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冒険者と騎士の共闘
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オーガゴート討伐の日が訪れた早朝、シリウスは早めに目を覚ますと身支度を整え、朝食を済ませてから家を出ようとすると、アステルに呼び止められた。
「シリウス、気をつけてね」
「ああ、分かってる」
シリウスは振り返ると不安げな彼女を安心させるために頬を撫で、口づけをすると抱擁を交わす。
「必ず戻ってくる」
「ええ」
シリウスの言葉にアステルはまだ不安そうな表情を浮かべたが、できるだけ明るく返事をして、彼を送り出した。
外に出ると太陽はまだ昇ってはおらず、薄暗い。シリウスはアステルから譲り受けた懐中時計を取り出すと時刻を確認する。まだ時間に余裕があるが集落のエルフの目がある為、シリウスは慎重にオーガゴードがいる森へと向かう事にした。
森に入り、目的地にたどり着くと、他の冒険者や騎士団の姿が見え、彼らは皆、オーガゴードの討伐のために集まっていた。冒険者は十人ぐらい、騎士達は二十人ほどいるようだ。
彼らが緊張しているのが伝わってくる。それは無理もないことだ。相手はSランクの冒険者でも苦戦すると言われる魔物だからだ。
「早いな、シリウス」
呼びかけられたシリウスは、声のする方へ顔を向けるとそこにはガレットが立っていた。再会した時よりも頑丈な鎧に身を包み、背中には前回と同じ、大きな槍を背負っている。
「君が居てくれれば心強い」
「俺なんかよりも強い奴なんていくらでもいるだろう」
シリウスは謙遜するが、ガレットは首を横に振る。
「シリウスには私よりも才能がある。もっと自信を持て」
「…………」
「それと今日はよろしく頼む。私は君の事を信じている」
「ああ……」
「ガレッド……お前、冒険者なんかと知り合いなのか?」
シリウスは短く返事をすると、別の騎士がガレッドの隣に立ち、シリウスを睨みつける。その騎士の男はシリウスと同い年に同じぐらいの身長に見える。そして、緋色の髪と瞳を持つ彼はシリウスを見ると露骨に顔をしかめた。
「彼は実力のある者だ。問題はない」
「ふん……まあ、せいぜい足を引張らないようにしろよ」
ガレッドはシリウスを擁護すべく、相手の男に言い放つと男は鼻で笑い、その場を去った。
「すまない、シリウス。騎士は冒険者に対して偏見を持っている者が少なからずいるのだ」
「気にしていない」
ガレッドが謝るが、シリウスは特に気にしてはいなかった。迫害されるのも偏見を持たれるのにも慣れていたからだ。ただ、ここ数年はひたすら優しくしてくれるアステルと共に過ごしていた為、そういったことは無かった。だからこそ、久しぶりに受けた冷たい視線に懐かしさを感じてしまう。
そうこうしている内に太陽が昇り、空が明るくなる。そして騎士団が一斉に動き出し、規則的に森の中へと入っていく。一方で冒険者たちはバラバラに散らばり、それぞれがオーガゴードの住処を探し始めた。シリウスも一番最後に森の奥深くへと向かった。
◆
シリウスは慣れた足並みで木々の間を縫うように進むと、やがて開けた場所に出る。そこは見覚えがあり、昔、オーガゴートと出会った場所である。慎重に周囲を見渡すが、やはりオーガゴートの姿はない。
(ここにいないとなると別の場所にいるのか)
シリウスはそう考えるが、この広い森の中から探すのは至難の業である。高い木に登って、遠くから観察でもするかと考えて空を見上げると羽ばたく音とともに灰色の影が頭上から降ってきたその正体はフクロウのヴァンだった。
「よく、ここがわかったな」
シリウスが感心して呟くと、ヴァンはシリウスの腕に止まり「ホー」と鳴いて答える。
「まさか、後を付けて来たのか?」
シリウスが尋ねると、ヴァンは何も鳴かずにジッと目を合わせた。
(ヴァンに探してもらうか)
ヴァンも一度オーガゴートの姿を見ていたのをシリウスは覚えている。あの時はシリウスよりも先に気がついたのはヴァンだった。ならば探知能力に長けているヴァンならオーガゴートを見つけられるかもしれない。そう考え、腕に止まったままのヴァンの頭を撫でると頼み事をする。
「オーガゴートを見つけたら知らせてくれ」
ヴァンは了承するように鳴き声を上げると飛び立ち、シリウスはオーガゴートの捜索を再開した。
注意深く辺りを観察しながら進み、オーガゴートの痕跡を探す。オーガゴートが残した糞や足跡を辿れば見つけるのは容易い。それらを見逃さないよう注意しながら、森の奥へと進んで行った。
◆
しばらくすると、空に赤色の煙幕弾が上がった。どうやら他の冒険者か騎士団がオーガゴートとの戦闘を開始したようだ。シリウスは煙幕弾が上がった方角へ進んで行くと獣の臭いと血の匂いを感じた。
(近いな)
シリウスは血と獣臭を頼りに先に進むと、やがて開けた場所にたどり着く。そこには巨大なオーガゴートとそれを囲うようにして冒険者や騎士団が先に戦っていた。
オーガゴートは体長三メートル程で額には二本の大きなツノが生えている。シリウスも加勢しようと思った時、ふと視界の端に何かが映る。先程シリウスに対して嫌悪の目を向けた緋色の髪の騎士の男が蹲っていたのだ。
「おい!」
シリウスはその男の元へ駆け寄ると木の陰に隠れるように促す。男はシリウスの行動に驚き、反抗しようとしたがシリウスの剣幕に押され渋々従った。
「回復術師を呼べ……」
男は苦悶の表情を浮かべ、苦しげに声を出す。脇腹の甲冑が砕けており、そこからは大量の出血をしている。戦場を見渡すとそれらしい術師の人間は他の騎士の治療や、オーガゴートの猛攻が激しくて手が回らないようだ。
「飲め」
アステルが持たせてくれた回復薬を男の口元へ運ぶが彼は躊躇し、口を開かない。
「これはエルフが作った薬だ。効き目は保証できる」
シリウスは強引に男の顔を掴み、無理矢理にでも口に突っ込むと男は突然の出来事に驚いたが、すぐに大人しく飲み込んだ。すると顔色が良くなり、呼吸も安定していく。次に傷薬を取り出し、男に塗ろうとすると男はそれを奪って自分で塗り始めた。
(これで大丈夫だろう)
シリウスはそう判断すると、改めて戦闘に参加するべく立ち上がる。以前のシリウスならこの男を助けようとはしなかっただろう。
しかし、アステルと出会い、彼女から愛情と優しさに触れてから変わったのだ。自分を大切にされれば他人にも同じように接することができる。だからこそシリウスはこの男を助けることができたのだ。
背中から槍を外すと、オーガゴートの動きを観察すべく木の太枝の上に飛び乗る。オーガゴートは冒険者と騎士たちに気を取られていてシリウスの存在に気がついていない。ガレッドが前線で奮闘しているお陰でオーガゴートのターゲットは完全に彼へ向いている。
オーガゴートの戦い方はまずは敵の正面に立ち、その巨体を活かした突進攻撃を行う。そして怯んだ所をさらに凶悪な角で突き刺したり踏み潰したりするのだ。魔法は体毛に吸収されてしまうため、接近戦で仕留める事が推奨されている。
「ガレッド、左右から行くぞ」
シリウスはオーガゴートがガレッドから注意が逸れた一瞬の隙を見て、彼のそばに飛び降りた。
「ああ、了解だ」
ガレッドもシリウスの意図に気がついたのか、大木の前で槍を構えて待機をし、オーガゴートが突撃してくるタイミングに合わせて二人は左右に散り、大木にオーガゴートが衝突した瞬間を狙ってシリウスは左から、ガレッドは右から同時に槍を突き出す。
二人の攻撃は見事にオーガゴートの分厚い体毛と皮膚を貫き、内臓にまで達していた。しかし、オーガゴートはそれでもなお倒れず、怒りに満ちた瞳を二人に向けると雄叫びを上げた。
「止めを!」
まだ動ける冒険者と騎士たちにガレッドが叫ぶと、彼らは一斉にオーガゴートに襲いかかった。オーガゴートは激しく抵抗するが多勢に無勢、次第に動きが鈍くなり最後には息絶えた。彼らはその光景を眺めながら、ようやく緊張が解けて安堵のため息を漏らす。ガレッドもオーガゴートの討伐に成功した事でシリウスに礼を言う。
「君のお陰で助かった」
「いや、まだだ……」
この中でシリウスだけが険しい顔をしていた。
「もう一体、いる」
シリウスがそう言うと、ずっと高い木の上で戦いを見守っていた灰色のフクロウが肩に止まる。
「ヴァン、オーガゴートはどこにいる?」
シリウスが尋ねるとヴァンは翼を広げて羽ばたき始める。まるで付いて来いと言っているようだ。
「シリウス、どういう意味だ?」
「この森にオーガゴートは二匹いる。今、倒したのは依頼を受けた奴の……たぶん弟分だ」
このオーガゴートと戦っている最中にシリウスは違和感を覚えていた。昔、戦った奴に似ているがどこか違う。そんな感覚が頭から離れなかったのだが、倒した後に確信に変わった。
あの時、戦った奴と目の前の死体では角の生え方が微妙に一致しない。何より気迫がまるで違っていた。シリウスの言葉にガレッド達は驚きを隠せない。まさかオーガゴートが二匹いたとは思わなかったからだ。しかし、ガレッドはすぐに冷静になると冒険者と騎士たちに向かって指示を出す。
「戦える者だけ傷を癒し、ついてこい! シリウス、案内してくれ」
「わかった」
シリウスは返事をするとヴァンが飛んで行った方向へと警戒を強めて歩き出した。
「シリウス、気をつけてね」
「ああ、分かってる」
シリウスは振り返ると不安げな彼女を安心させるために頬を撫で、口づけをすると抱擁を交わす。
「必ず戻ってくる」
「ええ」
シリウスの言葉にアステルはまだ不安そうな表情を浮かべたが、できるだけ明るく返事をして、彼を送り出した。
外に出ると太陽はまだ昇ってはおらず、薄暗い。シリウスはアステルから譲り受けた懐中時計を取り出すと時刻を確認する。まだ時間に余裕があるが集落のエルフの目がある為、シリウスは慎重にオーガゴードがいる森へと向かう事にした。
森に入り、目的地にたどり着くと、他の冒険者や騎士団の姿が見え、彼らは皆、オーガゴードの討伐のために集まっていた。冒険者は十人ぐらい、騎士達は二十人ほどいるようだ。
彼らが緊張しているのが伝わってくる。それは無理もないことだ。相手はSランクの冒険者でも苦戦すると言われる魔物だからだ。
「早いな、シリウス」
呼びかけられたシリウスは、声のする方へ顔を向けるとそこにはガレットが立っていた。再会した時よりも頑丈な鎧に身を包み、背中には前回と同じ、大きな槍を背負っている。
「君が居てくれれば心強い」
「俺なんかよりも強い奴なんていくらでもいるだろう」
シリウスは謙遜するが、ガレットは首を横に振る。
「シリウスには私よりも才能がある。もっと自信を持て」
「…………」
「それと今日はよろしく頼む。私は君の事を信じている」
「ああ……」
「ガレッド……お前、冒険者なんかと知り合いなのか?」
シリウスは短く返事をすると、別の騎士がガレッドの隣に立ち、シリウスを睨みつける。その騎士の男はシリウスと同い年に同じぐらいの身長に見える。そして、緋色の髪と瞳を持つ彼はシリウスを見ると露骨に顔をしかめた。
「彼は実力のある者だ。問題はない」
「ふん……まあ、せいぜい足を引張らないようにしろよ」
ガレッドはシリウスを擁護すべく、相手の男に言い放つと男は鼻で笑い、その場を去った。
「すまない、シリウス。騎士は冒険者に対して偏見を持っている者が少なからずいるのだ」
「気にしていない」
ガレッドが謝るが、シリウスは特に気にしてはいなかった。迫害されるのも偏見を持たれるのにも慣れていたからだ。ただ、ここ数年はひたすら優しくしてくれるアステルと共に過ごしていた為、そういったことは無かった。だからこそ、久しぶりに受けた冷たい視線に懐かしさを感じてしまう。
そうこうしている内に太陽が昇り、空が明るくなる。そして騎士団が一斉に動き出し、規則的に森の中へと入っていく。一方で冒険者たちはバラバラに散らばり、それぞれがオーガゴードの住処を探し始めた。シリウスも一番最後に森の奥深くへと向かった。
◆
シリウスは慣れた足並みで木々の間を縫うように進むと、やがて開けた場所に出る。そこは見覚えがあり、昔、オーガゴートと出会った場所である。慎重に周囲を見渡すが、やはりオーガゴートの姿はない。
(ここにいないとなると別の場所にいるのか)
シリウスはそう考えるが、この広い森の中から探すのは至難の業である。高い木に登って、遠くから観察でもするかと考えて空を見上げると羽ばたく音とともに灰色の影が頭上から降ってきたその正体はフクロウのヴァンだった。
「よく、ここがわかったな」
シリウスが感心して呟くと、ヴァンはシリウスの腕に止まり「ホー」と鳴いて答える。
「まさか、後を付けて来たのか?」
シリウスが尋ねると、ヴァンは何も鳴かずにジッと目を合わせた。
(ヴァンに探してもらうか)
ヴァンも一度オーガゴートの姿を見ていたのをシリウスは覚えている。あの時はシリウスよりも先に気がついたのはヴァンだった。ならば探知能力に長けているヴァンならオーガゴートを見つけられるかもしれない。そう考え、腕に止まったままのヴァンの頭を撫でると頼み事をする。
「オーガゴートを見つけたら知らせてくれ」
ヴァンは了承するように鳴き声を上げると飛び立ち、シリウスはオーガゴートの捜索を再開した。
注意深く辺りを観察しながら進み、オーガゴートの痕跡を探す。オーガゴートが残した糞や足跡を辿れば見つけるのは容易い。それらを見逃さないよう注意しながら、森の奥へと進んで行った。
◆
しばらくすると、空に赤色の煙幕弾が上がった。どうやら他の冒険者か騎士団がオーガゴートとの戦闘を開始したようだ。シリウスは煙幕弾が上がった方角へ進んで行くと獣の臭いと血の匂いを感じた。
(近いな)
シリウスは血と獣臭を頼りに先に進むと、やがて開けた場所にたどり着く。そこには巨大なオーガゴートとそれを囲うようにして冒険者や騎士団が先に戦っていた。
オーガゴートは体長三メートル程で額には二本の大きなツノが生えている。シリウスも加勢しようと思った時、ふと視界の端に何かが映る。先程シリウスに対して嫌悪の目を向けた緋色の髪の騎士の男が蹲っていたのだ。
「おい!」
シリウスはその男の元へ駆け寄ると木の陰に隠れるように促す。男はシリウスの行動に驚き、反抗しようとしたがシリウスの剣幕に押され渋々従った。
「回復術師を呼べ……」
男は苦悶の表情を浮かべ、苦しげに声を出す。脇腹の甲冑が砕けており、そこからは大量の出血をしている。戦場を見渡すとそれらしい術師の人間は他の騎士の治療や、オーガゴートの猛攻が激しくて手が回らないようだ。
「飲め」
アステルが持たせてくれた回復薬を男の口元へ運ぶが彼は躊躇し、口を開かない。
「これはエルフが作った薬だ。効き目は保証できる」
シリウスは強引に男の顔を掴み、無理矢理にでも口に突っ込むと男は突然の出来事に驚いたが、すぐに大人しく飲み込んだ。すると顔色が良くなり、呼吸も安定していく。次に傷薬を取り出し、男に塗ろうとすると男はそれを奪って自分で塗り始めた。
(これで大丈夫だろう)
シリウスはそう判断すると、改めて戦闘に参加するべく立ち上がる。以前のシリウスならこの男を助けようとはしなかっただろう。
しかし、アステルと出会い、彼女から愛情と優しさに触れてから変わったのだ。自分を大切にされれば他人にも同じように接することができる。だからこそシリウスはこの男を助けることができたのだ。
背中から槍を外すと、オーガゴートの動きを観察すべく木の太枝の上に飛び乗る。オーガゴートは冒険者と騎士たちに気を取られていてシリウスの存在に気がついていない。ガレッドが前線で奮闘しているお陰でオーガゴートのターゲットは完全に彼へ向いている。
オーガゴートの戦い方はまずは敵の正面に立ち、その巨体を活かした突進攻撃を行う。そして怯んだ所をさらに凶悪な角で突き刺したり踏み潰したりするのだ。魔法は体毛に吸収されてしまうため、接近戦で仕留める事が推奨されている。
「ガレッド、左右から行くぞ」
シリウスはオーガゴートがガレッドから注意が逸れた一瞬の隙を見て、彼のそばに飛び降りた。
「ああ、了解だ」
ガレッドもシリウスの意図に気がついたのか、大木の前で槍を構えて待機をし、オーガゴートが突撃してくるタイミングに合わせて二人は左右に散り、大木にオーガゴートが衝突した瞬間を狙ってシリウスは左から、ガレッドは右から同時に槍を突き出す。
二人の攻撃は見事にオーガゴートの分厚い体毛と皮膚を貫き、内臓にまで達していた。しかし、オーガゴートはそれでもなお倒れず、怒りに満ちた瞳を二人に向けると雄叫びを上げた。
「止めを!」
まだ動ける冒険者と騎士たちにガレッドが叫ぶと、彼らは一斉にオーガゴートに襲いかかった。オーガゴートは激しく抵抗するが多勢に無勢、次第に動きが鈍くなり最後には息絶えた。彼らはその光景を眺めながら、ようやく緊張が解けて安堵のため息を漏らす。ガレッドもオーガゴートの討伐に成功した事でシリウスに礼を言う。
「君のお陰で助かった」
「いや、まだだ……」
この中でシリウスだけが険しい顔をしていた。
「もう一体、いる」
シリウスがそう言うと、ずっと高い木の上で戦いを見守っていた灰色のフクロウが肩に止まる。
「ヴァン、オーガゴートはどこにいる?」
シリウスが尋ねるとヴァンは翼を広げて羽ばたき始める。まるで付いて来いと言っているようだ。
「シリウス、どういう意味だ?」
「この森にオーガゴートは二匹いる。今、倒したのは依頼を受けた奴の……たぶん弟分だ」
このオーガゴートと戦っている最中にシリウスは違和感を覚えていた。昔、戦った奴に似ているがどこか違う。そんな感覚が頭から離れなかったのだが、倒した後に確信に変わった。
あの時、戦った奴と目の前の死体では角の生え方が微妙に一致しない。何より気迫がまるで違っていた。シリウスの言葉にガレッド達は驚きを隠せない。まさかオーガゴートが二匹いたとは思わなかったからだ。しかし、ガレッドはすぐに冷静になると冒険者と騎士たちに向かって指示を出す。
「戦える者だけ傷を癒し、ついてこい! シリウス、案内してくれ」
「わかった」
シリウスは返事をするとヴァンが飛んで行った方向へと警戒を強めて歩き出した。
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