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氷の華を溶かしたら
17話
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父王との謁見後、シェルビーは着々とキャニスへの求婚の下準備を進めていた。
勿論、シェルビーのキャニス詣では続いて居り、2人が一緒に出かける姿も度々貴族達に目撃され、オセニアの社交界では王太子の恋愛は噂になり始めていた。
一方キャニスは、オセニア社交界へ参加もしておらず、噂の事は知らぬままだ。
シェルビーに邪魔されない限り、キャニスは、自身が所有する邸宅で、魔道具を作成し、本を読み、庭の草花の手入れをしたりと、静かな暮らしを満喫していた。
「坊ちゃん今日は、何をお読みですか?」
「今日は、ベラおすすめの恋愛小説だよ」
キャニスは読んでいた本を掲げ、表紙のタイトルをベラに見せた。
「えっ?白百合の咲く頃にの2巻じゃないですか、もう1巻を読み終わったんですか?」
「うん」
「白百合の咲く頃にのシリーズは、今王都で大人気なんです。作者はオセニアの作家さんなので、こちらの方が速く新刊が手に入ると思います」
「ふ~ん」
「それで坊ちゃんは、何処が面白かったですか?」
「ベラは、何処が面白かったの?」
「私ですか?私はもちろん、ギューブ卿が白百合の君に愛を告白する所です。二人の繊細な心理描写と、風景の美しさ。私もあんな風に告白されたい!」
「やっぱりそうなんだね。ベラも年頃の娘だものね」
「えへへ。ちょっと恥ずかしいですね。坊ちゃんは何処が面白かったですか?」
「そうだね・・・私は、ギューブ卿に思いを寄せていたアーシェが、白百合を貶める為の、悪だくみするところかな」
「え?えぇ~~? なんであんな胸糞な場面?」
「そうね。確かに気分の悪い場面だよね。だけど私はアーシェの様に、一人の人間に執着する者の末路を知っているから、アーシェが不憫でね」
「悪役が不憫?坊ちゃんは変わってますね」
「確かにそうかもしれないね」
しかしキャニスは知っている、誰かの愛を求め、それを拒絶される辛さを。
ましてやギューブは親同士が決めた事とは言え、アーシェと婚約していた。
今の自分と似たような境遇だが、何回か前の人生でも経験したことが有る。
将来結ばれると信じていた相手の裏切り、優しかった人が、手の平を返したように冷たくなって行き、自分に興味を示さなくなった時の、恐怖と絶望。
自分の存在価値を否定するような、心ない相手からの嘲笑に、選ばれた女の見下した余裕の表情。
その全てに、身の内が焼き焦がされるような、怒りと嫉妬。
相手の女を貶めたとしても、もう自分の愛した人は帰ってこない。
自分だけを見つめる、あの優しい笑顔は永遠に失われてしまった。
それが分かっていても、尚、諦めきれない自分の愚かさに対する嫌悪感。
このアーシェという可哀そうな女性は、何代か前の自分だ。
その他の人生も多かれ少なかれ、アーシェと似た様なものだった。
裏切る相手が親や兄弟、妻や夫、恋人、信頼していた部下。
その全てから背を向けられた事も有る。
この白百合シリーズで、アーシェは早々に断罪され、牢に幽閉されてしまう。
悪女の末路に、物語の登場人物だけでなく、多くの読者が喝采を送ったのだろう。
だったらキャニス一人だけでも、アーシェの悲しみを思い、その心に寄り添い、涙しても良いのではないか?
この白百合シリーズの主人公達は、堂々と浮気した挙句、一人の女性の幸せと人生を壊したのだ。
それを周囲の人達は責める事もせず、ただ白百合の幸せを願い、二人を祝福している。
そんな事は異常だ。
道徳的にも、人として最低な事をした二人が何事も無く、幸せな人生を送る事が許されていいのだろうか。
最初の人生を送った日の本と言う国には、因果応報と言う教えが有った。
自分の行いの全ては、自分へと帰って来る。
ならば、この白百合とギューブにも、相応の地獄が待っていなければおかしい。
キャニスはこれまでの人生が幕を閉じた後、自分を裏切った者達の、その後を知る術は無いし、それで良かったと思う。
もし、この物語の様に、彼らが幸せに暮らしていたとしたら、それを知ってしまったら。
そんなこと許せない。
しかし、これは唯の物語、最後には読者が感動するような、幸せなラストがやって来るのだろう。その時、牢の中で可哀そうなアーシェは何を思うのだろうか。
不実な男に心を寄せた自分を呪うのか、それとも不貞を働いた二人を呪い続けるのか。
・・・・僕の様に全てを諦め、世の理不尽を受け入れるのだろうか・・・・。
「坊っちゃん? 坊っちゃん!」
「ん?なあにベラ」
「どうしたんですか?ぼーっとして」
「あぁ。ちょっと次の魔道具をどうしようか考えていて」
「まあ。そうだったんですね?坊っちゃんの魔道具は画期的で、すごく便利ですよね。考え事のお邪魔をして、申し訳ありませんでした」
「構わないよ。それでどうしたの?」
「それが、公爵様からのお手紙が届いたのですが、届けてくれた方が、公爵様にすぐに返事を持ち帰る様に、言われているらしいんです」
「お父様から?分かった手紙を頂戴」
「はい。こちらです」
銀のトレーに乗せられた手紙と言うには分厚い封筒には、公爵家の封蝋と、少し癖のある公爵の文字が記されて居た。
「これは・・読むだけでも大変そうだ」
「ウフフ。旦那様の愛が詰まってますからね」
愛ね・・・。
前世では、簡単に手の平を返し、僕を憎んだくせに?
お母様が亡くなって、悲しかったのは、僕だって同じだった。
最愛の人を失って、哀しいのは分かるけど、そもそもの怨みを買ったのは、お父様だった。それなのに自分の事を棚に上げ、その怒りを子供にぶつける様な人の愛なんて、信じられないし、そんな物、僕はいらない。
「手紙を届けてくれたのは誰?」
「公爵家の騎士の方です」
「そう。返事を書くのにも時間が掛かりそうだから、その人には夜道は危ないから、明日の朝、出発する様に伝えてくれる?」
「はい。分かりました」
「あと食事も沢山出してあげて、お風呂の用意もね。明日はお弁当も忘れずに持たせてあげてね」
キャニスの暖かな気遣いにベラはにっこりと微笑み、お任せください!と胸を叩いて部屋を出ていった。
1人になったキャニスは、公爵からのずっしりと重く分厚い手紙に、溜息を吐きつつ封を開けた。
公爵の手紙は貴族らしい時候の挨拶に始まり、家族の近況と王都と貴族の様子が綴られて居た。
そして読み進める内に、その内容に流石のキャニスも眉を顰めてしまった。
公爵の手紙には、ナリウスが廃嫡され、過去の行いに問題ありとして、幽閉された事。
カサンドラも王族を貶め、国庫金を私的に流用したとして、牢に入れられた事。
王と王妃が療養を理由に、地方の離宮に居を移し、事実上の隠居生活に入った事。
カリストが王太子に指名され、政務を引き継いだ事。
それと同時に、カリストから正式に、キャニスへの求婚状が送られて来た事。が記されて居た。
手紙の続きには、キャニスが王家に嫁ぐ必要などなく、公爵から断る旨が記されて居た。
ただ王太子となったカリストが、キャニスと接触を図ろうとする可能性が高いため、充分に注意する様にとあり。手配が出来次第、護衛を増員するとも書かれて居た。
「お父様は、ご立腹の様だな」
今の王家との婚姻に、なんの利も無い以上、公爵が断るのは当然だし、どの面下げて、と罵りたくなる気持ちも理解できる。
そしてキャニスは、王家に対する臣下の義務は充分に果たしたと思っている。
これ以上、自分に何を求めるのか、と不思議な気持ちだ。
公爵は、王家は賠償金が払えず、このような手に出たのだと、悪し様に王家とカリストを罵っていたが、私的財産を失った王家にとり、最善の策をカリストが取ったのだと、キャニスには分かる。
嫌だな。
僕はまた、こんな形で利用されるのか。
カリスト殿下も、同じなんだ。
僕を利用して、いらなくなったら捨てるんだ。
勿論、シェルビーのキャニス詣では続いて居り、2人が一緒に出かける姿も度々貴族達に目撃され、オセニアの社交界では王太子の恋愛は噂になり始めていた。
一方キャニスは、オセニア社交界へ参加もしておらず、噂の事は知らぬままだ。
シェルビーに邪魔されない限り、キャニスは、自身が所有する邸宅で、魔道具を作成し、本を読み、庭の草花の手入れをしたりと、静かな暮らしを満喫していた。
「坊ちゃん今日は、何をお読みですか?」
「今日は、ベラおすすめの恋愛小説だよ」
キャニスは読んでいた本を掲げ、表紙のタイトルをベラに見せた。
「えっ?白百合の咲く頃にの2巻じゃないですか、もう1巻を読み終わったんですか?」
「うん」
「白百合の咲く頃にのシリーズは、今王都で大人気なんです。作者はオセニアの作家さんなので、こちらの方が速く新刊が手に入ると思います」
「ふ~ん」
「それで坊ちゃんは、何処が面白かったですか?」
「ベラは、何処が面白かったの?」
「私ですか?私はもちろん、ギューブ卿が白百合の君に愛を告白する所です。二人の繊細な心理描写と、風景の美しさ。私もあんな風に告白されたい!」
「やっぱりそうなんだね。ベラも年頃の娘だものね」
「えへへ。ちょっと恥ずかしいですね。坊ちゃんは何処が面白かったですか?」
「そうだね・・・私は、ギューブ卿に思いを寄せていたアーシェが、白百合を貶める為の、悪だくみするところかな」
「え?えぇ~~? なんであんな胸糞な場面?」
「そうね。確かに気分の悪い場面だよね。だけど私はアーシェの様に、一人の人間に執着する者の末路を知っているから、アーシェが不憫でね」
「悪役が不憫?坊ちゃんは変わってますね」
「確かにそうかもしれないね」
しかしキャニスは知っている、誰かの愛を求め、それを拒絶される辛さを。
ましてやギューブは親同士が決めた事とは言え、アーシェと婚約していた。
今の自分と似たような境遇だが、何回か前の人生でも経験したことが有る。
将来結ばれると信じていた相手の裏切り、優しかった人が、手の平を返したように冷たくなって行き、自分に興味を示さなくなった時の、恐怖と絶望。
自分の存在価値を否定するような、心ない相手からの嘲笑に、選ばれた女の見下した余裕の表情。
その全てに、身の内が焼き焦がされるような、怒りと嫉妬。
相手の女を貶めたとしても、もう自分の愛した人は帰ってこない。
自分だけを見つめる、あの優しい笑顔は永遠に失われてしまった。
それが分かっていても、尚、諦めきれない自分の愚かさに対する嫌悪感。
このアーシェという可哀そうな女性は、何代か前の自分だ。
その他の人生も多かれ少なかれ、アーシェと似た様なものだった。
裏切る相手が親や兄弟、妻や夫、恋人、信頼していた部下。
その全てから背を向けられた事も有る。
この白百合シリーズで、アーシェは早々に断罪され、牢に幽閉されてしまう。
悪女の末路に、物語の登場人物だけでなく、多くの読者が喝采を送ったのだろう。
だったらキャニス一人だけでも、アーシェの悲しみを思い、その心に寄り添い、涙しても良いのではないか?
この白百合シリーズの主人公達は、堂々と浮気した挙句、一人の女性の幸せと人生を壊したのだ。
それを周囲の人達は責める事もせず、ただ白百合の幸せを願い、二人を祝福している。
そんな事は異常だ。
道徳的にも、人として最低な事をした二人が何事も無く、幸せな人生を送る事が許されていいのだろうか。
最初の人生を送った日の本と言う国には、因果応報と言う教えが有った。
自分の行いの全ては、自分へと帰って来る。
ならば、この白百合とギューブにも、相応の地獄が待っていなければおかしい。
キャニスはこれまでの人生が幕を閉じた後、自分を裏切った者達の、その後を知る術は無いし、それで良かったと思う。
もし、この物語の様に、彼らが幸せに暮らしていたとしたら、それを知ってしまったら。
そんなこと許せない。
しかし、これは唯の物語、最後には読者が感動するような、幸せなラストがやって来るのだろう。その時、牢の中で可哀そうなアーシェは何を思うのだろうか。
不実な男に心を寄せた自分を呪うのか、それとも不貞を働いた二人を呪い続けるのか。
・・・・僕の様に全てを諦め、世の理不尽を受け入れるのだろうか・・・・。
「坊っちゃん? 坊っちゃん!」
「ん?なあにベラ」
「どうしたんですか?ぼーっとして」
「あぁ。ちょっと次の魔道具をどうしようか考えていて」
「まあ。そうだったんですね?坊っちゃんの魔道具は画期的で、すごく便利ですよね。考え事のお邪魔をして、申し訳ありませんでした」
「構わないよ。それでどうしたの?」
「それが、公爵様からのお手紙が届いたのですが、届けてくれた方が、公爵様にすぐに返事を持ち帰る様に、言われているらしいんです」
「お父様から?分かった手紙を頂戴」
「はい。こちらです」
銀のトレーに乗せられた手紙と言うには分厚い封筒には、公爵家の封蝋と、少し癖のある公爵の文字が記されて居た。
「これは・・読むだけでも大変そうだ」
「ウフフ。旦那様の愛が詰まってますからね」
愛ね・・・。
前世では、簡単に手の平を返し、僕を憎んだくせに?
お母様が亡くなって、悲しかったのは、僕だって同じだった。
最愛の人を失って、哀しいのは分かるけど、そもそもの怨みを買ったのは、お父様だった。それなのに自分の事を棚に上げ、その怒りを子供にぶつける様な人の愛なんて、信じられないし、そんな物、僕はいらない。
「手紙を届けてくれたのは誰?」
「公爵家の騎士の方です」
「そう。返事を書くのにも時間が掛かりそうだから、その人には夜道は危ないから、明日の朝、出発する様に伝えてくれる?」
「はい。分かりました」
「あと食事も沢山出してあげて、お風呂の用意もね。明日はお弁当も忘れずに持たせてあげてね」
キャニスの暖かな気遣いにベラはにっこりと微笑み、お任せください!と胸を叩いて部屋を出ていった。
1人になったキャニスは、公爵からのずっしりと重く分厚い手紙に、溜息を吐きつつ封を開けた。
公爵の手紙は貴族らしい時候の挨拶に始まり、家族の近況と王都と貴族の様子が綴られて居た。
そして読み進める内に、その内容に流石のキャニスも眉を顰めてしまった。
公爵の手紙には、ナリウスが廃嫡され、過去の行いに問題ありとして、幽閉された事。
カサンドラも王族を貶め、国庫金を私的に流用したとして、牢に入れられた事。
王と王妃が療養を理由に、地方の離宮に居を移し、事実上の隠居生活に入った事。
カリストが王太子に指名され、政務を引き継いだ事。
それと同時に、カリストから正式に、キャニスへの求婚状が送られて来た事。が記されて居た。
手紙の続きには、キャニスが王家に嫁ぐ必要などなく、公爵から断る旨が記されて居た。
ただ王太子となったカリストが、キャニスと接触を図ろうとする可能性が高いため、充分に注意する様にとあり。手配が出来次第、護衛を増員するとも書かれて居た。
「お父様は、ご立腹の様だな」
今の王家との婚姻に、なんの利も無い以上、公爵が断るのは当然だし、どの面下げて、と罵りたくなる気持ちも理解できる。
そしてキャニスは、王家に対する臣下の義務は充分に果たしたと思っている。
これ以上、自分に何を求めるのか、と不思議な気持ちだ。
公爵は、王家は賠償金が払えず、このような手に出たのだと、悪し様に王家とカリストを罵っていたが、私的財産を失った王家にとり、最善の策をカリストが取ったのだと、キャニスには分かる。
嫌だな。
僕はまた、こんな形で利用されるのか。
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僕を利用して、いらなくなったら捨てるんだ。
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