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第1話 JK異世界に立つ
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「ねえねえ!! 帰りにタピオカミルクティー飲んでいかない!?」
元気に二本の三つ編みを元気に振り回して有田みかんが提案する。
天下の往来だというのに小学生の様にクルクル回りながら歩いていて実に危険だ。
これでも彼女は今を時めくJK(女子高生)なのだ…しかし精神年齢が些か低いのが玉にキズ。
「タピオカって…もう時代遅れじゃないのか?」
黒髪ロングの少しぶっきら棒な物言いの少女は青森林檎だ。
みかんと林檎は幼稚園からの腐れ縁で、高校に上がるまで一度たりともクラスが違った事が無い程だ。
子供っぽいみかんに対して林檎は年相応に、いやそれ以上に落ち着いており常にみかんの言動や行動にツッコミと注意を入れてきた…まるで漫才コンビの様だとクラスメイトにもからかわれている。
「ブ~~~~!! 林檎ちゃん、じゃあ何が流行ってるんだよ!!」
「それは………なあ、レモンなら知ってるんじゃないのか?」
「そうですね………今ならチーズティーじゃないでしょうか………」
林檎に話を振られた少女…瀬戸内レモンは即答する。
おかっぱ頭にアンダーリムの眼鏡をかけた大人しい子で、同級や下級の子にまで敬語で話してしまう程奥ゆかしい性格なのだが、とある事柄が切っ掛けで中学の時からみかんと林檎と行動を共にすることが多くなった。
まったく性格も個性もバラバラな三人であるが不思議と馬が合った。
今では仲良し三人組として周りから認知されている。
「チーズティー!? 何それ!! 何それ!?」
みかんが瞳をキラッキラに輝かせてレモンの話に食い付いた来た。
口元から既に涎が滴っていた。
「紅茶や緑茶、ウーロン茶などのお茶の上にフワフワに泡立てたチーズをトッピングした飲み物らしいですね………見た目はまるでビールの様なんですよ、私もテレビでしか見た事ないんですけど」
「それ飲みに行こう!! 今すぐに!!」
「馬鹿だな~みかん………そんな最先端の飲み物、この町にある訳ないじゃないか………最近やっとタピオカミルクティーが飲める店が出来たばかりなのに」
「馬鹿って言うな!! 馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぞ!!」
「はいはい………」
みかんの物言いを軽くあしらう林檎………毎度のこと過ぎていちいち相手してられないといった辟易とした表情だ。
「そうですね、みかんさんがおっしゃる通り都市部で流行っている物は地方都市まで伝播するのに時間がかかりますし、この町では難しいかと………」
「む~~~~分かった………」
アヒルの様に口を尖らすみかん。
「おい!! 何でレモンの言う事にはすぐ納得するんだよ!?」
「そりゃあ、林檎の言う事よりレモンちゃんの言う事の方がひんぴょうせい? ってのがあるし?」
「それを言うなら信憑性だ馬鹿みかん!! おまえ頭悪いんだから難しい言葉を無理して使うなよ!!」
「あ~~~~~っ!!! また馬鹿って言ったな!?」
ギャアギャアと言い争いを始めた二人。
「あの………ここで喧嘩をしては他の通行人の迷惑に………」
交互に二人の顔をキョロキョロと慌てた表情で見るレモン………しかしこれはいつもの事、他愛のない日常であった。
これからも彼女らが一緒なら少なくとも高校卒業まで続いたであろう………しかし日常は些細な事でいとも簡単に崩れ去るものだ。
「何でしょうこれ………」
レモンが足元に円形の模様を見つけた………円周は観た事も無い紋様で埋め尽くされており、円を含めて紋様全てが淡いピンク色に光を放っていた。
「あたしこれ知ってる!! ロープレとかに出てくる魔法陣って奴!!」
「ああ………言われてみれば似てるな」
魔法陣風の円を覗き込みみかんと林檎が頷き合う。
「ろーぷれ………ですか? ゲームの事はよく分からなくて………」
「レモンちゃんでも知らない事があるんだ~~~ あたしでも知ってるのに? ごはっ!?」
みかんのみぞおちに林檎の肘鉄が突き刺さる。
「まあそう落ち込むなレモン、そんな物知らなくても生きていける
お前の頭の中には難しい公式や一般教養がびっしりと入っているじゃないか
少なくともみかんの言う事は全く気にする事は無いぞ?
この打てば響く空っぽの頭の奴の言う事なぞ」
「うがーーーー!! 失礼な奴め!!」
林檎がみかんをヘッドロックに極め、頭をポンポンと叩く。
「はい………ありがとうございます
でも雑学も知っていれば楽しいものですよね………私、勉強します」
「はあ………レモン、あんたって子はどこまでいい子なんだ………」
林檎が額に手を当て目を瞑る………しかし反対側の腕はしっかりとみかんの頭を締め上げていた。
「痛い痛い!! ギブギブ!!」
あからさまに怪しいが、彼女たちはその魔法陣らしきものを引き続き観察することにした。
「読めん………」
林檎が顔をしかめる。
書かれている文字は何度見ても読む事は出来なかった………まったく未知の文字、もしくは適当に書かれたものの様な気さえしてくる。
「あっ!! 見てください二人共………中心部分、文字が変わります!!」
レモンの言う通り魔法陣の一番中心の円の中の文字が変化し始めた。
「これ、日本語じゃん………何々? 『んでみなよ』?」
「みかん!! 平仮名だけ読むんじゃないよ!!」
中心部分には日本語で『踏んでみなよ』と書いてあった。
「へっ………馬鹿な、『踏んでみなよ』だと? 誰がこんな怪しい誘いに乗るかってんだ」
「はい!! 足でドーーーーン!!」
こともあろうかみかんが魔法陣をしっかりと踏みしめているではないか。
「あっ!! 馬鹿!! 何で踏んだ!?」
「だって、踏んでみなよって書いてるじゃん!!」
「こいつ………ブチ転がしたい」
林檎が拳を握りしめプルプルと震える。
次の瞬間、眩い光を放ち魔法陣が一気に広がり彼女たち三人の足元をすっぽりと囲い込んでしまった。
魔法陣から光の柱が立ち昇った、みかん達三人の身体が徐々に空中に浮いて行く。
「ええっ!? 一体何が起こっているんです!?」
普段大きな声を出さないレモンが大声を上げてしまった。
それほど常軌を逸した事態だという事だ。
「ほほう………これはアレですな………」
みかんが顎に人差し指と親指を添えて不敵な笑みを浮かべる。
「何だよこんな時に!!」
「ほら、アニメやゲームによくありがちな奴!! あたしたちきっと異世界に行けるんだよ!!」
「何でお前はそんなに楽しそうなんだ………」
もともとおかしな奴だと思っていたがまさかここまでとは………林檎は呆れを通り越してあきらめの境地に入ってしまった。
林檎の瞳からは精気が失われていた。
次の瞬間、急激に上昇速度が増し三人は空の彼方へと吹き飛ばされてしまった。
「うわわわわわっ!!!」
「きゃあああっ!!!」
林檎とレモンは次々と悲鳴を上げる。
「うわああああああい!!! たーのしーーーーー!!!」
しかしただ一人、みかんだけは心からこの状況を楽しんでいた。
そして三人の意識は遠のいていった。
「起きろ!! 大丈夫かレモン!?」
「う…………ん」
肩を林檎に揺さぶられレモンは目を覚ます。
頬に冷たい感覚と青臭い匂い………どうやら自分は草原の芝生の上にうつ伏せに倒れている様だった。
身体を起こし、その場に座り直す。
「良かった………怪我は無いようだな」
「林檎さん、ここは………一体?」
「それはアタイも知りたいよ………何処なんだここは?」
頭を両手で挟み不安気な表情の林檎………知り合ってこの方、レモンは林檎がここまで取り乱している所を見た事が無かった。
改めて辺りを見回してレモンは目を疑った。
数多の空中に浮かぶ大小の土地、言うなれば空の浮島だろうか………その天面には芝生や花が茂っている物もある。
そして空には図鑑でも見た事が無い不思議な造形の鳥の様な生き物が飛び交っている。
いや中には明らかに魚と思しき個体も交じっており悠々と空を文字通り泳いでいた。
信じがたい光景にレモンはまだ自分が寝ぼけているのではとさえ思ったほどだ。
「やっぱりダメか………電話もかからなければメールも送れない」
林檎は駄目で元々とスマートフォンをいじったが、案の定使う事が出来なかった………そして深いため息をつく。
「あの………みかんさんは?」
「ああ、あの馬鹿、さっきから見当たらないんだよ………」
「そんな!?」
ただでさえ訳が分からない場所に放り出された上に友達であるみかんと離れてしまった………一気に不安と恐怖心がレモンに押し寄せ、身体の震えが止まらなくなった。
だがその時………。
「おーーーーーーい!!」
微かに聞き覚えのある声が聞こえる。
「あの声は………みかんさん!?」
「ああ、アタイにも聞こえるぜ………あの馬鹿、心配かけやがって!!」
段々とみかんの声が大きくなってくる、それと同時に地面が微かに揺れており、それが徐々に大きくなって来るではないか。
「ん? この揺れは………って!! みかん、何だそれ!?」
「ヤッホーーーー!! みんな元気ーーーー!?」
目の前に現れたみかんは見上げる程大きな猫の背に乗っていたのだ。
それは熊ほどの大きさの三毛猫!!
「可愛いでしょーーーー!! さっきそこで仲良くなったんだ~~~!!」
みかんは大きな猫にしがみ付き目いっぱい頬ずりをする。
猫の方も満更ではないらしく目を細め喉を鳴らしている。
「おいおい………馴染み過ぎだろうお前-----!! 心配して損したわ!!」
いち早く順応しているみかんを見て急に腹立たしくなった林檎は思わず大声で叫び声を上げた。
「良かった、みかんさんが無事で」
「エヘヘ~~ゴメンね~~~レモンちゃん」
「ムッキーーーーー!!!」
又してもレモンにだけ素直な態度を取るみかんに林檎の怒りは中々収まらなかった。
果たして三人が来てしまったこの場所は一体何処なのだろうか………。
元気に二本の三つ編みを元気に振り回して有田みかんが提案する。
天下の往来だというのに小学生の様にクルクル回りながら歩いていて実に危険だ。
これでも彼女は今を時めくJK(女子高生)なのだ…しかし精神年齢が些か低いのが玉にキズ。
「タピオカって…もう時代遅れじゃないのか?」
黒髪ロングの少しぶっきら棒な物言いの少女は青森林檎だ。
みかんと林檎は幼稚園からの腐れ縁で、高校に上がるまで一度たりともクラスが違った事が無い程だ。
子供っぽいみかんに対して林檎は年相応に、いやそれ以上に落ち着いており常にみかんの言動や行動にツッコミと注意を入れてきた…まるで漫才コンビの様だとクラスメイトにもからかわれている。
「ブ~~~~!! 林檎ちゃん、じゃあ何が流行ってるんだよ!!」
「それは………なあ、レモンなら知ってるんじゃないのか?」
「そうですね………今ならチーズティーじゃないでしょうか………」
林檎に話を振られた少女…瀬戸内レモンは即答する。
おかっぱ頭にアンダーリムの眼鏡をかけた大人しい子で、同級や下級の子にまで敬語で話してしまう程奥ゆかしい性格なのだが、とある事柄が切っ掛けで中学の時からみかんと林檎と行動を共にすることが多くなった。
まったく性格も個性もバラバラな三人であるが不思議と馬が合った。
今では仲良し三人組として周りから認知されている。
「チーズティー!? 何それ!! 何それ!?」
みかんが瞳をキラッキラに輝かせてレモンの話に食い付いた来た。
口元から既に涎が滴っていた。
「紅茶や緑茶、ウーロン茶などのお茶の上にフワフワに泡立てたチーズをトッピングした飲み物らしいですね………見た目はまるでビールの様なんですよ、私もテレビでしか見た事ないんですけど」
「それ飲みに行こう!! 今すぐに!!」
「馬鹿だな~みかん………そんな最先端の飲み物、この町にある訳ないじゃないか………最近やっとタピオカミルクティーが飲める店が出来たばかりなのに」
「馬鹿って言うな!! 馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぞ!!」
「はいはい………」
みかんの物言いを軽くあしらう林檎………毎度のこと過ぎていちいち相手してられないといった辟易とした表情だ。
「そうですね、みかんさんがおっしゃる通り都市部で流行っている物は地方都市まで伝播するのに時間がかかりますし、この町では難しいかと………」
「む~~~~分かった………」
アヒルの様に口を尖らすみかん。
「おい!! 何でレモンの言う事にはすぐ納得するんだよ!?」
「そりゃあ、林檎の言う事よりレモンちゃんの言う事の方がひんぴょうせい? ってのがあるし?」
「それを言うなら信憑性だ馬鹿みかん!! おまえ頭悪いんだから難しい言葉を無理して使うなよ!!」
「あ~~~~~っ!!! また馬鹿って言ったな!?」
ギャアギャアと言い争いを始めた二人。
「あの………ここで喧嘩をしては他の通行人の迷惑に………」
交互に二人の顔をキョロキョロと慌てた表情で見るレモン………しかしこれはいつもの事、他愛のない日常であった。
これからも彼女らが一緒なら少なくとも高校卒業まで続いたであろう………しかし日常は些細な事でいとも簡単に崩れ去るものだ。
「何でしょうこれ………」
レモンが足元に円形の模様を見つけた………円周は観た事も無い紋様で埋め尽くされており、円を含めて紋様全てが淡いピンク色に光を放っていた。
「あたしこれ知ってる!! ロープレとかに出てくる魔法陣って奴!!」
「ああ………言われてみれば似てるな」
魔法陣風の円を覗き込みみかんと林檎が頷き合う。
「ろーぷれ………ですか? ゲームの事はよく分からなくて………」
「レモンちゃんでも知らない事があるんだ~~~ あたしでも知ってるのに? ごはっ!?」
みかんのみぞおちに林檎の肘鉄が突き刺さる。
「まあそう落ち込むなレモン、そんな物知らなくても生きていける
お前の頭の中には難しい公式や一般教養がびっしりと入っているじゃないか
少なくともみかんの言う事は全く気にする事は無いぞ?
この打てば響く空っぽの頭の奴の言う事なぞ」
「うがーーーー!! 失礼な奴め!!」
林檎がみかんをヘッドロックに極め、頭をポンポンと叩く。
「はい………ありがとうございます
でも雑学も知っていれば楽しいものですよね………私、勉強します」
「はあ………レモン、あんたって子はどこまでいい子なんだ………」
林檎が額に手を当て目を瞑る………しかし反対側の腕はしっかりとみかんの頭を締め上げていた。
「痛い痛い!! ギブギブ!!」
あからさまに怪しいが、彼女たちはその魔法陣らしきものを引き続き観察することにした。
「読めん………」
林檎が顔をしかめる。
書かれている文字は何度見ても読む事は出来なかった………まったく未知の文字、もしくは適当に書かれたものの様な気さえしてくる。
「あっ!! 見てください二人共………中心部分、文字が変わります!!」
レモンの言う通り魔法陣の一番中心の円の中の文字が変化し始めた。
「これ、日本語じゃん………何々? 『んでみなよ』?」
「みかん!! 平仮名だけ読むんじゃないよ!!」
中心部分には日本語で『踏んでみなよ』と書いてあった。
「へっ………馬鹿な、『踏んでみなよ』だと? 誰がこんな怪しい誘いに乗るかってんだ」
「はい!! 足でドーーーーン!!」
こともあろうかみかんが魔法陣をしっかりと踏みしめているではないか。
「あっ!! 馬鹿!! 何で踏んだ!?」
「だって、踏んでみなよって書いてるじゃん!!」
「こいつ………ブチ転がしたい」
林檎が拳を握りしめプルプルと震える。
次の瞬間、眩い光を放ち魔法陣が一気に広がり彼女たち三人の足元をすっぽりと囲い込んでしまった。
魔法陣から光の柱が立ち昇った、みかん達三人の身体が徐々に空中に浮いて行く。
「ええっ!? 一体何が起こっているんです!?」
普段大きな声を出さないレモンが大声を上げてしまった。
それほど常軌を逸した事態だという事だ。
「ほほう………これはアレですな………」
みかんが顎に人差し指と親指を添えて不敵な笑みを浮かべる。
「何だよこんな時に!!」
「ほら、アニメやゲームによくありがちな奴!! あたしたちきっと異世界に行けるんだよ!!」
「何でお前はそんなに楽しそうなんだ………」
もともとおかしな奴だと思っていたがまさかここまでとは………林檎は呆れを通り越してあきらめの境地に入ってしまった。
林檎の瞳からは精気が失われていた。
次の瞬間、急激に上昇速度が増し三人は空の彼方へと吹き飛ばされてしまった。
「うわわわわわっ!!!」
「きゃあああっ!!!」
林檎とレモンは次々と悲鳴を上げる。
「うわああああああい!!! たーのしーーーーー!!!」
しかしただ一人、みかんだけは心からこの状況を楽しんでいた。
そして三人の意識は遠のいていった。
「起きろ!! 大丈夫かレモン!?」
「う…………ん」
肩を林檎に揺さぶられレモンは目を覚ます。
頬に冷たい感覚と青臭い匂い………どうやら自分は草原の芝生の上にうつ伏せに倒れている様だった。
身体を起こし、その場に座り直す。
「良かった………怪我は無いようだな」
「林檎さん、ここは………一体?」
「それはアタイも知りたいよ………何処なんだここは?」
頭を両手で挟み不安気な表情の林檎………知り合ってこの方、レモンは林檎がここまで取り乱している所を見た事が無かった。
改めて辺りを見回してレモンは目を疑った。
数多の空中に浮かぶ大小の土地、言うなれば空の浮島だろうか………その天面には芝生や花が茂っている物もある。
そして空には図鑑でも見た事が無い不思議な造形の鳥の様な生き物が飛び交っている。
いや中には明らかに魚と思しき個体も交じっており悠々と空を文字通り泳いでいた。
信じがたい光景にレモンはまだ自分が寝ぼけているのではとさえ思ったほどだ。
「やっぱりダメか………電話もかからなければメールも送れない」
林檎は駄目で元々とスマートフォンをいじったが、案の定使う事が出来なかった………そして深いため息をつく。
「あの………みかんさんは?」
「ああ、あの馬鹿、さっきから見当たらないんだよ………」
「そんな!?」
ただでさえ訳が分からない場所に放り出された上に友達であるみかんと離れてしまった………一気に不安と恐怖心がレモンに押し寄せ、身体の震えが止まらなくなった。
だがその時………。
「おーーーーーーい!!」
微かに聞き覚えのある声が聞こえる。
「あの声は………みかんさん!?」
「ああ、アタイにも聞こえるぜ………あの馬鹿、心配かけやがって!!」
段々とみかんの声が大きくなってくる、それと同時に地面が微かに揺れており、それが徐々に大きくなって来るではないか。
「ん? この揺れは………って!! みかん、何だそれ!?」
「ヤッホーーーー!! みんな元気ーーーー!?」
目の前に現れたみかんは見上げる程大きな猫の背に乗っていたのだ。
それは熊ほどの大きさの三毛猫!!
「可愛いでしょーーーー!! さっきそこで仲良くなったんだ~~~!!」
みかんは大きな猫にしがみ付き目いっぱい頬ずりをする。
猫の方も満更ではないらしく目を細め喉を鳴らしている。
「おいおい………馴染み過ぎだろうお前-----!! 心配して損したわ!!」
いち早く順応しているみかんを見て急に腹立たしくなった林檎は思わず大声で叫び声を上げた。
「良かった、みかんさんが無事で」
「エヘヘ~~ゴメンね~~~レモンちゃん」
「ムッキーーーーー!!!」
又してもレモンにだけ素直な態度を取るみかんに林檎の怒りは中々収まらなかった。
果たして三人が来てしまったこの場所は一体何処なのだろうか………。
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