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第一章
ベルガースの武具屋
翌朝。宿の窓から差し込む光で目を覚ました俺は、久々に柔らかいベッドで深く眠れたおかげか、妙にすっきりした気分だった。
昨日は初めての冒険者ギルド登録、そして廃屋調査クエストまでこなし、夜遅くに宿へ飛び込むように到着。疲れていたから倒れ込むように眠ってしまったが、どうやら体力はしっかり回復したようだ。
「さて……今日はやることがいっぱいあるぞ」
布団をたたみ、身支度を整える。といっても、装備はまだ例の木の棒と、ルベル村でもらったローブくらい。さすがに初心者感が拭えないので、今日こそはちゃんとした武器や防具を手に入れたい。
さらに昨晩のクエスト“廃屋の調査”の報告もしなければならないし、問題の「謎の鉱石」が入った小袋も気になる。ギルドに鑑定できる人がいるか、それとも別の専門家を探すか……。
ひとまず、宿の一階にある食堂で軽い朝食をとり、街へ繰り出すことにした。パンとスープというシンプルなメニューだけど、昨夜は晩ご飯を抜いて眠ったせいか胃袋がキュウキュウ鳴っている。
カウンター越しに宿の女将さんが笑顔で「昨日はぐっすり休めたみたいだねぇ」と声をかけてくれたので、会釈して応えつつ、腹を満たしたら早々に出発だ。
◇
朝のベルガースは夜とはまた違った活気にあふれている。露店が開き始め、行商人たちが威勢よく呼び込みをしている。中央通りは人が多い分ゴチャゴチャしていて、初日よりは慣れたとはいえ若干戸惑ってしまう。
そんな人波をかき分けて、まずは冒険者ギルドへ直行。受付で廃屋調査のクエスト完了報告をし、報酬を受け取りたい。ついでに雑談の中で「石の鑑定」について聞いてみようと思った。
「おはようございます。昨日、廃屋の調査クエストを受けた黒井四葉ですけど……とりあえず一通り見てきました」
ギルドの受付に立ち寄り、昨日の女性職員を探すと、たまたま空いていたのかすぐに対応してくれた。俺がクエスト用紙を提示すると、彼女は手早くチェックを済ませ、にっこりと笑う。
「お疲れさまです。報告書によれば、ネズミが数匹住み着いていた可能性があるけど、追い払ったという解釈でいいんですよね?」
「そうですね。完全に駆除したとは言い難いんですが、とりあえず人が入れば当分は居づらいだろうし……依頼主さんに詳しい結果を伝えてもらえれば」
「わかりました。ではこのクエストは完了ですね。報酬は銅貨五枚ですが……こちらを受け取ってください」
彼女が差し出す封筒には、ちゃりんと軽い手触りの貨幣が入っている。あまり金額は大きくないけれど、初クエストとしてはこんなものだろう。何にせよ、これで冒険者としての第一歩を踏み出せた。
「ありがとうございます。あと、ひとつ相談があるんですけど……」
周囲にあまり人がいないタイミングを見計らって、俺はポケットから小袋を取り出した。昨晩、廃屋の床下でたまたま引っかかったやつだ。
受付の女性は首をかしげながらも興味深そうに覗き込む。
「それ、何ですか? 石……というより鉱石っぽいですね」
「はい。実は昨日の廃屋で見つけまして。でもクエストとは関係ないですし、誰の持ち物かも分からないんですよね。こういう場合、ギルドで鑑定とかしてもらえるんですか?」
「うーん、ギルドにも鑑定部門はあるにはありますが、モンスター素材や依頼品の判定が主で、こういう拾い物の審査はあまり受け付けていないかも……。でも、少し待っていただけますか? 同僚に詳しい子がいるので聞いてきますね」
そう言うと、彼女は一旦奥の部屋へ消えていった。しばらくして戻ってくると、残念そうに首を振る。
「ごめんなさい、やはりギルドとして正式な鑑定は難しいみたい。どうしてもって場合は、有料で専門の鑑定士を呼ぶ手段もあるんですが、ちょっと割高かもしれません」
まあ、そう簡単に事が運ぶわけもないか。鑑定にかかるコストと、もし大した価値がなかった場合のリスクを考えると、今のところ無理にお願いするのも微妙だ。
受付の女性は代案として、「街の東側にある商業区に大きめの宝飾店や鉱石専門店があるから、そこをあたってみては?」と教えてくれた。俺はそれに礼を言い、結局は自力で足を運ぶことになりそうだ。
「わかりました。じゃあまずは、装備を買い揃えてから、そのあとで宝飾店を探してみます。ありがとうございました」
「いえいえ。今日はどんなクエストを……あ、まずは装備探しですね。頑張ってくださいね!」
彼女はにこやかに手を振ってくれる。初めての街でも、こういう親切な職員さんがいるとちょっと安心だ。俺はギルドをあとにして、まずは「武器と防具」を手に入れるため、市場や鍛冶屋が多く集まるエリアを目指すことにした。
◇
地図を見ると、武具屋は中央から少し北西に寄った通りに集まっているらしい。実際に足を運ぶと、確かに小さな鍛冶工房や武器屋がいくつも軒を連ねていた。道端には鉄製の盾や剣が飾られていて、ここが冒険者にとって“装備街”なのは間違いない。
問題は、「種類が多くてどこに入ればいいか分からない」こと。 UGOをやっていたとき、俺はLUK補正が付いた武具や、ドロップ率が上がるレア装備を好んで探し回っていたが、現実ではそういうのが売られているかは不透明。
しかも予算にも限りがあるし、一件ずつ見て回るのは骨が折れそう……と思っていると、通りの中央で「武具買い取ります!」と書かれた看板が目に入る。買い取りをやっている店は、逆に言えば中古品の販売も扱っているはず。そこなら安めの装備が見つかるかもしれない。
「よし、入ってみるか」
扉を開くと、金属の焼けるような匂いがふわりと鼻をくすぐる。店内は少し薄暗いが、左壁には中古の剣や槍がズラリとかけられ、右壁には盾や鎧が並んでいる。一番奥にはカウンターがあり、がたいのいい中年の男が店主らしき姿で座っていた。
彼は俺をちらりと一瞥するなり、「いらっしゃい」と声をかけてくる。
「新顔だな。武器を探しているのか、防具を探しているのか。それとも、何か売りに来たのか?」
「買いたいんですけど……とりあえず剣か何かを……あと、予算も限られてて、初心者向けでそこそこ使いやすいものがあれば」
「ならこっちへ来い、片手剣が多いぞ。防具は……革鎧なら二十銀貨くらいからあるが、もう少し金出せるならまともなチェインメイルも売れるぞ」
二十銀貨……俺の今の手持ちを考えると、チェインメイルは厳しそうだ。せいぜい二十~三十銀貨程度が限度だろうか。靴や小物も合わせて揃えたいし、剣と同時に買ったらそれこそ一気に予算オーバーしかねない。
ため息をつきながら、剣の陳列棚に目を移す。初心者用の片手剣らしきものが何本も並んでいるが、どれも微妙に形やサイズが違う。店主は「握って試してみろ」といくつかピックアップしてくれた。
一方、右隅のほうを見ると、ひときわ装飾が派手な剣がケースに収められていて、値札の桁が明らかに違う。あれは初心者向けどころか、いわゆる高級品なのだろう。
(どうせ買えないからスルーしておこう……)
そう思った矢先、なぜかそちらへ目が吸い寄せられる。まるでゲームのレアドロップ武器みたいに光を放っているような気さえして、胸が軽く高鳴る。
――いや、焦るな。高級武具を買っても使いこなせなきゃ意味がないし、何より予算が足りない。今は普通の剣で十分だ……と自分に言い聞かせ、店主のすすめた一本を手に取った。
「よし、これは初心者が扱うには悪くない代物だ。昔ある冒険者が使っていたんだが、もう少し良い物に買い換えるってんで売りに来たんだ。刃こぼれは少しあるが、研げば問題ないさ」
店主が言うように、確かに握った感じも程よい重みで、初心者の俺には扱いやすそうだ。値段は十二銀貨――うん、手が出せる範囲。
続いて防具コーナーへ移動し、ざっと革鎧や簡易チェストプレートを見て回る。軽装タイプの鎧が欲しいが、そこそこの品質を求めると値段が上がるのが痛い。
結局、上半身に着られる革製ジャケットと、軽い防具が付いたズボン、そしてブーツを合わせて十八銀貨。剣とあわせると三十銀貨……正直ギリギリだが、まあ何とかなるか。
あと欲しいのは盾や頭防具だが、そこまで買うと予算オーバー確定。しばらくは無しでやってみよう。俺は財布から銀貨を数え、店主に差し出した。
「剣と、この革装備一式でお願いします。……うわ、結構な出費だな」
「若い冒険者は金がかかるんだよ。ま、そのぶんいい働きができるさ。――ところで、おまえさん、もしかして“あの”逸品にも興味があるか?」
店主がニヤリと笑って目配せした先には、さっきの派手な剣が飾られているガラスケース。俺は「いや、そんな金ありませんって」と即答したが、店主はシニカルな笑みを浮かべるだけ。
「はは、そりゃ分かってる。だが、あれには面白い噂があってな……。かつての持ち主が言うには、妙に“いいこと”を呼び寄せるとか。ま、おとぎ話かもしれんが」
(“いいことを呼び寄せる”……まさか、LUK補正のついた武器じゃあるまいな?)
少し胸が騒ぐが、どう考えても高級品なのは間違いないし、この店に飾られているだけで何百銀貨もするだろう。初心者の俺には到底手が届かない。
軽く喉を鳴らしつつ、「いつか買えるくらい稼いでみますよ」とジョークで返すと、店主は「はは、期待してるぜ」と肩をすくめて話を終わらせた。
「ま、とりあえず十分いい買い物をしたと思うよ。気が変わったらまた来な」
こうして俺は装備を手に入れ、今まで木の棒しかなかった貧相なスタイルから卒業できた。ちょっと金を使いすぎた感はあるが、これで戦闘力と防御力が大きく上がるなら妥当な投資だ。
店を出てから人通りの少ない路地で試しに剣を軽く振ってみると、そこまで重くはなく、風を切る音が小気味いい。革ジャケットも着てみたが、ローブよりは多少窮屈だが防御面では格段に安心だ。
「よーし、いい感じ。こいつで序盤のモンスターはバッサバサ斬れそうだな」
多少の浮ついた気持ちを噛み締めつつ、地図を再確認する。次は宝飾店あたりに行って、この鉱石の価値を判断してもらおう――と思った瞬間、路地の向こうから怪しげな声が聞こえてきた。
「うわ、ちょ、勝手にあさるな! 泥棒か!?」
人相の悪い若者が、道端に出ている荷車をゴソゴソ漁っているのを、持ち主らしきおじさんが発見して怒声を上げているようだ。若者は「ああ? ちょっと見てるだけだよ」とか言いながら、まるで開き直っている。
うわ、なんか揉め事に巻き込まれそう……こういうとき、普通の町人なら避けて通るんだろうが、ここは冒険者として何とかしたほうがいいのか?
「……まあ、見てるだけならいいけど、どう考えても手つっこんでるよな。危ないなあ」
一瞬迷ったが、俺は近くまで歩み寄り、小さく咳払いをしてみせる。
「すみません、そこの荷車はあなたのじゃないですよね? 勝手に触ったら通報されますよ」
すると若者は、不機嫌そうにこちらを睨んでくる。だが、俺が装備したばかりの剣と革鎧を目にすると、さすがに丸腰の相手に比べて分が悪いと感じたのか、「ちっ……」と舌打ちして荷車から手を離す。
「なんだよ、ちょっと探し物してただけだっての。……あー、こわ、冒険者きどりかよ」
悪態をつきながら、若者はスタスタと通りを去っていった。荷車の持ち主のおじさんは胸を撫で下ろし、「助かったよ、あんた。勇気あるねえ」と感激した様子。
「いえ、別に……新米冒険者なんで、目に入ったから声をかけただけです」
「いやいや、それでもありがたい。こんな路地で巻き上げられたら商売上がったりだ。あんたの剣、立派じゃないか」
おじさんは俺の剣をじっと見つめ、少し考え込むように唸る。どうやら目利きがある程度できるらしく、「中古かもしれんが鍛冶の良い仕事が見える」と評価してくれた。
ちょっとしたお礼なのか、おじさんは荷車の荷物から果物をひとつ取り出し、「これでも食ってくれ」と差し出してくれる。
「おいしそう……いいんですか?」
「まあ、ほんの気持ちだよ。こっちは多少怯まないと他人に声かけられんし、これで水に流してくれ」
そうして受け取った果物は、リンゴのような形ながら皮が薄緑色をしており、においも甘酸っぱそう。軽く齧ってみると、ジューシーな汁が口いっぱいに広がって、思わず顔をほころばせる。
これもある種の“運”かもしれない。装備を買ったばかりでテンションも上がっているところに、思わぬ拾い食い(?)までゲットできるとは。俺は「ありがとうございます!」と何度も頭を下げてから、その場を立ち去った。
◇
こうして街の中を移動するうち、予定より時間が経ってしまった。宝飾店に行くつもりだったが、ちょっと遅い昼ご飯も食べたいし、一旦メイン通りへ戻って何か手軽に腹ごしらえしてからにしよう……。
思いつつ中央通りへ向かおうとした矢先、肩をポンポンと叩かれる。振り返ると、ギルドの受付で見かけた男性職員が立っていた。
「あ、すみません、きみ……ええと、確か四葉くんだよね? ギルドでちょっと伝言が来てて、探してたんだ。声かけてもいいかな」
「え? 俺に伝言? だれからですか?」
聞き返すが、彼は「詳しい話はギルドで」と言葉を濁す。少し嫌な予感がするが、何の伝言だろう。まさか廃屋で拾った袋の持ち主が見つかって、弁償しろと言われるとか……?
多少ビクビクしながら、案内されるままギルドへ戻る。すると、受付カウンターにはさっきまでいなかった女性が立っており、俺を見つけるなり軽く手を振った。
「あ、あなたが四葉さんね。私はこの街の“魔術研究ギルド”に協力している者で、冒険者ギルドに問い合わせたら、あなたを探しているって聞いて……」
魔術研究ギルド? なんだその大層な響きは。 こちらは困惑していると、女性はニコリと微笑みながら用件を切り出してきた。
「実は、少し話を聞いたの。このあたりの廃屋を昨日調査した冒険者がいるって。それがあなたでしょう? もし何か“魔力を帯びた物”を発見していないか、確認したくって……」
魔力を帯びた物――ドキリとする。俺が廃屋で拾った謎の鉱石、あれがまさに魔力を宿していそうな見た目だった。
しかし、何の意図があってそんな問い合わせを? 俺が言葉に詰まっていると、女性はあくまで柔らかい口調で続ける。
「まぁ、何もなければそれでいいんだけど、もしそういう品があるなら、ぜひ私たちが買い取りたくって。廃屋に隠されていた魔石のようなもの……心当たり、ない?」
まさか、この街の誰かが俺の拾い物の噂を嗅ぎつけたわけではないだろう。けれど、あまりにもドンピシャなタイミングだ。
LUKが働いているのか、あるいはこの鉱石にまつわる何か大きな謎があるのかもしれない。俺は唾を飲み込みながら、小袋をギュッと握った。
女性はすでに俺の表情から何かを察したのか、目をキラリと光らせている。もしここで「あれ? そんなの知りません」なんて誤魔化しても、勘付かれるだけだろう。
果たして、この奇妙なオファーは好機か、それとも危険の始まりか――。一連の“運”を信じるなら、もしかしたら高値で売れる可能性もある。
迷いながらも、俺は意を決した。ここで逃げたり隠したりしても真相は分からないし、逆に怪しまれるだけかもしれない。
「……実は、心当たりがあるかもしれません。もし正式に買い取りたいなら、ちゃんとした鑑定とか値段交渉をしたいんですが……」
「もちろんよ。ありがとう、話が早くて助かるわ。じゃあ、さっそく確認させてもらってもいい?」
こうして俺は、その場で初対面の女性――魔術研究ギルドの使者らしき人――に鉱石を渡すことになった。ギルド職員も一緒に立ち会ってくれるようだが、果たしてどうなる?
ひょっとしたら、あの石はとんでもない価値を持っていて、一気に金持ちになれるかもしれないし、逆に曰くつきの危険物かもしれない。
鼓動が早まる胸を抑えつつ、俺は運命の扉が開く音を感じていた。LUK特化の俺にまた“奇跡”が舞い込むのか、それとも“厄介事”に巻き込まれるのか。
こうして、予定していた宝飾店訪問をすっ飛ばす形で、思わぬ“高額オファー”への道が開けてしまうことになるとは……。
装備を買ってホクホクしていた矢先、運命は予想以上の速さで動き出そうとしていた。
昨日は初めての冒険者ギルド登録、そして廃屋調査クエストまでこなし、夜遅くに宿へ飛び込むように到着。疲れていたから倒れ込むように眠ってしまったが、どうやら体力はしっかり回復したようだ。
「さて……今日はやることがいっぱいあるぞ」
布団をたたみ、身支度を整える。といっても、装備はまだ例の木の棒と、ルベル村でもらったローブくらい。さすがに初心者感が拭えないので、今日こそはちゃんとした武器や防具を手に入れたい。
さらに昨晩のクエスト“廃屋の調査”の報告もしなければならないし、問題の「謎の鉱石」が入った小袋も気になる。ギルドに鑑定できる人がいるか、それとも別の専門家を探すか……。
ひとまず、宿の一階にある食堂で軽い朝食をとり、街へ繰り出すことにした。パンとスープというシンプルなメニューだけど、昨夜は晩ご飯を抜いて眠ったせいか胃袋がキュウキュウ鳴っている。
カウンター越しに宿の女将さんが笑顔で「昨日はぐっすり休めたみたいだねぇ」と声をかけてくれたので、会釈して応えつつ、腹を満たしたら早々に出発だ。
◇
朝のベルガースは夜とはまた違った活気にあふれている。露店が開き始め、行商人たちが威勢よく呼び込みをしている。中央通りは人が多い分ゴチャゴチャしていて、初日よりは慣れたとはいえ若干戸惑ってしまう。
そんな人波をかき分けて、まずは冒険者ギルドへ直行。受付で廃屋調査のクエスト完了報告をし、報酬を受け取りたい。ついでに雑談の中で「石の鑑定」について聞いてみようと思った。
「おはようございます。昨日、廃屋の調査クエストを受けた黒井四葉ですけど……とりあえず一通り見てきました」
ギルドの受付に立ち寄り、昨日の女性職員を探すと、たまたま空いていたのかすぐに対応してくれた。俺がクエスト用紙を提示すると、彼女は手早くチェックを済ませ、にっこりと笑う。
「お疲れさまです。報告書によれば、ネズミが数匹住み着いていた可能性があるけど、追い払ったという解釈でいいんですよね?」
「そうですね。完全に駆除したとは言い難いんですが、とりあえず人が入れば当分は居づらいだろうし……依頼主さんに詳しい結果を伝えてもらえれば」
「わかりました。ではこのクエストは完了ですね。報酬は銅貨五枚ですが……こちらを受け取ってください」
彼女が差し出す封筒には、ちゃりんと軽い手触りの貨幣が入っている。あまり金額は大きくないけれど、初クエストとしてはこんなものだろう。何にせよ、これで冒険者としての第一歩を踏み出せた。
「ありがとうございます。あと、ひとつ相談があるんですけど……」
周囲にあまり人がいないタイミングを見計らって、俺はポケットから小袋を取り出した。昨晩、廃屋の床下でたまたま引っかかったやつだ。
受付の女性は首をかしげながらも興味深そうに覗き込む。
「それ、何ですか? 石……というより鉱石っぽいですね」
「はい。実は昨日の廃屋で見つけまして。でもクエストとは関係ないですし、誰の持ち物かも分からないんですよね。こういう場合、ギルドで鑑定とかしてもらえるんですか?」
「うーん、ギルドにも鑑定部門はあるにはありますが、モンスター素材や依頼品の判定が主で、こういう拾い物の審査はあまり受け付けていないかも……。でも、少し待っていただけますか? 同僚に詳しい子がいるので聞いてきますね」
そう言うと、彼女は一旦奥の部屋へ消えていった。しばらくして戻ってくると、残念そうに首を振る。
「ごめんなさい、やはりギルドとして正式な鑑定は難しいみたい。どうしてもって場合は、有料で専門の鑑定士を呼ぶ手段もあるんですが、ちょっと割高かもしれません」
まあ、そう簡単に事が運ぶわけもないか。鑑定にかかるコストと、もし大した価値がなかった場合のリスクを考えると、今のところ無理にお願いするのも微妙だ。
受付の女性は代案として、「街の東側にある商業区に大きめの宝飾店や鉱石専門店があるから、そこをあたってみては?」と教えてくれた。俺はそれに礼を言い、結局は自力で足を運ぶことになりそうだ。
「わかりました。じゃあまずは、装備を買い揃えてから、そのあとで宝飾店を探してみます。ありがとうございました」
「いえいえ。今日はどんなクエストを……あ、まずは装備探しですね。頑張ってくださいね!」
彼女はにこやかに手を振ってくれる。初めての街でも、こういう親切な職員さんがいるとちょっと安心だ。俺はギルドをあとにして、まずは「武器と防具」を手に入れるため、市場や鍛冶屋が多く集まるエリアを目指すことにした。
◇
地図を見ると、武具屋は中央から少し北西に寄った通りに集まっているらしい。実際に足を運ぶと、確かに小さな鍛冶工房や武器屋がいくつも軒を連ねていた。道端には鉄製の盾や剣が飾られていて、ここが冒険者にとって“装備街”なのは間違いない。
問題は、「種類が多くてどこに入ればいいか分からない」こと。 UGOをやっていたとき、俺はLUK補正が付いた武具や、ドロップ率が上がるレア装備を好んで探し回っていたが、現実ではそういうのが売られているかは不透明。
しかも予算にも限りがあるし、一件ずつ見て回るのは骨が折れそう……と思っていると、通りの中央で「武具買い取ります!」と書かれた看板が目に入る。買い取りをやっている店は、逆に言えば中古品の販売も扱っているはず。そこなら安めの装備が見つかるかもしれない。
「よし、入ってみるか」
扉を開くと、金属の焼けるような匂いがふわりと鼻をくすぐる。店内は少し薄暗いが、左壁には中古の剣や槍がズラリとかけられ、右壁には盾や鎧が並んでいる。一番奥にはカウンターがあり、がたいのいい中年の男が店主らしき姿で座っていた。
彼は俺をちらりと一瞥するなり、「いらっしゃい」と声をかけてくる。
「新顔だな。武器を探しているのか、防具を探しているのか。それとも、何か売りに来たのか?」
「買いたいんですけど……とりあえず剣か何かを……あと、予算も限られてて、初心者向けでそこそこ使いやすいものがあれば」
「ならこっちへ来い、片手剣が多いぞ。防具は……革鎧なら二十銀貨くらいからあるが、もう少し金出せるならまともなチェインメイルも売れるぞ」
二十銀貨……俺の今の手持ちを考えると、チェインメイルは厳しそうだ。せいぜい二十~三十銀貨程度が限度だろうか。靴や小物も合わせて揃えたいし、剣と同時に買ったらそれこそ一気に予算オーバーしかねない。
ため息をつきながら、剣の陳列棚に目を移す。初心者用の片手剣らしきものが何本も並んでいるが、どれも微妙に形やサイズが違う。店主は「握って試してみろ」といくつかピックアップしてくれた。
一方、右隅のほうを見ると、ひときわ装飾が派手な剣がケースに収められていて、値札の桁が明らかに違う。あれは初心者向けどころか、いわゆる高級品なのだろう。
(どうせ買えないからスルーしておこう……)
そう思った矢先、なぜかそちらへ目が吸い寄せられる。まるでゲームのレアドロップ武器みたいに光を放っているような気さえして、胸が軽く高鳴る。
――いや、焦るな。高級武具を買っても使いこなせなきゃ意味がないし、何より予算が足りない。今は普通の剣で十分だ……と自分に言い聞かせ、店主のすすめた一本を手に取った。
「よし、これは初心者が扱うには悪くない代物だ。昔ある冒険者が使っていたんだが、もう少し良い物に買い換えるってんで売りに来たんだ。刃こぼれは少しあるが、研げば問題ないさ」
店主が言うように、確かに握った感じも程よい重みで、初心者の俺には扱いやすそうだ。値段は十二銀貨――うん、手が出せる範囲。
続いて防具コーナーへ移動し、ざっと革鎧や簡易チェストプレートを見て回る。軽装タイプの鎧が欲しいが、そこそこの品質を求めると値段が上がるのが痛い。
結局、上半身に着られる革製ジャケットと、軽い防具が付いたズボン、そしてブーツを合わせて十八銀貨。剣とあわせると三十銀貨……正直ギリギリだが、まあ何とかなるか。
あと欲しいのは盾や頭防具だが、そこまで買うと予算オーバー確定。しばらくは無しでやってみよう。俺は財布から銀貨を数え、店主に差し出した。
「剣と、この革装備一式でお願いします。……うわ、結構な出費だな」
「若い冒険者は金がかかるんだよ。ま、そのぶんいい働きができるさ。――ところで、おまえさん、もしかして“あの”逸品にも興味があるか?」
店主がニヤリと笑って目配せした先には、さっきの派手な剣が飾られているガラスケース。俺は「いや、そんな金ありませんって」と即答したが、店主はシニカルな笑みを浮かべるだけ。
「はは、そりゃ分かってる。だが、あれには面白い噂があってな……。かつての持ち主が言うには、妙に“いいこと”を呼び寄せるとか。ま、おとぎ話かもしれんが」
(“いいことを呼び寄せる”……まさか、LUK補正のついた武器じゃあるまいな?)
少し胸が騒ぐが、どう考えても高級品なのは間違いないし、この店に飾られているだけで何百銀貨もするだろう。初心者の俺には到底手が届かない。
軽く喉を鳴らしつつ、「いつか買えるくらい稼いでみますよ」とジョークで返すと、店主は「はは、期待してるぜ」と肩をすくめて話を終わらせた。
「ま、とりあえず十分いい買い物をしたと思うよ。気が変わったらまた来な」
こうして俺は装備を手に入れ、今まで木の棒しかなかった貧相なスタイルから卒業できた。ちょっと金を使いすぎた感はあるが、これで戦闘力と防御力が大きく上がるなら妥当な投資だ。
店を出てから人通りの少ない路地で試しに剣を軽く振ってみると、そこまで重くはなく、風を切る音が小気味いい。革ジャケットも着てみたが、ローブよりは多少窮屈だが防御面では格段に安心だ。
「よーし、いい感じ。こいつで序盤のモンスターはバッサバサ斬れそうだな」
多少の浮ついた気持ちを噛み締めつつ、地図を再確認する。次は宝飾店あたりに行って、この鉱石の価値を判断してもらおう――と思った瞬間、路地の向こうから怪しげな声が聞こえてきた。
「うわ、ちょ、勝手にあさるな! 泥棒か!?」
人相の悪い若者が、道端に出ている荷車をゴソゴソ漁っているのを、持ち主らしきおじさんが発見して怒声を上げているようだ。若者は「ああ? ちょっと見てるだけだよ」とか言いながら、まるで開き直っている。
うわ、なんか揉め事に巻き込まれそう……こういうとき、普通の町人なら避けて通るんだろうが、ここは冒険者として何とかしたほうがいいのか?
「……まあ、見てるだけならいいけど、どう考えても手つっこんでるよな。危ないなあ」
一瞬迷ったが、俺は近くまで歩み寄り、小さく咳払いをしてみせる。
「すみません、そこの荷車はあなたのじゃないですよね? 勝手に触ったら通報されますよ」
すると若者は、不機嫌そうにこちらを睨んでくる。だが、俺が装備したばかりの剣と革鎧を目にすると、さすがに丸腰の相手に比べて分が悪いと感じたのか、「ちっ……」と舌打ちして荷車から手を離す。
「なんだよ、ちょっと探し物してただけだっての。……あー、こわ、冒険者きどりかよ」
悪態をつきながら、若者はスタスタと通りを去っていった。荷車の持ち主のおじさんは胸を撫で下ろし、「助かったよ、あんた。勇気あるねえ」と感激した様子。
「いえ、別に……新米冒険者なんで、目に入ったから声をかけただけです」
「いやいや、それでもありがたい。こんな路地で巻き上げられたら商売上がったりだ。あんたの剣、立派じゃないか」
おじさんは俺の剣をじっと見つめ、少し考え込むように唸る。どうやら目利きがある程度できるらしく、「中古かもしれんが鍛冶の良い仕事が見える」と評価してくれた。
ちょっとしたお礼なのか、おじさんは荷車の荷物から果物をひとつ取り出し、「これでも食ってくれ」と差し出してくれる。
「おいしそう……いいんですか?」
「まあ、ほんの気持ちだよ。こっちは多少怯まないと他人に声かけられんし、これで水に流してくれ」
そうして受け取った果物は、リンゴのような形ながら皮が薄緑色をしており、においも甘酸っぱそう。軽く齧ってみると、ジューシーな汁が口いっぱいに広がって、思わず顔をほころばせる。
これもある種の“運”かもしれない。装備を買ったばかりでテンションも上がっているところに、思わぬ拾い食い(?)までゲットできるとは。俺は「ありがとうございます!」と何度も頭を下げてから、その場を立ち去った。
◇
こうして街の中を移動するうち、予定より時間が経ってしまった。宝飾店に行くつもりだったが、ちょっと遅い昼ご飯も食べたいし、一旦メイン通りへ戻って何か手軽に腹ごしらえしてからにしよう……。
思いつつ中央通りへ向かおうとした矢先、肩をポンポンと叩かれる。振り返ると、ギルドの受付で見かけた男性職員が立っていた。
「あ、すみません、きみ……ええと、確か四葉くんだよね? ギルドでちょっと伝言が来てて、探してたんだ。声かけてもいいかな」
「え? 俺に伝言? だれからですか?」
聞き返すが、彼は「詳しい話はギルドで」と言葉を濁す。少し嫌な予感がするが、何の伝言だろう。まさか廃屋で拾った袋の持ち主が見つかって、弁償しろと言われるとか……?
多少ビクビクしながら、案内されるままギルドへ戻る。すると、受付カウンターにはさっきまでいなかった女性が立っており、俺を見つけるなり軽く手を振った。
「あ、あなたが四葉さんね。私はこの街の“魔術研究ギルド”に協力している者で、冒険者ギルドに問い合わせたら、あなたを探しているって聞いて……」
魔術研究ギルド? なんだその大層な響きは。 こちらは困惑していると、女性はニコリと微笑みながら用件を切り出してきた。
「実は、少し話を聞いたの。このあたりの廃屋を昨日調査した冒険者がいるって。それがあなたでしょう? もし何か“魔力を帯びた物”を発見していないか、確認したくって……」
魔力を帯びた物――ドキリとする。俺が廃屋で拾った謎の鉱石、あれがまさに魔力を宿していそうな見た目だった。
しかし、何の意図があってそんな問い合わせを? 俺が言葉に詰まっていると、女性はあくまで柔らかい口調で続ける。
「まぁ、何もなければそれでいいんだけど、もしそういう品があるなら、ぜひ私たちが買い取りたくって。廃屋に隠されていた魔石のようなもの……心当たり、ない?」
まさか、この街の誰かが俺の拾い物の噂を嗅ぎつけたわけではないだろう。けれど、あまりにもドンピシャなタイミングだ。
LUKが働いているのか、あるいはこの鉱石にまつわる何か大きな謎があるのかもしれない。俺は唾を飲み込みながら、小袋をギュッと握った。
女性はすでに俺の表情から何かを察したのか、目をキラリと光らせている。もしここで「あれ? そんなの知りません」なんて誤魔化しても、勘付かれるだけだろう。
果たして、この奇妙なオファーは好機か、それとも危険の始まりか――。一連の“運”を信じるなら、もしかしたら高値で売れる可能性もある。
迷いながらも、俺は意を決した。ここで逃げたり隠したりしても真相は分からないし、逆に怪しまれるだけかもしれない。
「……実は、心当たりがあるかもしれません。もし正式に買い取りたいなら、ちゃんとした鑑定とか値段交渉をしたいんですが……」
「もちろんよ。ありがとう、話が早くて助かるわ。じゃあ、さっそく確認させてもらってもいい?」
こうして俺は、その場で初対面の女性――魔術研究ギルドの使者らしき人――に鉱石を渡すことになった。ギルド職員も一緒に立ち会ってくれるようだが、果たしてどうなる?
ひょっとしたら、あの石はとんでもない価値を持っていて、一気に金持ちになれるかもしれないし、逆に曰くつきの危険物かもしれない。
鼓動が早まる胸を抑えつつ、俺は運命の扉が開く音を感じていた。LUK特化の俺にまた“奇跡”が舞い込むのか、それとも“厄介事”に巻き込まれるのか。
こうして、予定していた宝飾店訪問をすっ飛ばす形で、思わぬ“高額オファー”への道が開けてしまうことになるとは……。
装備を買ってホクホクしていた矢先、運命は予想以上の速さで動き出そうとしていた。
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処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
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──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
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「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
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アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
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※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
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【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
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