168 / 304
なつ
ボスッ!
しおりを挟む
洗面まで完備した部屋でしゃこしゃこし、パジャマ代わりのジャージを着て、ベッドに入る。
目覚ましの時間を合わせて、スマホを枕元に置いて、目をつぶった。
いつもより早いから、すぐには眠れないかも────
ボスッ!
「フォッ!」
「寝れないよね? もうちょっと話そ」
────陽太!
いきなりベッドに飛び乗るんじゃない。
「びっくりした……おどかすなよ」
「おどかすならもっとちゃんとやるし」
コワいことサラッと言った!
「ジェンガ付き合ってくれてありがと。あれ、やることになっててさ」
「定番ってやつ? いいよ、うちだってトランプとかやる時あるし」
親とかと遊ぶのって、友達とは違うもんな。
「うん。あとさ、試合、小猫ちゃんと見に行っていい?」
「いいけど? 面白いもんじゃないと思うよ?」
「なんで? 僕大勢で稽古したことなかったから普通に見たいし、応援するよ?」
「そう? ありがとう、頑張るよ」
知った顔が増えるのは、なんだか嬉しい。やってる時はたぶん忘れてるけど、終わって顔見たら、たぶんホッとするから。
「なんや話し声聞こえるから」
とドアを開けてハジメがやってきた。
ベッドの端っこに座る。
陽太はおれが寝てる右側にわんこのおすわり状態だから、おれ挟まれてる。密度がすごい。
「寝なくていいの?」
「クレアにお伺いたてたら蹴り飛ばされたし来たわ」
「寝ろって?」
「行けって」
「そういうことは、ウグイスなんだー」
性格コワくても。
「どうやって設定したの?」
「設定?」
「ウグイスの性格」
「あー、設定いうか、お願いした。優しくせんといてって」
驚愕。
優しくして欲しくない人なんているんだ。
「俺、甘やかされるとダメんなるんよ。ずっと甘えてまう。厳しゅうされんと、絶対サボってダラダラして、やりたいことでけへん思て」
「あー、分かる」
「コーチとか監督だね」
おれも甘やかされてる、って思ったことあるから分かる。
でも、おれには師範も部活の顧問もいるからな。
「僕のウグイスは助手なんだ~」
自慢げに陽太が言った。
「へえー」
「だから助手って呼んでる」
「何手伝うてもろてんの」
あ、内緒エリアに触れる質問だ。
「研究。色んな論文とか情報のアクセス早いから」
「ガチやん! 何の研究してん」
「生体アンドロイド」
あ、言っちゃった!
ハジメはいいのかな?
「誰にも言わないで、絶対秘密にして。約束して」
「お、おう」
いつもの陽太に似合わないマジな上目遣い。
「大丈夫情報源守るのは記者魂に刻み込まれてる」
「うん。ハジメだから言ったんだよ」
「秘密は守る」
はっくちん
くしゃみまで可愛いかよ。いや身体冷やしちゃいかん。
「さむい? ふとん着る?」
「うんありがと」
ねまきというにふさわしい甚平姿、気持ち良さそうだけど、ガーゼみたいな薄い生地。白地にマンボウ柄なのはともかく。
「エアコン上げる?」
「だいじょうぶ」
口元までふとんかぶった陽太、その横に膝掛け状態のおれ。ハジメが言った。
「なんや俺も入れてくれ」
「えっ、うそっ」
強引にふとんに入ってくる。
「入る? ちょ、わ」
「もう詰めれないよー」
おれも横になって、なんとかしようとする。横向きになればいい?
「わー」
「もうちょっと」
ぐいぐい
「入るじゃーん」
ハジメがやったぜ☆ みたいに言った途端、「わああ」どたっと陽太落ちた。めっちゃ笑った。
目覚ましの時間を合わせて、スマホを枕元に置いて、目をつぶった。
いつもより早いから、すぐには眠れないかも────
ボスッ!
「フォッ!」
「寝れないよね? もうちょっと話そ」
────陽太!
いきなりベッドに飛び乗るんじゃない。
「びっくりした……おどかすなよ」
「おどかすならもっとちゃんとやるし」
コワいことサラッと言った!
「ジェンガ付き合ってくれてありがと。あれ、やることになっててさ」
「定番ってやつ? いいよ、うちだってトランプとかやる時あるし」
親とかと遊ぶのって、友達とは違うもんな。
「うん。あとさ、試合、小猫ちゃんと見に行っていい?」
「いいけど? 面白いもんじゃないと思うよ?」
「なんで? 僕大勢で稽古したことなかったから普通に見たいし、応援するよ?」
「そう? ありがとう、頑張るよ」
知った顔が増えるのは、なんだか嬉しい。やってる時はたぶん忘れてるけど、終わって顔見たら、たぶんホッとするから。
「なんや話し声聞こえるから」
とドアを開けてハジメがやってきた。
ベッドの端っこに座る。
陽太はおれが寝てる右側にわんこのおすわり状態だから、おれ挟まれてる。密度がすごい。
「寝なくていいの?」
「クレアにお伺いたてたら蹴り飛ばされたし来たわ」
「寝ろって?」
「行けって」
「そういうことは、ウグイスなんだー」
性格コワくても。
「どうやって設定したの?」
「設定?」
「ウグイスの性格」
「あー、設定いうか、お願いした。優しくせんといてって」
驚愕。
優しくして欲しくない人なんているんだ。
「俺、甘やかされるとダメんなるんよ。ずっと甘えてまう。厳しゅうされんと、絶対サボってダラダラして、やりたいことでけへん思て」
「あー、分かる」
「コーチとか監督だね」
おれも甘やかされてる、って思ったことあるから分かる。
でも、おれには師範も部活の顧問もいるからな。
「僕のウグイスは助手なんだ~」
自慢げに陽太が言った。
「へえー」
「だから助手って呼んでる」
「何手伝うてもろてんの」
あ、内緒エリアに触れる質問だ。
「研究。色んな論文とか情報のアクセス早いから」
「ガチやん! 何の研究してん」
「生体アンドロイド」
あ、言っちゃった!
ハジメはいいのかな?
「誰にも言わないで、絶対秘密にして。約束して」
「お、おう」
いつもの陽太に似合わないマジな上目遣い。
「大丈夫情報源守るのは記者魂に刻み込まれてる」
「うん。ハジメだから言ったんだよ」
「秘密は守る」
はっくちん
くしゃみまで可愛いかよ。いや身体冷やしちゃいかん。
「さむい? ふとん着る?」
「うんありがと」
ねまきというにふさわしい甚平姿、気持ち良さそうだけど、ガーゼみたいな薄い生地。白地にマンボウ柄なのはともかく。
「エアコン上げる?」
「だいじょうぶ」
口元までふとんかぶった陽太、その横に膝掛け状態のおれ。ハジメが言った。
「なんや俺も入れてくれ」
「えっ、うそっ」
強引にふとんに入ってくる。
「入る? ちょ、わ」
「もう詰めれないよー」
おれも横になって、なんとかしようとする。横向きになればいい?
「わー」
「もうちょっと」
ぐいぐい
「入るじゃーん」
ハジメがやったぜ☆ みたいに言った途端、「わああ」どたっと陽太落ちた。めっちゃ笑った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
35
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる