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7.女神様の代理人
波乱
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警護隊と貧民達との衝突。
警護隊は、やはり『黒き聖女』を使徒モルドと同様の存在とみたいです。活動情報を元に貧民窟に入り、回復魔法を受けた貧民達と押し問答になったんです。
聞いた限りでは凄い高圧的で私でもカチンときちゃうくらい。
事態収集の為王宮に戻ったルーク様は、警護隊本部に強権を発動し無理矢理介入しました。
そして私は、カイルとチェレンと一緒に貧民窟へ入りました。
今回、敢えて動きやすいとは言え、貴族然とした格好しています。
「お嬢!良かったんですか? いつもの冒険者風の方が」
「ダメ。貴族が分からず屋ばっかじゃないってしっかり示さないと」
「お嬢様、王宮が間違っていると声高々に叫ぶ訳です。お立場的に不味いかもしれませんが?」
チェレンの懸念は判る。
警護隊は、王宮の、執行部の命で動いてるのだから私のすることはそれに異を唱える行為。公爵家、しかも王太子の婚約者がとってしまえば、王宮の面目丸潰れです。
「だから何? 私が気にすると思う?」
「いいえ。でも一言喚起するのが役目です」
「まさか!それでこそお嬢!」
うん、カイルもチェレンも迷惑かけてるのわかってるけど、ごめんなさい! 私、変わらない!変われない!!
奥に進むと踞ってる少年一人。
同じくらいの歳かな?
「大丈夫?ケガしてない?」
こっちを見上げる少年。彼の前に座り込み回復魔法を唱える。
「え?あ…。まさか!『白き聖女』様?」
「うん、私、リスティア=ミリュー」
「な、なんで?」
「まずは、手当。で謝罪かな?」
少年はもちろん回りの人達も驚いています。
「し、謝罪? あんたが? だって!?」
「うん、公爵令嬢で王太子殿下の婚約者。だからこそ警護隊の、王宮の間違いを謝りたいの。私の謝罪だけじゃ足らないかもだけど」
回り、平伏してる?え?ちょ?
「滅相もございません!謝罪どころか、こんなところまで出向く貴族様なんておりません!」
「そうです。そのお心遣いだけで充分でございます」
「キズ治りました。もう痛くねえです。あの、ありがとうです!聖女様」
慌てて、ちょっぴり笑顔で礼を言う少年。
「あ、待って。あなた、名前は?」
「ないです!オレ、産まれた時からここで『そこのガキ』としか言われてねぇから」
困惑する私に回りが教えてくれました。
「ここはそんなのばかりです。産まれた日付でよばれてるのもいます 」
「そんな…、うん、ねえ、何か好きなものある?」
訝しく感じながら少年は、
「シール。その、こないだ『聖女』様のシール拾って。こんな人が、オレらの味方なってるって」
「?」
「お嬢!のグッズ、あるんです」
「王宮と公爵家で共同制作、販売しているのです。大人気商品なのですがお嬢様に知られないよう奥様から言われてまして」
お母様?ナ!ニ!し!て!る!の⁉︎
「ま、お嬢!国中大人気なんですよ。良かったじゃないっすか!」
お母様とじっくり話し合う必要がありそうです。
「ドーンと来いって勇気わくやつなんすよ、お嬢!そうだ!こいつの名前、ドウン=シールで」
「カイル?『アトミック・サンダー』耐えられるか、やってみる?雷撃Lv7に挑戦!」
「まぢ死ぬ!チリも残んないっす」
「いいっす!オレの名前っすよね。ドウン=シール。ハハッ!名前が出来た!」
あのね…。笑うしかない状況の中、空気読めない奴がやって来る!
「おい!そこのガキ!隊長がお呼びだ。警護隊本部へ来い!」
警護隊の人間が三名。ホント高圧的!
「オレが何したって?」
「来れば判る。とっとと『黒い女』の居場所を言えばいいんだ」
「待って!彼が知ってる?隠してると警護隊は判断したのですか?」
私、立ち上がって聞きました。
「ああ?」
「本部には王太子殿下が入ってるはずですが、殿下はその様な事言われないと思いますが!」
警護隊の方の顔色が変わりました。
どうやら私に気付いたようです。
「あ、あなたは?」
「こちらにいらっしゃるのはミリュー公爵令嬢リスティア様です。お嬢様の質問にお答えいただきたいですね。どうなのですか?」
チェレンが間髪いれず詰める!流石‼︎
「いえ、殿下は何も仰有っておりません。ですが『黒い女』は人心を惑わしており、また使徒モルドとも繋がっておるやもしれず我らとしても…」
「帰って本部に伝えてください。この件、私が預かります!」
「な、これは警護隊の領分です。失礼ながら…」
「私に任せてほしいんです」
「で、ですが…」
「お父様…、元帥には私から申し開きします。お願いします」
警護隊も王国軍の一組織。お父様の指揮下のはず。
「貴女の為されている事は王国に反する事かもしれませんがよろしいのですか?それこそお父上や王太子殿下にご迷惑を…」
「分かっています。だから下がりなさい!」
子供とみてどこかで見下してますよね!私、遠慮しませんよ!
睨みつける私にやや怯えが見え出しました。
帰っていく警護兵に少年も心配そう。
「いいの?オレのせいで…」
「私、ああいう大人、大嫌いなんだ。いいの!お父様やルーク様に迷惑かけると思うけど。私、自分が納得する方に動くんだ」
「王国と喧嘩しても、ですよね。困った暴君です」
「いつも、お嬢!に巻き込まれるんです」
ちょ? チェレン? カイル?
フフ、ありがとう。そしてごめんね。
王太子の婚約者たる公爵令嬢が王宮と喧嘩した。
『黒き聖女』は、別の意味でも一波乱起こしたのでした。
警護隊は、やはり『黒き聖女』を使徒モルドと同様の存在とみたいです。活動情報を元に貧民窟に入り、回復魔法を受けた貧民達と押し問答になったんです。
聞いた限りでは凄い高圧的で私でもカチンときちゃうくらい。
事態収集の為王宮に戻ったルーク様は、警護隊本部に強権を発動し無理矢理介入しました。
そして私は、カイルとチェレンと一緒に貧民窟へ入りました。
今回、敢えて動きやすいとは言え、貴族然とした格好しています。
「お嬢!良かったんですか? いつもの冒険者風の方が」
「ダメ。貴族が分からず屋ばっかじゃないってしっかり示さないと」
「お嬢様、王宮が間違っていると声高々に叫ぶ訳です。お立場的に不味いかもしれませんが?」
チェレンの懸念は判る。
警護隊は、王宮の、執行部の命で動いてるのだから私のすることはそれに異を唱える行為。公爵家、しかも王太子の婚約者がとってしまえば、王宮の面目丸潰れです。
「だから何? 私が気にすると思う?」
「いいえ。でも一言喚起するのが役目です」
「まさか!それでこそお嬢!」
うん、カイルもチェレンも迷惑かけてるのわかってるけど、ごめんなさい! 私、変わらない!変われない!!
奥に進むと踞ってる少年一人。
同じくらいの歳かな?
「大丈夫?ケガしてない?」
こっちを見上げる少年。彼の前に座り込み回復魔法を唱える。
「え?あ…。まさか!『白き聖女』様?」
「うん、私、リスティア=ミリュー」
「な、なんで?」
「まずは、手当。で謝罪かな?」
少年はもちろん回りの人達も驚いています。
「し、謝罪? あんたが? だって!?」
「うん、公爵令嬢で王太子殿下の婚約者。だからこそ警護隊の、王宮の間違いを謝りたいの。私の謝罪だけじゃ足らないかもだけど」
回り、平伏してる?え?ちょ?
「滅相もございません!謝罪どころか、こんなところまで出向く貴族様なんておりません!」
「そうです。そのお心遣いだけで充分でございます」
「キズ治りました。もう痛くねえです。あの、ありがとうです!聖女様」
慌てて、ちょっぴり笑顔で礼を言う少年。
「あ、待って。あなた、名前は?」
「ないです!オレ、産まれた時からここで『そこのガキ』としか言われてねぇから」
困惑する私に回りが教えてくれました。
「ここはそんなのばかりです。産まれた日付でよばれてるのもいます 」
「そんな…、うん、ねえ、何か好きなものある?」
訝しく感じながら少年は、
「シール。その、こないだ『聖女』様のシール拾って。こんな人が、オレらの味方なってるって」
「?」
「お嬢!のグッズ、あるんです」
「王宮と公爵家で共同制作、販売しているのです。大人気商品なのですがお嬢様に知られないよう奥様から言われてまして」
お母様?ナ!ニ!し!て!る!の⁉︎
「ま、お嬢!国中大人気なんですよ。良かったじゃないっすか!」
お母様とじっくり話し合う必要がありそうです。
「ドーンと来いって勇気わくやつなんすよ、お嬢!そうだ!こいつの名前、ドウン=シールで」
「カイル?『アトミック・サンダー』耐えられるか、やってみる?雷撃Lv7に挑戦!」
「まぢ死ぬ!チリも残んないっす」
「いいっす!オレの名前っすよね。ドウン=シール。ハハッ!名前が出来た!」
あのね…。笑うしかない状況の中、空気読めない奴がやって来る!
「おい!そこのガキ!隊長がお呼びだ。警護隊本部へ来い!」
警護隊の人間が三名。ホント高圧的!
「オレが何したって?」
「来れば判る。とっとと『黒い女』の居場所を言えばいいんだ」
「待って!彼が知ってる?隠してると警護隊は判断したのですか?」
私、立ち上がって聞きました。
「ああ?」
「本部には王太子殿下が入ってるはずですが、殿下はその様な事言われないと思いますが!」
警護隊の方の顔色が変わりました。
どうやら私に気付いたようです。
「あ、あなたは?」
「こちらにいらっしゃるのはミリュー公爵令嬢リスティア様です。お嬢様の質問にお答えいただきたいですね。どうなのですか?」
チェレンが間髪いれず詰める!流石‼︎
「いえ、殿下は何も仰有っておりません。ですが『黒い女』は人心を惑わしており、また使徒モルドとも繋がっておるやもしれず我らとしても…」
「帰って本部に伝えてください。この件、私が預かります!」
「な、これは警護隊の領分です。失礼ながら…」
「私に任せてほしいんです」
「で、ですが…」
「お父様…、元帥には私から申し開きします。お願いします」
警護隊も王国軍の一組織。お父様の指揮下のはず。
「貴女の為されている事は王国に反する事かもしれませんがよろしいのですか?それこそお父上や王太子殿下にご迷惑を…」
「分かっています。だから下がりなさい!」
子供とみてどこかで見下してますよね!私、遠慮しませんよ!
睨みつける私にやや怯えが見え出しました。
帰っていく警護兵に少年も心配そう。
「いいの?オレのせいで…」
「私、ああいう大人、大嫌いなんだ。いいの!お父様やルーク様に迷惑かけると思うけど。私、自分が納得する方に動くんだ」
「王国と喧嘩しても、ですよね。困った暴君です」
「いつも、お嬢!に巻き込まれるんです」
ちょ? チェレン? カイル?
フフ、ありがとう。そしてごめんね。
王太子の婚約者たる公爵令嬢が王宮と喧嘩した。
『黒き聖女』は、別の意味でも一波乱起こしたのでした。
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