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私が当主になるべきではなかった
しおりを挟む「私そんなに様子がおかしかった?ミアも心配そうにしてなかなか離れなかったわ。それにダグラスもこうしてそばを離れないってことはそういうことよね」
なんだかとてもみじめな気分です。
夫に女としてみてもらえないことだけでも、当主としても上手くやれていないだなんて。
招待客の皆様にもそんな印象を持たせてしまったのでしょうか。
やはり私が当主になるべきではなかった。
お父様に相談してどなたか婿をもらってその方に継いでもらうか、子どもに継がせるまでお父様に頑張ってもらうか………
「そんなことないよ。とても気丈にふるまってた。まるでなんとも思っていないようだったよ。
だからこときっとミアも心配したんだ。少しくらい弱音を吐いたならきっとこんなには心配しなかったよ。
ステファニーは昔から無理をするときはなんともないように見えるんだ。それもすごく上手に。
でもそんな時こそとても無理をしていて、心が疲れ切っているときだっただろう。だから今日もきっとそうなんじゃないかと思っただけだよ。本当に平気そうだって思ったらちゃんとすぐ出ていくから安心して」
そうやって、とても優しい笑顔で私に話しかけてくれます。
そういえば、夫とこんな風にちゃんと向き合って心の中を話した事があったでしょうか。
いつも仕事はどう?や、疲れていない?などそんなうわべばかりの事ばかり話していたような気がします。
あぁ、だから彼は私を女として見れなかったのかもしれませんね。
「ダグラスはすごいわね。
私はそんな風に周りの人の心の機微まで読み取れないわ。だから夫も浮気したのね。
きっと私がもっと周りの心にまで気を配っていられたら
「それは違うよ。今回のことは君には何の責任もない。
君と出会う前から始められていた交際に気付けなかったからといって自分を責める必要はないんだ。
君は周りの人のことをよく見ているし、気を配っているよ。
それでも起こってしまったのは彼のせいでしかないし、それを止められなかった彼の家族のせいでしかないんだ」」
私の手を少し痛いくらいギュッと握りながら、私の目を見てそう言ってくれます。まるで言い聞かせるように。
「ありがとう。やっぱりダグラスは優しいわね。
でも私はだめ。
当主なのに夫の管理すらできていない。
本来だったら当主の夫なんだから供でもつけるべきだったのよ。
それなのにそんなことすらできていなかった。
みんなこんな私のことなんて信用してくれないわ。
きっと領民だって「ステファニー、ゆっくり息を吐いてごらん。
できるだけ一杯吐いて、新しい空気を吸い込むんだ。
これからは今までと違う空気を吸っていくんだ。
だからほら、ゆっくり、ゆっくり、大きく吸ってごらん」」
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