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{第百十八話} 次のプランへ
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会場の真ん中で余韻に浸り尽くした昌はようやく、会場のフィールドから出る。
ベックからリツカが呼んでいる事を聞かされ、リツカ達が居るvipエリアまで向かった。
大会が行われている最中はvipエリア入り口に男が立っていたが、大会が終わったからか、男の
姿はなく、昌達は普通にvipエリアに入る事が出来た。
そこで待っていた、エイムとソアリンは当然の事ながら優勝した昌を祝福した。
「昌!」
「データを渡した甲斐があったぜ。お前にはこんなところで負けてもらっては困るからな」
昌が目に入るなり、二人は席から立ち上がり、昌の元へ近づいてきた。
「二人のおかげで優勝できました」
「いや、俺達はあくまでサポートしたに過ぎない。それを生かすも殺すも最後はお前次第だった。つまり昌、お前の実力だ」
「ありがとうございます。実はおじさんの居場所に関する重要な情報と思われる物を手に入れたんですが」
昌のその言葉を聞くと、二人は目の色が変わった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「さて、次はどうされるおつもりですか。アルキメデス先生」
モニター越しに大会の一部始終を見ていたガウスは笑みを浮かべた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アルキメデスは自室の窓の外に広がる地平線に沈み始めた太陽に赤く照らされる街をまじまじと見ていた。
そこへ、血相を変えて部下の一人が掛けんで来る。
「先生、失礼します!」
「なんだ」
「あ、あの。お孫さんが...」
部下は出入口の扉の前に立ち、とても言いずらそうに大会の結果を口にしようとして瞬間、アルキメデスの元へ一本の通信魔法が入ってくる。
アルキメデスは部下の口を止めると、通信魔法に応答した。
「私だ」
「おじいさま、ブラッドです」
「負けたか」
「はい」
「自分自身が持つ力を過信しすぎたな」
「申し訳ありません」
「それで」
「彼に「菊田京一」の居場所を伝えました」
「そうか」
そういうと通信魔法を切断し、扉の前で待たせている部下に命令を下した。
「モアブル、次のプランに移行する」
「は、はい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
会場から出た昌達はブルーキャッツでコーヒーを片手に集まっていた。
「ブラッド・アルキメデスは「135.975」を「昌が欲しがっていた情報」と言ったのか」
「はい」
「となると、京一の居場所を示す物と考えて間違いないと思うが、もしそうだとすれば、この数字の羅列は座標だろう」
昌から聞いた数字の羅列を座標をにらんだソアリンは自身の端末を使って調べていると、ソアリンの手が止まった。
「まさか、そのポイントは」
「ああ、そのまさか「ノエル・アルキメデス」ヤツの屋敷だ」
察しがついたエイムと昌達にその座標を示した地図を映る端末のモニターを見せる。
「誰なんですか、それは」
この異世界の人間ではない昌が知る由もない為、ソアリンがアルキメデスが映った写真を見せるがいまいちピンと来ない。
「説明します。ノエル・アルキメデスはこの帝国の議員の一人で、その中でも医療福祉を管轄する大臣です。また、アルキメデス財閥のトップであり、先日潜入したオイラーも財閥傘下の企業の一つです。そして、ブラッド・アルキメデスはノエル・アルキメデスの孫です。ここまでくれば気づいたかもしれませんが、ルキャメラの黒幕です」
ネラの説明により、昌もアルキメデスについてある程度の情報を得た。
「そこまでわかっているなら何故?」
「そんな簡単な話ではない。ヤツの手下はこの国の色々な所に潜んでいる。もちろん京一が管理している組織にもだ。下手に動けば、こちらが危ない」
「そうでした」
昌達は苦虫をかみつぶした様な表情をしていた。
「助けに行きましょ、京一の場所が判明したんだから」
「だが、アルキメデスの屋敷に京一が捕らわれているとなると」
うつむく昌にネイが助けに行く意思を見せるが、ソアリンが現実を付く付け、そこにエイムも重ねる。
「助け出すのは難しいだろう。アルキメデスはこの国の役人だ、この前の工場に潜入した時の様にはいかないだろう」
そんなことはこの場の全員が知っている。
せっかく情報を手に入れた昌達だったが、その情報を使えそうにない。
そこへ、一人の女性が店内に入ってくる。
「手伝わせてもらえないかしら」
「あなたは、あの時の」
入ってきた女性こそ、昌にGOSを渡して来た女性だった。
「アルキメデス邸の設計図なら私が持っているわ」
そい言う彼女の手には丸められ筒状になった紙の束を数十枚持っていた。
「リゼ...?!」
「久しぶりね、昌くん」
「は、はい」
驚きを隠せないソアリンを他所にリゼは昌の無事を確認する。
「今まで何処で何をしていたんだ」
「ごめんなさい、私も自身の無事を知らせたかった、でも」
「追われていたのか」
「ええ、貴方たちに連絡する事で危害が及ぶ可能性があったの」
普通に会話をしているエイムとリゼを見て昌は疑問に思う。
「あの、知り合いなんですか?」
「ああ」
「私は「リゼ・ニーチ」京一の仲間だったの」
「おじさんの仲間?」
「だから、京一を救出するためにこれを使って」
リゼは手に持った丸めた紙の束を差し出した。
「アルキメデス邸の設計図面よ」
紙の束を広げると、たしかに建築図面が書かれており、右下には「平面図」や「断面図」と書かれており、縮尺は「1/100」でご丁寧に設計士の名前と建築事務所の名前が書かれているだけではなく、それぞれの登録番号まで記されていた。
「よく手に入ったな」
「アルキメデス邸を設計した建築事務所に潜入して映してきたの。潜入に使えるルートが見つかるかもしれない。これを詳しく解析できる場所があればいいのだけれど」
「それなら京一様にこういった場合に使用許可を私達の権限で出せる場所があります。案内します」
昌達は途中から合流したベックとその手下三人に何故か当たり前の様に居る情報屋を連れてネラに連れられるまま何処に向う。
向かう最中にこれまでの話の流れを先ほどまでいなかったベック達に一通り説明すると、エイムは口を開いた。
「ここまで来たんだから話してもいいだろう」
エイム、ソアリン、エリゼの三人は顔を見合わせうなずいた。
ベックからリツカが呼んでいる事を聞かされ、リツカ達が居るvipエリアまで向かった。
大会が行われている最中はvipエリア入り口に男が立っていたが、大会が終わったからか、男の
姿はなく、昌達は普通にvipエリアに入る事が出来た。
そこで待っていた、エイムとソアリンは当然の事ながら優勝した昌を祝福した。
「昌!」
「データを渡した甲斐があったぜ。お前にはこんなところで負けてもらっては困るからな」
昌が目に入るなり、二人は席から立ち上がり、昌の元へ近づいてきた。
「二人のおかげで優勝できました」
「いや、俺達はあくまでサポートしたに過ぎない。それを生かすも殺すも最後はお前次第だった。つまり昌、お前の実力だ」
「ありがとうございます。実はおじさんの居場所に関する重要な情報と思われる物を手に入れたんですが」
昌のその言葉を聞くと、二人は目の色が変わった。
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「さて、次はどうされるおつもりですか。アルキメデス先生」
モニター越しに大会の一部始終を見ていたガウスは笑みを浮かべた。
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アルキメデスは自室の窓の外に広がる地平線に沈み始めた太陽に赤く照らされる街をまじまじと見ていた。
そこへ、血相を変えて部下の一人が掛けんで来る。
「先生、失礼します!」
「なんだ」
「あ、あの。お孫さんが...」
部下は出入口の扉の前に立ち、とても言いずらそうに大会の結果を口にしようとして瞬間、アルキメデスの元へ一本の通信魔法が入ってくる。
アルキメデスは部下の口を止めると、通信魔法に応答した。
「私だ」
「おじいさま、ブラッドです」
「負けたか」
「はい」
「自分自身が持つ力を過信しすぎたな」
「申し訳ありません」
「それで」
「彼に「菊田京一」の居場所を伝えました」
「そうか」
そういうと通信魔法を切断し、扉の前で待たせている部下に命令を下した。
「モアブル、次のプランに移行する」
「は、はい!」
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会場から出た昌達はブルーキャッツでコーヒーを片手に集まっていた。
「ブラッド・アルキメデスは「135.975」を「昌が欲しがっていた情報」と言ったのか」
「はい」
「となると、京一の居場所を示す物と考えて間違いないと思うが、もしそうだとすれば、この数字の羅列は座標だろう」
昌から聞いた数字の羅列を座標をにらんだソアリンは自身の端末を使って調べていると、ソアリンの手が止まった。
「まさか、そのポイントは」
「ああ、そのまさか「ノエル・アルキメデス」ヤツの屋敷だ」
察しがついたエイムと昌達にその座標を示した地図を映る端末のモニターを見せる。
「誰なんですか、それは」
この異世界の人間ではない昌が知る由もない為、ソアリンがアルキメデスが映った写真を見せるがいまいちピンと来ない。
「説明します。ノエル・アルキメデスはこの帝国の議員の一人で、その中でも医療福祉を管轄する大臣です。また、アルキメデス財閥のトップであり、先日潜入したオイラーも財閥傘下の企業の一つです。そして、ブラッド・アルキメデスはノエル・アルキメデスの孫です。ここまでくれば気づいたかもしれませんが、ルキャメラの黒幕です」
ネラの説明により、昌もアルキメデスについてある程度の情報を得た。
「そこまでわかっているなら何故?」
「そんな簡単な話ではない。ヤツの手下はこの国の色々な所に潜んでいる。もちろん京一が管理している組織にもだ。下手に動けば、こちらが危ない」
「そうでした」
昌達は苦虫をかみつぶした様な表情をしていた。
「助けに行きましょ、京一の場所が判明したんだから」
「だが、アルキメデスの屋敷に京一が捕らわれているとなると」
うつむく昌にネイが助けに行く意思を見せるが、ソアリンが現実を付く付け、そこにエイムも重ねる。
「助け出すのは難しいだろう。アルキメデスはこの国の役人だ、この前の工場に潜入した時の様にはいかないだろう」
そんなことはこの場の全員が知っている。
せっかく情報を手に入れた昌達だったが、その情報を使えそうにない。
そこへ、一人の女性が店内に入ってくる。
「手伝わせてもらえないかしら」
「あなたは、あの時の」
入ってきた女性こそ、昌にGOSを渡して来た女性だった。
「アルキメデス邸の設計図なら私が持っているわ」
そい言う彼女の手には丸められ筒状になった紙の束を数十枚持っていた。
「リゼ...?!」
「久しぶりね、昌くん」
「は、はい」
驚きを隠せないソアリンを他所にリゼは昌の無事を確認する。
「今まで何処で何をしていたんだ」
「ごめんなさい、私も自身の無事を知らせたかった、でも」
「追われていたのか」
「ええ、貴方たちに連絡する事で危害が及ぶ可能性があったの」
普通に会話をしているエイムとリゼを見て昌は疑問に思う。
「あの、知り合いなんですか?」
「ああ」
「私は「リゼ・ニーチ」京一の仲間だったの」
「おじさんの仲間?」
「だから、京一を救出するためにこれを使って」
リゼは手に持った丸めた紙の束を差し出した。
「アルキメデス邸の設計図面よ」
紙の束を広げると、たしかに建築図面が書かれており、右下には「平面図」や「断面図」と書かれており、縮尺は「1/100」でご丁寧に設計士の名前と建築事務所の名前が書かれているだけではなく、それぞれの登録番号まで記されていた。
「よく手に入ったな」
「アルキメデス邸を設計した建築事務所に潜入して映してきたの。潜入に使えるルートが見つかるかもしれない。これを詳しく解析できる場所があればいいのだけれど」
「それなら京一様にこういった場合に使用許可を私達の権限で出せる場所があります。案内します」
昌達は途中から合流したベックとその手下三人に何故か当たり前の様に居る情報屋を連れてネラに連れられるまま何処に向う。
向かう最中にこれまでの話の流れを先ほどまでいなかったベック達に一通り説明すると、エイムは口を開いた。
「ここまで来たんだから話してもいいだろう」
エイム、ソアリン、エリゼの三人は顔を見合わせうなずいた。
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