【完】左手だけの婚約者~Hanamun Life~一緒にワープした婚約者は、左手だけなのに最強です!?

国府知里

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12、当てつけ --2--

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「ヒトノイノチヲアズカルシゴトデスカラ、ナマハンカナコトデハ、ツトマリマセン。ゼンジハ、マダ、シンケンミニ、カケルトコロガアルノデ」

 ゼンジさんがたいていいるはずの薬房に顔を出すと、そこには数人の若い僧侶たちがいた。
 僧侶というより、小坊主という感じだ。
 薬草を刻んで干している。
 ゼンジはというと午前から薬草を取りにでかけたままだという。

「マタ、ムダンデ、ユーファオーノモリニ、イッタンデナケレバイイノデスガ」
「まあ、ある意味仕事熱心ていうことだよね」
「マッタクモー……」

 小坊主の中から、ひょいと頭が一つ突き出た。
 似たり寄ったりなので気がつかなかったけれど、マージンくんだった。

「あ、マージンくん。その節はどうも、クラシュン」
「マージンハ、イマハ、マシン、トナノッテイマス」
「え、そうなの?」

 マージンくん、もとい、マシンくんがやって来て、ぺこりと頭を下げた。

「バテネアウシュウ、ミナミ・フーシャ。マクワンアルアウシャ?」

 クランが訳をかってでようとしたけれど、わたしはにっこりと止めた。

「バテネ、マシン。マクワンアル、リシャウ」
「ヌクワラアウシュウ」
「マージン、マシン、クノン、ロアシャ?」

 訳すとこうだ。
 ――今日はお日柄もよく、美波浮者。お体のご加減はいかがですか?
 シュウとかシャの多くは、丁寧な物言いや、目上の者に対する尊敬を表す語尾。
 わたしは歳上だし、一応浮者なので、マシンくんに対しては使用しないのが普通らしい。
 ――こんにちは、マシンくん。体は心配ないよ。ありがとう。
 ――よろしゅうございました。
 ――マージン、マシン、変わった、なぜなの?

 わたしからハナムン語の質問が返ってきたことに少し驚きを見せつつも、丁寧で聞き取りやすい言葉でマシンくんは返してくれた。
 つまるところ、マシンくんがユーファオーの森へ行に入ったのは、いわゆる成人とみなされるための試験のようなもので、それに合格したので、マージンという新しい成人名をもらったそうだ。しかし、浮者である旬さんの左手を留洞と勘違いしてしまったのは、自分の未熟さゆえだと感じ、成人名をお返ししたらしい。
 クランが耳元でささやく。

「マシンハ、ワカテノナカデ、イチバンノ、ユウボウカブデス。ホウフナリュウノチカラガアリ、ブンブニスグレ、ジョウゲカラノシンモアツイ。ソレデ、セイジンノギョウヲ、アノワカサデ、ユルサレタノデス。ワタシノ、ムココウホノヒトリデス」

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