8 / 26
ユヱネスの領地
しおりを挟む
待っていても仕方ない、とサトルは二刀を携えて船の外へ走り出る。
停泊場所は先日サョリと決闘を行った森の外縁に広がる草原。ここから西に三十キロメートルほど進むと、サングィスが君臨する城が見えてくる。
ベスから、船に戻ってから丸一日が経過したと自室からここに来るまでの間に教えられた。ならいまごろ騒乱は落ち着いているだろう、と思うが、冷静にあの爆発からサョリが退出するまでの間のことを思い返せば、そう楽観視はできないとも思う。
ただ一発の爆発で、王后を王家専用の逃走経路で逃がすだろうか。
浮かんだ疑念は、眼前で舞い上がった土柱によって霧散した。
「サトル! 我だ! 出てくるがよい!」
雷でさえもう少しおしとやかだと思えるほどの大音声に、サトルはおろかベスでさえ耳を塞ぎたくなった。
「さ、サングィスさま?」
咳き込みつつ土煙の中心地を見れば、赤銅色の鱗に朱と青磁の混じった長い翼髪のサヴロス、サングィスが仁王立ちに船を睥睨していた。
「む、もう居たか。騒がせてすまぬ」
サトルの声に気付いたサングィスが視線を移し、への字口で謝罪する。
なんの御用です、と言いかけて、サングィスの異変にサトルは目を見開いた。
「ベス! 医務室の用意を!」
彼の赤銅色の鱗が、鮮血に染まっていた。
「む、そう案ずるでない。半分以上は返り血。我の負った傷は……」
言い終えるよりもはやくサトルはサングィスの手を取り、強引に船内に引っ張り込む。
「いまは治療が先です!」
「い、いや、そんな用向きで来たわけでは」
「黙ってください! ベスはやく!」
振りほどこうと思えば容易くできただろうに、サングィスは手を引かれるまま船内に入っていった。
「待たれよ!」
声は上空から。
サングィスを奥に押し込み、ベスが操る人型に預けてサトルは外へ。
サングィスと同じ地点に、しかし軽やかに着地したのは刺叉と兜で武装した、おそらくは獣族《シルウェス》が三人。右端の一人は銀と灰色が混じった鱗を持つ男性。左端の一人は頬と胸部と下半身に山吹色の鱗。それ以外はユヱネスと同じ皮膚が全身を覆った女性。
中央の一人は鱗はなく、腰まである深緑の翼髪が印象的な男性だ。
混血種族である彼らは、虹彩以外の種族固有の肉体的共通点が少ない。が、それが逆に種族としての矜持となっているから不思議だ。
いきなりの訪問が立て続いたサトルは、少し驚いた様子で「ええと」と話しかけようとする。
先んじたのは中央の男性。
「少年、貴公がいま保護したサヴロスに用がある。引き渡してはくれまいか」
サヴロス、と言った。
サングィス、ではなく。
ならばこの三人はいま引き込んだのがサングィスだと知らない、もしくは知らないフリをしている可能性がある。
前者なら、一度見たら忘れられないサングィスの風貌とその立場を、例え異種族とは言え兵士が知らないというのはおかしい。
後者なら、こちらをだまして彼へ危害を加える意思が強いということ。
いや、もう一つだけ可能性があるとすれば、こちらが子供だからサングィスを知らないと踏んで彼の名を口にしなかった、というもの。
ぱっと思いついた三つの可能性。だがそれに縛られることの愚をサトルはベスから何度も何度も言われ続けてきた。
だから。これは試合と同じだと自分の中で位置づけて覚悟を決める。
腹に力を。表情は平坦に。三人全員を視界に収める。サトルはできる限り「無害な少年」を装って三人にこう返した。
「ええと、さっきの人はひどいケガをしています。ぼくは法術が使えないのでこの船の機械で治療を始めました。この船にぼく以外のユヱネスはいませんから、話は全部ぼくにしてください」
事実だけを話し、相手の出方をうかがう。
こたえたのは左端の女性。
「機械など使わずとも、我らの法術があればすぐに癒える。さあ、はやく引き渡しなさい」
焦れているようにも見えるその反応に、サトルは三人がサングィスだと知っていると確信する。
踏ん張れ。
「せめて、あなたたちが何者なのかぐらいは教えてください。身元が明らかでないひとに、けが人を引き渡すほど、ユヱネスは薄情ではないです」
ふむ、と中央の男性が頷く。
「我らはシルウェス王よりタリア姫の捜索を命じられてサングィス領まで推参した、王の近衞。これで十分であろう」
それは彼らの兜に描かれている「四つ足の翼竜」の紋章が示している。竜族《サヴロス》と鳥族《アウィス》の混血種であることの矜持を図案化したこの紋章を兜に頂くことで、より忠心を高めているのだという。
装備などいくらでもごまかせる。ベスには剣術以外にも様々なことを習ったが、彼らの装備の真贋をこの状況で見極めることは不可能だった。
きっとベスがデータと装備を照らし合わせているだろうが、まさかユヱネスより五感の優れる彼らの前で耳打ちをしにくるほど愚かではない。
「わかりました。じゃあもうひとついいですか?」
兵士たちの素性は一旦信じるとして、サングィスの身柄を引き渡すことはしないとして、サトルには確認しなければいけない問題がある。
「タリアに、なにがあったんですか?」
反応があった。
僅かに、右端の男性が肩を揺らしていたのをサトルは見逃さなかった。
「姫のことを知っているのか?」
「以前、試合で助けてもらいました。ぼくにも用事があったみたいですから、何かあったなら気になります」
そうか、と中央の男性がこたえる。
「姫が弑された可能性がある」
何を言われたのか分からなかった。
「弑されたって殺されたってことですか?!」
「可能性だ。きみがいまかくまっているサヴロスにその容疑がかかっている。だから我らが追っている。引き渡してくれると助かる」
冷静に、冷静に言葉を反芻して咀嚼して。
「ぼくたちユヱネスには、救急救命の原則、というものがあります。どんな大罪人であろうと、怪我をしている者は保護して治療して、その後正式な裁判を受けさせるというものです」
「それがなんだと」
「この船は龍種の方々から正式に認められたユヱネスの領地です。いくらシルウェスの近衞のひとであっても、侵犯するというなら、覚悟してもらいます」
二刀の柄に手をかけ、精一杯の殺気を放つ。
それに応じてベスが小型の警備ロボットをサトルの背後にずらりと並べる。全高はサトルの腰の高さほど。六つ足はローラーとかぎ爪の二種類を状況に応じて切り替えが可能。かぎ爪は射出式のワイヤーにもなるので限定的ではあるが三次元戦闘もこなせる万能型だ。
警備ロボットたちは一斉に、そのドーム型の胴体に格納してある小銃を取り出し、三人に照準レーザーを当てる。
「……わかった。ここは退くとしよう。だが、サヴロスの傷が癒えてなおかくまうというのなら、侵犯も辞さないことを覚えておいてくれ」
「はい。その間にぼくもあのひとから事情を訊いておきます。それでどちらに付くかも決めます」
「いい顔だ。我が王に仕えてもらいたいほどにな」
冗談めかして言う中央の男性に、サトルも冗談で答える。
「待遇次第で考えます」
うむ、と力強く返し、左右の男女の不満そうな視線を受け流しつつ男性は法術を使い、森を飛び越すほどの跳躍で去って行った。
残されたふたりも同じように去って行くのを待って、サトルはぺたんと座り込んだ。
疲れた。
からだを動かさずに闘うことがこんなにも疲れるなんて思わなかった。
「ベス、ありがと」
『いえ。サトルこそ少し休んでください。心身共に疲労が溜まっています』
うん、と返し、ふらふらと立ち上がる。
三歩ほど進んだところで足がもつれ、疲労で手も動かせないまま地面へ激突する。寸前、ふわりと現れた焦げ茶色のクッションに抱きかかえられた。
「危ないところでした」
「トルア、さん?」
顔を埋めているのが彼女の胸だと理解しつつもその柔らかさとぬくもりに、どれだけ踏ん張ってもからだは離れようとしない。
トルアの手で立たされ、肩を支えられても疲労からくる睡魔に自分の足で立つこともできない。見かねてトルアはそっとサトルを両腕に抱き上げ、ゆっくりと歩き出す。
「……あの場にサョリさまの近衞である私が出ると、サトルさまや主上にご迷惑がかかると思い、陰に控えておりました」
「あ、そうなんですか」
サトルの素っ気ない態度に、トルアはなぜかムキになって返す。
「む、無論! サトルさまに危害が及ぶようなことになれば、即座に打って出れる場所に、です」
「ううん。そうじゃなくて、……その、なんていう、か……」
柔らかく抱かれる感覚。
いまの母と同じサヴロスの女性に優しく接してもらっている感覚。
かつて母とこの船で暮らしていた頃の、一日たっぷり遊んで遊んで、電池が切れたように眠ってしまい、母に背負われながら部屋に戻っていたあの感覚。
サトルの瞳から零れた涙は、眠気と郷愁、どちらだっただろうか。
停泊場所は先日サョリと決闘を行った森の外縁に広がる草原。ここから西に三十キロメートルほど進むと、サングィスが君臨する城が見えてくる。
ベスから、船に戻ってから丸一日が経過したと自室からここに来るまでの間に教えられた。ならいまごろ騒乱は落ち着いているだろう、と思うが、冷静にあの爆発からサョリが退出するまでの間のことを思い返せば、そう楽観視はできないとも思う。
ただ一発の爆発で、王后を王家専用の逃走経路で逃がすだろうか。
浮かんだ疑念は、眼前で舞い上がった土柱によって霧散した。
「サトル! 我だ! 出てくるがよい!」
雷でさえもう少しおしとやかだと思えるほどの大音声に、サトルはおろかベスでさえ耳を塞ぎたくなった。
「さ、サングィスさま?」
咳き込みつつ土煙の中心地を見れば、赤銅色の鱗に朱と青磁の混じった長い翼髪のサヴロス、サングィスが仁王立ちに船を睥睨していた。
「む、もう居たか。騒がせてすまぬ」
サトルの声に気付いたサングィスが視線を移し、への字口で謝罪する。
なんの御用です、と言いかけて、サングィスの異変にサトルは目を見開いた。
「ベス! 医務室の用意を!」
彼の赤銅色の鱗が、鮮血に染まっていた。
「む、そう案ずるでない。半分以上は返り血。我の負った傷は……」
言い終えるよりもはやくサトルはサングィスの手を取り、強引に船内に引っ張り込む。
「いまは治療が先です!」
「い、いや、そんな用向きで来たわけでは」
「黙ってください! ベスはやく!」
振りほどこうと思えば容易くできただろうに、サングィスは手を引かれるまま船内に入っていった。
「待たれよ!」
声は上空から。
サングィスを奥に押し込み、ベスが操る人型に預けてサトルは外へ。
サングィスと同じ地点に、しかし軽やかに着地したのは刺叉と兜で武装した、おそらくは獣族《シルウェス》が三人。右端の一人は銀と灰色が混じった鱗を持つ男性。左端の一人は頬と胸部と下半身に山吹色の鱗。それ以外はユヱネスと同じ皮膚が全身を覆った女性。
中央の一人は鱗はなく、腰まである深緑の翼髪が印象的な男性だ。
混血種族である彼らは、虹彩以外の種族固有の肉体的共通点が少ない。が、それが逆に種族としての矜持となっているから不思議だ。
いきなりの訪問が立て続いたサトルは、少し驚いた様子で「ええと」と話しかけようとする。
先んじたのは中央の男性。
「少年、貴公がいま保護したサヴロスに用がある。引き渡してはくれまいか」
サヴロス、と言った。
サングィス、ではなく。
ならばこの三人はいま引き込んだのがサングィスだと知らない、もしくは知らないフリをしている可能性がある。
前者なら、一度見たら忘れられないサングィスの風貌とその立場を、例え異種族とは言え兵士が知らないというのはおかしい。
後者なら、こちらをだまして彼へ危害を加える意思が強いということ。
いや、もう一つだけ可能性があるとすれば、こちらが子供だからサングィスを知らないと踏んで彼の名を口にしなかった、というもの。
ぱっと思いついた三つの可能性。だがそれに縛られることの愚をサトルはベスから何度も何度も言われ続けてきた。
だから。これは試合と同じだと自分の中で位置づけて覚悟を決める。
腹に力を。表情は平坦に。三人全員を視界に収める。サトルはできる限り「無害な少年」を装って三人にこう返した。
「ええと、さっきの人はひどいケガをしています。ぼくは法術が使えないのでこの船の機械で治療を始めました。この船にぼく以外のユヱネスはいませんから、話は全部ぼくにしてください」
事実だけを話し、相手の出方をうかがう。
こたえたのは左端の女性。
「機械など使わずとも、我らの法術があればすぐに癒える。さあ、はやく引き渡しなさい」
焦れているようにも見えるその反応に、サトルは三人がサングィスだと知っていると確信する。
踏ん張れ。
「せめて、あなたたちが何者なのかぐらいは教えてください。身元が明らかでないひとに、けが人を引き渡すほど、ユヱネスは薄情ではないです」
ふむ、と中央の男性が頷く。
「我らはシルウェス王よりタリア姫の捜索を命じられてサングィス領まで推参した、王の近衞。これで十分であろう」
それは彼らの兜に描かれている「四つ足の翼竜」の紋章が示している。竜族《サヴロス》と鳥族《アウィス》の混血種であることの矜持を図案化したこの紋章を兜に頂くことで、より忠心を高めているのだという。
装備などいくらでもごまかせる。ベスには剣術以外にも様々なことを習ったが、彼らの装備の真贋をこの状況で見極めることは不可能だった。
きっとベスがデータと装備を照らし合わせているだろうが、まさかユヱネスより五感の優れる彼らの前で耳打ちをしにくるほど愚かではない。
「わかりました。じゃあもうひとついいですか?」
兵士たちの素性は一旦信じるとして、サングィスの身柄を引き渡すことはしないとして、サトルには確認しなければいけない問題がある。
「タリアに、なにがあったんですか?」
反応があった。
僅かに、右端の男性が肩を揺らしていたのをサトルは見逃さなかった。
「姫のことを知っているのか?」
「以前、試合で助けてもらいました。ぼくにも用事があったみたいですから、何かあったなら気になります」
そうか、と中央の男性がこたえる。
「姫が弑された可能性がある」
何を言われたのか分からなかった。
「弑されたって殺されたってことですか?!」
「可能性だ。きみがいまかくまっているサヴロスにその容疑がかかっている。だから我らが追っている。引き渡してくれると助かる」
冷静に、冷静に言葉を反芻して咀嚼して。
「ぼくたちユヱネスには、救急救命の原則、というものがあります。どんな大罪人であろうと、怪我をしている者は保護して治療して、その後正式な裁判を受けさせるというものです」
「それがなんだと」
「この船は龍種の方々から正式に認められたユヱネスの領地です。いくらシルウェスの近衞のひとであっても、侵犯するというなら、覚悟してもらいます」
二刀の柄に手をかけ、精一杯の殺気を放つ。
それに応じてベスが小型の警備ロボットをサトルの背後にずらりと並べる。全高はサトルの腰の高さほど。六つ足はローラーとかぎ爪の二種類を状況に応じて切り替えが可能。かぎ爪は射出式のワイヤーにもなるので限定的ではあるが三次元戦闘もこなせる万能型だ。
警備ロボットたちは一斉に、そのドーム型の胴体に格納してある小銃を取り出し、三人に照準レーザーを当てる。
「……わかった。ここは退くとしよう。だが、サヴロスの傷が癒えてなおかくまうというのなら、侵犯も辞さないことを覚えておいてくれ」
「はい。その間にぼくもあのひとから事情を訊いておきます。それでどちらに付くかも決めます」
「いい顔だ。我が王に仕えてもらいたいほどにな」
冗談めかして言う中央の男性に、サトルも冗談で答える。
「待遇次第で考えます」
うむ、と力強く返し、左右の男女の不満そうな視線を受け流しつつ男性は法術を使い、森を飛び越すほどの跳躍で去って行った。
残されたふたりも同じように去って行くのを待って、サトルはぺたんと座り込んだ。
疲れた。
からだを動かさずに闘うことがこんなにも疲れるなんて思わなかった。
「ベス、ありがと」
『いえ。サトルこそ少し休んでください。心身共に疲労が溜まっています』
うん、と返し、ふらふらと立ち上がる。
三歩ほど進んだところで足がもつれ、疲労で手も動かせないまま地面へ激突する。寸前、ふわりと現れた焦げ茶色のクッションに抱きかかえられた。
「危ないところでした」
「トルア、さん?」
顔を埋めているのが彼女の胸だと理解しつつもその柔らかさとぬくもりに、どれだけ踏ん張ってもからだは離れようとしない。
トルアの手で立たされ、肩を支えられても疲労からくる睡魔に自分の足で立つこともできない。見かねてトルアはそっとサトルを両腕に抱き上げ、ゆっくりと歩き出す。
「……あの場にサョリさまの近衞である私が出ると、サトルさまや主上にご迷惑がかかると思い、陰に控えておりました」
「あ、そうなんですか」
サトルの素っ気ない態度に、トルアはなぜかムキになって返す。
「む、無論! サトルさまに危害が及ぶようなことになれば、即座に打って出れる場所に、です」
「ううん。そうじゃなくて、……その、なんていう、か……」
柔らかく抱かれる感覚。
いまの母と同じサヴロスの女性に優しく接してもらっている感覚。
かつて母とこの船で暮らしていた頃の、一日たっぷり遊んで遊んで、電池が切れたように眠ってしまい、母に背負われながら部屋に戻っていたあの感覚。
サトルの瞳から零れた涙は、眠気と郷愁、どちらだっただろうか。
0
あなたにおすすめの小説
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
異世界での異生活 ~騎士団長の憂鬱~
なにがし
ファンタジー
成人年齢15歳、結婚適齢期40~60歳、平均寿命200歳の異世界。その世界での小さな国の小さな街の話。
40歳で父の跡を継いで騎士団長に就任した女性、マチルダ・ダ・クロムウェル。若くして団長になった彼女に、部下達はその実力を疑っていた。彼女は団長としての任務をこなそうと、頑張るがなかなか思うようにいかず、憂鬱な日々を送る羽目に。
そんな彼女の憂鬱な日々のお話です。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる