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あ
しおりを挟む「最善の治療法は死だと結果が出ました」
精神科医に淡々と告げられる。
「やっぱり死ですか」
僕は呆れたように笑った。薬物中毒の症状に追われ、数多の治療法を試しても結局薬のことが忘れられず、最悪の日々を送っていた。
「自分でする勇気がないので、助かります」
同席している母親が泣き出した。
「それではこちらの椅子に座っていただいて」
ヘルメットのようなものが着いた椅子が目の前に現れる。いよいよか。これで全て治って救われるのだ。人生の全てが詰まったようなため息が出た。
「お母さん、今までありがとう」
そう言い残して僕は座る。
「それでは、すぐに終わりますので、リラックスしてください」
頭に機械を装着して目を瞑る。機械が動き出したかと思ったら目の前が真っ白になる。
ああ、この治療法で正解だった。
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