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第1話! クーが…
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「んぅん……あ……ああ、朝…か。」
眠たい目を擦り、まだ覚醒しきっていない頭を働かせる。
何だったんだろうか…。
僕は今。何か、確かに夢を見た…、不思議でどこか楽しげで、何か幸せを感じるような…。
ぺろっ 何か生暖かいものが、僕の首筋を這った。
「んっ!?…って」
急いで、その感触がした方を向くと、そこには飼い犬のクーがこちらを見つめて、お行儀よくお座りをしている。
「クー、びっくりするから…急にはやめてくれないか…」
傍から見たら犬と話すやばいやつに見えるかも知れないが、家のクーは優秀で、飼い始めて一日でトイレの場所やしてはダメな行為全てを覚えた天才わんちゃんなのだ。
クーの頭をよしよしと撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。
可愛い、クーは僕の生活には欠かせない、癒しである。
はぁ…、とため息をつき、身を起こした。
「大学めんどくせぇ…」
理由はそう、大学である。確かに楽しくはあるのだが、それでも毎日満員電車に揺られながら遠い大学へ行くのは中々に辛い。これだけは慣れないものだ。
僕はさっさと外出用の服に着替え、今日も大学へと足を運んだ。
「みよちゃん!おはよ~!」
「おはよ、朝なのによくそんな元気でいられるな。」
ちなみにみよちゃんとは僕のことである。
彩錠みよ(さいじょう みよ)、それが僕の名前。
珍しい苗字に、『みよ』と言う女の子の様な名前、コンプレックスに感じていた時もあったが、大学生になる頃には吹っ切れていた。
「そりゃあ元気だよ!だって!だって!今日はなんと1月11日だよ!」
「?…そうだな。んーと……………今日って何か特別な日なのか?」
「えぇ?!今日はあれだよ!わんわんの日だよ!1月11日!わかるでしょ!」
「なるほど、1月11日。わんわんわんってことか」
「そうだよ!もう、みよちゃんは前から察する能力がないよねッ!………、あっ!こういうのを鈍感って言うのか!みよちゃんの鈍感!」
頬をぷくぅと膨らませ、少し怒ったように見せる明音(あかね)だった。
喜翔明音(きしょう あかね)幼稚園に入る前から今まで一緒の学校に通ってきた。言わば幼馴染みである。ちなみに付き合っていない。
「みよちゃん!今日は寝ないでよ?」
明音は心配そうに言った。
「大丈夫大丈夫、バレなきゃ犯罪じゃないから」
「やる前提?!そしてバレなくてもしちゃダメだよぉ!!!」
普段の何気ない会話をしていると、講義が始まった。
「はぁ…つかれたぁ」
家に帰る頃には日が沈み、スマホの時刻は7時を回っていた。
ちなみにクーの餌は遠隔で挙げられるアプリがあるので、大学がある日はそれで餌を挙げている。
「クー!」
いつも僕が玄関から名前を呼ぶと、寝ていても飛んでくる癒しの家族、
突如、
「ご主人~!」
ん?!
見知らぬ男の子が僕めがけ飛びつき、ぎゅーっと抱きしめられた。
「ご主人!おかえりなさい!」
その男の子をよく見ると、クーにそっくりな耳としっぽが生えていた。
「ええぇぇぇぇぇ?!」
「どししたの?ご主人!」
こうして僕とクー(?)の新しい日常が、始まろうとしていた。
眠たい目を擦り、まだ覚醒しきっていない頭を働かせる。
何だったんだろうか…。
僕は今。何か、確かに夢を見た…、不思議でどこか楽しげで、何か幸せを感じるような…。
ぺろっ 何か生暖かいものが、僕の首筋を這った。
「んっ!?…って」
急いで、その感触がした方を向くと、そこには飼い犬のクーがこちらを見つめて、お行儀よくお座りをしている。
「クー、びっくりするから…急にはやめてくれないか…」
傍から見たら犬と話すやばいやつに見えるかも知れないが、家のクーは優秀で、飼い始めて一日でトイレの場所やしてはダメな行為全てを覚えた天才わんちゃんなのだ。
クーの頭をよしよしと撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。
可愛い、クーは僕の生活には欠かせない、癒しである。
はぁ…、とため息をつき、身を起こした。
「大学めんどくせぇ…」
理由はそう、大学である。確かに楽しくはあるのだが、それでも毎日満員電車に揺られながら遠い大学へ行くのは中々に辛い。これだけは慣れないものだ。
僕はさっさと外出用の服に着替え、今日も大学へと足を運んだ。
「みよちゃん!おはよ~!」
「おはよ、朝なのによくそんな元気でいられるな。」
ちなみにみよちゃんとは僕のことである。
彩錠みよ(さいじょう みよ)、それが僕の名前。
珍しい苗字に、『みよ』と言う女の子の様な名前、コンプレックスに感じていた時もあったが、大学生になる頃には吹っ切れていた。
「そりゃあ元気だよ!だって!だって!今日はなんと1月11日だよ!」
「?…そうだな。んーと……………今日って何か特別な日なのか?」
「えぇ?!今日はあれだよ!わんわんの日だよ!1月11日!わかるでしょ!」
「なるほど、1月11日。わんわんわんってことか」
「そうだよ!もう、みよちゃんは前から察する能力がないよねッ!………、あっ!こういうのを鈍感って言うのか!みよちゃんの鈍感!」
頬をぷくぅと膨らませ、少し怒ったように見せる明音(あかね)だった。
喜翔明音(きしょう あかね)幼稚園に入る前から今まで一緒の学校に通ってきた。言わば幼馴染みである。ちなみに付き合っていない。
「みよちゃん!今日は寝ないでよ?」
明音は心配そうに言った。
「大丈夫大丈夫、バレなきゃ犯罪じゃないから」
「やる前提?!そしてバレなくてもしちゃダメだよぉ!!!」
普段の何気ない会話をしていると、講義が始まった。
「はぁ…つかれたぁ」
家に帰る頃には日が沈み、スマホの時刻は7時を回っていた。
ちなみにクーの餌は遠隔で挙げられるアプリがあるので、大学がある日はそれで餌を挙げている。
「クー!」
いつも僕が玄関から名前を呼ぶと、寝ていても飛んでくる癒しの家族、
突如、
「ご主人~!」
ん?!
見知らぬ男の子が僕めがけ飛びつき、ぎゅーっと抱きしめられた。
「ご主人!おかえりなさい!」
その男の子をよく見ると、クーにそっくりな耳としっぽが生えていた。
「ええぇぇぇぇぇ?!」
「どししたの?ご主人!」
こうして僕とクー(?)の新しい日常が、始まろうとしていた。
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