57 / 90
9.神竜伝説の始まり
反対
しおりを挟む
後に『竜の災厄』と呼ばれた騎竜軍団侵攻は、ひとまず終息しました。
騎竜軍団は、ヴォルコニア皇太子ミューク=ヴォルコニアが預かり、帰国の途に。『ドラゴン・マスター』ダインは逮捕・拘禁されたのです。
私達も、サーモンド王国王城へ帰りました。
先ずは大歓迎!
何せ城壁から、銀色に輝く翼で天駈ける私の姿が丸見えだった事もあり、
「『光神竜姫』様!ありがとうございました!!」
と大合唱!
本当に凄かったです。
でも、事後処理は大紛糾しました。
ダインは戦争犯罪人です。
「サーモンド王国で身柄を拘束し、裁判の上処刑すべし」
ロディマス王太子が、私の誓願を伝えたところ、やっぱり納得してもらえなかったんです。
「すまない、リスティア嬢。今少し時間をくれないか?」
「本来は、できない口出しです。かえってご迷惑おかけして、本当にごめんなさい」
やっぱり、いらぬ口出しだったのでしょうか?
ひたすら謝る私を、ロディマス様は笑い飛ばしました。
「救国の英雄の、ささやかな希望。いらぬ口出し、ですませたくはないよ。なぁ、ルーク」
「いや、私もすまないとしか言えない立場だ」
ルーク様も苦笑いです。
私達は、ミューク皇太子とも密かに会いました。
「うん。サーモンドの立場としたら、そう言うだろうね。だから、ダインの身柄の引き渡しを要求されたら、我が国としては拒めない。即日引き渡すよ」
「ヴォルコニアの方は? 意見とか?」
「竜帝国だから、竜の姫の言葉は絶対だよ?君はもう、女神に等しいんだ」
うわぁ、考えたくないなぁ?
「だから、公式訪問してほしいんだ、リスティア嬢」
は? ミューク皇太子様? さらっと何言いました?
「あぁ、前向きに検討する」
は? ルーク様? 何故お返事されるのです?
ミューク皇太子と別れて、今後の事前案を考えます。
「それはそうと、さっきの公式訪問? 本当に?」
「あぁ、最悪でも、リンドガイア個別でヴォルコニアと交流を深めたい。ベストは四国同盟。幸い、君は、女神らしいからね」
ちょ? ルーク様?
「話は変わるけど、あの後の『使徒モルド』の足取りが掴めていない。ダインと暗黒竜が合流した後、まるで投げ出したかのように、姿を消した。これだけ用意周到に準備をしたのにも関わらず」
「目的は達成したのかもしれません。戦乱を起こす事、邪魔者の私達を倒す事」
中途半端ではあるのですが、戦争になりました。また、レベッカ達を倒しています。
う~ん、弱いなぁ?
あまり気にしなかったのは、ダインの処遇について、頭がいっぱいだったわけで…。
「『光神竜姫』…、竜語魔法をも唱える『白き聖女』…、くくく、けけけけけけけけけけ!本当にこちらの予想の上を行く!! 困ったものです。どうしたものかな? 」
「これ以上の邪魔は! 何が何でも殺すべきです」
「どうやってです? 毒も魔法も効きそうにありませんが?」
「しかし…」
「レベッカが後を託せる…、『ディロスガイア』をも…、そうですね。この選択肢、どう選びますか?一つ面白そうな手が。くくく、 私は闇に紛れます。あなたは好きに動きなさい」
サーモンド王国王城。
ダイン処刑派が主流の中、ロディマス王太子が私の提案を薦めようと説得中。
「異例な提案なのは承知している。唯リスティア嬢の頼みを無下に断るのもどうかと思う」
「殿下、リスティア嬢は何をさせたいのか? 何をもって世界に貢献させたいのか。直接語る場ができれば、と思うのですが?」
「彼女をここへ、この場へと言いたいのか? サーモンド大公?」
処刑派の一人、王国軍司令官アレス=サーモンド大公が、私と直接話をしたいんだそうです。何てコッタイ?
それはそうと、ヴォルコニアとの終戦・国境制定、各種条約の締結、交流については、それほど紛糾しなかったそうです。長い戦に、流石に厭戦気分が高まっていたみたいで。
なので、ダインの身柄は棚上げし、終戦協定と各種条約の締結が行われました。
で、両国の要望もあり、ルーク様と私も、調印式に参加したのです。
「ミリュー公爵令嬢のおかげで、和平の運びとなりました。サーモンド王国を代表し感謝します」
ロディマス王太子に、深々と頭を下げられました。何か恐縮です。
「ヴォルコニア竜帝国も同じく。貴女は我が国でも『聖女』、いや女神にも等しい存在です」
ミューク皇太子? 女神にも等しい存在って?
「ルーク様? 隠れて笑いましたね?」
肩震えてます。なので、ちょっと睨みます。
「いや? そんな事ないよ、リスティア」
「むぅ、いつもいつも笑顔で誤魔化されませんからね?」
「仲よろしいのですね、うらやましい。ルーク王太子の婚約者でなければ、我が国から縁談が殺到するでしょうね」
ふぇ? 縁談?
「ええ、彼女が私との婚約を受け入れてくれた事、本当に感謝です」
ちょ? ルーク様?
うわぁ、赤くなりますから、止めてください!
先伸ばしになっていた三国交流会。四国にしようという話になりました。ミューク皇太子と数名が参加します。うん、開催できて、本当に良かった。
さあて、サーモンド大公と直談判です。
騎竜軍団は、ヴォルコニア皇太子ミューク=ヴォルコニアが預かり、帰国の途に。『ドラゴン・マスター』ダインは逮捕・拘禁されたのです。
私達も、サーモンド王国王城へ帰りました。
先ずは大歓迎!
何せ城壁から、銀色に輝く翼で天駈ける私の姿が丸見えだった事もあり、
「『光神竜姫』様!ありがとうございました!!」
と大合唱!
本当に凄かったです。
でも、事後処理は大紛糾しました。
ダインは戦争犯罪人です。
「サーモンド王国で身柄を拘束し、裁判の上処刑すべし」
ロディマス王太子が、私の誓願を伝えたところ、やっぱり納得してもらえなかったんです。
「すまない、リスティア嬢。今少し時間をくれないか?」
「本来は、できない口出しです。かえってご迷惑おかけして、本当にごめんなさい」
やっぱり、いらぬ口出しだったのでしょうか?
ひたすら謝る私を、ロディマス様は笑い飛ばしました。
「救国の英雄の、ささやかな希望。いらぬ口出し、ですませたくはないよ。なぁ、ルーク」
「いや、私もすまないとしか言えない立場だ」
ルーク様も苦笑いです。
私達は、ミューク皇太子とも密かに会いました。
「うん。サーモンドの立場としたら、そう言うだろうね。だから、ダインの身柄の引き渡しを要求されたら、我が国としては拒めない。即日引き渡すよ」
「ヴォルコニアの方は? 意見とか?」
「竜帝国だから、竜の姫の言葉は絶対だよ?君はもう、女神に等しいんだ」
うわぁ、考えたくないなぁ?
「だから、公式訪問してほしいんだ、リスティア嬢」
は? ミューク皇太子様? さらっと何言いました?
「あぁ、前向きに検討する」
は? ルーク様? 何故お返事されるのです?
ミューク皇太子と別れて、今後の事前案を考えます。
「それはそうと、さっきの公式訪問? 本当に?」
「あぁ、最悪でも、リンドガイア個別でヴォルコニアと交流を深めたい。ベストは四国同盟。幸い、君は、女神らしいからね」
ちょ? ルーク様?
「話は変わるけど、あの後の『使徒モルド』の足取りが掴めていない。ダインと暗黒竜が合流した後、まるで投げ出したかのように、姿を消した。これだけ用意周到に準備をしたのにも関わらず」
「目的は達成したのかもしれません。戦乱を起こす事、邪魔者の私達を倒す事」
中途半端ではあるのですが、戦争になりました。また、レベッカ達を倒しています。
う~ん、弱いなぁ?
あまり気にしなかったのは、ダインの処遇について、頭がいっぱいだったわけで…。
「『光神竜姫』…、竜語魔法をも唱える『白き聖女』…、くくく、けけけけけけけけけけ!本当にこちらの予想の上を行く!! 困ったものです。どうしたものかな? 」
「これ以上の邪魔は! 何が何でも殺すべきです」
「どうやってです? 毒も魔法も効きそうにありませんが?」
「しかし…」
「レベッカが後を託せる…、『ディロスガイア』をも…、そうですね。この選択肢、どう選びますか?一つ面白そうな手が。くくく、 私は闇に紛れます。あなたは好きに動きなさい」
サーモンド王国王城。
ダイン処刑派が主流の中、ロディマス王太子が私の提案を薦めようと説得中。
「異例な提案なのは承知している。唯リスティア嬢の頼みを無下に断るのもどうかと思う」
「殿下、リスティア嬢は何をさせたいのか? 何をもって世界に貢献させたいのか。直接語る場ができれば、と思うのですが?」
「彼女をここへ、この場へと言いたいのか? サーモンド大公?」
処刑派の一人、王国軍司令官アレス=サーモンド大公が、私と直接話をしたいんだそうです。何てコッタイ?
それはそうと、ヴォルコニアとの終戦・国境制定、各種条約の締結、交流については、それほど紛糾しなかったそうです。長い戦に、流石に厭戦気分が高まっていたみたいで。
なので、ダインの身柄は棚上げし、終戦協定と各種条約の締結が行われました。
で、両国の要望もあり、ルーク様と私も、調印式に参加したのです。
「ミリュー公爵令嬢のおかげで、和平の運びとなりました。サーモンド王国を代表し感謝します」
ロディマス王太子に、深々と頭を下げられました。何か恐縮です。
「ヴォルコニア竜帝国も同じく。貴女は我が国でも『聖女』、いや女神にも等しい存在です」
ミューク皇太子? 女神にも等しい存在って?
「ルーク様? 隠れて笑いましたね?」
肩震えてます。なので、ちょっと睨みます。
「いや? そんな事ないよ、リスティア」
「むぅ、いつもいつも笑顔で誤魔化されませんからね?」
「仲よろしいのですね、うらやましい。ルーク王太子の婚約者でなければ、我が国から縁談が殺到するでしょうね」
ふぇ? 縁談?
「ええ、彼女が私との婚約を受け入れてくれた事、本当に感謝です」
ちょ? ルーク様?
うわぁ、赤くなりますから、止めてください!
先伸ばしになっていた三国交流会。四国にしようという話になりました。ミューク皇太子と数名が参加します。うん、開催できて、本当に良かった。
さあて、サーモンド大公と直談判です。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,897
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる