ずっと君だけ。

しゅく

文字の大きさ
3 / 93

しおりを挟む
美守みもりという女の子はいつも髪を2つに結い、眼鏡をかけた大人しい印象の子だった。
彼女とは偶然、同じ緑化委員になったのだ。

いつもなら委員会決めをする際、緑川があおるを同じ委員にさせていたのだが、緑川は担任から学級委員を任されていた。
表向きは、優等生であるため緑川は快く学級委員を引き受けていた。
その後で散々担任の悪口を言う緑川を誰が想像するだろうか。

あおるにとっては、少しでも緑川と離れることが出来るので幸いだった。


あおるもそうだが、美守も自分から話しかける事をしない内向的な性格だった。
緑化委員の当番が回ってきた日には、放課後2人で黙々と水道に繋いだホールを持って学校中の花壇に水を撒く。

ホースから水の出る音だけが聞こえる。
その沈黙が穏やかだった。


「あおる、終わった?帰ろうか」

だいたい1時間くらいで学校の花壇全部に水を撒き終わる。
その頃合いを見計らったようにして緑川があおるを呼びに来るのだ。

その時に美守への挨拶も忘れない。

「同じクラスの美守さんだよね?委員の仕事お疲れさま」

誰もが堕ちるような極上の甘い微笑み付きで。


ああ・・・、癒やしの時間が終わった・・・・・・

緑川が来る度にあおるはひっそり肩を落としていた。





帰り道、あおるは自分のランドセルを背負い緑川のランドセルを腹に抱えて帰路につく。緑川は体育服の入った布製のバッグを片手にぶら下げているだけ。

「・・・っ緑川の、重い」

「そりゃ辞書入ってるからだろ」

以前、荷物持ちなんて嫌だと抵抗しても無駄だったので、もう諦めてしまった。
逆らって怒らせた時の緑川はとても怖くて、逆らう気さえ無くしてしまう。

みんなの前での王子様とは大違いだ。

あおるの数歩先をポケットに手を突っ込んで悠々と歩く緑川。
自分さえよければそれでいいといった性格の緑川と家が隣同士なことを恨まずにはいられなかった。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺

スノウマン(ユッキー)
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。  大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?

【短編+連載版】一度も話したことないイケメンのクラスメイトと二人組になったらめちゃくちゃ執着されてた

BL
サクッと読みたい方は短編版(約5000字)をどうぞ! ◇◇◇ 「はい、じゃあ二人組作って」──あまり人付き合いが得意ではない夏稀(なつき)にとってそれは地獄の言葉。 けれど高校ではちがう。なぜなら新しくできた友達と『二人組』協定を結んだから。 もう二人組なんて怖くないと思っていた矢先、その友達が風邪で欠席。 ほかに組む相手が見つからず、先生と組むことも覚悟する夏稀だったが、そこで声をかけてきたのは美形の転校生──緒川聖夜(おがわ・きよや)だった。 「俺と二人組にならない?」 その一言をきっかけに聖夜は夏稀との距離を急速に縮めてきて──。 執着美形攻め×平凡受けのちょっと不穏な学園BL。 ◇◇◇ いいね、エールありがとうございます!嬉しいですー!

妖精です、囲われてます

うあゆ
BL
僕は妖精 森で気ままに暮らしていました。 ふと気づいたら人間に囲まれてました。 でもこの人間のそばはとても心地いいし、森に帰るタイミング見つからないなぁ、なんて思いながらダラダラ暮らしてます。 __________ 妖精の前だけはドロ甘の冷徹公爵×引きこもり妖精 なんやかんやお互い幸せに暮らします。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

可哀想は可愛い

綿毛ぽぽ
BL
 平民、ビビり、陰キャなセシリオは王立魔術学園へ入学を機に高校デビューを目指したが敢え無く失敗し不良のパシリをさせられる毎日。  同室者の男にも呆れられ絶望するセシリオに天使のような男が現れるが、彼もかなりイカれた野郎のようで……?セシリオは理想の平和な学園生活を送る事が出来るだろうか。また激重感情を抱えた男から逃げられるだろうか。 「むむむ無理無理!助けて!」 ━━━━━━━━━━━ ろくな男はいません。 世界観がごちゃごちゃです。余り深く考えずに暖かい目で読んで頂けたら、と思います。 表紙はくま様からお借りしました。

好きなタイプを話したら、幼なじみが寄せにきた。

さんから
BL
無愛想美形×世話焼き平凡 幼なじみに好きバレしたくない一心で、真逆の好きなタイプを言ったら……!?

きみが隣に

すずかけあおい
BL
いつもひとりでいる矢崎は、ある日、人気者の瀬尾から告白される。 瀬尾とほとんど話したことがないので断ろうとすると、「友だちからでいいから」と言われ、友だちからなら、と頷く。 矢崎は徐々に瀬尾に惹かれていくけれど――。 〔攻め〕瀬尾(せお) 〔受け〕矢崎(やざき)

処理中です...