4年の距離

しゅく

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普通に仲の良かった友人が、まさかそういう目で見ていたなんて。
その時、どうしていいか分からなかった俺は、彼を拒絶してしまったんだ。





学校帰りに友人宅へ立ち寄る。


これが木田 小夏(きだ こなつ)の毎日の日課だった。

立ち寄る、と言ってもインターホンを押しても返って来ない返事に肩を落としながら、毎回その日の学校からの宿題やプリントをポストに入れるだけ。


――皆川遥(みながわ はるか)
彼が学校へ来なくなって3ヵ月が経つ。


中2で初めて同じクラスになり、偶然席が隣になった事がきっかけだった。

少しぽっちゃりとした体型で、口数は少なく、いつも本ばかり読んでいるイメージ。

最初こそ少し勇気がいったけれど、小夏から声をかけてみると思いのほか話しやすくて、一気に親近感が湧いたのを覚えている。
運動面は苦手だと言っていたけれど、成績はいつも学年トップなのが凄いと思っていた。

同じ帰宅部だったから放課後はよく一緒に居残って、宿題なんかも教えてくれた。
その教え方が上手くて、優しくて、遥と友達になってから小夏の成績も少し上がったとテスト順位表を見せると一緒に喜んでくれた。

遥の笑顔と、たまに眼鏡を取った時の瞳が綺麗だと思ったのが今でも心に残っている。



「今日も駄目か…」

いつかは出てくれるんじゃないか、そう期待を込めて毎回インターホンを押すが、その期待は虚しく散ってしまう。
ポストの中には前日のプリントは無いから、きっと毎日、親か本人か…取りには来ているのだろう。

「あ、でも親は仕事であんまり家に居ないって言ってたっけ…」

ポツリと独り言が漏れる。


小夏が遥の家に上がったのは一度きり。

その時は遥の部屋でただゲームをして遊んで夕飯前には帰った。
自分の家とは違い、広々とした遥の自室と大画面のテレビ、お洒落なインテリアが新鮮だった。


遥との他愛のない会話も、何気ない日常もすべてが楽しかった。
友達作りが苦手で今まで親友と呼べるような友達がいなかった小夏が、初めて親友かもしれないと思った相手だった。

中学3年生でも同じクラスになった時は本当に嬉しかったのに。


「っ…、遥のやつ1回くらい出て来いよ…!」

ただ、直接本人に謝りたい。
それだけなのに、それすらもできないんだ。



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