手先の器用さと好奇心にあふれた種族だと、ここに来て改めて思う。
僕は小さな歯車装置や、水源制御のパーツ、錬金術用の細かい瓶などを手に取りながら話をした。
「必要があれば、商会と協力して輸送や資材の手配もできます。異種族同士で補い合う、未来の形ですね」
伯爵はにこにこと頷いた。
「すごく頼りになるね!君のような『光』があるから、ぼくらも進化しようと思うんだっ」
その言葉に、僕は言葉を返した。
「ありがとうございます。光というより、ただ、繋ぎたいんです。人間も魔法や魔術も知恵も、異なる立場の人々をつなげたい」
小人伯は目を細めた。
「君には、手を貸したい者がたくさんいるよ。工房、研究所、商会…みんなが君をみとめてるね。だけど君自身の体調と波の気配にも気をつけて!護衛たちは、君を守るためにいるのだからねっ」
僕は胸を打たれて深く頷いた。
「はい。護衛の皆と共に動きます」
館の庭で、小さなランタンが灯り始めた。その灯りとともに、異種族の新しい時代が語られていたのだった。
あなたにおすすめの小説
異世界マイホーム
祐祐(ゆうゆう)
ファンタジー
『ホームって何なんだろうな』
仕事を辞めてリタイア生活を送ろうとしていたら、
突然モンスターが蔓延る森の中に連れてこられていた中年男性 千葉 祐磨。
手に入れていた謎のスキルを使ってモンスターを撃退したり、生活を快適にしたり。
何故か増えていく仲間たちと共に生き抜いていく。
嫌だ、のんびりぐうたら過ごしたい。
※基本的に主人公視点のみで話は進んでいきます
異世界の片隅で、穏やかに笑って暮らしたい
木の葉
ファンタジー
『異世界で幸せに』を新たに加筆、修正をしました。
下界に魔力を充満させるために500年ごとに送られる転生者たち。
キャロルはマッド、リオに守られながらも一生懸命に生きていきます。
家族の温かさ、仲間の素晴らしさ、転生者としての苦悩を描いた物語。
隠された謎、迫りくる試練、そして出会う人々との交流が、異世界生活を鮮やかに彩っていきます。
一部、残酷な表現もありますのでR15にしてあります。
ハッピーエンドです。
最終話まで書きあげましたので、順次更新していきます。
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
異世界に迷い込んだ盾職おっさんは『使えない』といわれ町ぐるみで追放されましたが、現在女の子の保護者になってます。
古嶺こいし
ファンタジー
異世界に神隠しに遭い、そのまま10年以上過ごした主人公、北城辰也はある日突然パーティーメンバーから『盾しか能がないおっさんは使えない』という理由で突然解雇されてしまう。勝手に冒険者資格も剥奪され、しかも家まで壊されて居場所を完全に失ってしまった。
頼りもない孤独な主人公はこれからどうしようと海辺で黄昏ていると、海に女の子が浮かんでいるのを発見する。
「うおおおおお!!??」
慌てて救助したことによって、北城辰也の物語が幕を開けたのだった。
基本出来上がり投稿となります!
【完結】女神の祝福 〜最適解の冒険譚〜
シマセイ
ファンタジー
剣と魔法が支配する中世ファンタジー世界。
12歳の「成人の儀」で、手にしたアイテムを「スキル」へと変換できる「祝福の袋」をもらった少年アレスは、不慮の事故により、父の形見である『女神像』をスキルに変えてしまう。
手に入れたのは、戦闘能力ゼロの地味なスキル「簡易鑑定」……のはずだった。
しかしその実態は、頭の中に直接語りかけ、世界のあらゆる事象を解析・ナビゲートする超高性能な意思を持つAIスキル「女神の祝福」だった。
「マスター、その一歩先を左です。宝箱と、ゴブリンの不意打ちがあります」
平穏な宿屋の息子から、最強のナビゲーターを相棒にした冒険者へ。
知識と最適解を武器に、未踏の地を切り拓く少年の成長を描く、王道ハイファンタジー開幕!
【完結】草食系貴族
シマセイ
ファンタジー
農業大学を卒業し、実家の農家を継いだ青年・誠也。
作業中の事故で命を落とした彼が目を覚ますと、剣と魔法が支配する異世界の公爵家次男・ルークとして転生していた。
名門貴族として将来を約束されていたルークだったが、5歳の儀式で授かったのは、戦闘とは無縁の未知なるスキル【品種改良】
「ゴミスキル」と蔑まれ、家族からも見放されてどん底の生活に送られた彼は、前世で培った農業知識とこのスキルを武器に、ただの雑草を伝説級のアイテムへと変貌させていく。
これは、追放された「草食系」の少年が、植物の力で世界の常識を塗り替えていく下克上ファンタジー。
異世界無宿
ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。
アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介(イズミ シュンスケ)。
映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。
訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。
一目惚れで購入した車の納車日。
エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた…
神様の道楽で異世界転移をさせられたイズミは、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。
アクション有り!
ロマンス控えめ!
ご都合主義展開あり!
ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。
投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。
薬草採取しかできない不遇職ですが、なぜか伝説の竜が懐いて離れません。実は全魔法を極めていることに本人気づかず、今日も無自覚に魔王級をワンパン
ホタ
ファンタジー
「君はクビだ。薬草しか採れない無能は、我が勇者パーティーには必要ない」最果ての村で薬草採取を仕事にしていたアルトは、ある日突然、所属していたパーティーから追放を言い渡される。しかし、アルトは悲しまなかった。むしろ「これで大好きな薬草を好きなだけ採れる!」と大喜び。心機一転、森の奥深くで採取を始めたアルトだったが、ひょんなことから傷ついたトカゲ(?)を助ける。だがその正体は、数千年の眠りから目覚めた伝説の「終焉の竜」だった!「この恩、一生かけて返そう」「えっ、いらないですよ。ただのトカゲさんでしょ?」無自覚に神話級の魔法を使いこなし、聖域の薬草を雑草のごとく引き抜くアルト。最強の竜をペットに従え、本人の知らないところで世界を救い、気づけば聖女や王女からも執着されることに……。これは、自覚ゼロの最強青年が、無意識に世界をひっくり返していくスローライフ(?)ファンタジー。