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第1章

出逢い

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公園に着くとヤマトはすでに着いていた

「れん!見てみっ‼」
ヤマトはセミを二匹も捕まえて、頭に乗していた…

「こいつはいつから居たんだ…?」

この公園は山と山の間にできており
THE隠れ家って感じの小さな公園。

さらに近くに古い大きな池があって、俺はよくそこで釣りをしていた。

その昔 ドラゴンが居たとかなんとか…
そんな噂もあった。




「ヤマト~全然釣れねーよ」

「精神を研ぎ澄ませっ!」
ヤマトがそう言った

俺はなにも考えず
糸にスルメをつけただけの仕掛けを
水面にむけ垂らしていた

ヤマトの方を見るとザリガニを5、6匹は釣っていた

「一体こいつは、セミといい、ザリガニといい…何者だ…」

俺は1匹も釣れていない…むふふふ


「もーやめじゃいっ‼」
俺はスルメを池に投げた…ぽちゃん…


ヤマトはまだ真剣に頑張っている

俺はヤマトがザリガニ釣りをしている間

すぐ横に魔法使いのロッドみたいなものを見つけ
水面をペチャペチャと叩いてた

「やめろー仲間が逃げる‼」
ヤマトが叫んでいるが無視だ

5分ほどたっただろうか
ぼーーーーっとしていた

気がつくとヤマトが横に居た


「れん‼なにしてんのっ?」


「んー暇やったから~」


すると池の底の方から
大量の泡がブクブクッと出てきた‼


「なんか居るかもな…」


2人でワクワクしていた
「なんも出てこんじゃん」ヤマトが拗ねた瞬間


水の奥の方から大きい影がものゆっくり
ズワァーっと上がってきた‼


俺は目を凝らし
水の奥深くをよーく見ていた


するとドンドン大きくなり
その姿をすぐ近くで見た

横幅は車の正面ほどのサイズだ


思わずビックリして
持っていた木の棒を捨て
走って逃げた


そのまま見ていると腕ごとガブリと
食べられそうだったからだ


ヤマトの方を見ると
「どーしたんだよ」

こいつ‼見てなかったのか⁉

「今の見たろ⁉」

「なにをだよー」

あれ?こいつ横で
一緒に見てたよな?


俺は怖くなり
「おい!ヤマト!
今見たろ!池の中から
でかい何かが登ってきたの!」

ヤマトは不思議そうな顔で
俺を見つめる…


「れんーどないしたんやー?」

嘘だろ?
すぐ横で見てたヤマトは見えていなかった

池の底からドンドン近づいてくるでかい影を

「悪い、今日は帰るわ」


その日は怖くなり
結局ヤマトと解散し、


家に帰ることにした


「あのデカイのは何だったんだ」

親に相談してみた


「今日池ですっごいデカイ
何かを見たんだ!」


母と父は笑いながら
「なにを見た?」


「なんかわからないけど
すっごいデカイのが
池から上がってきた!」


絵に書いて説明したが
なにせ、絵を描くのが
苦手な俺は


よくわからないものを
書いて必死に説明していた


案の定相手にはされなかった



その夜は眠れるはずもなく、ずっと"あの影"の事ばかり考えていた

窓の雨戸からは心地よい風が流れ
リビングからはテレビの音が聞こえてくる

「あいつはなんなんだ」
俺は天井に向かい呟く

「なぜ俺しか見えないんだ」


「よしっ明日確認しに行こう」




そう思いその日は
眠りに落ちた…

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