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この国の不貞取締法
しおりを挟むあと2年くらいで一緒に暮らせる…そうなの。
最近お母さんがこわいって…妊娠で体調でも悪いのかしら。リンダさんにとっては気の毒ね。
なんて、少し他人事のように聞きながらリンダとの会話を楽しみます。
「そう。でも帰りは危ないからこのお姉さんと一緒に帰ってね。家の近くまで送って行くから案内してくれる?
それからケーキをどうぞ。とっても美味しいケーキよ。
でもお父様にもお母様にも心配かけて怒られちゃうかもしれないから今日ここにきたことは内緒にしましょうか。約束守れたらまた今度会えた時はもっと美味しいケーキをご馳走するわ」
私は侍女のシャルをさしながら彼女を帰るように言うと、とても可愛らしく頷きます。
「うん!!わかった!
ないしょね!ないしょ!!」
そう言いながら目の前のケーキをバクバクと口の中に入れていきます。
そうしてリンダがケーキを食べ終わるとシャルが彼女を送っていきました。
彼女は我が家の隠密の一人でもあるので探るのに適しているんです。
「奥様、どうなさるおつもりですか?」
ミナが怒りながらそんなことを聞きます。
「んー、そうね。とりあえずシャルが帰ってくるのを待ちましょう。話はそれからよ」
ミナが用意してくれたお茶を飲みながらしばらく考えているとコンコンとノックをする音がします。
シャルが帰ってきたようですね。
「シャル、おかえりなさい。みんなでお茶でも飲みながら話をしましょう」
すでに呼んであった執事とミナとシャルと席に腰掛けシャルの話を聞きます。
そこで聞いた内容は
相手は男爵家の娘だということ。
現状、週に3回ほどは訪ねてくるということ。
自分は当主だが、まだ問題があって家には連れてけないけど必ず家でいっしょに暮らせるようになるからと言っていること。
まぁ、端的に言えばこんなことでしょうか。明日からこの男爵家について調べてみなければ。
いやぁ、それにしても騙されましたね。3歳、もうすぐ4歳になる子がいるなんて。このことを夫の両親は知っていたのでしょうか…
まぁ、既に結婚してしまっている今、知っていたとしても知らなかったとしてもあまり変わりはしませんが。
この国は数代前に大きく変わりました。女王が即位したことが1番の大きな変化です。
それにより女性が当主になることも珍しくなりました。
そしてもう一つ男性を大きく悩ませた変化が不貞取締法が制定されたことです。
それまでは完全なる男性優位の社会でした。しかし、初の女王の元夫があちこちで女性に手を出し、10人以上に子がいたそうです。
そして、その子の母親たちが当時まだ王妃だった女王に、自分の子も王位継承権があると主張してきました。当然女王の子がいる限りそんな事はありえないのですが、何人もそのような主張をしてきたそうです。
女王には1人しかお子様はいなかったのですが、外には10人以上のお子がいるということ。
どうしたものかと頭を悩ませているとき、事件は起こったのです。
女王のお子様が襲われそうになったのです。
外で馬の鍛錬をしようとしていたところ、ナイフを持った女性が襲ってきたそうです。
護衛もついていましたし、ついておらずとも一人でも対処できるほどの女性だけの犯行だったそうですが、毎回そうとも限りません。
そんなことがあって、今まではどうしようかと頭を悩ませていた女王も即断し、襲ってきた女性の家族、自分の子にも王位継承権があると主張してきた人たちの家族を全員捕らえたそうです。
そして同時に陛下も部屋に閉じ込めたそうなのです。
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