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翌朝、スマホに届いた一通のメールが、私の人生を変える事になるなんて。
この時は微塵も思っていなかった。
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件名:当選しました!
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本文:
おめでとうございます。
美味しいランチ&ケーキセット3000円相当が無料で食べられます!
クーポンは本日のみ有効。ぜひお越しください!
創作レストラン・リーフ亭
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そういえば、貯金が心もとないのでとにかく少しでも食費は浮かしたいと、暇があればクーポンサイトでかたっぱしから応募をしていたような・・・。
リーフ亭・・・。聞いたことがないけど、多分応募したうちのどこかの店だろう。
それにしても、今日しか有効じゃないクーポンって。期間限定し過ぎだよ。だけど、ランチで3000円、ケーキも食べれてしかも無料なんて行かなきゃ損でしょ!?
ちょっと家からは遠いけど、地下鉄を乗り継いで30分の場所。
美味しいご飯にありつけるなら、選択肢は「行く」一択しかない。
早速出かけるために身支度を整えると「リーフ亭」に向けて意気揚々と玄関を出る。
クーポンサイトの情報では創作料理みたいだし、評価も良かったのできっとおいしいランチが食べられるはず。
期待に胸を膨らませ、最寄り駅までやってきた私はスマホの地図を片手にリーフ亭を目指した。
「な・い!!!」
いくら探しても、リーフ亭なんて言うお店どころかそんなお店があるような場所ではない。
明らかなオフィス街。
コンビニくらいしか食べ物を扱っている店なんて無いように思える。
グルメサイトに載っている外観は、なぜかぼやけていて鮮明に写っていない。
色も形も似たようなビルやお店は近くに見当たらない。
「全然見当たらない、リーフ亭ってどこにあるの?」
1時間近く同じ場所をウロウロして疲れきっていた私は、地図アプリがこの場所と指し示している場所にある植え込みの木によりかかって、ため息をついた。
ふと見ると、オフィス街には似合わない可愛らしい子猫が私の目の前を横切っていく。
猫の種類は詳しくないけれど、きれいなシルバーグレーのモフモフの毛並みが高級感を漂わせている。
「うはぁ子猫、和むなあ」とぼんやり見ていると、子猫が私の方を見て立ち止まる。
しばらく進んで、また私の方を見てくる。
その姿は、まるで「一緒についてきて!」と言っているみたいに見えた。
私はその仕草に胸を撃ち抜かれ、ふらふらと子猫の後を追いかけた。
この時は微塵も思っていなかった。
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件名:当選しました!
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本文:
おめでとうございます。
美味しいランチ&ケーキセット3000円相当が無料で食べられます!
クーポンは本日のみ有効。ぜひお越しください!
創作レストラン・リーフ亭
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そういえば、貯金が心もとないのでとにかく少しでも食費は浮かしたいと、暇があればクーポンサイトでかたっぱしから応募をしていたような・・・。
リーフ亭・・・。聞いたことがないけど、多分応募したうちのどこかの店だろう。
それにしても、今日しか有効じゃないクーポンって。期間限定し過ぎだよ。だけど、ランチで3000円、ケーキも食べれてしかも無料なんて行かなきゃ損でしょ!?
ちょっと家からは遠いけど、地下鉄を乗り継いで30分の場所。
美味しいご飯にありつけるなら、選択肢は「行く」一択しかない。
早速出かけるために身支度を整えると「リーフ亭」に向けて意気揚々と玄関を出る。
クーポンサイトの情報では創作料理みたいだし、評価も良かったのできっとおいしいランチが食べられるはず。
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「な・い!!!」
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グルメサイトに載っている外観は、なぜかぼやけていて鮮明に写っていない。
色も形も似たようなビルやお店は近くに見当たらない。
「全然見当たらない、リーフ亭ってどこにあるの?」
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ふと見ると、オフィス街には似合わない可愛らしい子猫が私の目の前を横切っていく。
猫の種類は詳しくないけれど、きれいなシルバーグレーのモフモフの毛並みが高級感を漂わせている。
「うはぁ子猫、和むなあ」とぼんやり見ていると、子猫が私の方を見て立ち止まる。
しばらく進んで、また私の方を見てくる。
その姿は、まるで「一緒についてきて!」と言っているみたいに見えた。
私はその仕草に胸を撃ち抜かれ、ふらふらと子猫の後を追いかけた。
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