蔵と有坂

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お題/凸レンズ 三年目 夏

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 うたた寝から覚めると、ノートの手に、虹色。
 柔らかい風が揺らすカーテンも白くかすんで、まだ夢の中みたいだ。

「フフ……」

 不思議に響く君の声が、振り返れとそそのかす。
 揺れる虹色、夏の午後。
 そうか、約束。
 眠ってしまった僕が悪い。

「もー返してメガネ」

 悪戯な笑顔が眩しい。
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