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士官学校編
二日酔い2号とクリア報告
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たくさん運動して、酒飲んで、眠る。
ストレス大解放。
しかし授業はあるのだ。
隣で寝こけているイレーネを見て昨日の大騒ぎで少しは気が晴れてくれたかな、と気がかりだった。
「イレーネ、そろそろ起きな」といいながらゆさゆさと揺らした。
「うう、ううー、頭いたぁ」すっかり酒が残ってしまった様でイレーネは頭を抱えて起き上がった。
魔法で水を出しコップに入れてイレーネに渡す。
「ありがと、ってカオル!? なんで!?」
「ここまで連れてきたけど部屋番号わからなくてイレーネ起こしても起きないから連れてきた。」
「あぁ、そうなんだ、ありがとう。ごめんね。」と言って一気に水を飲みほして立ち上がった。
「シャワー浴びてからいくよ」と言って部屋から出て行った。
私もひらひらと手を振ってイレーネを見送るとエリーが迎えに来るまでにできる準備はしておく。
髪も段々伸びてきてうっとおしいことこの上ないからいっその事坊主にでもしてしまいたい。
万が一切った直後に体を返すことになったら申し訳ないからやらないが。
整えるくらいはしてもいいかな?
と、思っているとノックされエリーが朝食を持ってきてくれた。
「おはようございます、カオル様」
「はい、おはようエリー」
持ってきてもらった朝食を食べながらここの生活について気になったことを質問してみる。
「ここいらの貴族の子女は魔力なり、武芸なりで戦う力があっても戦場にはでないものなの?」
と聞くと「力ある貴族の跡継ぎでない場合に限りますが」と前置きして説明してくれた。
力ある貴族はエリート中のエリートなので男女問わず文武両道が求められ
基本的に前線で戦うわけではないため、女性指揮官などはいるそうだ。
しかしイレーネの様な力ない貴族だと十分に教育できない場合が多い上に
指揮官になるような家柄ではないため、
どうしても前線に近いところで戦ったりそれこそ前線で指揮をとることが多いそう。
そうなると家柄的に戦う事を由とするか、家をでることになるんだということだった。
一般兵にもなると魔力があるわけでもないので肉体の身で戦うことになり、女性はいなくなる。
いないわけではないのだが目的が異なるようだ。
どういうことかというと上手くいけば貴族との血縁ができるという目的で志願してくる女性もいなくはないらしい。
あと気になっていた力ある貴族という言い方だった。
どうやら爵位をあらわす言葉は無いらしく、
貴族の序列は王家へ納める税収が多いと力があるらしい。
大領地や金鉱山、あとは産業がある貴族は強い。
領地がなく王宮内で文官をしている貴族は弱い。
そして年に1度王の感謝と共にその格付けが発表されるということだった。
「なーるほーどねー」と言いながら朝食のパンの最後の一口を頬張った。
その後着替えを手伝ってもらい登校する。1階に降りるだけだが。
じゃあ、また後で、と言いながら班の仲間と落ち合っていつもの講義室に移動する。
さっき振りのイレーネはもじもじしながら昨日変なこと言ってないよね? と耳打ちしてきたので
大丈夫、と返しておいた。
「ということで、昨日はダンジョンに潜ってもらったわけですが。
カオルの所の魔法石は、と。」ロペスに手渡され机の上に置いた。
大きさは3㎝くらいだが初めての魔法石。
「そしてペドロの所のは」というとペドロが小袋に入ったものを手渡した。
1㎝に満たないものが20粒弱取り出された。
「みんな怪我もなくよくやった。それぞれのチームは死ぬほど大変だったろ」と言って笑った。
どういうことか考えていたらほかの人もきょとんとしていたようで、
「何がでてどういう構造のダンジョンに潜らせるかは事前にこっちで調整できるんだ、しらなかったか?」
お前らは洞窟の鬼、お前らは大量のローパー
と言って指をさした。
「クリアできるギリギリの所を攻めるのが腕の見せ所なのよ」といいながらルイス教官は上機嫌だった。
「これで基礎の第1段階が終わったわけだ。
あといくつか覚える魔法があって、魔法史を進めたら第2段階が終わるが、
そのあとはABDE班との合同訓練が始まるから覚悟しておけよ。」
まあ、ずいぶん先になると思うが。と付け足した。
と、ここで初めて気づいた。
ルイス教官、二日酔いじゃないなんて珍しい。
どうでもいいが。
「さて、全員が基礎ができた所で魔法史を本格的にすすめていくが
基本的には全部暗記だ。がんばれ」
そういって魔法史の授業が始まった。
魔法史と言っても古い順に魔法を作った過去の偉人の話と魔法の解説をしてから
その時代の魔法を丸暗記することがメインになりそう。
マーリン時代の魔法は古代語をベースにしたオリジナルの言葉らしく
炎の矢なんかはそのころに作られた古来より正しく存在する魔法である。とのことだった。
そして、そのマーリンが消えて数百年後に異世界から勇者達が現れて魔法を作り。
その後勇者達の遺産により召喚者を呼べるようになり、代々の召喚者が魔法を作ったらしい。
ちなみに、勇者や召喚者が作った魔法はごっそり魔力を持っていかれるため、
ほとんど使う人はいないのでマーリンの作った古い魔法が現役なのだ。
ストレス大解放。
しかし授業はあるのだ。
隣で寝こけているイレーネを見て昨日の大騒ぎで少しは気が晴れてくれたかな、と気がかりだった。
「イレーネ、そろそろ起きな」といいながらゆさゆさと揺らした。
「うう、ううー、頭いたぁ」すっかり酒が残ってしまった様でイレーネは頭を抱えて起き上がった。
魔法で水を出しコップに入れてイレーネに渡す。
「ありがと、ってカオル!? なんで!?」
「ここまで連れてきたけど部屋番号わからなくてイレーネ起こしても起きないから連れてきた。」
「あぁ、そうなんだ、ありがとう。ごめんね。」と言って一気に水を飲みほして立ち上がった。
「シャワー浴びてからいくよ」と言って部屋から出て行った。
私もひらひらと手を振ってイレーネを見送るとエリーが迎えに来るまでにできる準備はしておく。
髪も段々伸びてきてうっとおしいことこの上ないからいっその事坊主にでもしてしまいたい。
万が一切った直後に体を返すことになったら申し訳ないからやらないが。
整えるくらいはしてもいいかな?
と、思っているとノックされエリーが朝食を持ってきてくれた。
「おはようございます、カオル様」
「はい、おはようエリー」
持ってきてもらった朝食を食べながらここの生活について気になったことを質問してみる。
「ここいらの貴族の子女は魔力なり、武芸なりで戦う力があっても戦場にはでないものなの?」
と聞くと「力ある貴族の跡継ぎでない場合に限りますが」と前置きして説明してくれた。
力ある貴族はエリート中のエリートなので男女問わず文武両道が求められ
基本的に前線で戦うわけではないため、女性指揮官などはいるそうだ。
しかしイレーネの様な力ない貴族だと十分に教育できない場合が多い上に
指揮官になるような家柄ではないため、
どうしても前線に近いところで戦ったりそれこそ前線で指揮をとることが多いそう。
そうなると家柄的に戦う事を由とするか、家をでることになるんだということだった。
一般兵にもなると魔力があるわけでもないので肉体の身で戦うことになり、女性はいなくなる。
いないわけではないのだが目的が異なるようだ。
どういうことかというと上手くいけば貴族との血縁ができるという目的で志願してくる女性もいなくはないらしい。
あと気になっていた力ある貴族という言い方だった。
どうやら爵位をあらわす言葉は無いらしく、
貴族の序列は王家へ納める税収が多いと力があるらしい。
大領地や金鉱山、あとは産業がある貴族は強い。
領地がなく王宮内で文官をしている貴族は弱い。
そして年に1度王の感謝と共にその格付けが発表されるということだった。
「なーるほーどねー」と言いながら朝食のパンの最後の一口を頬張った。
その後着替えを手伝ってもらい登校する。1階に降りるだけだが。
じゃあ、また後で、と言いながら班の仲間と落ち合っていつもの講義室に移動する。
さっき振りのイレーネはもじもじしながら昨日変なこと言ってないよね? と耳打ちしてきたので
大丈夫、と返しておいた。
「ということで、昨日はダンジョンに潜ってもらったわけですが。
カオルの所の魔法石は、と。」ロペスに手渡され机の上に置いた。
大きさは3㎝くらいだが初めての魔法石。
「そしてペドロの所のは」というとペドロが小袋に入ったものを手渡した。
1㎝に満たないものが20粒弱取り出された。
「みんな怪我もなくよくやった。それぞれのチームは死ぬほど大変だったろ」と言って笑った。
どういうことか考えていたらほかの人もきょとんとしていたようで、
「何がでてどういう構造のダンジョンに潜らせるかは事前にこっちで調整できるんだ、しらなかったか?」
お前らは洞窟の鬼、お前らは大量のローパー
と言って指をさした。
「クリアできるギリギリの所を攻めるのが腕の見せ所なのよ」といいながらルイス教官は上機嫌だった。
「これで基礎の第1段階が終わったわけだ。
あといくつか覚える魔法があって、魔法史を進めたら第2段階が終わるが、
そのあとはABDE班との合同訓練が始まるから覚悟しておけよ。」
まあ、ずいぶん先になると思うが。と付け足した。
と、ここで初めて気づいた。
ルイス教官、二日酔いじゃないなんて珍しい。
どうでもいいが。
「さて、全員が基礎ができた所で魔法史を本格的にすすめていくが
基本的には全部暗記だ。がんばれ」
そういって魔法史の授業が始まった。
魔法史と言っても古い順に魔法を作った過去の偉人の話と魔法の解説をしてから
その時代の魔法を丸暗記することがメインになりそう。
マーリン時代の魔法は古代語をベースにしたオリジナルの言葉らしく
炎の矢なんかはそのころに作られた古来より正しく存在する魔法である。とのことだった。
そして、そのマーリンが消えて数百年後に異世界から勇者達が現れて魔法を作り。
その後勇者達の遺産により召喚者を呼べるようになり、代々の召喚者が魔法を作ったらしい。
ちなみに、勇者や召喚者が作った魔法はごっそり魔力を持っていかれるため、
ほとんど使う人はいないのでマーリンの作った古い魔法が現役なのだ。
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