異世界で俺はチーター

田中 歩

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{第六十三話} 25

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「ぐぬぬ...」
ここまでハンデがあるおじさんは、次に何をするのか。

「おじさん、打つ手あるの?」
さすがのおじさんも、打つ手無しかな?

「そろそろ、俺も本気を出しま~す!」
その一言を境に更におじさんの攻撃速度が増した。
心なしか、攻撃力も上がった気がする。

「おじさん?もうちょっと手を抜いてくれても良いんだぜ?」
このままだと非常にマズイ!
腕を覆っていたGOSにヒビが...

「結構硬いな...」
「でも、そろそろ壊せそうだなw」
マズイ~!
GOSが壊されたら、次にヒビが入るのはオレの骨なんだが...
さっきから「ピキピキ」「ピシピシ」「ミシミシ」「メキメキ」音が聞こえるんだが?
その中にオレの骨の音も混ざっているような...気のせいか!

「あ、ヤバ...」
GOSが砕け散る時が来た。
GOSは小さな粒上に細かく砕け散った。
強化ガラスかな?

「勝ったな」
おじさんが勝ちを確信した次の瞬間、腕をまたGOSが覆った。

「まだ、オレは負けねぇよ」

「上等だ!」
「そう言えば、お前の敗北条件を言ってなかったな」
「今から決めるか」
「じゃあ、お前が「参った」と言うか、ネラからのドクターストップのどちらかにしよう」
え?今決めるの?オレも敗北条件が決まってなかったの事を忘れていたのは事実だか...
まぁ、それでいいけど。

「今更そんな事決めても遅い」
「オレが勝つからな」
勝利への方程式はもう出来た!
と、少しカッコつけた所で...
GOSを自分を中心にフィールド全体に展開。
おじさんはGOSの壁に押し出され、フィールドの外へ。

「なん...だと...!?」
おじさんは壁を攻撃するが、ビクともしない。

「オラオラオラオラオラ...」
それでもおじさんは、壁を殴りつける。
低い声でオラオラ叫びながら。

「無駄無駄無駄無駄無駄...」
とりあえず、オレは無駄無駄と叫ぶ。

そんな状況が数十秒続くと壁が壊れ細かい粒状に砕け散った。

「無駄じゃ無かったみたいだ...な?!」
そんなおじさんがドヤろうとしたが二枚目の壁が現れた。
しかし、二枚目が現れただけならおじさんはそこまで驚かないだろう。
何故そんなおじさんが驚いたかと言うと、壁が今までの壁とは違ったからだろう。
どんなガラスかって?
「網入り強化防弾ガラス」た、多分...
喋り方を少しカッコつけてみたり...

「もう、さすがのおじさんでもフィールドには戻れないだろう?」
「オレの勝ちだ!」
あれ?修行の成果関係なくね?
まぁ、いっかw

「この試合、勝者はマスター」
オレ達の頭上で見ていたネラが、フィールドに下りてきた。

「おい、ちょっと待ってくれよ!」
「俺はまだ戦える、勝負は付いてない」
おじさんはネラに講義するが受け入れられず、オレの勝ちでこの試合は決着が付いた。

喜ぶオレをよそにネラとおじさんが会話している

「京一様、さすがに手を抜きすぎでは?」

「ん?まぁ、そうだなw」
「でも、あれ位がちょうどいいだろ?」
「急にレベルを高くするのはアイツの心を折るだけだし、順々に強くなっていけば良い」

「そうですね」

「だろ?」

「しかし、手を抜きすぎだったのは事実です」
「先ほどの京一様でしたら私でも倒せました」

「だろうなw」

「しかも、京一様のハンデの中の「魔法禁止」はハンデになってないですよね?」

「ああ、魔法を使わないのは俺の通常スタイルだからな」
「ちなみにこれ、昌には内緒な?」

「わかりました」
そんな会話をしている間に、フィールドは地面の高さまで下がった。

「敵を選んで戦う少年にはこの世界では居られない...」

「ん?何の話してるんだ?」
ふと、オレはおじさん達の会話の内容が気になった。

「ちょっと、ネラに手伝ってほしい事があって、その相談」
「さて、帝都に帰るか」
そう言うと、オレ達は宮殿のオレの部屋に飛んだ。

「つかれた~」
自分の部屋に着くやいなや、ベットに倒れこんだ。

「俺達は、やる事があるから」
「今日中に終わるとは思うが、多分遅くなる」
「それまでネラを借りていくぞ」
「お前は帝都観光でもしておけ」
おじさんはオレに小さな茶色い巾着をくれた。
大きさの割りに重く、中から金属音が聞こえる。
異世界でこれには何が入ってるかなんて、大体相場が決まっている。
お金だ。

「お、重さ的に結構入ってるぞ?これ?」
中を見ると金硬貨がギッチリ詰まっていた。
しかも、その金硬貨にはみな「10000」と書かれていた。
それが、こんなに沢山...この巾着一つでいくら入っているんだ?

「まぁ、ざっと25位は入っていると思うから、好きに使ってくれ」
「観光にはお金が必要だろ?」
「それに...」
おじさんは言いかけ途中でやめた。
もちろんその先は気になるが、おじさんがそこで止めたと言う事は何か意味があると思い、聞きはしなかった。

「なんで、そんなにおじさんはお金持ちなんだ?」
前から気になってはいたが聞くタイミングが無かったが、今がそのタイミングだ。

「あー、それはな...俺の仕事が関係しているんだが...」

「鉱山か?」
ワードンさんの話しにチラッと出てきたような気がする。

「まぁ、それもあるが...」
「色々やりすぎてて、何から説明したらいいかわからんw」
「今度、時間がある時にでもゆっくり話そう」
出た、今度。
今度っていつだよ、明日すらも明日じゃないのに。

「わかったよ、行ってら~」
おじさんに手を振るとおじさんの足元に魔法陣が現れ、どこかへ行ってしまった。

「どうすっかな~」
オレはおじさんに渡された茶色い巾着を見つめる。
「25」っておじさんは言ってたけど「25万」って事だろ?
どうすんだよ、この大金。
異世界に来て間もないオレにはこの世界でのお金の使い道なんてわかんないぞ?

「帝都を見て回るんですか?」
突然、ミイが目の前に現れた。

「おお!」
なんか、ミイを見るのが久振りな気がするが、気のせいだろう。

「私も一緒に行きたいです」
なんて無邪気な笑顔だろうか。
そんな笑顔でオレの前を綺麗な透き通るような羽を生やした小さな女の子が飛び回ってるんだぞ?
断れるわけ無いだろ!
守りたい、この笑顔...

「そうだな、一緒に行くか?」

「はい!」
オレはミイを方に乗せ、部屋を後にした。
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