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「では、今の時点で間違っている文字や改善したい箇所がありましたら、ご指摘いただけますか?ご迷惑でなければこの場をお借りしてすぐに修正します。修正完了しましたら、そのまま駅前のプリントサービスで少し厚めの雰囲気の良いおしゃれな紙に印刷してお持ちしますよ。」
「わあ、有難いです!じゃあ、今からじっくり読ませてもろて間違いないかチェックしますね。」
狐崎はそう言うと細い目を見開き、気合いを入れてメニュー表をチェックしはじめた。
その間に、私はパソコンを立ち上げてデータを確認する作業に入る。
栗栖は私のパソコンに目を輝かせている。
Bnnはデザイナー御用達メーカーで、8割のデザイナーはここのメーカーのパソコンを使っている。
文系出身が多いデザイナーでも操作しやすく、グラフィック系ソフトがサクサク動くのが人気の理由だ。
ほかには、デザイナー同士でデータをやり取りすることが多いので、互換性の問題でBnnを使っているデザイナーも多い。
そんな理由で、Bnnはお洒落なイメージが定着していて一種の憧れの象徴になっている。
お値段が少々お高いところも、低年齢層からブランド価値があると認識されているのかもしれない。
私は会社がBnnで、人生で自分が触ったことがあるパソコンがBnnだけだったので、値が張るけど使い勝手優先でこのメーカーを利用している。
「板狩ちゃん、ここ!ここのとこを上と入れ替えたりしたらどうなるかな?」
チェックを終えた狐崎が修正内容を伝えてきたので、一緒に相談しながら修正を上げていく。
修正するうえで問題のありそうな場所は丁寧に説明し、イメージが伝わらない場合は実際にやってみせて納得してもらいながら進める。
直接お客様の前で修正するなんて、今まではしたことがなかったけど・・・意思疎通しやすくてラク!
持ち帰って作業すると臨場感がなくって、何度もやり取りしなきゃいけないからなあ。
お客様とは基本電話かメールのやりとりしかしたことなかったから、こういうのありかも。
お客様と話し合いながら一緒に作り上げていくのは、正直楽しくて仕方ない。
こうなりますよ?というイメージが、実際の操作で私の言葉で説明した通りだとわかると、その度に狐崎は「ホンマや!すごい!」と感嘆の声を挙げるので、少しこそばゆくて恥ずかしかった。
納得のいくメニュー内容になったところで、駅前のプリントサービスのお店まで移動した。
栗栖は人型のままついてきてくれたのだが・・・その人間離れした美貌に注目を浴びてしまった。
私が注目されているわけじゃないのに、視線が痛くて委縮してしまう。
「わあ、有難いです!じゃあ、今からじっくり読ませてもろて間違いないかチェックしますね。」
狐崎はそう言うと細い目を見開き、気合いを入れてメニュー表をチェックしはじめた。
その間に、私はパソコンを立ち上げてデータを確認する作業に入る。
栗栖は私のパソコンに目を輝かせている。
Bnnはデザイナー御用達メーカーで、8割のデザイナーはここのメーカーのパソコンを使っている。
文系出身が多いデザイナーでも操作しやすく、グラフィック系ソフトがサクサク動くのが人気の理由だ。
ほかには、デザイナー同士でデータをやり取りすることが多いので、互換性の問題でBnnを使っているデザイナーも多い。
そんな理由で、Bnnはお洒落なイメージが定着していて一種の憧れの象徴になっている。
お値段が少々お高いところも、低年齢層からブランド価値があると認識されているのかもしれない。
私は会社がBnnで、人生で自分が触ったことがあるパソコンがBnnだけだったので、値が張るけど使い勝手優先でこのメーカーを利用している。
「板狩ちゃん、ここ!ここのとこを上と入れ替えたりしたらどうなるかな?」
チェックを終えた狐崎が修正内容を伝えてきたので、一緒に相談しながら修正を上げていく。
修正するうえで問題のありそうな場所は丁寧に説明し、イメージが伝わらない場合は実際にやってみせて納得してもらいながら進める。
直接お客様の前で修正するなんて、今まではしたことがなかったけど・・・意思疎通しやすくてラク!
持ち帰って作業すると臨場感がなくって、何度もやり取りしなきゃいけないからなあ。
お客様とは基本電話かメールのやりとりしかしたことなかったから、こういうのありかも。
お客様と話し合いながら一緒に作り上げていくのは、正直楽しくて仕方ない。
こうなりますよ?というイメージが、実際の操作で私の言葉で説明した通りだとわかると、その度に狐崎は「ホンマや!すごい!」と感嘆の声を挙げるので、少しこそばゆくて恥ずかしかった。
納得のいくメニュー内容になったところで、駅前のプリントサービスのお店まで移動した。
栗栖は人型のままついてきてくれたのだが・・・その人間離れした美貌に注目を浴びてしまった。
私が注目されているわけじゃないのに、視線が痛くて委縮してしまう。
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