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カラカラカラ
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とあるホームセンターの駐車場。平日の昼間のため、店内の近く以外には駐車スペースがいくつもある。
一台の車が入ってくる。車が密集している店内入口の方の空きスペースに急いで駐車する。
お腹に手をやりながら、顔を歪ませて車から降りてくる少し小太りの男。40歳くらいの中年男性だが、スーツ姿などではなく、Tシャツにジーパンといったラフな格好。
店に目をやると、トイレの案内板。フードコート内に向かうのと、店内に入るのと、2つある。
「人の多いのは、ヤだな」
店内に入る案内板に向かって、急ぎ足で歩き出す中年男性。何とか姿勢を保とうとするが、歩き方はやはりどこかぎこちない。
トイレの案内板に従って歩く中年男性。
顔に脂汗がにじみ出ている。
「アイス食いすぎたな。買い物どころじゃ…」
ゆっくり品物を見ている客達や、商品を手際よく運んでいる従業員達をよそに、時々腹に手をやりながら、だんだん早足になっていく。
店の中のトイレの案内板に目をやると…
「外かよ」
店の外へ出る中年男性。
目の前にトイレが見えた。
トイレに駆け込む。
トイレに人の姿は見当たらなかった。
個室に目が行く中年男性。2つあった。片方はドアが閉まっており、片方はドアが半開き。半開きのドアの個室に飛び込む。乱暴にドアを閉めると、カチャカチャと急いで鍵を掛ける。
便器に腰掛けている中年男性。安堵した表情を見せる。大きく息をつく。ひと安心できたと思ったら…。
隣の個室から、カラカラカラというトイレットペーパーを取ってるような音が聞こえてくる。
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
「そんなに紙が必要か?」
なかなか鳴り止まない音にちょっと不思議がる中年男性。
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
隣の個室からの音は、まだ続いている。
中年男性も、トイレットペーパーを取り始める。すると、隣からの音が止んだ。
「やっと出て行ったか。でも鉢合わせたくはないな」
そんなことを考えながら、ズボンを上げる中年男性。するとまた、隣の個室から…
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
という音。思わず音の方に目を向ける中年男性。当然壁しか見えないが、音は聞こえる。
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
一定のリズムで途切れることなく…いつまでも…。
怖くなって急いで個室から、トイレから飛び出す中年男性。
「俺、霊感なかったはず…」
早足で自分の車に向かいながら、そう呟いては、時々後ろを振り返り…。
中年男性が去った後のトイレ。
中年男性の使っていたトイレのドアは半開き。隣の個室のドアは閉まったまま…。
一台の車が入ってくる。車が密集している店内入口の方の空きスペースに急いで駐車する。
お腹に手をやりながら、顔を歪ませて車から降りてくる少し小太りの男。40歳くらいの中年男性だが、スーツ姿などではなく、Tシャツにジーパンといったラフな格好。
店に目をやると、トイレの案内板。フードコート内に向かうのと、店内に入るのと、2つある。
「人の多いのは、ヤだな」
店内に入る案内板に向かって、急ぎ足で歩き出す中年男性。何とか姿勢を保とうとするが、歩き方はやはりどこかぎこちない。
トイレの案内板に従って歩く中年男性。
顔に脂汗がにじみ出ている。
「アイス食いすぎたな。買い物どころじゃ…」
ゆっくり品物を見ている客達や、商品を手際よく運んでいる従業員達をよそに、時々腹に手をやりながら、だんだん早足になっていく。
店の中のトイレの案内板に目をやると…
「外かよ」
店の外へ出る中年男性。
目の前にトイレが見えた。
トイレに駆け込む。
トイレに人の姿は見当たらなかった。
個室に目が行く中年男性。2つあった。片方はドアが閉まっており、片方はドアが半開き。半開きのドアの個室に飛び込む。乱暴にドアを閉めると、カチャカチャと急いで鍵を掛ける。
便器に腰掛けている中年男性。安堵した表情を見せる。大きく息をつく。ひと安心できたと思ったら…。
隣の個室から、カラカラカラというトイレットペーパーを取ってるような音が聞こえてくる。
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
「そんなに紙が必要か?」
なかなか鳴り止まない音にちょっと不思議がる中年男性。
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
隣の個室からの音は、まだ続いている。
中年男性も、トイレットペーパーを取り始める。すると、隣からの音が止んだ。
「やっと出て行ったか。でも鉢合わせたくはないな」
そんなことを考えながら、ズボンを上げる中年男性。するとまた、隣の個室から…
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
という音。思わず音の方に目を向ける中年男性。当然壁しか見えないが、音は聞こえる。
カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ… カラカラカラ…
一定のリズムで途切れることなく…いつまでも…。
怖くなって急いで個室から、トイレから飛び出す中年男性。
「俺、霊感なかったはず…」
早足で自分の車に向かいながら、そう呟いては、時々後ろを振り返り…。
中年男性が去った後のトイレ。
中年男性の使っていたトイレのドアは半開き。隣の個室のドアは閉まったまま…。
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