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第一章 変わる日常
第2話 コイツらが何を言ってるのか分からない件
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「なあ知ってるか?この道を挟んだ向かいのショッピングセンター【キューブ ノースヒルズ】の付近、今位の夜の時間帯に出るらしいぜ」
北海道N町のとあるコンビニから出て来た二人の青年の一人が言う。
「よせよこんな冬の時期に、さらに寒くなるじゃないか」
買って来たばかりのホットの缶コーヒーを頬に当てながらもう一人が答える。
「違う違う!幽霊じゃなくて変質者、何でも真っ黒なウエディングドレスを着てこれまた真っ黒な日傘を持った片目に眼帯をした女!」
「そりゃあ片目だろうよ、両目に眼帯してたら何も見えないじゃん」
「茶化すなよ、結構ヤバイ話で襲われてケガした奴が何人か出たらしいんだ、それと…」
「マジかよ…」
最初は興味無さそうにしていた缶コーヒー男だったが急に不安になる。
「オレの帰り道がそっちなの知ってるだろ?勘弁しろよじゃあな!」
話を遮る様に駆け足で横断歩道を渡り、暫くして件のショッピングセンターの近くへと差し掛かった。
「脅かしやがって、何も出やしねえじゃないか!」
あんな話を聞いた後もあり必要以上にキョロキョロしてしまう。
そんな時背後に何かの気配を感じ、青年は振り向いてしまうがその眼前に…!
「御機嫌よう…わたくしと一緒に新しい世界の扉を開きません事?」
「くっ…黒いウエディングドレスの…わっ…うわああああああああああああ!!!」
辺りに青年の悲鳴がこだまするが冬の夜空に消え入り
地面に残された缶コーヒーはもう冷たくなっていた。
「アキラ…」
セーラー服を着て美少女と見まごうばかりのイツキが上気して恍惚とした瞳で僕を見つめている。
「実はオレ…ずっと前からアキラの事…」
いきなり飛び付かれ押し倒された僕の唇にイツキの唇が…
「アキラ…オレと一つになろう?」
「やめろおおおおおおお!!!僕にそっちの気は無いんだああああああ!!!」
ガバッと飛び起きた僕は慌てて周りを見回した…僕の部屋?
いつ部屋に?あれ?あれは夢?
「やっと目が覚めたかニャ?」
「ずっとオレがアキラを膝枕してやってたんだぞ感謝しろよ?」
イツキがニヤニヤしてこちらを見ている。
さっきの夢が思い出され僕は思い切り赤面しイツキの顔を直視出来なかった。
「なっなっ何て事してくれてんだよ!誰も頼んで無いだろ!男に膝枕されて嬉しい訳ないだろおおお!」
ガバッと起き上がる!照れ隠しもあり必要以上に声を張り上げてしまった!あ~もう訳解らん!
「突然気絶するアキラが悪いんだろ~それでさっきの話の続きなんだけどさ~」
華麗にスルーされた…もういいです…
「簡単に言うと家を追い出されて行く所が無いのでオレと師匠をアキラの家に置いてくれないか」
「いきなり言われてもな~」
僕の家は母さんが大家をしているアパート【いずみ荘】の賃貸収入で生活している。
確か三部屋位空き部屋が有った気がするけど…
そこにこんな格好の少女達(中は男)を住ませるのは…
「あら~いいじゃない~困った時は~お互い様でしょ~?」
この妙に間延びしたソプラノボイスは…母さん!
ウエーブの掛かったロングヘアに見るからに温厚そうな表情をたたえた笑顔
スタイルも良くアラフォー特有の色気を備えた身内贔屓を差し引いても美しい自慢の母さん。
「シノブママお久しぶりです!」
「まぁ~イツキ君~お久し振りね~元気してた~?あら~ちょっと見ない内に~可愛らしくなって~イメチェンしたの~?」
ちょっと所のイメチェンじゃないだろ!ってかイツキって分かるんだ…
「おうシノブ!元気だったかニャ?こうして会うのはいつ振りかニャ~」
「あら~カグラ様~かれこれ~18年位~経ちますわ~」
おい!これはさすがにツッコまざるを得ない。
「母さん!何でこのネコミミオヤジと知り合いなの?まっまさか…」
「ごめんね~アキラ~隠してて~実は母さん~アキラの~父さんなの~」
なあああああんてこったああああいいいいい?追い打ちで痛恨の一撃をくらった!
「アキラが~生まれてすぐに~母さんに~逃げられちゃったの~」
シノブ父さん(女装)から衝撃の告白が続く…
「でも~幼い子には母親が必要でしょ~?だから~カグラ様に弟子入りして~授けてもらったの~」
何を?背中に悪寒が走る…嫌な予感しかしない…
「女子力を高めて肉体の可能性を極限まで引き出し性別の境界すら超越する究極の技術…」
イツキが急に真剣な眼差しで語りだす、え?今何て?
「それをトランスアーツと言う、開祖のミコト様から伝授されワシが沢山の弟子に広めて来たのニャ!凄いニャろ?」
またしてもエッヘンと言いながらのけぞる。
もう…付いて行けません…そして僕は本日二度目の気絶をするのだった。
僕が起きた時にはイツキとロリオヤジはまるで何年も前から住んで居たかの様にウチのアパートに馴染んでいたのでした。
イツキ達も当然問題なのだが、僕としてはまず自分の母さんだと疑わなかった人物が実は父さんだったと言う意味不明な件に決着を付けておきたい。
「アキラちゃん~ごめんなさい~!」
いきなり正面からギュ~っと強く抱きしめられた。
巨乳と分類していい胸に挟まれて息が苦しい。
そもそもこの胸は本物なのか?
「ごめんなさい~ごめんなさい~!」
その言葉だけを延々と繰り返して僕を抱きしめ続ける父さん。
「はぁ…もういいよ父さん…いや母さん」
「許してくれるの~?」
「しかたないだろう?今更どうこう言っても始まらないもの」
「ありがとう~アキラちゃん~!」
更に力が籠る、ぐえ!苦しい。
ホント、許すしかないよな~この人なりに僕を愛してくれている訳だし
この人が母親として僕と接してくれた時間は紛れもない事実だからだ。
おっと!もう一つあったねハッキリさせなければならない事。
あのネコミミゴスロリオヤジが偉そうに言っていた
『トランスアーツ』なるあやしげな格闘術の事。
僕はあれが全ての諸悪の根源だと確信している。
明日は学校の三学期の始業式、寝坊する訳にはいかない。
今日はもう夜遅いから明日学校から帰ったら関係者に事情聴取だ。
北海道N町のとあるコンビニから出て来た二人の青年の一人が言う。
「よせよこんな冬の時期に、さらに寒くなるじゃないか」
買って来たばかりのホットの缶コーヒーを頬に当てながらもう一人が答える。
「違う違う!幽霊じゃなくて変質者、何でも真っ黒なウエディングドレスを着てこれまた真っ黒な日傘を持った片目に眼帯をした女!」
「そりゃあ片目だろうよ、両目に眼帯してたら何も見えないじゃん」
「茶化すなよ、結構ヤバイ話で襲われてケガした奴が何人か出たらしいんだ、それと…」
「マジかよ…」
最初は興味無さそうにしていた缶コーヒー男だったが急に不安になる。
「オレの帰り道がそっちなの知ってるだろ?勘弁しろよじゃあな!」
話を遮る様に駆け足で横断歩道を渡り、暫くして件のショッピングセンターの近くへと差し掛かった。
「脅かしやがって、何も出やしねえじゃないか!」
あんな話を聞いた後もあり必要以上にキョロキョロしてしまう。
そんな時背後に何かの気配を感じ、青年は振り向いてしまうがその眼前に…!
「御機嫌よう…わたくしと一緒に新しい世界の扉を開きません事?」
「くっ…黒いウエディングドレスの…わっ…うわああああああああああああ!!!」
辺りに青年の悲鳴がこだまするが冬の夜空に消え入り
地面に残された缶コーヒーはもう冷たくなっていた。
「アキラ…」
セーラー服を着て美少女と見まごうばかりのイツキが上気して恍惚とした瞳で僕を見つめている。
「実はオレ…ずっと前からアキラの事…」
いきなり飛び付かれ押し倒された僕の唇にイツキの唇が…
「アキラ…オレと一つになろう?」
「やめろおおおおおおお!!!僕にそっちの気は無いんだああああああ!!!」
ガバッと飛び起きた僕は慌てて周りを見回した…僕の部屋?
いつ部屋に?あれ?あれは夢?
「やっと目が覚めたかニャ?」
「ずっとオレがアキラを膝枕してやってたんだぞ感謝しろよ?」
イツキがニヤニヤしてこちらを見ている。
さっきの夢が思い出され僕は思い切り赤面しイツキの顔を直視出来なかった。
「なっなっ何て事してくれてんだよ!誰も頼んで無いだろ!男に膝枕されて嬉しい訳ないだろおおお!」
ガバッと起き上がる!照れ隠しもあり必要以上に声を張り上げてしまった!あ~もう訳解らん!
「突然気絶するアキラが悪いんだろ~それでさっきの話の続きなんだけどさ~」
華麗にスルーされた…もういいです…
「簡単に言うと家を追い出されて行く所が無いのでオレと師匠をアキラの家に置いてくれないか」
「いきなり言われてもな~」
僕の家は母さんが大家をしているアパート【いずみ荘】の賃貸収入で生活している。
確か三部屋位空き部屋が有った気がするけど…
そこにこんな格好の少女達(中は男)を住ませるのは…
「あら~いいじゃない~困った時は~お互い様でしょ~?」
この妙に間延びしたソプラノボイスは…母さん!
ウエーブの掛かったロングヘアに見るからに温厚そうな表情をたたえた笑顔
スタイルも良くアラフォー特有の色気を備えた身内贔屓を差し引いても美しい自慢の母さん。
「シノブママお久しぶりです!」
「まぁ~イツキ君~お久し振りね~元気してた~?あら~ちょっと見ない内に~可愛らしくなって~イメチェンしたの~?」
ちょっと所のイメチェンじゃないだろ!ってかイツキって分かるんだ…
「おうシノブ!元気だったかニャ?こうして会うのはいつ振りかニャ~」
「あら~カグラ様~かれこれ~18年位~経ちますわ~」
おい!これはさすがにツッコまざるを得ない。
「母さん!何でこのネコミミオヤジと知り合いなの?まっまさか…」
「ごめんね~アキラ~隠してて~実は母さん~アキラの~父さんなの~」
なあああああんてこったああああいいいいい?追い打ちで痛恨の一撃をくらった!
「アキラが~生まれてすぐに~母さんに~逃げられちゃったの~」
シノブ父さん(女装)から衝撃の告白が続く…
「でも~幼い子には母親が必要でしょ~?だから~カグラ様に弟子入りして~授けてもらったの~」
何を?背中に悪寒が走る…嫌な予感しかしない…
「女子力を高めて肉体の可能性を極限まで引き出し性別の境界すら超越する究極の技術…」
イツキが急に真剣な眼差しで語りだす、え?今何て?
「それをトランスアーツと言う、開祖のミコト様から伝授されワシが沢山の弟子に広めて来たのニャ!凄いニャろ?」
またしてもエッヘンと言いながらのけぞる。
もう…付いて行けません…そして僕は本日二度目の気絶をするのだった。
僕が起きた時にはイツキとロリオヤジはまるで何年も前から住んで居たかの様にウチのアパートに馴染んでいたのでした。
イツキ達も当然問題なのだが、僕としてはまず自分の母さんだと疑わなかった人物が実は父さんだったと言う意味不明な件に決着を付けておきたい。
「アキラちゃん~ごめんなさい~!」
いきなり正面からギュ~っと強く抱きしめられた。
巨乳と分類していい胸に挟まれて息が苦しい。
そもそもこの胸は本物なのか?
「ごめんなさい~ごめんなさい~!」
その言葉だけを延々と繰り返して僕を抱きしめ続ける父さん。
「はぁ…もういいよ父さん…いや母さん」
「許してくれるの~?」
「しかたないだろう?今更どうこう言っても始まらないもの」
「ありがとう~アキラちゃん~!」
更に力が籠る、ぐえ!苦しい。
ホント、許すしかないよな~この人なりに僕を愛してくれている訳だし
この人が母親として僕と接してくれた時間は紛れもない事実だからだ。
おっと!もう一つあったねハッキリさせなければならない事。
あのネコミミゴスロリオヤジが偉そうに言っていた
『トランスアーツ』なるあやしげな格闘術の事。
僕はあれが全ての諸悪の根源だと確信している。
明日は学校の三学期の始業式、寝坊する訳にはいかない。
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