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侯爵家の妻とは思えない失態
しおりを挟む「ジョシュエル、先ほどの女性が男爵家で最後ね、挨拶に参りましょう」
私がジョシュエルの腕に絡めた手に少し力を込め、足を進めようとするのに、ジョシュエルは進もうとしません。
その場で止まっています。
「ジョシュエル?どうかした?」
「ステファニー、彼女には挨拶の必要はないんじゃないかな?あのような格好でパーティーに来るような人とステファニーを話させたくはないな」
そんな事を言います。
ばかね、今さらどうにもならないのに。
それにそのような格好を好む方を選んだのはあなたでしょう。
「ジョシュエル、どのような格好をしている方でも挨拶しないわけにはいかないわ。急にどうしてそんな事を言うの?少しおかしいわよ。さぁ、他の方への挨拶も残っているわ。参りましょう」
私が諭すようにそう話しても、まだ身体には力が入っていましたが、私が前に歩いていくようにすると諦めたのか、彼もまた歩き始めました。
さぁ、あなた達はどのような反応をするのかしら。
「ごきげんよう。こちらの知識不足で申し訳ございません。あなたの事を存じ上げないの。お名前をお伺いしてもよろしいですか?」
私が申し訳なさそうにそのように言うと、リリアンは真っ赤なドレスに包まれた豊満な胸を突き出すように胸を張り、とても大きな声を出します。
「なんてこと、主催者の妻なのに招待客の把握すらできていないなんて。侯爵家の妻とは思えない失態ですわ。
これではジョシュが愚痴をこぼしてしまうのも仕方がないわね!
とても失礼な事だけど私は寛大な心で赦して差し上げるわ。
私は未来のトリアーノ家の女主人。ジョシュエルの妻となる女、リリアンよ」
…………………………
…………………………
ふふふっ、これは予想以上に面白い女性なのね。
とても面白いことになりそう。
私は周りと一緒に固まってしまっているジョシュエルの方を向きます。
どうしてあなたがそんなに呆れているような顔をしているのよ
「ジョシュエル、どういうことかしら?
彼女の事を私に紹介してくださる?」
私にそう言われると、彼ははっとしたように周りを見渡します。
そこには私達を見つめる招待客の皆様に、先ほどまでは少し離れた場所にいた私の両親と祖父母、そしてジョシュエルの両親と兄弟がおります。
「っ、私は知らない!こんな女性を私は知らないんだ!ステファニー信じてくれ!!」
ジョシュエルはまるで助けを求めるように私の腕をギュッと掴み、私に言います。
痛いわ、それにいい加減触らないで!
「ジョシュエル、離してくださる?
そう、あなたは知らないのね。でも彼女は違うみたいだから彼女にも聞いてみましょう」
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