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出会い

第3話 面接で語る思い。

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 「なんで、クラスでいじめられてるの言わなかったの?」

 「言ったら自分が可哀想に思えてくるからいやや。自分は負けてるんと認めてるみたいで言いたくないねん。人気者やったお母さんに真城の気持ちなんか分かりっこないよ!」

 ウチはこの頃からや…お母さんが過保護すぎて時々嫌やなって感じることになったの。けど、お兄ちゃん達にいじられた時はいつもその時だけお母さんに甘えてた。調子良く抱きついて泣いてた…。それがウチのくせになっててん…。

 ウチ…最悪や…。ウチは何で…。

 「お母さんなんか大嫌い!死んじゃえばいいのに!」

 ウチは何で…っ。

 「何とか謝らなくちゃ、あれは言いすぎたもん、そだ!お母さんのパソコンでペイントソフトで手描きでごめんねって書いて開いた時に伝わるようにしとこっ!」

  なんですぐに……。

 「よしっ!でーきた!えへへ、お母さん帰ってきたらびっくりするやろなぁ~♫」

 すぐに…。

 プルルルル…

 「あ!おばさまだ!なんだろ~!これからお家来るとかかなっ!」

 …。

 『ましろちゃんっ!!!?今どこにいるの?!』

 「えへへ、おばさま~、ましろ、今お家ですよ~♬どしたんですか~?♬今日はぎょうざ(法座)じゃないですよ~!」

 『今から迎えにいくからっ早く病院行きましょう!!』

 「え~?なんで~?ましろどこも悪くないですよ~?」

 『…ましろちゃん、落ち着いて聞いてね…清美ちゃんが…お母さんが…』

 「…え…お母さんが車で…」

 …ウチは何で素直に ごめんね、ありがとう
って言えなかったの?

     「ひ…かれた…?」

 2010年3月24日16時28分…お母さんは息を引き取った。

 「いやぁぁぁぁぁっ…おかぁさぁぁぁぁんっ!!ましろいい子にするから、死んじゃいややぁぁぁぁっ!!!ましろっお母さんいないとっ心が破れそうだよぉぉぉ!!!!痛いよ!!!!!おかぁさぁぁぁぁん!!!!!」

    分かってる…自業自得だ…。ごめんねも、ありがとうも、素直に言えない…。自分が悪い…。

 「生き返るんでしょ?!生き返るんだよね?!やだ!!!ましろのお母さん返して!!!!時間戻って!!!そだ、ましろがよくお母さんにしてた呪文で、いたいのいたいの飛んでけー!…うそ…いつもこれで治ってたじゃん…も…う一回…もう一回するよ…?いたい…」

  「ましろ」

 「ジィジ…」

 「もう…お前の母さんは帰ってこない…。もういないんじゃ。わかっておくれ…」

 「やだ…いるもん!ここにいるもん!ジィジの嘘つき!お母さんも、ずっと一緒だよ言ってくれたのにっお母さんのうそつき!!みんな嫌い!!!」

 時間はもう戻らない…。お母さんもいない。そう…この時からだ…この時から大切な存在を作らないと誓ったのは…。

 「ろ…ましろっ!」

 「ん…?雄大兄ちゃん?」

 「いま…。」

 「何寝ぼけてるの?今日面接だよ?」

 面接…?あ…あ…?

 「…あー!!!!」

 「耳キィンってしたわ、至近距離で叫ばんといてくれ…て聞いてねぇし」

     制服着て、髪型整えて…うしっ!

 「面接用紙持ったと…行ってきまーす!!」

 ここから15分…間に合うかなぁ…。

 「間に合った…汗かいちった」

 面接緊張するなぁ…誰が面接するんだろう…。あの人だったら、どうしよう…。でも、顔さすがに覚えてない…よね。

 「いらっしゃいませ~」

 あ…女の人だ、声可愛い!しかも、まつ毛長くて身長小さくて目くりりんとしてて笑顔めっちゃいい!いいなぁ。見惚れちゃう。

 「あ、あの…」

 「あ、すいません!あのっ今日面接に来た中村です!」

 「はい、こんにちは!いきなりだけど、こっちの椅子座って、用紙書いてくれる?」

 「はい!分かりました!」

 記入するのは住所と身分詳細、シフトについてか…うん、いっぱい入れた方がいいね!

 「はい!かけました!」

 「ありがとう。じゃ、この店選んだ志望理由を言ってくれる?」

 「はい!私はこの店で以前からよく食事に来てて…店の雰囲気や店員さんの丁寧な接客を見て、大好きになって私もここの一店員として働きたいと思ったからです!」

 「分かりました!いっぱい入ってくれるのね、どこら辺から来たの?」

 「はい、地元です!ここから、15分くらいの」

 「そっか!」
 
 やっぱり綺麗。笑顔の素敵なお姉さん。美人な上にハキハキと喋ってて仕事出来そう…。

 「じゃ、面接はこれで終わります。合否はまた後ほど連絡致します」

 「ありがとうございました!」

 ふー、緊張したー!!!これで受かってるといいんだけど、あのお兄さんとお姉さんと一緒に働きたい!受かってますように!!!

 四日後…

 プルルルル…

 「ん?誰から?…あ!あの店だ!」

 「中村さんの携帯であっているかしら?」

 お姉さんの声じゃなくて…誰?おばあちゃんの声…?番号…やっぱりあのお店だ。

 「はい!中村です!」

 「先日の面接の件ですが」

 「はい!!」

 ドキドキ…

 「採用とさせていただきます。」

 やったー!!!うそ?!えっ、えっ!!!

 「中村さん?」

 「はい!すみません!服装…白いブラウスに黒いズボンですね!はい!揃えておきます!」

 ピッ…

 「やったぁぁぁぁっ!!!嬉しい!!!」

 すぐに指定された服買いに行こう!!!

 「雄大兄ちゃん!服買いに行ってくるね!!」

 「行ってらっしゃいー!」

 四日後…2016年11月23日

 ウィィィン…

 「あら、新人の中村さん、おはようございます。私は吉崎。今日からよろしくね。」

 ドキドキする…。でも、そうも言ってらんない。

 「おはようございます!今日から働く中村真城です!よろしくお願いします!」

 「いい笑顔ね」

 「ありがとうございます!」

 「あの…身長高い男の従業員さんは…」

 ウィィィン…

 「ほら、お客様来たわよ」

 あ、聞きそびれちゃった。でも、今日から頑張るんだ!ここの店員として!笑顔で!

 「いらっしゃいませー!」

               [続編へ続く]

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